ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」5回「おら、この海が好きだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】5回のネタバレです。

あらすじ

夏(宮本信子)の手伝いで、ウニ丼の車内販売をしていたアキ(能年玲奈)は、足立ユイ(橋本愛)と出会う。同じ高校2年生ながら、独特の雰囲気を持つユイにひかれるアキ。一方、パチンコ屋では、母・春子(小泉今日子)が、ユイの兄・ヒロシ(小池徹平)と出会っていた。ヒロシは東京で就職したものの、すぐに辞めて北三陸に戻り、今は漁港の監視小屋でアルバイトをしていた。そこでアキの思わぬ姿を目撃してしまったヒロシは…。

5回ネタバレ

北鉄

<その少女は 畑野駅から乗ってきました>

夏「ありゃあ 畑野のユイちゃんが。」

ユイ「ああ リアスのおばさん おはよう。」

夏「早えな 学校が?」

ユイ「終業式なんです。」

アキ「なまってねえ。」

夏「あっ これ おらの孫だ。 東京から遊びに来てんど。」

「すいませ~ん!」

夏「は~いはい!」

ユイ「高校生?」

アキ「んだ。 2人生だ。」

ユイ「フフフッ なまってる。」

アキ「じぇじぇ。」

ユイ「私も高2。 よろしくね。」

<後に2人が お互いにとって 掛けがえのない存在になろうとは 本人たちも知らなかったのです>

喫茶・リアス

大吉「ユイの親父さんは 地元の名士なんだ。 もともと 北三陸高校の先生で 俺や 春ちゃんの担任で…。」

アキ「議員さん。」

あつし「だから 北鉄も 観光協会も 足立さんに 頭 上がんねえんだ。」

アキ「随分 おじいちゃんだね。」

かつ枝「遅ぐに結婚したかな。」

あつし「ああ 確か ほれ 盛岡の大学さ 行ってる 兄貴 いたべ。」

弥生「いやいや 今年 東京のホテルさ就職したんだ。」

大吉「それが 辞めて 帰ってきたんだじゃ。」

一同「じぇじぇ!」

大吉「まあ 詳しい事情は分かんねえけど 今 完全に無職で 家さ 居づらくて パチンコ屋さ 入り浸ってるらしい。」

かつ枝「まあ パチンコ屋に 入り浸ってんのは もう一人 いるけんどな。」

パチンコ屋

春子「よく会うね。 あんた 仕事は?」

ヒロシ「あっ 今日から 形だけ バイト始めました。」

春子「形だけ?」

ヒロシ「漁港のの上の監視小屋 分かります? 密漁船とか見張って 一日5,000円。」

春子「今は休憩中?」

ヒロシ「抜け出してきました。」

春子「駄目じゃん。」

喫茶・リアス

弥生「24年ぶりか~ 春ちゃん 帰ってきて。 大吉っつぁん あのあど うまくいっでんのかい?」

大吉「う~ん…。」

回想

大吉「待ってたんだべ。」

春子「え?」

大吉「春ちゃんが帰ってくるの ずっと待ってたんだべ。」

回想終了

大吉「まあ こっちの気持ちは伝えだ。」

弥生「そんで そんで? 春ちゃんは?」

回想

春子「大吉さん…。」

大吉「え?」

春子「電車来る。 電車来る! 時間! 電車来る 電車来る! 危ない!」

回想終了

大吉「まんざらでもねえって感じだっだ。」

弥生「でかしたぞ! でかしたぞ 大吉!」

かつ枝「春ちゃんが潜ってくれだら これ以上 明るいニュースは ねえもんな!」

大吉「あっ! そっちの話か…。」

一同「うん?」

アキ「ママが? 海女さんになるの?」

かつ枝「なってくれだら まんず 後継者不足も解消するべって話。 なっ?」

弥生「若い連中が 春ちゃんのフォ…。 フォ… フォ… フォ…。」

大吉「フォロワー?」

弥生「フォロワーが ついてくれたら 言う事なしだべ!」

あつし「いや 確かにな~ これ。 客を集めるには これ 海女の若返りは必要だべなあ。」

アキ「そんなに お客さん来ないの?」

安部「これから潜ります! 美寿々さん ちょっと待っで!」

かつ枝『若手つったって 美寿々だって 50だべ。 若え頃はな 東京から追っかけが 来るぐらいの 人気者だったけんど 一時休業して 復帰してからは 冷え性で…。』

老父「おかあさん おかあさん 海女さんが来たよ。」

美寿々「しゃっこい しゃっこい…。 取れたてのウニ… 来ました。」

老父「うわ~ おいしそう!」

