ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」69回「おら、東京さ行くだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】69回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)の意思を尊重し、東京行きを応援することにした夏(宮本信子)と海女たち。アキとユイがもたらす観光収入を諦め切れない大吉(杉本哲太)らは困惑する。そしてアキの東京行きと芸能界入りを強く反対する春子(小泉今日子)は、夏と再び衝突してしまう。人々のさまざまな思いが交錯するスナック梨明日。そこに思わぬ客が現れ…。

69回ネタバレ

観光協会

大吉「じぇ! じぇじぇじぇじぇ!」

長内「な… 何だ? どうした どうした?」

夏「袖が浜 海女クラブでがす。」

長内「知ってら。」

夏「アキの応援で来ました。」

大吉「応援って…。」

<さあ いよいよ 正念場です。 アキは思いのたけをぶつける事が できるのでしょうか>

長内「辛~っ! 辛っ! 続けて 続けて…。」

ヒロシ「アキちゃん このとおり みんな 今回の件では ショック受けてんだ。」

吉田「見れ 大の大人が みんな 涙目になって 組合長なんか もう 泣いた赤鬼のようになって…。」

アキ「組合長…。 いろいろと お世話になりました。」

かつ枝「あんた どうしたんだ? ほらほら 飲め。」

長内「か… か…!」

かつ枝「うん? 何 何?」

長内「辛~っ!」

アキ「そんなに泣かれたら つらくなるべ!」

夏「もらい泣きする前に アキ おめえ 夜逃げしようとした事 みんなさ謝れ。」

ユイ「お騒がせしました。」

夏「よし。 アキは?」

アキ「すいませんでした。」

夏「よし。 ほんだら 春子。 アキの顔たたいた事 ちゃんと謝れ。」

春子「何で 今?」

夏「こういう事はな 後々 大きな しこりが残るんだ。 みんなさ見てる前で ちゃんと謝れ。」

春子「…ごめん。」

夏「聞こえねえ。」

春子「すいませんでした。」

夏「よし。 では 大吉の言い分 聞かせてもらうべ。」

大吉「あっ それは もう 大体 春ちゃんと先生には説明したべ。」

夏「そうなのか?」

春子「ええ。 皆さんにとって大事なのは 目先の金で アキや ユイちゃんの将来なんか どうでもいいっていう事が よく分かりました。」

大吉「ちょっと 春ちゃん やめてけろ。 それじゃあ まるで 俺たちが 2人を金儲けに 利用してるみてえじゃねえか!」

春子「違うの?」

大吉「違うよ…。 違わねえよ! んだよ お金欲しいよ! だって 考えてもみて下さいよ! だって 考えてみても下さいよ! 走れば走っただけ 赤字になるって バカにされてきた北鉄がですよ ユイちゃんのおかげで 今や 黒字も黒字! 人気ローカル線ですよ! 『じぇ!』って なるべ!」

吉田「なる なる。 『じぇ!』って なるべ。」

大吉「閑古鳥が鳴いてた 袖が浜がですよ アキちゃんのおかげで 観光スポットですよ! 『じぇじぇ!』って なるべ!」

吉田「なる なる。 『じぇじぇ!』って なるべ。」

大吉「『じぇじぇ!』ってなると 今度はよ 『じぇじぇ!』じゃ物足りなくなて 『じぇじぇじぇ!』を目指すべ。 …で その次はよ『じぇじぇじぇじぇ!』って なりてえもんだべ!」

