【 連続テレビ小説「あまちゃん」】54回のネタバレです。
あらすじ
お座敷列車イベントの成功で、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)は、地元では誰もが知る有名人になった。そして、アキは春子(小泉今日子)との約束を守って活動を休止し、いつもの高校生活に戻る。漁協では、さらに観光客を呼び込もうとミーティングが開かれた。アキのユニークなアイデアに、海女クラブ全員が大乗り気! そのアイデアとは…。一方、ユイは謎を秘めた水口(松田龍平)に詰め寄り、その正体を暴こうとする。
54回ネタバレ
北三陸
2009年4月
<アキは 高校3年生になりました>
ユイ『2人合わせて…。」
2人『潮騒のメモリーズです!』
(拍手と歓声)
<お座敷列車の効果で アキとユイちゃんの人気は 更に 絶大なものになっていました。 今や2人は 岩手じゃ 知らない者はいない カリスマ女子高生なのです>
「はい! はい。 ありがとうございます。」
吉田「お次の方!」
「お願いします。」
「え~! じゃあ会えないんですか?」
吉田「もともと 期間限定ユニットだからね。」
「え?」
大吉「ユイちゃんなら 毎週土曜日 1日駅長やってるから 会えるよ。」
「アキちゃんは?」
大吉「アキちゃんは… あ?」
春子「何よ!」
「あ 知ってます! お母さん 芸能活動 反対なんですよね?」
春子「ふん!」
<そうなんです 春子との約束を守り アキはP.R.活動をやめて 普通の女子高生 戻ったのです。 普通科じゃなくて 潜水土木科ですが アキに憧れて 北三陸高校 潜水土木科に 8人の女子生徒が入学しました>
高校
磯野「やっぱり無理だよ! 天野! 女子の前で 授業なんか やった事 ないの!」
アキ「おらも女子だべ!」
磯野「天野なんか 女子だと思った事ねえよ! ずっと 男子校状態だったのに いぎなり8人だよ! 酒飲まねば 無理だよ。」
アキ「大丈夫 先生 意外と女子受けいいから。」
磯野「ホントに? 臭いとか キモいとか 言わない? キャラ変えるんだったら 今なんだからね!」
アキ「とりあえず オネエキャラはNGだ。」
磯野「言うよね~!」
磯野「おす! おら担任に磯野。 いっそんて 呼んでけろ。 いっそんだ!」
新入生「アキちゃんだ!」
(騒ぐ声)
アキ「あの 席に着いて下さい!」
新入生「あ! ゴキブリ!」
アキ「じぇじぇ!」
新入生「やばい じぇじぇ! 出た!」
新入生「キャラじゃないんだ!」
新入生「ホントに じぇじぇ!って 言うんだ。 ウケる!」
<そのころ ユイは>
北三陸駅
ユイ「ありがとうございます。」
「サイン 下さい!」
「サイン お願いします!」
「ありがとうございます。」
ユイ「ありがとうございます。」
「握手 お願いします!」
ユイ「あ… ありがとうございます。」
回想
水口「一応 席はキープして ありますんで 太巻さんにも そうお伝え下さい。」
回想終了
天野家
アキ「ふとまき?」
ユイ「そう この人。」
アキ「『芸能プロダクション【ハートフル】代表取締役 荒巻太一氏。 昨年は アイドルグループ アメ横女学園芸能コースを 世に送り出し 自ら作詞したデビュー曲 【涙目セプテンバー】は 60万枚のセールスを記録』」
アキ「『セカンドシングル【空回りオクトーバー】の カップリング【肌寒いノーベンバー】は ドラマの主題歌にもんなり【暦の上ではディセンバー】で 初のミリオンを達成…』。」
ユイ「全部読むの? 全部読まなくても ピンとくるでしょ?」
アキ「何が?」
