ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」52回「おらの大失恋」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】52回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は失恋の痛手から立ち直り、お座敷列車イベントへの参加を決める。すると、アキとユイ(橋本愛)のユニット「潮騒のメモリーズ」を目当てに、観光客が殺到。地元テレビ局の取材も入り、北三陸駅は盛り上がる。しかし、約束の時間になっても、ユイが現れない。昨日、水口(松田龍平)の謎の電話を、ユイはこっそり聞いてしまったのだ。その電話の内容とは?! 時間が迫るなか、果たして、ユイは現れるのか?

52回ネタバレ

北三陸駅

「一番列車出発まで もう間もなくです。」

<北三陸鉄道リアス線 開通25周年記念イベントが とうとう始まろうとしています>

ご覧下さい 発車2時間前で この長蛇の列。 残り少ないチケットを求める 熱狂的なファンが押しかけました。 それもそのはず この お座敷列車はですね 番組でも度々取り上げてきた 北三陸のアイドル! ミス北鉄のユイちゃん そして 海女のアキちゃんの ファンの集いでもあるんです!」

福田「2日前に 海女のアキちゃんが 体調不良で 今日のイベント 中止になってしまうんじゃないかなんて 噂も ささやかれてたんですが 見事回復! 元気な姿を 今日は見せてくれるそうです!」

吉田「あ!」

福田「こちら名物駅長の 大向大吉さんです。」

大吉「もうね あの こんなに大勢の人にね この北三陸 北鉄に 乗ってもらえるなんてね。 25年間やってきて 本当によかったです!」

(歓声)

福田「限定30食のウニ丼を 今日は 300食 出荷するという事で 袖が浜の奥様たちも 駆り出されています。」

夏「ああ そんなウニ入れたら 足んなくなるべ!」

福田「実は アキちゃん 学業に専念するため この日を最後に 卒業を発表しているんです。 いました 海女のアキちゃんです。」

アキ「卒業つっても 北三陸さいるし 夏んなれば 海女として 海さ潜ります。 ただ こうやって テレビ出たり ユイちゃんと歌ったりするのは 今日が最後です。 普通の高校生に戻ります。」

