ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」57回「おら、スカウトされる!?」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】57回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、完成した海女カフェを、いち早く春子(小泉今日子)に見てもらう。春子も、その出来栄えに感心する。そして、ユイ(橋本愛)のリポートでテレビでも紹介され、海女カフェは連日大盛況。そんな折、アキは、勉(塩見三省)から、ユイがひそかに琥珀(こはく)の坑道に出入りしていることを聞く。気になって坑道に行ったアキが、そこで見たものは…?!

57回ネタバレ

北三陸駅

春子「アキ? 行くよ。」

2008年 夏

<アキは この北三陸に やって来ました>

<それから ちょうど1年後>

2009年7月1日

♬~(『いつでも夢を』)

夏「おっ いい天気だ!」

アキ「おはよう 夏ばっぱ!」

夏「早(はえ)えな アキ。」

アキ「興奮して眠れなかった!」

(笑い声)

(スピーカー・かつ枝)『あ~ あ~ テスト テスト…。 あ~ 本日は晴天なり』。

アキ「ママは?」

夏「起きる訳ねえべ まだ5時半だぞ。」

アキ「駄目だ。 今日は早く起きるって 約束したんだ。」

(スピーカー・かつ枝)『おはようございます!』。

夏「あ~ おはよう!」

(スピーカー・かつ枝)『本日は 7月1日 袖が浜海岸海開きです!』。

海女カフェ

長内「もう少し もう少し…。」

(スピーカー・かつ枝)『そして 今年は 漁協をリフォームした 海女カフェが オープンします! 7時より 安全祈願のご祈祷 および 餅まきを行いますので 速やかに 海女カフェの前に お集まり下さい』。

天野家

春子「やだ ちょっと 待って…。」

アキ「早ぐ 早ぐ!」

一同「あ~ ヘヘヘッ!」

春子「何 朝から…。」

アキ「お待たせ!」

弥生「よし! 行くべ~!」

一同「オ~!」

<それでは 本日オープンする 海女カフェの店内を ご紹介しましょう>

海女カフェ

一同「いらっしゃいませ!」

春子「おそろいで。」

<まず 入口のドアを開けると フレッシュな新人海女さんが お出迎え。 光あふれるエントランスを進と 広い客席が見えます。 ちなみに 漁協時代は 組合長が油を売っていた場所です>

<南側の壁際には海女写真館。 そして 大小4つの水槽には 珍しいお魚 珍しくないお魚が いっぱい。 ちょっとした 水族館です>

春子「すごいじゃん! キッチンは どこ?」

アキ「あっ こっちだ! ここ! あ~ かわいい かわいい。」

<花巻さんが舌打ちをしながら 捜し物をしていた物置は 厨房になりました。 そこには まめぶ大使の安部ちゃんから 花巻さんに受け継がれた 南部鉄器の鍋が鎮座しています>

夏「ウニ丼20個 並べてけろ!」

2人「は~い。」

夏「早く!」

<厨房の奥は 海女さんたちの憩いの空間。 ここで ミサンガを編んだり どす黒い噂話をいしたりします>

かつ枝「新しいのに変えたって。 インプラントだってよ。」

弥生「30万もするんでないの?」

<かつて 海女さんたちが どす黒い噂話をしていたスペースが お土産コーナーに大変身。 もちろん 海女のミサンガも 絶賛発売中です。>

<エントランスを抜けると 広々とした オープンテラスが  お目見え。 取れたてのウニは 1階のテラス席で食べられます。 フレッシュな新人海女が 目の前で殻を割ってくれます>

アキ「ママ こっち来て!」

<そして 再び フロアへ 目を移してみると… なんという事でしょう! 念願の特設ステージでは ありませんか。 小ぶりながら ミニコンサートや 握手会を行うには 十分なスペースです。 そして 海女カフェの目玉 壁に飾られた 100インチの巨大モニター>

