ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」62回「おら、アイドルになりてぇ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】62回のネタバレです。

あらすじ

地元アイドルを集めた「GMT47」のオーディションを受けるチャンスを断たれたユイ(橋本愛)。部屋に引きこもり、頑張って続けてきた地元テレビ局のリポーターの仕事も休んでしまう。ユイを励ましたいアキ(能年玲奈)は、アキとユイのユニット「潮騒のメモリーズ」を復活させ、海女カフェのステージで歌って踊るイベントを企画する。しかし、春子(小泉今日子)が、そんな派手なことを許すはずはなかった…。

62回ネタバレ

海女カフェ

リポーター『今日も休養中の足立ユイちゃんに変わって 私 原 史奈がお送りします。 大好評【海女カフェ日和】のコーナー!』。

<8月2日 ユイちゃんは 今日も お休みです>

リポーター『はい すっかり おなじみ ベテラン海女の かつ枝さんと弥生さん!』。

かつ枝『長内かつ枝です。 皆さん 寝苦しい夜が 続いておりますが いかが お過ごしでしょう」。

喫茶・リアス

吉田「眼鏡会計ばばあ テレビ慣れしてきたな。」

かつ枝『昆布が お薦めですよ」。

弥生「んだ んだ。 ミネ…。 ミネ ミネ ミネ ミネ ミ~! ミネ ミネ ミネ ミネ ミ~!』。

吉田「騒音ばばあ 相変わらずだ。 フフフッ。」

リポーター『そして 今日は なんと 現役高校生の 海女のアキちゃんも 一緒で~す!』。

アキ『こんにちは!』。

リポーター『アキちゃんは 3月まで ユイちゃんと 潮騒のメモリーズっていうユニットを 組んでたんですよね」。」

アキ『はい』。

リポーター『じゃあ カメラの向こうの ユイちゃんに 何か励ましのメッセージ頂けますか?』。

アキ『いや ユイちゃん そういうの好きでねんだ』。

リポーター『え?』。

アキ『頑張れて 言われんのが 嫌いなんです』。

アキ『いつか必ず 戻ってくると  思いますんで その時は 温かく迎えてやって下さい』。

足立家

よしえ「ちょっと ユイ 御飯は? ユイ!」

(ドアが閉まる音)

喫茶・リアス

大吉「『わんこチャンネル』やってる?」

吉田「あっ 今 終わりました。」

大吉「ユイちゃんは?」

ヒロシ「今日も休みでした。 すいません。」

大吉「そっか…。 ウーロン茶ロック。 心配だな…。」

春子「何が? 北鉄が?」

大吉「ユイちゃんだよ。 今のは そういう意味じゃないよ やめてよ!」

春子「ごめん ごめん。」

大吉「俺だって 別に 北鉄の事ばっかり 考えてる訳じゃねえよ。」

吉田「んだ。 エロい事も考えてますよね。」

大吉「やめろよ。」

春子「『透明人間さ なって 女湯さ のぞいてみでえな』とか?」

大吉「もうちょっと 大人だよ。」

吉田「『発車オーライって 何か興奮するよね』とか?」

大吉「それぐらいにしとけよ。」

春子「『ミイちゃん ケイちゃん 両方に告白されたら おら どうするべ』とか?」

大吉「もうちょっと 大人だって。」

吉田「『ダイヤの乱れって 何か 興奮するよね』とか?」

大吉「しねえよ バカ! 鶴光(つるこう)のラジオか! しかも おめえ ダイヤの乱れとか 全部 鉄道関係でねえか! 結局 北鉄の事しか 考えてねえじゃねえか!」

春子「結局 北鉄の事しか 考えてないんじゃん。」

大吉「春ちゃんの事も考えてるよ!」

春子「やめでよ…。」

吉田「あっ なまった。」

春子「いや やめてよ。」

吉田「あっ 言い直した。 かわいい~。」

大吉「かわいい~。」

春子「うっさい バカ! 何だ バカ! 電車バ~カ! 大体 古いんだよ! 鶴光の事なんて あんたたち 知らないっしょ!」

ヒロシ「『あんたたち』? あっ!」

栗原「そうですね。 リアルタイムでは ないですね。 ピンクレディーも ギリですね。」

吉田「2人 まだ続いてたんだね。」

ヒロシ「いや 続いてるっていうか…。」

栗原「そうですね。 まあ 終わっては いないですね。 終わる時は 大体 分かるんです。 空気で。 今までの恋愛 全部 自然消滅だったんで。 まあ 今回は 職場も一緒だし? そう簡単には 終わらないと思います。」