ユイ「水口さんが なぜ 太巻さんの 名前を口にしたのか。」
アキ「分がんねえ。」
ユイ「スカウトマンだからよ!」
アキ「スカウトマン?」
ユイ「そう。 荒巻太一の事務所は社員 私たちをスカウトしに来たのよ。」
アキ「いやいや。 あの人は 勉さんの弟子の 琥珀マニアだべ。」
ユイ「その設定自体が 怪しいじゃん。」
アキ「勉さんの?」
ユイ「勉さんは 琥珀掘ってりゃいいのよ。 水口さんよ。 私たちに近づくために 勉さんを利用したんじゃない?」
アキ「エヘヘ! そんなバカな。」
ユイ「あの人 こんなふうにも 言ってたよ。『まあ 2人ともキャラはいいので 問題は歌ですね 歌唱力が』。」
アキ「そりゃ怪しすぎっぺ!」
ユイ「でしょでしょ? どうする?」
アキ「どうもしねえ。」
ユイ「え?」
アキ「もし水口さんが スカウトマンだとしても おらには 関係ねえ。」
ユイ「そっか。 お座敷列車で 引退したんだもんね。」
アキ「海女は続ける。 今年の夏は 海女に専念する。」
ユイ「もったいないと 思わない?」
アキ「もともと おら 芸能界だの アイドルだの興味ねえがら。 でも。」
ユイ「何?」
アキ「楽しかったな!」
回想
♬『来てよ その火を 飛び越えて』
<それは アキにとっても すてきな思い出でした。 歌って踊って 拍手と歓声に包まれた事 全てひっくるめて 忘れられない出来事でした>
回想終了
♬『波打ち際のマーメイド 早生まれの マーメイド』
漁協
花巻「『潮騒のメモリー』のメモリーだな。」
アキ「え?」
花巻「何でもねえ。 まめぶ汁食え。」
アキ「みんな何してんの?」
夏「はよ こっち来い! 海女クラブのミーティングだ。」
アキ「ミーティング?」
夏「うん。」
かつ枝「あのな 素朴で愛嬌たっぷりの おばちゃんたちが 酒の力借りて どす黒い欲望をさらけ出す会合さ。」
(笑い声)
弥生「かなり 下世話な話もするが いるならいろ! な!」
アキ「はい! …つううか。」
水口「あ お邪魔してます。」
美寿々「彼はいいべ? 無口だし 琥珀にしか興味ねえから。」
夏「いいんでんえか?」
かつ枝「いいか! とにかくな 今年の夏は 空前の海女ブームが到来すると おら 踏んでる訳よ。」
美寿々「またまた! かつ枝さん 大げさな!」
かつ枝「いやいや 大げさでんねえ。 あのなアキがテレビさ出た おかげで 予約申し込みの電話が一日20件は くるべ!」
一同「わ~!」
長内「4月の段階では 異常だべ!」
花巻「旅行代理店からも ツアー組みてえって 問い合わせあった。『海女と北鉄と まめぶと 琥珀と 発泡酒と私』みてえなツアーだと。」
長内「琥珀は恐らく言ってねえが 注目されてる事は 事実だべ。 夏ばっぱ!」
夏「ん?」
長内「いっときブームに 終わらせないためにも 観光名所として 恥ずかしくない 設備投資を!」
夏「確かに いつまでも ウニ1個 500円で浮かれてたら 海女の未来は ねえべ。」
長内「うん そのとおり!」
夏「去年の夏も お客増えたっていうのに おらたちの取り分は なんぼ取っても 変わんねえ!」
かつ枝「んだ んだ!」
長内「ちょっと 論点ずれてきたど!」
弥生「ウニ1個につき 漁協さ200円 観光協会さ 200円も取られたら やってらんねえ!」
かつ枝「あ~!」
水口「それ 搾取し過ぎでしょう。」
美寿々「こっちはな 命懸けで潜ってんだ! 100円じゃ やってらんない!」
弥生「不正だ! 絶対不正だ!」
花巻「本性 出てきたぞ!」
長内「いやいやいやいやいや! 海女クラブの維持費も 運営費も そごから 出てる訳だがらね!」