春子「えっ ちょっと待って…。 あれ 美寿々さんじゃないの? 美寿々さんだね! え~ どういう事これ?」

ヒロシ「海底に設置された カメラから送られてくる映像で 海女さんが潜って ウニを取る様子を 実況中継してるんです。」

春子「へえ~!」

ヒロシ「ホントは でっかい水槽を ここに置いて アキちゃんが潜って ウニを取る 様子を見せたかったんですけど 工事費が 半端なく かかるんです。 でも 面白いアイデアだし どうにか 実現できないかなと思って。」

春子「すごいね~。」

アキ「どう?」

春子「どうって… すごいよ! この短期間で よくやったよね。」

アキ「エヘヘッ。」

春子「でも 何か いろいろ思い出しちゃうね。」

アキ「何を?」

春子「去年の夏 ここに来た日の事とか あんたが 夏さんに 海に突き落とされた時の事とかさ いろいろ。」

回想

春子「アキ!」

夏「どうだ?」

アキ「気持ちいい!」

夏「そうか。」

アキ「うん めちゃめちゃ気持ちい!」

夏「やっぱし おらの孫だ。」

春子「アキに変な事教えないで!」

アキ「ママ…。」

春子「あんたも ママが嫌いなものばっかり 好きになんないでよ!」

回想終了

春子「あのころ ママ 冷静じゃなかったしさ ず~っと悩んでた。 ここに あんた連れてきて ホントに よかったのかなって 毎日考えてた。 ママ この町 嫌いだったし…。 まあ 今でも 別に好きじゃないんだけどね。 でも まあ ここは好き。 うん。 海女カフェは好き!」

アキ「やった! ヘヘヘヘッ。」

春子「大体さ 好きとか嫌いとか言うのって よそから来た人間なんだよね。 嫌いだったら アキみたいに 自分が好きなように 変えちゃばいいんだよ 周りを。 ねっ! 変えちゃえばいいんだよね。 それが できるんだから あんた やっぱ すごいわ。 ママが嫌いな場所を 好きに変えちゃったんだから やっぱ すごいわ!」

アキ「ママ… そろそろ むずがゆくなってきた。」

春子「何よ? ああ ふだん あんまり 褒めないもんね。」

アキ「てれくせえ。 褒めるなら いねえとこで褒めてけろ。」

春子「いや~ アキちゃん すごい すごい すごい すごい! やっぱ さすがだ アキちゃん! さすが!」

アキ「もういいよ!」

春子「アハハハッ!」

スピーカー『海女カフェのオープンです!』。

一同「いらっしゃいませ!」

長内「めんこい めんこい!」

菅原「いやいや…。」

2人「じぇじぇじぇじぇ~!」

長内「見てけろ! ようやく間に合ったべ!」

大吉「やりやがったな 組合長!」

長内「今日から おらの事 オーナーと呼んでけれ。 あっ 先生! どうも どうも! どうぞ! こちら 特等席へ!」

功「盛況だね1 駐車場いっぱいだったよ!」

よしえ「これ ホントに うちのヒロシが?」

菅原「そうなんですよ! 海女カフェ担当として プランから 全部関わって なあ 足立君!」

ヒロシ「いらっしゃい。」

功「天野 すごいね。 新名所誕生だよ!」

春子「ホントですね。」

よしえ「みんな こういうの 待ってたのよね。 アキちゃんは?」

春子「何かね まだまだ 褒めたかったんだけど てれて 逃げちゃったの。」

(拍手と歓声)

功「あれ アキちゃん?」

春子「アキです! アキ アキ! すごいね!」

(拍手)

よしえ「今? 今?」

春子「今 今 今! ライブ ライブ!」

<潜水土木科での努力が実を結び アキの潜りは 飛躍的に上達していました>

(拍手と歓声)

喫茶・リアス

アキ「もう始まってる? ユイちゃんの番組!」

美寿々「あっ はいはい。」

ユイ『すごいですね。 さて 取れたてのウニは もちろん ここ 海女カフェならではの メニューも たくさん あるんですよね』。

美寿々「じぇじぇ!」

(笑い声)