足立家
ユイの部屋

(ノック)

よしえ「ユイ? アキちゃん来てるよ。 ユイちゃん 顔ぐらい見せてあげなよ。 ねえ?」

リビング

(ドアが開く音)

よしえ「ごめんね。 わざわざ来てくれたのに…。」

アキ「いやいや 特に用事があった訳じゃないし。」

よしえ「あっ 御飯 食べていかない?」

アキ「え?」

よしえ「おとうさん 今日 人間ドックで泊まりなの。 ヒロシも帰ってこないし ユイも…。 お願い 1人で食べても おいしくないから。 ねっ?」

夕食

アキ「『ママみたいに なりたくない』って…。」

よしえ「言われたの ユイに。」

回想

ユイ「こんな田舎で こんな山奥で だっさいポロシャツ着て 残念なエプロンして シチュー作って そんなふうに なりたくないって 言ってんの!」

回想終了

アキ「どういう意味ですか?」

よしえ「さあ…。 勘違いしてるの あの子 勝手に。 私が結婚と同時に いやいや 田舎に引っ込んだって。」

アキ「違うんですか?」

よしえ「全然。 アナウンサーだって なりたくてなった訳じゃないし。 短大出て たまたま 内定もらえたのが 岩手のテレビ局だったたけ。」

アキ「へえ~。」

よしえ「むしろ 都会で育ったから ずっと 田舎に憧れてたの。」

アキ「おらと一緒だ。」

よしえ「あっ そうだね。」

アキ「だから 正直 分がんねえ。 ユイちゃんが 何で そこまで 東京さ こだわるのか。」

よしえ「知らないからね。 行けば 分かると思うの。 あの子が思うような 夢の国じゃないって。 だから 反対しないの。 行って 挫折したら 帰ってくればいいし 夢が かなうんだったら 追いかければいいし。 私は ただ 帰ってきた子どもたちを 温かく迎えてあげたいなって 思うだけ。 おいしい御飯と笑顔で。」

<『いい お母さんだ』。 アキは 心底 そう思いました。 柔らかくて 温かくて 間違っても『バカ』とか『ブス』とか言わない 優しい お母さん>

よしえ「あら。」

アキ「ユイちゃん…。」

ユイ「上 行こう。」

ユイの部屋

ユイ「全部 嘘だよ。」

アキ「え?」

ユイ「お母さんの話。 声も 言い方も 噓くさいでしょ? 原稿 読んでるみたいでしょ?」

アキ「アナウンサーだからでねえか?」

ユイ「近所づきあいしないから お茶飲み友達も いない。 家事と手芸と韓国ドラマの再放送 それだけで幸せな訳がない。」

アキ「ユイちゃん…。」

ユイ「これ見てよ。」

アキ「GMTのホームページか?」

ユイ「いつの間にか出来てた。」

アキ「『全国のご当地アイドルが 一堂に会する新ユニット!!』。

アキ「『【地方から日本を元気に!】が コンセプトのアイドルグループ【GMT47】』。 この赤いとこは?」

ユイ「スカウト済みって事じゃない?」

アキ「宮城 埼玉 徳島…。 岩手は?」

ユイ「…まだ。 でも 油断してたら 赤になっちゃうよ。 クリックしてみ。」

『おばんで~す! 杜の都 仙台に すい星のごとく現れた せ~の!』。

3人『牛タンガールズです!』。

アキ「じぇじぇ! 何だ これ。」

ユイ「仙台限定のアイドルユニットだって。」

『私たちのデビュー曲が こちらの GMT47さんのサイト限定で 配信スタートしま~す!』。

3人『イエ~イ!』。

『それでは聴いて下さい。 牛タンガールズで【ずんだ ずんだ】』

♬『ずんだ ずんだ ずんだ ずんだ ずんだ ずんだ ずんだ』

ユイ「これ 2万ダウンロードだよ。」

アキ「じぇじぇ! これが!?」

ユイ「ちなみに『ずんだ』は 宮城県の郷土料理で 枝豆を潰して…。」

♬~(『ずんだ ずんだ』)

