ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」61回「おら、アイドルになりてぇ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】61回のネタバレです。

あらすじ

ユイ(橋本愛)が、誰にも言わずに水口(松田龍平)と東京へ行こうとした計画がバレた。アキ(能年玲奈)は、ユイを応援してあげたいが、どうすることもできない。水口は、自分は大手芸能プロダクションのスカウトマンだと白状する。地元アイドルを集めたユニット「GMT47」を作るために、ユイが連れ去られてしまう…。大吉(杉本哲太)らの大反対で、水口だけが東京に戻ることに。

61回ネタバレ

海女カフェ

<ある夏の夜 ユイと水口は 家出を企てました。 しかし…>

大吉「封鎖だ。 国道45号線封鎖だ!」

菅原「よし! 組合長に連絡!」

天野家

(スピーカー・長内)『国道45号線 封鎖しま~す!』。

夏「何だ! 何だ 何だ?」

海女カフェ

(スピーカー・長内)『国道45号線 封鎖します!』。

水口「一旦 戻ろう。」

長内「中さ 誰かいる!」

大吉「誰だ!?」

長内「こら! こら~!」

<ユイの上京大作戦は 失敗に終わりました>

大吉「水口君 説明してもらおうか。」

長内「その前に 大吉 国道45号線の封鎖 解除していいか!?」

大吉「うん?」

吉田「駅長も 言ってみたかっただけですもんね。」

大吉「んだ。 言ってみたかっただけだ。」

長内「よ~し! 封鎖解除だ!」

かつ枝「北鉄のユイちゃん 家出したって!? おっ!」

弥生「…いだ!」

美寿々「水口君!」

大吉「1人減って 4人増えたぞ。」

菅原「まだまだ増えるど! さっさと謝れ!」

水口「だまして ごめんなさい。」

夏「それじゃあ おめえさん ホントに…。」

水口「はい 大手芸能プロダクション ハートフルのスカウトマンです。」

弥生「じぇじぇ! じゃあ『考古学の研究してる』つったのも…。」

水口「嘘です。 琥珀なんて興味ありませんし 何が面白いのか さっぱり分かりません。」

勉「この野郎~!」

一同「勉さん 勉さん!」

功「詳しく 話 聞かせてもらおうか。」

春子「聞かなくていいよ 先生! どうせ あれでしょ? 例のさ 観光協会のホームページ見てさ アキとユイちゃんの事 知って まあ 人気あるみたいだし そこそこ かわいいし… 違うか。 普通に かわいいから アイドルだの デビューだのさ そういう調子のいい事 言ってりゃあ 所詮 世間知らずの田舎もんだし ホイホイ乗っかってくるって そんな感じでしょ!?」

水口「そんな感じです。」

功「そんな感じなのか?」

水口「はい。 全くそんな感じで 弁解の余地もありません。」

花巻「開き直ったぞ。」

水口「ホント ごめんなさい!」

美寿々「謝って済むか バカ!」

春子「バカにすんなよ。 要するに うちら 田舎もんの事 バカにしてんでしょ!?」

水口「それはないです。」

春子「嘘だだね。 業界人なんてね こんな奴ばっかなんだよ!」

かつ枝「ミズタクが 水炊きみてえな 名前のくせによ!」

弥生「ポン酢と ゆずこしょうで 食っちまうぞ!」

大吉「春ちゃんはな 1年前まで 東京で暮らしてたんだぞ!」

水口「知ってます。」

春子「え?」

水口「歌手を目指してたんですよね。」

春子「え?」

水口「そういう親が 一番 やっかいだっていうのも スカウトマンの常識です。 反面 自分の かなえられなかった夢を 娘の託そうとする母親も 多いので 味方につければ心強いって…。」

春子「敵よ あんたなんか! 敵! 天敵! 何なの 知ったような事 言って! あの人 何!?」

アキ「落ち着いてけろ ママ!」

水口「あ~ いや でも どっちみち アキちゃんは 本人が 乗り気じゃないという事で ユイちゃんだけでも オーディション受けてもらおうと…。」

春子「えっ 何? オーディション!?」

水口「はい。 全国のご当地アイドルを 一堂に会した新ユニット GMT47のオーディションです。」

夏「ああ 駄目だ。 ついていけねえ。」

弥生「夏ばっぱ 諦めるのは まだ早いぞ!」

水口「『地方から 日本を元気にしよう』というのが コンセプトで 47都道府県の ご当地アイドルを集めた まあ いわば アイドルの甲子園ですね。」

弥生「(あくび) 終わったら 起こしてけろ。」

かつ枝「おらも 完全に迷子だ…。」

夏「大吉っつぁん おめえ 分かるか?」

大吉「まあ 大体 アウトラインは つかめた。」

一同「お~!」

大吉「だが いいか ミズタク よ~く聞け! ユイちゃんはな この北三陸の救世主なんだ。 分かるか!? 産業も 観光も 100円ショップもねえ この町の 廃線寸前のローカル線を 普通の女子高生が 復活させたんだ!」

弥生「いいぞ いいぞ 大吉!」

大吉「何が『日本を元気に』だ。」

吉田「こちとら 25年間 ず~っと 元気ねえど!」

菅原「2人のおかげで やっと 人並だぞ! 病み上がりだ! ユイちゃんの代わりは いねえ。」

大吉「ユイちゃんの代わりは いねえ。 誰にも務まんねえ! どうしても欲しかったら 刺し違える覚悟で来い!」

かつ枝「お~ よく言った!」

(拍手)

