【 連続テレビ小説「あまちゃん」】58回のネタバレです。
あらすじ
琥珀(こはく)の坑道で、アキ(能年玲奈)は、ユイ(橋本愛)と水口(松田龍平)を見つける。水口は、芸能事務所のスカウトマンだった。ユイは、アイドル目指して、水口と上京するつもりだという。ユイを遠くに感じるアキ。そんな折、アキは、春子(小泉今日子)が持ち帰った古い映画「潮騒のメモリー」のビデオテープを見つける。
58回ネタバレ
天野家
回想
水口「まだ17歳だろ? まだまだ知らない世界が ある訳じゃんか。 君自身 無限の可能性を 秘めてる訳じゃんか。」
ユイ「スカウトマンだからよ!」
アキ「スカウトマン?」
ユイ「そう 荒巻太一の事務所の社員 私たちを スカウトしに来たのよ。 私たちに近づくために 勉さんを利用したんじゃない?」
勉「実は ユイちゃん 最近 おらの作業場さ 出入りしてるみてえなんだ。 出入りしてるみてえなんだ。 出入りしてるみてえなんだ。」
回想終了
(電子レンジの音)
坑道
アキ「あ!」
アキ「じぇじぇ!」
ユイ「勉さん 帰ってきちゃうから早く。」
スナック・梨明日
美寿々「あ~ また留守電。」
勉「作業場は 圏外なんですよ 地下10メートルだから。」
美寿々「あ~ もう! 私と琥珀と どっちが大事よ。」
吉田「どちらも 磨けば光ります。」
美寿々「あ?」
吉田「あれ? 褒めだつもりなんだけど。」
坑道
アキ「あの 水口さんは 何してるんですか?」
水口「穴を掘ってます。」
アキ「穴を掘って何してるんですか?」
水口「この琥珀の地層はね 海岸に沿って まっすぐ 南に延びてるんだ。 だから このまま掘り続ければ 宮古まで 行けるはずなんだよ。」
アキ「え?」
水口「宮古から電車に乗って 俺とユイは 東京へ行く。」
ユイ「冗談だよ。」
アキ「え ああ。 ヘヘヘ!」
水口「うちの荒巻が 上野に劇場を造りまして。」
ユイ「本題入ってるから。」
アキ「あ はい。」
水口「そこに日本全国から アイドルの卵を集めて コンサートや お芝居を上演しつつ アイドルを育成しようという プロジェクトで。」
回想
荒巻「なぜ上野だか 分かりますか? そう 東日本の玄関だからです。 じゃあ 西日本の玄関はどこか? イエス イエス イエス! 品川。」
回想終了
水口「秋には 品川にも劇場を オープンするそうです。」
回想
荒巻「47都道府県の ご当地アイドルを 東と西の玄関に集めて こう… 闘わせる。 ま 闘わなくても いいんですけどね。」
回想終了
水口「それが GMT47計画です。」
アキ「ジー エム ティー。」
ユイ「地元って意味じゃない? ダジャレだよね。」
回想
荒巻「東京は 田舎者のたまり場なんです。 マスに向けて コアを放つ的な。」
荒巻「コアというのは 地元意識ですよね。 1億人の地元意識 東京を舞台に コアを集めて マスを形成するみたいなね。 ま やってみないと 分からないですけどね。 フフ!」
回想終了
ユイ「私たちみたいな ご当地アイドルって 全国にいるんだって。」
水口「ええ。 それらを47都道府県から 東京に集めて 国民的アイドルグループを 作るために 僕は 派遣されたんです。」
アキ「へえ~ …って じゃ ホントに業界の人なんですか?」
ユイ「そこに戻る?」
アキ「勉さんの弟子じゃないんですか?」
水口「バレなきゃ そうですね。」
アキ「バレなきゃ?」
水口「バレちゃったから。 いいんだけどね 全くバレないのも 問題なんだよ。 ずっと琥珀掘ってなきゃ いけないし。」
アキ「何で 嘘つくんですか?」
水口「理由は いろいろあるんだけど 君の お母さんの歌を 聴いたから。」
アキ「え?」
回想
春子♬『潮騒のメモリー 17才は 寄せては 返す 波のように 激しく』
回想終了
水口「驚きました。 あんな場末なスナックで 聴く歌じゃない。 うまい下手じゃなくて 説得力というか 本物感があった。」
アキ「まあな。 いたのか? あん時。」
水口「歌手を目指してたんでしょ? ああいうタイプって 我々からすると面倒なのよ。 なまじ業界の事を知ってると ガード堅いし だから慎重に 少しずつ お店の空気になじんで お座敷列車が あったじゃん?」