功「人間の欲には 切りがないっていう事だね。」

春子「だから言ったんです。 3月のお座敷列車で おしまいねって。」

夏「それで たたいたんだな。」

春子「地道に生きてほしいんです。 私が言っても 説得力ないかもしれないけど 芸能界みたいな 浮ついた世界に行ったら 傷つくの目に見えてるんだから。」

夏「おめえらの話 まとめると 春子は娘の将来のため。 大吉っつぁんは金のため。 先生は どう お考えですか?」

功「うちは まあ 高校だけは卒業してほしいって 家内とも話してます。 あとはね 自分の人生だから 悔いのないようにやってみろって。」

ヒロシ「俺の時とは 随分 違うね。」

功「お前は黙ってろ。」

夏「つまりは 本人次第って事ですな。」

功「まあ そういう事ですね。」

春子「駄目よ 絶対。 何 言ってんの。」

大吉「んだ んだ。 せめて 9月いっぱいまでは 頑張ってもらわねば!」

功「だから 卒業したあとの話って 言ってんだよ!」

春子「アキは芸能界なんか 絶対 駄目ですから。」

菅原「岩手のローカル局で十分だべ!」

長内「夏場は 毎年潜って 客を集めてもらわねば!」

夏「あ~ やがましい! どいつも こいつも 自分の事ばっかり考えて! おめえら… ここらで 2人に恩返しするのが 筋でねえか。 若(わけ)え2人の未来を 欲の皮の突っ張った大人が 犠牲にしちゃなんねえ!」

(拍手)

春子「フフッ いい事 言うわ さすが夏さん。 立派!」

夏「あ?」

春子「私が出ていく時も 言ってくれたら よかったのに。 来たよね うちに。 欲の皮の突っ張った 大人が。」

かつ枝「春ちゃん…。」

回想

弥生「おめえしか いねえんだ! 春子!」

かつ枝「袖が浜の未来のためだ!」

弥生「頼む! 潜ってけろ!」

回想終了

春子「あの時さ 今みたいに 立派な事 言ってくれたら 私の人生もい違ってたんだろうね。」

夏「春子 おめえ また その話 蒸し返すのか?」

春子「あるいはさ『行くな!』って 止めてくれたら それは また それで 違ったよね 人生。 …っていうか 止めてほしかったよね。」

夏「それは 今だから 言える事だな。 今のおめえは 後ろ振り返って しゃべってる。 だから 話せる。 あん時のおめえは 前しか向いてねがった。 おらが 何 言っても 聞く耳 持たなかったべ。 なっ?」

春子「そうかもね。 うん そうかもしんない。 でも 私は止める。 去る者は追う! 全力で! 娘が傷つくの分かってて 背中押せるほど 懐 深くないの あんたみたいに!」

夏「お前とアキも違うぞ。」

春子「はあ!?」

夏「まあ いいや… 言いたい事 言ったし。 寝るべ。 帰るべ。」

大吉「じぇじぇ! それはねえべ 夏ばっぱ!」

アキ「ありがとう 夏ばっぱ! かつ枝さん 弥生さん 美寿々さん 花巻さん いねえけど 安部ちゃん。 みんな ありがとう! おら ここさ来て 本当に いがった。]

アキ「北三陸で 袖が浜で みんなと会えて 本当に いがった! みんなに かわいがられで 怒られで もう おら 昔の おらじゃねえ。 ユイちゃんもいるし 東京さ行っても 大丈夫だ!」

夏「ハッハッハッ そんなら よし!」

(笑い声)

夏「帰るべ!」

(笑い声)

