ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」68回「おら、東京さ行くだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】68回のネタバレです。

あらすじ

東京行きの深夜バスのつもりが、袖が浜行きのバスに乗ってしまい、あえなく家出が失敗に終わったアキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)。大人たちはアキとユイそれぞれに、家出の理由を問いただす。ユイは、幼い頃からの夢について語り、北三陸の町おこしのためにも自分たちが東京に出て町をアピールすることが必要だと説得する。一方、アキは夏(宮本信子)ら海女たちに素直な思いを打ち明ける。アキの本当の気持ちを知った夏は…。

68回ネタバレ

観光協会

大吉「久しぶりのK3R… NSP会議だ!」

今野「浸透しねえんだからさ 諦めろ 大吉。」

長内「今 白板 チラッと見たべ。」

大吉「今回の議題は ほかでもねえ。 我らが北鉄のユイちゃんと 海女のアキちゃんが 家出を企てた。 よりによって バスで。 深夜バスで! ユイちゃんは 2回目だ。 一番の問題は 前回は引き止める側だった アキちゃんまでも 家出する側に 回ってしまった事だ。 幸い バスは 袖が浜行きだったので 事無きを得た。」

功「何か 申し訳ない。」

春子「『何か』?」

菅原「まあ まあ 春ちゃん 先生ば責めても しょうがねえべ。」

長内「んだ。 元はといや 勉さんとこの偽弟子がよ。」

吉田「んだ。 ミズタクが ユイちゃん スカウトしたのが 始まりだ。」

勉「何か すみません。」

長内「そこは『何か』じゃねえべ! ちゃんと謝れよ 勉! その琥珀を磨く 手をやめて!」

春子「…っていうかさ アキは?」

大吉「アキちゃんは 夏ばっぱに頼んだ。」

春子「何で?」

大吉「これは 海女クラブの問題でもあるし 春ちゃんが一緒だと それに また ほれ… たたくべ。」

回想

(どよめき)

回想終了

海女カフェ

弥生「何だ 縮こまって。 心配すんな。 母ちゃんは観光協会だ。」

かつ枝「おらたちが 多大なる ショックを受けてるのは 分がるな?」

夏「アキ 海女クラブの会長として 今 おめえを この町から出す訳には いがねえ。 海女クラブにとっても 観光協会にとっても かなりの痛手だ。 分かるな?」

アキ「はい。」

夏「それだけじゃねえ。 おらたちは毎日 命懸けで潜ってる。 海ん中でも 陸(おか)の上でも お互いの信頼関係が 何より大事なんだ! おめえは その信頼関係を壊して 逃げようとしたんだど! 重大なペナルティーだ!」

観光協会

菅原「え~ もし万が一 アキちゃんと ユイちゃんが いねぐなった場合 この北三陸が どれだけの経済的打撃を受けるか。 今 うちの優秀な経理担当の 栗原ちゃんが計算してくれまてます。」

功「入ってくるはずだった金が いくらかっていう話だね。」

菅原「ええ。」

栗原「…。」

菅原「うん? 栗原ちゃん?」

ヒロシ「栗原さん?」

栗原「う~…。」

菅原「ああ! もういい 栗原ちゃん! 大体 分かった! ごめんな ごめんな。」

功「眉間のシワの深さが 全てを物語ってたよ。」

吉田「シワの中に 顔が こう… 半分めり込んでましたもんね。」

大吉「今や 北鉄の乗客の7割は 観光客だ。 これを失うのは つらい。」

春子「こっち見ないでよ。」

長内「漁協のダメージも でけえぞ。 銀行から借りた 2,000万 海女カフェの改装費 月々のローン返すので 精いっぱいだ。」

大吉 吉田「つらい!」

春子「『つらい』って言う時に チラ見しないでよ。」

勉「え~ 琥珀は…。」

(机をたたく音)

長内「琥珀は この際どうでもいいべ! とりあえず 新人海女のアルバイト代も かさむし せめて 今年は ウニ1個 600円に値上げして 漁協の取り分 増やして頂かねば!」