ユイ「私の気持ちは どうでもいいんですか!?」

大吉「え?」

ユイ「私の東京に 行きたいっていう気持ちとか アイドルになりたいっていう 子どもの頃からの夢とかは 聞いてもらえないんですか。 そんなに 町おこしが大事なんですか?」

春子「ユイちゃん…。」

ユイ「だから 嫌だったんです。 ミス北鉄なんて…。 こういう事になるの 分かってたから。 私 北鉄が どうなろうと 町が どうなろうと どうでもいい。 関係ない!」

ヒロシ「ユイ そのぐらいにしておけ。」

ユイ「だって 本当の事だもん! もちろん 皆さんの事 好きだし 田舎を バカにしてる訳じゃないけど…。 でも これ以上 犠牲になるのは嫌。 こんな所で 一生を終えるなんて ありえない!」

ヒロシ「ユイ!」

アキ「ユイちゃん!?」

よしえ「ホントに もう お騒がせして すいません! ユイ!」

功「大吉君… すまん!」

大吉「こっちこそ いつまでも ユイちゃんに頼ってしまって…。」

功「いやいや それは違うよ 大吉君! みんなの郷土愛が 北鉄愛が その象徴として ユイや アキちゃんが いるんだから 誇りを持ってくれ! なっ! みんな すまん…。 ありがとう!」

夏「さあ そろそろ 海女クラブも退散すっか。 美寿々 行くぞ 美寿々。」

夏「かっこよかったぞ。」

春子「え?」

夏「『うちら 田舎の人間を バカにすんな』。 おめえが言うとは思わながった。」

春子「やめてよ。 違うから えっと…。」

夏「帰るぞ。」

春子「違… あっ。」

夏「おい 美寿々。 はいはい。」

<この晩の出来事は 人々の心に深い爪痕を残しました>

<ユイは部屋の籠もったきり  外へ出なくなってしまいました>

足立家

アキ「ユイちゃん そろそろ帰るね。」

水口「僕も 一旦 東京戻るけど ちゃんと営業するから。 君も ご両親と ちゃんと話し合って 3月まで頑張りな。」

アキ「3月なんか すぐだべ ユイちゃん。」

水口「待ってるから。」

喫茶・リアス

菅原「怪しい 怪しい。 聞いた事ねえべ ハートフルなんて。」

吉田「んだ んだ! いかがわしい プロダクションだから 経歴 偽ってんだ!」

ヒロシ「ちゃんと 実績のある 事務所らしいですよ。」

菅原「ん? んだの?」

春子「上野に自社ビルと 専用の劇場 持ってて しょっちゅう イベントやってんだって。」

吉田「へえ…。 あっ そうなんだ。」

春子「大吉さん どうしたの?」

大吉「昨日のユイちゃんの言葉 胸に刺さったじゃ…。」

回想

ユイ「私の東京に 行きたいっていう気持ちとか アイドルになりたいっていう 子どもの頃からの夢とかは 聞いてもらえないんですか。 そんなに 町おこしが大事なんですか?」

回想終了

大吉「25年前 春ちゃんが この町 出てった時と ダブったべ。」

回想

春子「もう どいてよ!」

(歓声)

大吉「すいません! 申し訳ないです! すいません! すいません!」

回想終了

春子「私も…。 昔の自分を思い出して 息が詰まった。」

菅原「(ため息) 確かに おらたちが 町おこしに集中するあまり17歳の少女の夢ば 食い潰そうと してたのかもしんねえな。」

大吉「一度しかねえ 青春だもんな。」

吉田「じゃあ 東京に行かせるんですか?」

2人「それは ねえべ。」

吉田「何だよ…。」

海女カフェ

かつ枝「何だ おめえ まだ いたのか。」

水口「今日 帰ります。」

弥生「美寿々なら 浜だ。」

かつ枝「行ってみるか?」

水口「いえ…。 くれぐれも よろしく お伝え下さい。」

アキ「車ですか?」

水口「北鉄で。 裏切っちゃったからね。 最後ぐらい乗らないと。」

アキ「ユイちゃんの事 よろしく頼むぞ。 ホントに約束だぞ!」

北三陸駅

勉「合わせる顔が ねえだろうから 誰も呼ばなかった。」

水口「はい ご迷惑をおかけして すいません。」

勉「これ 持ってけ。」

水口「いや これは受け取れませんよ。」

勉「持ってけ! こんなもの 元は ただの樹液だべ。 磨いて磨いて やっと価値が出る。 お前の仕事も そんだべ? どんな いい原石もよ 磨かねがったら 宝石にはなんねえ。」

水口「ああ…。」

勉「『ああ…』って 分かったのか?」

水口「あっ 時間ないし。 すいません。」

美寿々「タクちゃん!」

勉「た… たくちゃん?」

美寿々「行っちゃうの? 私の事 置いていっちゃうの?」

美寿々「ごめん。 ウニ取ってたから…。」

水口「あ… あの 美寿々さん 何て言ったらいいか。」

美寿々「よし! もう吹っ切れた。 若(わけ)え頃なら この勢いで駆け落ちもしたけど もう そんな無駄な事は しねえ。 次だ 次。 ありがとう。 楽しがった。 じゃあな。」

水口「かっこいい…。」

<水口は 東京へ帰っていきました>

<アキとの約束を 彼は かなえてくれるのでしょうか>

勉「あの野郎! 忘れていきやがった!」

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