池田「はい 一旦止めます! 見切れがひどいけど 大丈夫か? ま いいや。 じゃあ あとは ユイちゃん 来てからにしましょうか。」

<ユイが来ません。 集合時間を 過ぎても 連絡すらないのです>

ヒロシ「何やってんだよ あいつ! すいません 本当に。」

池田「いやいや まだ 2時間ありますから。」

<一体 何があったのか? 話を昨日の午後に戻します>

北三陸駅

水口「明日9時からです。 一応 席はキープしてありますんで 太巻さんにも そうお伝え下さい。 僕も ビデオ回すんで送りますよ。」

観光協会

栗原「ちょっと!」

ヒロシ「え? おい何だよ いきなり! ノックぐらいしろよ お前!」

栗原「見でくれた? 外の看板。 お兄ちゃん寝ないで 描いたんだよ。」

ユイ「PC!」

ヒロシ「え? PCが何だよ?『PC貸して下さい』だろ お前。 ここ職場だぞ お前。」

ユイ「もう 見ないで!」

<荒巻太一 49歳 芸能界では 太巻の愛称で呼ばれる その筋では有名な プロデューサー… だそうです。 年寄りには サッパリ分かりません>

回想

水口「一応 席は キープしてありますんで 太巻さんにも そうお伝え下さい。」

観光協会

菅原「太巻って 太巻きの事かな?」

栗原「はい おいしい太巻きの 作り方とか そんなの見てたよね。」

菅原「太巻きが ものすごく 食べたかったのかな。」

栗原「究極の太巻きを 探す旅に 出たのかしら。」

ヒロシ「あいつ そこまで 食べ物に 執着する奴だったかな?」

吉田「で? お二人は つぎあってるんですか?」

ヒロシ「ん? それは今…。」

池田「どうでもいいよ! そんなの!」

栗原「どうでもよくは… ない。」

池田「8時過ぎたよ。 1時間切ったよ。 どこ行ったんだ? ユイちゃんよ。 ユイちゃん いなきゃ 番組 成立しねえんだよ。」

栗原「すいません。」

吉田「同じ人間とは 思えねえ。」

菅原「ああいうタイプが 一番 怖(こえ)えんだよ。」

池田「ああ?」

トシちゃん似の男「あの。 どうもです!」

池田「関係者以外 立ち入り禁止! どうなってんの? ユイちゃんはよ!」

ヒロシ「家は とっくに出てるんですけど。」

吉田「昨日は 2人一緒だったんだよね。」

アキ「んだ スナックで 最後の練習して『明日頑張っぺ』って 一緒に 7時半の電車に乗って 帰りました。」

ヒロシ「特に 変わった様子もなく?」

アキ「う~ん。 あ!」

ヒロシ「何 何?」

アキ「潮騒のメモリーズの 決めポーズを考えたんだ。 せ~の! 潮騒のメモリーズ! です!」

ヒロシ「特に 変わった様子は なかったんだね!」

アキ「はい。」

ヒロシ「あ…。 ちょ…。」

池田「一回 表出ようか。」

ヒロシ「もうちょっと 待ちましょう。」

池田「個人的に話したい事が。」

アキ「何だよ?」

北三陸駅

「ユイちゃん!」

福田「たった今 改札がオープンしました! お座敷列車の 乗車券をゲットした ラッキーなお客様が 我先にと 列車に乗り込んでいます! 押さないで!」

観光協会

池田「あ~あ 発車まで あと10分しかないわ! どうする? 誰か助っ人呼ぶ?」

功「いや ホント申し訳ない 菅原君。 6時にはね 車に乗せて 駅まで送ってったから もう てっきり着いてると思って。」

池田「まさか ドタキャンするとはねえ。」

よしえ「そういう無責任な事を する子じゃないんです。」

大吉「来た!?」

池田「来ないよ!」

大吉「どうする? 発車準備 整っちゃったけど やめる?」

吉田「やめるて? 駅長 落ち着いて。」

大吉「何かもうさ あんなに人が 集まってくれたらさ 何か やめても いいがなっていうか 走っても 走んなくても お祭りじゃん ハハハ!」

吉田「完全の 躁状態ですね。」

菅原「黒字は確定してるいるからね。 黒字ハイだね。」

栗原「やめだら チケット払い戻しですよ。」

大吉「なぬ?」

吉田「そご 何なんだ さっきから クネクネして あんだ誰?」

トシちゃん似の男「田原俊彦です!」

吉田「あ? 何 言ってるか 全然分かんねえ!」

北三陸駅

福田「あ 来ました! 北三陸名物の ウニ丼が! たった今 到着しました! さあ 私も中に 入り込んでみたいと思います。 さあ 暖簾を開けると。」

(歓声)

福田「皆さん おはようございま~す! はい! え~ こちら かなり早くから 2人を 追いかけてきたという アイドル研究家の え~ 地響さん。」

ヒビキ「惜しい! 地は要らない。 あとね 厳密に言うと 追いかけてたのは ユイちゃんだけ。 俺 ユイちゃん推しだから。」

(歓声)

喫茶・リアス

春子「電話してる。」

大吉「あ…。」

アキ「駄目 出ない。」

春子「どうするアキ! もう少し 待ってみる? それとも もう 中止にしてもらう?」

大吉「何なら 春ちゃんが 代わりに 乗ってくれてもいいんだけどな。」

春子「この期に及んで 何 適当な事 言ってんのよ。」

アキ「来るよ ユイちゃん。 だって約束したもん。 それまで なんとか一人で頑張る。」

(電話の着信)

アキ「もしもし ユイちゃん?」

ユイ☎『アキちゃん。』

アキ「んだ アキだよ。 今どこ?」

ユイ☎『ごめん。』

アキ「いいよ 謝んなくて。 大丈夫か?」

ユイ☎『うん。」

アキ「ねえ こっち来ない? おいでよ! みんな集まってるよ。」

ユイ☎『アキちゃん びっくりしないで聞いてね。『じぇじぇ』とか言わないで。 あと周りの人に 聞こえないように 気を付けて。 スカウトの人がいるの 間違いかもしれないんだけど 芸能事務所のスカウトの人がいるの。 聞いちゃったの昨日。 その人が電話で 私たち2人の話してたの。』

アキ「何だって?」

ユイ☎『2人ともキャラはいいけど 歌唱力が問題だ」って。』

アキ「ちなみに誰?」

ユイ☎『勉さん。』

アキ「じぇじぇ!」

勉「え? 何 何?」

ユイ☎『その弟子の 水口さん いるでしょう?」

アキ「うん。」

ユイ☎『だから無理。」

アキ「え? ええ? 何 言ってんの?」

ユイ☎『おなか痛い! 無理。』

アキ「ちょっと待ってけろ。 出るから。」

春子「え? 何 何? 何 アキ?」

ユイ☎『自身ないの 失敗する。 怖いの。 楽しむ自身がないの。』

アキ「あんなに練習したのに?」

ユイ☎『ごめん。』

アキ「おらだって怖えよ ユイちゃん。 だけど それ以上に楽しみだ。 覚えてる? こないだユイちゃんに 怒られたべ。『思い出作りじゃねえんだから 真剣にやんねば駄目だ』って。」

回想

ユイ「遊びじゃないんだよ! アキちゃんにとっては 青春の1ページっていうか 高校生活の思い出作りなのかもしれないけど 私のとっては スタート地点だし! 大事なチャンスなんだ! 真剣にやってくんないと 困るんだ!」

回想終了

アキ「だがら ユイちゃんの足 引っ張んねえように 頑張るけど。 だけど おらにとっては 大事な思い出だもん。 だって 今日で最後だもん。 いいべ? ユイちゃんと 電車さ乗って 歌いてえもん。 思い出作ったって いいべ?」

ユイ「うん。」

アキ「じゃあ おいでよ。」

ユイ「うん。」

アキ「今どこ? どれぐらいかかる?」

大吉「いた! アキちゃん!」

アキ「え? じぇじぇじぇじぇ!」

ユイ「ごめんね。」

アキ「ユイちゃん!」

アキ「やる気満々じゃん!」

(笑い声)

アキ「行ぐべ!」

大吉「よし!」

(歓声)

池田「来た来た! 来ました! 来ましたよ!」

福田「ご覧下さい! 北鉄のユイちゃん そして 海女のアキちゃんによる 一日限定のスーパーユニット 潮騒のメモリーズが 29分遅れで ただいま ホームに到着しました。」

お座敷列車

(拍手と歓声)

アキ「ミス北鉄の ユイちゃんです!」

(歓声)

「ユイちゃん かわいい!」

ユイ「海女の アキちゃんです!」

「アキちゃん! かわいいね!」

ユイ「2人合わせて…。」

2人「潮騒のメモリーズです!」

(拍手と歓声)

ユイ「それじゃ 出発…。」

一同「進行!」

春子「トシちゃんですよね?」

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