回想
♬「潮騒のメモリー 17才は 寄せては 返す 波のように』
回想終了
水口「あれを 東京のスタッフに見てもらって ゴーが出て それで いよいよ 交渉しようってやさきに。」
回想
ユイ「デビューしたいんです! 東京行って アイドルになりたいんです。」
回想終了
水口「…っていう流れで。」
アキ「へえ~! …っていうか 何してるんですか? こんな暗闇に ユイちゃん連れ込んで!」
ユイ「相談に 乗ってもらってたの。 最短距離で 夢を実現する方法を 一緒に考えてもらったり 夕方のテレビに 出るようになったのも 水口さんの アドバイスなんだ。 もうすぐ 18じゃん? 決して若くないし 顔と名前 覚えてもらった方がいいって。」
水口「まあ 2人とも いいキャラだし 本当は 君も東京に 連れていきたいんだけど 何か忙しそうだし 興味ないんじゃね。」
<ユイちゃんと 2人で東京へ。 アキには 想像すらできない事でした>
スナック・梨明日
美寿々「じゃあ お先に。」
春子「お疲れさま! 気を付けてね。 さ~て。 私も もう出れるからさ 車回してきてよ。」
大吉「もう一杯飲みなよ おごるよ。」
春子「マジで? そう…。 じゃ 頂いちゃおうかな。 ヘヘヘ! よいしょ。」
大吉「臨時列車 出せる事になったよ。」
春子「うん。」
大吉「海女カフェのおかげで また乗客が増えたんで 夏の間だけ 30分置きに 運行する事になった。」
春子「へえ~ すごいじゃん! こないだまで 廃線って騒いでたのにね。」
大吉「春ちゃんの おかげだよ。」
春子「ハハ! 何もしてないよ私は。 全部 アキとユイちゃんの おかげでしょ?」
大吉「きっかけを つくったのは 春ちゃんだべ。」
春子「そうかな。」
大吉「春ちゃんが 帰ってきてくれたおかげで 町が動き出したと 俺は思ってる。 だから 感謝してる。 ありがとう。」
春子「まあ 私も 随分変わったでしょ?」
大吉「え?」
春子「去年の今頃はさ 話し相手も 居場所もなくて いっつも イライラしてた。 今もイライラは するんですけどね。 でも何かこう 昔のダサかった 自分が嫌いで 嫌いな自分がいた この場所が嫌いで イライラしてたの。」
春子「だから 前の前にいる人とか 海とかさ 景色とかさ 見えてなかったんだよね。 でも最近は 思い出さなくなってきたよ 昔の事。 目の前の事で いっぱい いっぱいでさ。 何か毎日 何かあるじゃん。 イライラを ぶつける相手もいるし こことか うちとか 居場所もあるし 何か 景色も変わった気がする。」
大吉「アキちゃんの おかげだな。」
春子「うん! そうだね。 でも アキも 夏さんに会うまでは 暗い子だったからね。」
大吉「じゃあ 夏ばっぱか?」
春子「何だかんだ言って すごい人ですよ 夏さんは。 うん。」
天野家
(犬のほえる声)
回想
水口「本当は君も 東京に 連れていきたいんだけど 何か忙しそうだし 興味ないんじゃね。
アキ「私 海女さん やりたい!」
夏「はあ!」
夏「しゃっこいとか 足が着ぐとか 着がねえとか 考える暇 ねがったべ?」
アキ「フフフ!」
夏「そんなもんさ 飛び込むめえに あれこれ考えたってや どうせ そのとおりには なんねえ! だったら 何も考えずの飛び込め! なんとかなるもんだびゃ! 死にてくねえからな。 ハハハハ!」
<やっぱりアキは ここが好きです。 ここの海や人や 景色が好きです>
(歓声)
弥生「やった~! 取った~!」
アキ「じぇじぇじぇ!」
<やっぱり無理だ ここを離れるなんて>
天野家
春子「ただいま。」
(いびき)
アキ「あ お帰り。」
春子「ただいま。 あんたさ おばあちゃんに 似てきたね。」
アキ「え?」
春子「目 開いたまま寝てたよ。」
アキ「じぇじぇ!」
春子「将来は あれだね。 アキばっぱだね。」
春子「ねえ 先にお風呂入っていい?」
アキ「どうぞ!」
春子「お先に。」
(電話の着信)
アキ「もしもし!」
海女カフェ
ユイ「アキちゃん? ごめんね こんな遅くに。」
天野家
アキ「うん。」
海女カフェ
ユイ「あのさ 今 カフェにいるんだけど 会えない?」
天野家
アキ「え?」
海女カフェ
ユイ「大事な話があるの。」