ユイ『ここ 北三陸では まめぶ汁が有名なんですが ここでは 7種類のまめぶが 楽しめます。 では こちらは?」

かつ枝『はい かつえおばさんの まめ まめ… まめぶ汁です!』

(笑い声)

ユイ『かつ枝さんが作られたんですね。』

かつ枝『あっ は… すいません。』

ユイ『いや 怒ってないから 謝んなくてもいいですよ。 では こちらは?』

弥生『やよいおばさんの まめぶ汁です。』

ユイ『え~っと かつ枝さんのと比べて 味は?』

弥生『…基本的に同じです。』

ユイ『じゃあ… 花巻さんが作られた まめぶも あるんですよね? どれだろう?』

花巻『つうか 全部 おらが作ってる。 こいつら 何もしねえ。 味見担当だ。』

弥生『すいません!』

ユイ『あっ あと10秒あります。』

弥生♬『私のお墓の前で 泣かないでください』

美寿々「すげえわ これ。 こんなの流していいのか?」

吉田「ある意味 放送事故だべ。」

アキ「何か好評みてえだ このコーナー。」

ユイ『さよなら~!』。

かつ枝『すいません!』。

アキ「すごいじゃん。」

吉田「ビール飲んじゃおっかな~。 まだ 6時前だけど。」

春子「飲んじゃいなよ 夏なんだから。」

吉田「そういえば ビデオ見ました?『潮騒のメモリー』。」

春子「あっ あれ まだ見てない ごめん。 ビール ビール。 アキ ジュースの飲みな。」

美寿々「ねえ 勉さん。 最近 水口君 どうしてる?」

勉「え~っと 今日は…。」

美寿々「今日じゃなくて 最近 ずっとご無沙汰じゃん。 たまには連れてきてよ。」

春子「何 振られだの?」

吉田「がっつき過ぎて 引かれたんじゃないですか?」

美寿々「まだまだ 相撲で言ったら かわいがりの段階だ。」

アキ「やべ! 帰んなきゃ!」

春子「気を付けなさいよ。」

アキ「は~い!」

北三陸駅

勉「アキちゃん!」

アキ「何?」

勉「あの え~っと…。」

アキ「ごめん 勉さん 電車 行っちゃうから。」

勉「最近 ユイちゃんと会ってる?」

アキ「うん。 毎朝 学校までは一緒だ。」

勉「何か 変わった様子ない?」

アキ「いや どうだべ。 お互い忙しくて…。」

勉「そっか…。 実は ユイちゃん 最近 おらの作業場さ 出入りしてるみてえなんだ。」

アキ「じぇじぇ!」

勉「しっ! 見た訳じゃねえよ 見た訳じゃねえんだけど…。 これ…。」

アキ「ユイちゃんの…。」

勉「だべ? トンネルの中で拾ったんだ。」

天野家

夏「悪いな…。 まめぶ汁 温める 気力もねえわ。 体力もな。」

アキ「大丈夫だ。」

回想

水口「まだ 17歳だろ? まだまだ 知らない世界が ある訳じゃんか。 君自身 無限の可能性を 秘めてる訳じゃんか。」

ユイ「スカウトマンだからよ!」

アキ「スカウトマン?」

ユイ「そう 荒巻太一の事務所の社員。 私たちを スカウトしに来たのよ。 私たちに近づくために 勉さんを利用したんじゃない?」

勉「実は ユイちゃん 最近 おらの作業場さ 出入りしてるみてえなんだ。 出入りしてるみてえなんだ。 出入りしてるみてえなんだ。」

回想終了

(電子レンジの音)

<アキが どんな思いで 家を飛び出したのかは 定かではありません。 こう見えて 私は 爆睡していたからです>

坑道

ユイ「お疲れさまです。」

水口「ありがとう。」

アキ「…じぇ! うわっ!」

(スプーンが落ちる音)

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