喫茶・リアス

大吉「うっかり 泣いちゃったよ くそ! 俺が泣いて どうすんだ。 ウーロンハイ!」

春子「やめときなよ。 お酒なんか飲んで 大丈夫なの?」

大吉「飲まなきゃ やってらんねえよ チクショー!」

水口「コーヒー下さい。」

大吉「ごめん。 まだ スナックタイムじゃなかったんだね。」

春子「ううん いいの。 私も飲みたかったし。 今日は 7時であがるから。」

大吉「あっ そうなの?」

春子「うん。 一応ね アキと 話し合おうかと思って 今後の事。」

功「そうか。 何か ウルッときちゃったな アキちゃんのスピーチ。」

ヒロシ「確かに この1年で どんどん たくましくなりましたもんね。」

春子「そうだよね。 まあ 悔しいけど それは ちゃんと お礼 言わなくちゃいけないね。 大吉さん! ありがとうね。」

大吉「うん? お… 俺?」

勉「吉田さん 吉田さん 吉田。」

吉田「うるせえな 勉は弟子と 琥珀でも磨いてろ!」

勉「ほら ほら!」

菅原「うるせえ 勉! この いい雰囲気 壊さねえで そっちさ…。 じぇ。」

吉田「じぇ!」

美寿々「ごめん ごめん! 遅くなりました!」

春子「あ~ 大丈夫 大丈夫。 じゃあ 私 これで あがるからさ あと よろしくね。(小声)あれ ウーロン茶だから。 じゃあね お疲れさまでした~。」

大吉「ウーロンハイ!」

美寿々「はいはい! ウーロンハイ お代わり。 ほかに ご注文は? タクちゃん!」

水口「こんばんは。」

春子「つうかさ 水口いなかった!?」

水口「こんばんは。」

大吉「てめえ どの面 下げて ここさ来た!」

菅原「先輩 先輩!」

美寿々「やめて 大吉っつぁん!」

大吉「あ~! うん! この疫病神! なして よける。 なして よける!」

水口「よけてないです。」

吉田「もう 飲めねえ酒 飲むから。」

春子「飲んでないよ!」

吉田「え?」

春子「さっき飲んだの ウーロン茶!」

美寿々「あ~!」

大吉「当たった~! いや 当たっちゃった! 水口君!」

天野家

アキ「じぇじぇじぇ!」

ユイ「えっ 何?」

アキ「水口さん 梨明日に来てるって。」

ユイ「何で?」

アキ「分かんない。」

ユイ「えっ? 迎えに来たのかな?」

スナック・梨明日

ヒロシ「それは分がんねえ。 うん。 とりあえず グッタリしてる。 うん。 駅長が殴茶って。 また 電話する。 うん は~い。」

水口「もう大丈夫。 すいません。」

大吉「いや いや いや 俺も つい… ウーロン茶に のまれでまって 悪かった。」

水口「今日は社長の代理で来ました。 オーディションではなく 正式に ユイちゃんとアキちゃんを ハートフルの所属のタレントとして 迎えたいという ご相談です。」

春子「何で社長が来ないの? ここに来るのだって仕事じゃん!」

水口「先日の海女~ソニックの生中継 社長も見てます。 かなり気に入ってくれて 2人のキャラクターも さる事ながら あのイベントの盛り上がりに 感銘を受けたというか…。 まさに GMT47プロジェクトのコンセプトに…。」

春子「GMT?」

水口「地元を愛する地元発のアイドルです。」

春子「ああ ダジャレね。 はいはい 続けて。」

水口「で 現在 公認のアイドルグループが 全国で 16組おりまして…。」

吉田「そったらに?」

水口「はい。 あっ 一部紹介してもいいですか?」

水口『静岡代表 茶柱ピンピン娘』

水口『福島代表 赤べこ&青べこ』

水口『福岡代表 親不孝ドールズ』

一同「もういい。」

水口「で その中の選抜メンバーが 既に上京して 上野の劇場で レッスンを受けています。 それは GMTのメンバー…。」

春子「GMT?」

水口「ダジャレです。」

春子「あんたさ おわびとか 相談とか 言いながら 売り言葉 すぐ買ったりするよね。 愛想もないし 全然なってないんだよ!」

水口「ハハハッ よく言われます。」

春子「フフッ よく言われますっていう 場合じゃないんだよ! ホント 危なっかしくて 信頼できない。」

美寿々「そこが いいのよね。」

水口「信頼されてないのは分かってます。 でも 僕も本気なんで。 ここで引き下がる訳には 行かないんです。」

春子「今日 これから話し合うんです。 本人と。 あっちは 東京に行くつもり。」

春子「こっちは 絶対に行かせないつもり。 どっちが勝つかな~?」

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