【 連続テレビ小説「あまちゃん」】67回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)は、町の誰にも知られずに、東京へ行く決意だ。そんな二人を町から一歩も出させまいと、大吉(杉本哲太)や菅原(吹越満)らは、町じゅうに監視の目を光らせる。アキとユイは、深夜バスなら監視網を突破できるのではないかと考え、バス停のある北三陸駅に身を潜める。しかし、ヒロシ(小池徹平)が、バス停で見張っていた。アキはヒロシの注意をそらそうと…。
67回ネタバレ
北鉄
(警笛)
回想
ユイ「深夜バスで 行こうと思うの。」
アキ「え?」
ユイ「北鉄の最終列車に乗って 北三陸駅まで行くじゃん 7時半。 …で バスが 9時。 この1時間半 誰にも見られなければ うちらの勝ち。」
回想終了
<北鉄に揺られ アキは考えました。 なぜ 私は この町から出ていかなくちゃ いけないんだっけ>
回想
荒巻「夏休みだよね 今。 東京 出てこれる?」
アキ「おら アイドルになりでえ!
春子「『芸能界とか アイドルとか チャラチャラしたの ママ絶対 許さないからね』。
アキ「ママなんか 嫌い。 大っ嫌い!」
回想終了
アキ「(泣き声)」
<北三陸に来て 1年と1か月。 ついに アキが この地を去る日が やって来ました>
アキ「(泣き声)」
車内アナウンス『次は終点 北三陸駅』。
吉田「ありがとうございました。」
♬『トーキョーは 夜の七時 トーキョーは 夜の七時 トーキョーは 夜の七時 トーキョーは 夜の七時』
アキ「じぇ!」
観光協会
栗原「この時間に家出なんか しないんじゃない?」
菅原「んだよね。 よりによって 深夜バスなんかでね。」
ヒロシ「裏をかくつもりなんですよ ユイは。」
栗原「妹さん思いなんですね。」
ヒロシ「ユイは 別にいいんですよ。 行きたきゃ行けばいい。 でも アキちゃんは… 官女は この町に必要だ。」
栗原「う~っ!」
菅原「あっ 見ろ 足立君。 栗原ちゃんが嫉妬に狂って ハンカチかじっちゃってるよ。」
ヒロシ「アキちゃんだって ホントは行きたくないはずだ!」
北三陸駅
ユイ「(小声で)まだ見張ってた?」
アキ「じぇ!」
(吉田の鼻歌)
吉田♬『この東京砂漠 あなたが いれば かけがえのないひとに 遭えた東京』
スナック・梨明日
吉田「…方面行き最終列車 出発しました!」
弥生「よし! あとは 深夜バスだけだな。」
大吉「そっちは 足立君が にらみつけてる。」
吉田「心配ねえって。 仮にも ミス北鉄のユイちゃんが 悪(あ)しき モータリゼーションの象徴たる 長距離バスなんか乗る訳ねえ。 はい 戸締り点検完了! ビール! フフフッ。」
今野「何だよ 機嫌いいな 副駅長。」
吉田「フフッ 分かる? さっき 母ちゃんに 電話したんだけど 今日の晩御飯 手巻きずしなんだよね。」
一同「…。」
吉田「あれ? 何これ すごい温度差。 手巻きずし嫌い?」
大吉「いや 好きだよ。」
吉田「…ですよね! 手巻きずし 嫌いな人間なんて いませんよね。」
春子「吉田君って 実家?」
吉田「はい。 母ちゃんと妹と3人暮らしです。」
勉「妹いるんだ。」
吉田「ブスですけどね。」
一同「…。」
吉田「しかも 名前が ユイっていうの。 ハハッ ウケる! あっ! カイワレ 買い忘れ! フフフッ。」
北三陸駅
ユイ「おなかすかない?」
アキ「ウニ丼 食ったから。 あっ ユイちゃんの分も 食っちまった。 ごめん。」
ユイ「フフフッ ウニ丼か~。 もう一生 食べる事ないんだろうな。」
吉田♬『俺(お)ら こんな村いやだ 俺ら こんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら』
ユイ「…嫌な歌。」
アキ「ずっと ここさ隠れてんのか?」
ユイ「だって 外 出たら 見つかるじゃん。」
観光協会
菅原「あ~ 栗原ちゃん やめなさい! 足立君 面白いよ 見ろ。 ほら! ハンカチ食っちゃう勢いだよ! やめなさい! ハンカチは食べ物ではありませんよ! どうせ食べるんだったら マヨネーズかけて食べろ。 足立君 面白いよって。」
北三陸駅
(吉田の鼻歌)
吉田♬『NEW YORK NEW YORK あいつを愛したら NEW YORK NEW YORK 星になるだけさ』
ユイ「東京の歌も そうそうないしね。」
アキ「なあ ユイちゃん。」
ユイ「嫌だよ。」
アキ「えっ?」
ユイ「アキちゃん行かなくても 私は行くからね。」
アキ「行ぐがら おらも。 心配すんな。」
ユイ「ごめん。 知ったた? うちの高校 修学旅行 東京だったの。」
アキ「じぇじぇ! じゃあ ユイちゃん 東京行った事あんでねえか!」
ユイ「骨折して行けなかった。 お風呂で転んで。」
アキ「じぇじぇ。」
