ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」66回「おら、アイドルになりてぇ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】66回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)は、大物プロデューサー・太巻(古田新太)から、東京に出てくるように勧められる。アキは、春子(小泉今日子)との関係も険悪になり、ユイとともに家出して、東京へ行くことを決意する。それを察した町の人々は、町おこしのため、なんとか阻止しようと画策。一方、何も知らない夏(宮本信子)との何気ない会話に、アキの決心は…。

66回ネタバレ

東京EDOシアター

荒巻「もしもし 初めまして。 太巻ですけど。 夏休みだよね 今 東京出てこれる?」

<初めて母親に反発した夜 東京から 誘いの電話がありました>

回想

(驚く声)

回想終了

天野家

アキ「…。」

春子「何よ。 たたいた事は 謝ったでしょ ちゃんと。」

アキ「謝ったあとに また たたいたべ。」

回想

アキ「おら アイドルになりてえ!」

大吉「春ちゃん?」

回想終了

春子「おかしな事ばっかり 言うからでしょ!」

夏「やめろ! 朝から ギスギスすんな。 気分悪い!」

春子「ごちそうさまでした。」

アキ「大人げねえな! 自分の夢を 娘に託そうとか そういう考えは ねえのか?」

春子「何か言った?」

アキ「やべ!」

春子「私が あんたに夢を? 託すが バ~カ! あんたみたいに猫背の 貧弱なメスの猿に!」

夏「春子!」

アキ「(泣き声)」

夏「泣ぐな!」

海女カフェ

ユイ「聞いてる?」

アキ「あ ごめん 聞いてなかった。」

ユイ「アキちゃん どこから?」

アキ「最初から。 ごめん。」

ユイ「だから こないだは 車で国道45号線を 宮古まで 南下しようとしてたの。 でも 今回は車もないし 別のルートで。」

アキ「え? どっか行くの?」

ユイ「東京。」

アキ「何しに?」

ユイ「アキちゃん! 大事な話だよ。 ちゃんと聞いて。」

アキ「うん。」

ユイ「太巻さんに『会いたい』って 言われたの2人で。」

アキ「じぇじぇ!」

ユイ「しっ!」

観光協会

菅原「ヒッチハイクという手も ありうるな。」

<町の人たちは まだ 警戒を緩めず 家出を阻止する作戦を 練っていました>

吉田「なおかつ ここと ここと ここに 監視カメラを設置。」

ヒロシ「いや そこまでしなくても。」

吉田「甘いぞ ストーブ! 事件は ジオラマで 起きてる訳じゃない。 現場で…。」

菅原「ジオラマが こういう形で 役に立つとは 思わなかった。」

吉田「言わせろよ 最後まで。」

栗原「裏をかいて 北鉄を使うって いう可能性は ないかしら?」

海女カフェ

ユイ「駄目駄目 北鉄なんて 最終が7時半だよ。」

アキ「始発は?」

ユイ「終電から始発まで どうやって 時間潰すの? 駅には 駅長か副駅長がいるし リアスには アキちゃんのママもいる。 常連客は 知り合いばっかり。」

アキ「駄目だな。」

ユイ「駄目だね。 ていうか あの人たち ず~っと 駅か車両にいるんだね。 駄目 北鉄使えない。」

アキ「…。」

ユイ「どうしたの?」

アキ「いや 何でもねえ。

北三陸駅

ヒロシ「そっか 何か ごめんね。 妹のわがままに つきあわせちゃって。」

アキ「おらも ちょっと 親子関係 煮詰まってっから。」

ヒロシ「その 太巻って人は 何なの?」

アキ「プロデューサーだって言ってた。」

ヒロシ「プロデューサーっていうのは 何をするの?」

アキ「ユイちゃんが言うには 秋元なにがしどか つん…。」

ヒロシ「つん?」

アキ「つん…。」

ヒロシ「つん?」

アキ「つん…。」

ヒロシ「つんく♂?」

アキ「つんくなにがしみでえな 偉(えれ)え人らしい。」

ヒロシ「俺の方が ちょっと詳しいかも。 ハハハ!」

アキ「だって プロデューサーなんか いなくても 北鉄と観光協で やってきたべ!」

ヒロシ「まあ こっちで活動するなら そうね。 でも 東京でやるなら。」

アキ「うう!」

ヒロシ「そんな露骨に… 行きたくないの?」

アキ「でも ユイちゃんは 行がしてやりてえ。 そのためには おらが折れねえと。 ユイちゃんと2人なら なんとか やっていける気もする。 おらも いつまでも 逃げ回ってらんねえ。 いつかは ママみでえに 向き合わねえと。 地元で ダサかった頃の自分と。」