海女カフェ

弥生「深夜バスで どこさ行こうとしてたか 言ってみろ。」

アキ「…東京。」

かつ枝「東京で 何するつもりだったか言ってみろ。」

アキ「アイドル。」

花巻「フフフッ。」

美寿々「ちょっと 花巻ちゃん。」

かつ枝「んでも スカウトされたんだべ? 芸能プロダクションから。」

弥生「スカウトマンなんて あっちゃこっちゃで 名刺ばらまいてんだ。 当てになんねえ。」

アキ「事務所の社長とも 電話で しゃべったべ。」

一同「じぇじぇ!」

回想

荒巻「もしもし 初めまして 太巻ですけど…。 夏休みだよね 今。 東京 出てくれる?」

回想終了

観光協会

ユイ「『会ってみたい』って 言われました。」

一同「じぇじぇじぇ!」

ユイ「だから とにかく行こうって 決めたんです。 皆さんに 事情を説明する時間がなくて 事後承諾っていうか…。 後で 皆さんに ちゃんと 説明するつもりだったんです。 ごめんなさい。」

海女カフェ

夏「家出の理由は分かった。 しかし そうまでして アイドルとやらになりてえってのは なしてか。 おらたち 田舎の年寄りにも分かるように しゃべってみろ。」

観光協会

ユイ「(ため息)小さい頃からの夢だったんです。 それを やってみもしないで 諦めるのが嫌なんです。」

一同「う~ん…。」

海女カフェ

夏「黙ってたら分かんねえべ アキ。」

観光協会

功「この町には まだ ユイや アキちゃんの力が必要なんだよ。」

菅原「んだ。 んだ んだ。 去年の今頃さ比べたら 観光客も増えたし 海女カフェも建った!」

大吉「北鉄 北の海女 潮騒のメモリーズ この3枚看板で いきたいんだ!」

ユイ「それについては考えました。」

大吉「か… 考えた?」

ユイ「はい。 確かに うちらが いなくなると 一時的に観光客は減るでしょう。 でも P.R.なら 東京行っても できますよね。 むしろ 北三陸の知名度を 上げるためには ここへ いて 観光客を待ってるより 東京行って 呼びかけた方が 効果的なんじゃないかって。」

菅原「くそ 正論だ!」

ユイ「北三陸の名前を 全国区にするために アキちゃんっも 私も 東京行ったら 積極的に なまっていこうって。」

一同「じぇじぇじぇ!」

ユイ「じぇじぇ! むしろ じぇじぇって じぇじぇって言って行こうって 相手がタモリさんだろうが アッコさんだろうが じぇじぇで通そうって! 好きな食べ物は まめぶとウニ! いつでも食べれるように 肩に ウニ載っけて…。」

吉田「そんなアイドル見た事ねえど。」

ユイ「名前も JJガールズにして じぇじぇで 流行語大賞も取りま~す! よろしくお願いしま~す!」

一同「う~ん…。」

功「我が子なが 手ごわい。」

海女カフェ

夏「どうした? 母ちゃんが怖(こえ)えか?」

かつ枝「無理もねえ 顔たたかれたんだもんなあ。」

アキ「あれは おらが悪い。」

夏「え? なして そう思う?」

アキ「コロコロ言う事 変わるから。 東京さ帰りだぐねえって 言ったり 帰りでえって言ったり…。」

弥生「海女になりたいっつったり 南部もぐりさ憧れたりな。」

アキ「でも どれも本気なんだ。 こごさ残って 就職して 夏の間だけ 海女やって それはそれで 間違いなく楽しいべ。 でも… こんな事 言ったら 怒られるかもしんねえが…。」