ユイ「無理すれば行けたけどね。 でも 逆に よかったと思う。 最初の東京が修学旅行なんて ださいじゃない。 こんな田舎の 駒場と駒沢の違いも 分かんないような 田舎の高校生と一緒じゃ 東京に失礼だよ。」
吉田「冗談じゃないよ ユイ! 勘弁してくれよ ユイ! 何だよ 今更 ちらしずしに変更って! 気持ち切り替えらんねえよ! 母ちゃんに代わってけろ!」
ユイ「何の話だっけ? あっ そうそう だから… 私にとって 東京は特別なの。」
アキ「おらと全く逆だな。」
ユイ「え?」
アキ「ユイちゃん 先に言っとくけど おら 東京行ったら 別人になるからな。」
ユイ「え?」
アキ「口数減るからな。『じぇじぇ!』とか 言わねえからな! 基本 敬語になるからな! 一日1食になるからな! 歩く速度が 1.5倍になって 便秘になるからな。」
ユイ「アキちゃん…。」
アキ「ネガティブなポエム書くからな。 毎日 木や 草花に話しかけるからな。 毎日!」
ユイ「アキちゃん。」
勉「うん?」
スナック・梨明日
春子「あ~ お帰り 勉さん。」
北三陸駅
アキ「見られた!」
ユイ「大丈夫。 もう9時。 行こっか。」
アキ「うん。」
ユイ「あっ その前に ストーブさんに電話。」
アキ「え?」
ユイ「あいつが見張ってる限り バス乗れないじゃん。」
観光協会
(携帯の着信)
ヒロシ「もしもし。」
アキ☎『こんばんは。』
ヒロシ「アキちゃん どうした?」
スナック・梨明日
大吉「まあ 俺は ちらしずしの方が好きだ。」
菅原「んだ んだ。 手巻きずしなんか あれ 手抜き料理だべや なあ?」
吉田「うちの手巻きずしは 手なんか使いません。」
一同「じぇじぇ!」
弥生「どこ使うんだ? 足か? ハハハッ。」
北三陸駅
アキ「う~ん ちょっと お願いがあるんだけど…。」
観光協会
ヒロシ「えっ 今どこ?」
北三陸駅
アキ「家… 家です 家 家!」
ヒロシ☎『あっ 家?』
アキ「あの テレビつけて下さい。」
観光協会
ヒロシ「テレビ!? えっ 何で?」
北三陸駅
アキ「ちょっと 見てほしい番組が あるんです。」
観光協会
ヒロシ「あっ…。」
菅原「テレビ?」
ヒロシ「つけてもらっていいすか?」
菅原「うん。」
ヒロシ「つけたよ。」
北三陸駅
ユイ「駄目 こっち ガン見してるよ。」
ヒロシ☎『何チャン?」
アキ「テレビは もういいです。」
スナック・梨明日
吉田「機械で巻くんです。 のりと御飯と具を こう… ベルトコンベヤーに載せて 自動的に クルクルッと。 そういう機械を作ったの!」
北三陸駅
アキ「じゃあ… 冷蔵庫! …から マヨネーズを!」
観光協会
ヒロシ「マヨネーズ!? な…。 うん はい。」
北三陸駅
ユイ「駄目 微動だにしない。」
スナック・梨明日
春子「それ… 手巻きじゃないじゃん。」
(笑い声)
吉田「何だよ 勉さん。 言いでえ事あんなら はっきり言え 勉。 勉アフレック!」
北三陸駅
アキ「じゃあ じゃあ…。」
観光協会
ヒロシ「アキちゃん。 ホントに家から?」
スナック・梨明日
勉「そ… 外。 外…。」
春子「外?」
大吉「外?」
北三陸駅
ユイ「もういい バス出る直前に飛び乗ろう。」
アキ「ストーブさん おら 東京さなんか 行ぎだぐねえ! ずっと ここさ いてえ! 北三陸で暮らしてえ!」
ユイ「アキちゃん…。」
アキ「助けてけろ! 本当は 家出なんかしたくねえんだ!」
観光協会
ヒロシ「落ち着いて アキちゃん。 すぐ行くから! 今どこ?」
菅原「えっ 何?」
ヒロシ「ねえ 大丈夫!?」
北三陸駅
アキ「行こう。」
ユイ「はあ!?」
アキ「はい。」
(ドアベル)
大吉「まさか…。」
スナック・梨明日
(電話の呼び鈴)
春子「もしもし。 うん どうした? えっ? えっ!?」
今野「うん? 何だ 何だ?」
春子「アキがいないって…。」
天野家
夏「見たよ! 捜したよ! 部屋も 小屋も! うん。 海女カフェ? ああ いやいや… 電話したけど 誰も出ねえんだ。 ちょっと… ちょっと見てくるべ!」
スナック・梨明日
春子「じゃあ こっちも ちょっと捜してみるよ。」
大吉「逃げられた!」
春子「えっ!?」
大吉「あの2人 バスに乗って 行ってしまったじゃ!」
ヒロシ「すいません…。」
春子「全く…。」
夜行バス
ユイ「やった~! やったね アキちゃん!」
アキ「うん。 やった!」
ユイ「びっくりしたよ 家出したくないとか言うから。 でも 縁起だったんだね。 すごいよ アキちゃん。 女優になれるよ!」
アキ「…。」
ユイ「えっ? 本当に行きたくないの?」
アキ「このバス ホントに東京行きか?」
(ブザー)
運転手「はい。 ご乗車 ありがとうございます。 このバスは 袖が浜循環バスでございます。」
海女カフェ
夏「アキ! アキ~! アキ~!
夜行バス
ユイ「あの… これ 東京行かないんですかね?」
運転手「えっ? 東京行きませんよ。 え~ 次は 袖が浜 旧漁港前。 終点にいなります。」