弥生「ウニの値段を 高くするか おらたちの 取り分ば 増やすか 二つに一つだ このずるむけじじい!」
長内「いやいやいや! あの ちょっと これはな 観光協会に相談せねば! かつ枝 かつ枝!」
かつ枝「いやいやいや! あのな 海女の稼ぎはな 海女クラブに 還元すべきだべ!」
弥生「まず 金の流れを明確に 儲け話は それからだ!」
夏「アキ アキ! おめえ どう思う?」
アキ「どうって おら まだ一個しか 取ってねえし。」
水口「え?」
美寿々「そうなの 夏の終わりに 一個取ったきりなの。」
水口「あ だから あんなに 喜んでたんだ。」
回想
アキ『やった~! 取れた!』。
回想終了
弥生「去年の年収 100円だもんな。」
(笑い声)
アキ「陸さいて みんなが潜ってるの 見てる方が多がった。 それで思ったんだが 海女さんが潜ってる間 お客さんが くつろげる場所が あったらいいなって。」
一同「ん?」
アキ「待ってる間 意外と暇だべ! だがら ほかに何か 食べる物売ったり。」
夏「あ それいい! 海の家みてえなもんか?」
アキ「海の家でもいいが それだと 夏の間だけしか 営業できねえから。」
夏「う~ん。」
アキ「カフェ?」
かつ枝「あら?」
アキ「んだ! 海の見える 眺めのいいカフェがあったら 夏場だけでなく 冬場も カップルが来るべ! いぐねえ? 海女カフェ いいべ!」
かつ枝「カフェか?」
夏「いやいや! 下唇かまねえどな。 カ… フェ!」
観光協会
菅原「はい アキちゃん?」
花巻「これ みんなさ回せ!」
菅原「え? 何だろ? ん?」
アキ「袖が浜に 海女クラブが運営する 海女カフェを造りましょう。」
かつ枝「んだ!」
菅原「カ… カフェ?」
弥生「んだ! ほれほれ! ほれほれ! よしよし!」
かつ枝「 あ いけ いけ いけ! いけ~!」
アキ「わ~!」
かつ枝「お~!」
大吉「いやいや ちょっと ちょっと! そんな簡単にね 作りましょうって言うけど アキちゃん 現実的に金が。」
かつ枝「何言ってんだ? いいか! アキど ユイちゃんの 人気で儲けた金は 半分は 北鉄のもんだが 半分は 海女クラブのもんだべ!」
弥生「んだ んだ! んだ んだ!」
美寿々「ミサンガだって売れてんだべ?」
弥生「なんぼ儲かった?」
菅原「いや。」
弥生「おい 大吉! あ!」
大吉「いや 夏ばっぱ。」
夏「夏までに 何らかの回答がなければ 今年は 潜んねえぞ!」
弥生 美寿々「んだ! んだ んだ!」
菅原「来た 切り札! 海女のストライキだよ これ。」
一同「海女カフェ! 海女カフェ!」
アキ「海女カフェ! 海女カフェ!」
喫茶・リアス
ユイ「アキちゃんは?」
春子「ああ きょうはね 観光協会。」
水口「海女カフェ 造るんだってさ。」
回想
水口「いや 母親のガードが堅くて。 ええ なまってる子…。」
回想終了
春子「ホントに お座敷列車 終わったばっかりなのに 落ち着かない子だわね。 ユイちゃんも 大変だよね。」
ユイ「え?」
春子「相変わらず すごい人気じゃん。」
ユイ「ああ…。 でも 今だけですから。」
春子「今だけ?」
ユイ「こんな へんぴな町の しかも 現役女子高生っていう 希少価値込みの 人気ですから。 東京行ったら 私くらいのレベル ザラにいますから。」
春子「ユイちゃん どうした?」
ユイ「別に。 …ていうか 何なんですか? こないだから隠れて こそこそ写真撮ったり 急に話しかけたり! 何が 目的なんですか?」
<水口琢磨 32歳 おとめ座。 この男の存在が その後の アキとユイの運命を 左右する事を まだ誰も知りません>