夏「怒んねえがら言ってみろ。」

アキ「海女は好きだけど 今じゃなくても できるべ。」

夏「…。」

アキ「だけど ユイちゃんと東京さ行って アイドルさ… なれるかどうか分がんねえけど それは 今しか できねえべ!」

美寿々「なれながったら どうする?」

アキ「そん時は 潔く帰ってくるべ。」

かつ枝「帰ってきて また潜んのか?」

アキ「当たり前だ! おら 海女だもん! ただし 町のためとか 誰かのためでもねえ。 おらが潜りでえがら 潜るんだ。」

一同「…。」

アキ「じいちゃんが言ってた。 ここが世界で一番いい所だって 夏ばっぱに教えるために 長く航海してるって。」

回想

忠兵衛「いろんな国の いろんな町を この目で見て回ってよ んでも やっぱ ここが 一番いいぞって教えてやってんだ。」

アキ「東京よりも?」

忠兵衛「北三陸も 東京も おらに言わせれば 日本だ。」

回想終了

アキ「おらも一緒だ。 ここが 一番いいぞって みんなさ教えるために 東京さ行ぐ。 行ぎでえんだ。」

かつ枝「行がせてやっぺ!」

美寿々「え?」

かつ枝「行げ アキ。 ここは おらたちに任せて 東京で頑張れ!」

アキ「かつ枝さん…。」

かつ枝「誰のためでもねえ。 潜りでえ時に潜る。 そったな 当たりめえの事を まさか おめえがら 教わるとは思わねがった。」

弥生「んだな。 朝が早(はえ)えとか 海が しゃっこいとか 家族のため 町のためだって 自分さ言い聞かせて 乗り越えてきたが でも それは嘘だ! 好きだから潜る! それが 根本だべ。」

美寿々「若(わけ)え時は 潜んのが面白くて 潜るだけで十分だったもんね。 アキちゃんも潜りてえ時に 潜ればいい。」

アキ「でも おらが いねぐなったら 観光客が…。」

花巻「んだ んだ。 せめて 9月の本気獲(ど)りまで。

かつ枝「いや 駄目だ。 今すぐ行け。」

花巻「ここの改装費 まだ ローン残ってるべ。」

かつ枝「じぇ…。 銭なんか なんとかなる! おめえ一人 欠けたぐれえで 40年続いた 海女クラブが 廃れてたまるもんか!」

弥生「んだ んだ 海女は アキだけでない! 後継者なら ほかにもいるべ! 何なら 花巻ちゃんとこの娘っ子も なあ!」

鈴「おら アキちゃんみたいに潜って ウニ取りてえ!」

琴「おら ミス北鉄だ!」

(笑い声)

かつ枝「どんだべ 夏ばっぱ アキの好きなようにさせて やってもらえねえべか。」

弥生「夏ばっぱ おらからも頼む。 行がしてやってけろ!」

夏「うん…。 おめえらの気持ちは よ~く分かった。 アキ…。 おめえ 東京さ行ってこい。」

アキ「ばっぱ…。」

夏「町の大人たちは おらが説得する。」

観光協会

春子「ユイちゃんが 芸能界に 憧れてるっていう気持ちは よ~く分かった。 東京行きたいなら行けばいい。」

大吉「ちょ… 春ちゃん!」

春子「ただね アキを巻き込まないでほしいの。 田舎に来て やっと 殻 破ったのに また東京に戻ったら 元の地味で暗くて 向上心も協調性も…。」

大吉「アキちゃん!」

アキ「…。」

大吉「海女クラブの話し合い 終わったのか? さあさあ 怖がんなくていいから 中さ入れ。 なっ?」

大吉「じぇ! じぇじぇじぇじぇ!」

長内「な… 何だ? どうした どうした?」

夏「袖が浜 海女クラブでがす。」

長内「知ってら 海女クラブが何の用だ?」

夏「アキの応援で来ました。」

大吉「応援って…。」

<さあ いよいよ 正念場です。 この欲に目がくらんだ大人たちの たまたま 中央に ボスキャラよろしく鎮座する 氷のように 冷たい目つきの母親に アキは思いのたけをぶつける事が できるのでしょうか>

長内「辛~~っ! く~っ!」

今野「おいおい 大丈夫か?」

長内「辛っ! 辛っ! 続けて… 辛っ!」

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