ヒロシ「地元?」

アキ「おらにとっては 東京が地元だからよ。 みんなにチヤホヤされて ちょっと 調子に乗った時に『地元じゃ 駄目だったくせに』って声が聞こえるんだ。 うるせえ! おら田舎さ 逃げてきたわけじゃねえぞ。 地元でだって やれるんだって… うん 克服しねえと。」

ヒロシ「アキちゃん。」

アキ「あれ? やばい やばい いつの間にか 東京さ 行く方向で 話が進んでるな。」

ヒロシ「アキちゃんは 恰好いいな。」

アキ「おらが?」

ヒロシ「俺なんか 耳が痛いよ 今の話。」

アキ「ストーブさんも 東京で負けて帰ってきた オスの負け犬だもんな。」

ヒロシ「オスの? うん。 2か月で 戻ってきた。 負け犬が 心の傷 克服するために 頑張ってるようなもんで。 で いつ家出すんの?」

アキ「うっかり 言わねえべ。」

ヒロシ「ごめん。」

観光協会

大吉「まだ決まってない?」

ヒロシ「はい。 でも やっぱり 家出の話は 持ち上がってるみたいで。」

大吉「アキちゃんは?」

ヒロシ「それが…。 まだ 迷ってるみたいで。」

菅原「じゃ 今夜って事はねえか。」

大吉「ああ。」

(警笛)

海女カフェ

ユイ「深夜バスで 行こうと思うの。」

アキ「え?」

ユイ「夜9時 北三陸駅発の 深夜急行バス。 朝7時に 上野に着くの。 チケット買っといた。」

アキ「じぇ! 今日?」

ユイ「今日だよ。」

アキ「ガラガラは?」

ユイ「荷物持って出るから バレるんじゃん。 極限まで 少なくした。 北鉄の最終列車に乗って 北三陸駅まえ 行くじゃん。 7時半。 で バスが9時。 この1時間半 誰にも見られなければ うちらの勝ち。」

アキ「え? え? もう今すぐ 行ぐの?」

ユイ「うん。」

アキ「一回 家寄ってもいい? なんぼなんでも ほとんど 手ぶらだし。」

ユイ「お金なら あるよ。」

アキ「そういう問題じゃなくて せめて おばあちゃんの 顔ぐらい見たいから。」

ユイ「分かった。 駅で待ってるね。」

喫茶・リアス

弥生「春ちゃん 家出した時も びっくりしたなあ。」

春子「ああ…。」

今野「北鉄の開通式だべ。」

弥生「しかも 海開きの日 窓から 中のぞいたら 電車さ 乗ってるんだもんなあ!」

回想

弥生「春子! なして乗ってんだ?」

大吉「出発進行!」

弥生「春子 春子! 春子 春子!」

回想終了

弥生「あれは たまげたな! ハハハ!」

今野「あら? あの日 夏ばっぱ 駅さいたか?」

弥生「いねえ いねえ! 浜さ出て みそ汁さ入れる ワカメだの 採ってたんだ。」

今野「はあ~。 夏ばっぱらしいなあ。」

大吉「前の日は しゃべったのか?」

春子「夏さんと? さあ どうだったかな?」

弥生「覚えていねえか? もう25年も前だもんな。」

春子「私は 覚えてるんだけどね。 まあ 今度 夏さんに聞いてみてよ。」

天野家

アキ「ただいま!」

夏「ああ 寝るとこだった。 アキ…。」

アキ「いいよ 寝てなよ。」

夏「大丈夫だ 御飯にすっか?」

アキ「ウニ丼で いいよ。」

夏「食い飽きたべ。」

アキ「いい ウニ丼がいい。」

夏「アキは ホントに 手のかかねえ いい子だな。 ああ!」

アキ「疲れた?」

夏「ああ 大丈夫だ。 おらと かつ枝と 美寿々 潜りっ放しだからな。 脚が パンパンだ! ああ 明日も団体さん 3組だ。」

アキ「大変だね。」

夏「何だ? ひと事みてえに。」

アキ「ごめん。」

夏「アキの おかげだ。 毎日 大盛況でよ。 うれしい悲鳴だ。 アハハ!」

<北三陸に来て 1年と1か月 ついにアキが この地を去る日が やって来たのです>

回想

夏「ウニ食うか!」

アキ「かっけえ~!」

♬『あの娘(こ)はいつも 歌ってる』

アキ「東京さ 帰りたくねえ! ここで ばあちゃんや ママや みんなと暮らして 毎日 海さ潜りてえ!」

安部「アキちゃん! 取れた? おう!」

(笑い声)

安部「取った! アキちゃん ウニ取った!」

回想終了

アキ「夏ばっぱ。 もう一個 もらっていい?」

夏「…。」

アキ「ばっぱ?」

夏「(いびき)」

北鉄

アキ「(泣き声)」

(車両の走行音)

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