ユイ「うるさい!」

アキ「一日中 見でんの? 部屋さ籠もって。」

ユイ「だって 気になるじゃん。 本当は 岩手も赤だったのに 邪魔が入んなきゃ。」

観光協会

アキ「このままじゃ やばいと 思うんです。 ユイちゃん。 ほっといたら また家出するんじゃねえんかって。 いや 家出する気力もなくなる。 部屋に籠もって 毒ばっか吐いてっから…。」

菅原「まあ それは ご家族が ちゃんとケアして…。」

ヒロシ「気晴らしが必要だって意味だよね。」

アキ「とにかく 部屋から出さねえと。」

栗原「東京見物さでも連れてったら どうですか? 2泊3日ぐらいで。」

菅原「帰ってこなくなったら どうすんの?」

ヒロシ「ありえますね。」

池田「番組にも問い合わせ 殺到してるんですよ。『一日も早く 復帰してくれ』。『アキちゃんでもいいから 毎日 出してくれ』って。」

アキ「『でも』?」

池田「ああ ごめん。 ホントは『2人で出てほしい』って そういう声があるのは 事実です。」

菅原「ん? 潮騒のメモリーズ復活か?」

アキ「でも ママが…。」

菅原「春子さんが どうした?」

アキ「お座敷列車の時 3月で卒業するって約束したがら。」

回想

春子「芸能界とか アイドルとか チャラチャラしたの ママ 絶対 許さないからね。」

回想終了

アキ「…無理だ。」

栗原「ユイちゃんが 海女カフェで バイトすればいいのに。」

池田「そういえば お店の中に 小さいステージ ありましたよね。」

アキ「え?」

池田「あそこで歌ったら どうだろう?」

菅原「おっ! 潮騒のメモリーズ復活か?」

回想

アキ「デビューしたら ここで歌ってけろ。」

ユイ「ありがとう。」

アキ「エヘヘッ。 ほら ユイちゃん。」

春子『アキ』。

アキ「じぇじぇ!」

春子『いい? 芸能界とか アイドルとか チャラチャラしたの ママ 絶対許さないからね。 返事は!? 聞こえない!』。

回想終了

アキ「…はい!」

菅原「ん? 今の『はい』ってのは やりますっていう『はい』?」

アキ「いや いや いや…。 そ… 相談します。」

北三陸駅

<無理だ。 いくら ユイのためとはいえ 春子が許可するとは思えない。 何か よい方法はないか>

アキ「…あっ!」

海女カフェ

夏「ふぇす? 何だ ふぇすって。」

アキ「みんなで歌ったり 踊ったり 潜ったり ウニ取ったりする 海女のフェスティバルだ!」

美寿々「えっ ここでか?」

アキ「んだ。 ユイちゃんに 元気になってもらうのが 目的なんだけど 露骨に 元気出せって言うと 元気なくなる子だから。」

一同「あ~。」

アキ「だから 無駄に元気な 海女クラブのお祭りに 放り出したら どうだべ?」

(笑い声)

花巻「海女~ソニック。 海女のサマーフェス 海女~ソニック。」

一同「は?」

花巻「何でもねえ。」

アキ「それいいよ 花巻さん!」

花巻「うん?」

アキ「海女~ソニック。 いぐねえ?」

夏「何だか分がんねえけど にぎやかなのは いい事だ!」

かつ枝「あ~ んだな! ユイちゃんもよ 来てくれたら 客足も 更に伸びるべ!」

美寿々「出たよ この守銭奴が!」

弥生「そしたら おら『ヨイトマケの唄』歌うべ。♬『父ちゃんのためなら エンヤコラ』

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