美寿々「あ~ しゃっこい しゃっこい!」

老父「もう おなか いっぱい!」

安部「えっ?」

老婦「あの この人 ウニは お医者さんに 止められてるんですよ。 痛風で。」

老父「ええ そんなんですよ。」

安部「じゃあ まめぶ汁でも!」

老父「どうも ありがとうございます。」

老婦「おとうさん…。」

喫茶・リアス

弥生「最年少の安部ちゃんも 漁協と掛け持ちで 頑張っちゃいるが いかんせん 地味だ。 だが どうせなら 若者に バトを渡してから 引退してえ!」

かつ枝「ここで 辞めだら 北の海女は絶滅する!」

弥生「あ~ 悔しい~! 酒けろ! 酒! あど ピス… ピスピス…。 ピス! ピスピス…。 ピストル?」

大吉「ピスタチオだべ! 弥生さん 今日は どうした? いつもは もうちょっと しゃべれるべ!」

弥生「あ~!」

勉「琥珀は どうだ? 海女と違って 年取らねえ。 もどもど 8,500万年前の 樹液の化石だからな…。」

大吉「勉さん みんな 真面目に考えて 意見言ってんだ。」

勉「おらだって 真面目に琥珀を…。」

大吉「琥珀の時代は来る! 勉さん 琥珀も必ず来るから 待ってろ! 8,500万年も待ったんだがら あと2~3年 待てるべ!」

勉「はい。」

大吉「…ったく。」

<大人たちの話を聞いて アキは これが 過疎の町の実態なんだと 改めて感じました>

<そんな 過疎の町を なんとかするために アキの母親は呼び戻されたのです>

<みんな 必死なんだ。 きれいな海や おいしいウニ かわいい電車。 それだけじゃ 人は生きていけない>

<それでも アキは ここが好き。 ここにいる自分が 好きです>

天野家

春子「お母さん。 夏さん。」

夏「今 何時だ?」

春子「3時。」

夏「もうちょっと 寝かせてけろ。」

春子「今日 アキが帰ってきたら 東京に帰るか ここに残るか 決めてもらうつもりです。 アキは 残りたいって 言うと思います。 それくらい あなたに懐いてます。 もちろん 無理やり 連れて帰る事だって できます。」

春子「でも… 果たして それが あの子のためなのか。 親としては 考えてしますんです。 東京での あの子は 感情を表に出さない 内気な子なんですよ。 殻の閉じ籠もって 家族にも友達にも心を開かない。」

春子「『うんめえ!』とか『かっけえ!』とか『じえじぇじぇ!』とか 絶対 言わない子なんですよ。 どっちの 本来のアキなのか 分かんないけど…。」

春子「あの子には ここが 合ってるような気がするんです。 だから せめて 夏休みが終わるまで ここに いさせてあげようかなと思って。 お母さん…。 夏さん! 聞いてよ。」

夏「おめえさんは どうなんだ?」

春子「え?」

夏「東京と ここど どっちが好きだ?」

春子「そんなの決まってるじゃん。」

夏「どっちだ?」

春子「東京に決まってるじゃん。」

夏「…つう事は 東京にいる時の おめえは 本来の おめえなのが? おら 東京さ行った事もねえ。 ここさ生まれて 64年 こごがら 一歩も出た事ねえ。 袖が浜と北三陸の町以外 何も知らね。 だけど… ここが 一番いいっていう事だけは 知ってる。」

夏「間違いねえ。 その土地を おめえが捨てたんだど。 まあいいさ 来る者は拒まず 去る者は追わずだ。 アキは今 自分で変わろうとしてっど。」

夏「変わらなくちゃなんねえのは むしろ 春子 おめえさんの方でねえの?」

監視小屋

ヒロシ「あれ?」

ヒロシ「あれ? あれあれ あれあれ あれ?」

灯台

アキ「いやいやいや 服もぬれちゃうし パンツも…。 怖え!」

アキ「心の声『地味で暗くて 向上心も協調性も…。』」

回想

春子「地味で暗くて 向上心も協調性も 存在感も 個性も 華もない! 何か パッとしない子に なっちゃったんじゃないの!」

回想終了

アキ「…違う。 違うもん!」

監視小屋

ヒロシ「あっ! いやいや いやいや どれだ どれだ!? あっ 押しちゃった…。」

(サイレン)

天野家

大吉「夏さん 夏さん! おう 春ちゃん! アキちゃん 海さ飛び込んだじゃ!」

春子「じぇ!」

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