ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」72回「おら、東京さ行くだ!」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】72回のネタバレです。

あらすじ

大吉(杉本哲太)の計らいで貸し切りの臨時列車で東京に行くことになったアキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)。別れ際、春子(小泉今日子)はアキに一通の手紙を渡す。みんなが集まったリアスで、勉(塩見三省)が意外な事実を語りだす。列車が袖ヶ浜にさしかかると、浜には夏(宮本信子)の姿があった。一方、一緒に行くユイは、途中の駅から合流するはずだったが…。

72回ネタバレ

天野家

アキ「見送り 来てくれるよね?」

春子「大吉さんと一緒に 駅まで行く。」

アキ「ばっぱは?」

春子「ウフフ! どうだろうな? 湿っぽいの嫌いだからね 夏さんは。」

アキ「え? さっきまでいだのに。」

春子「え? アハハ! 海だね。」

北三陸駅

弥生「天野アキの門出を祝して。 バンザ~イ! バンザ~イ!」

一同「バンザ~イ!」

アキ「じゃあね! 行ってきます!」

かつ枝「頑張れよ!」

(一同の声援)

回想

春子「通して下さい!」

大吉「春ちゃん!」

春子「どいてよ! 邪魔!」

(歓声)

回想終了

北鉄

アキ「ありがとう。」

大吉「だば まだ時間あるから ごゆっくり。」

春子「ごゆっくりって何? 2人で?」

大吉「一応 気利かせたつもりだ。 ハハハハ!」

春子「ヘヘヘ ヘヘヘ! 何か アキ しゃべってよ。」

アキ「いや ゆうべ いっぺえ しゃべったから。 もう特にねえよ。」

春子「ですよね。 ね 忘れ物 ないよね?」

アキ「うん。」

春子「お金は? ちゃんと2か所に 分けた? お財布とパンツの中と。」

アキ「うん。」

春子「よし! まあ あれだ いろいろ 大変だと思うけどさ。 ちゃんと 水口さんの言う事聞いて え~ ホントに 何か困った時だけ パパに連絡しなさいよね。 まあ せっかく近くにいるんだしね あの人。 ね!」

アキ「行ぎだぐねえ!」

春子「ええ?」

アキ「ママ 東京さ行ぎだぐねえ!」

春子「ちょっと待って 何 言ってんのよ? ほらほら 吉田さん来ちゃったよ。」

アキ「行かなきゃ!」

春子「行くんだ。」

アキ「じゃあね。」

春子「うん。」

アキ「夏ばっぱと 仲良くね。」

春子「うん。」

アキ「けんかしないでね。」

春子「はいはいはい。」

アキ「(泣き声)」

春子「あの… これ あとで読んでね。」

アキ<それは 私の知らない 母の半生をつづった手紙でした>

アキ「ママ!」

春子「うん?」

アキ「私変わった?」

春子「え?」

アキ「1年前と 随分変わった?」

大吉「出発進行!」

春子「変わってないよ アキは。」

アキ「ママ。」

春子「昔も今も 地味で暗くて 向上心も 協調性も存在感も 個性も華もない パッとしない子だけど だけど みんなに好かれたね! こっちに来て みんなに好かれた。 あんたじゃなくて みんなが 変わったんだよ! 自信持ちなさい それはね 案外すごい事なんだからね!」

アキ「うん!」

春子「行ってらっしゃい!」

アキ「行ってきます! 行ってきます!」

春子「行ってらっしゃい!」

アキ「行ってきます!」

大吉「行ってらっしゃい!」

アキ「行ってきます!」

春子「頑張れアキ!」

大吉「アキちゃん!」

春子「頑張れアキ! 行ってらっしゃい!」

アキ「行ってきます!」

大吉「行ってらっしゃい!」

春子「(ため息)」

喫茶・リアス

春子「(ため息)」

弥生「あ~あ! 行っちまったな!」

今野「さあ これからが 正念場だな 観光課長。」

菅原「張り合いが なくなってまったな。 ミス北鉄の 2代目でも探すか?」

春子「フフフ! でも あの子たちは幸せよ みんなに祝福されてさ。 私なんか 誰も見送りなんか 来なかったもんね。」

大吉「嘘(うそ) 嘘 すごい人出だったべ 日の丸の旗振って。」

春子「いやいや それは 北鉄を見に来た 人たちでしょ? うちなんか 母親も来なかったんだから。」

勉「春子さん。」

春子「うん?」

弥生「浜で ワカメ取ってたんだよな 夏ばっぱらしいべ。」

勉「…。」

春子「何? 勉さん。」

勉「お母さん いたんだよ。 あの日。」

春子「え?」

勉「夏さん ちゃんと 見送りしてたんだ。」

大吉 菅原「じぇじぇ!」

弥生「いやいや そんな訳ねえべ! おら ホームさ いたけど 見かけなかったど!」

勉「ホームじゃなくて 浜で。」

回想

1984年(昭和59年)

(波の音)

勉「夏さん。」

回想終了

弥生「何だや! そったら大事なこと なして黙ってた 勉さん!」

勉「『誰にも言うなよ』って 夏さんから ワカメもらったから。」

菅原「ワカ… え? それで25年もか!」

春子「それって 浜でって? え! じゃ 何で私 気が付かなかったんだろう?」

大吉「ごめん 春ちゃん! おらが 話しかけたからかもしんねえ。」

回想

大吉「すいません すいません! すいません」

大吉「春ちゃん 東京さ行くのか? 北鉄も通って この町も ますます活性化するべ。」

春子「うるせっ! 一人で生きていくって 決めたんだ! どいて!」

(警笛)

夏「よし来た! 頑張れ~! 春子~! 行ってこ~い! 春子~! 元気でな~! バンザ~イ! バンザ~イ!」

回想終了

北三陸駅

大吉「春ちゃん!」

春子「ずっと恨んでた。 もしも あの時 お母さんが 笑顔で送り出してくれてたら どんなに気が楽なんだろうって。」

大吉「笑顔で 送り出してたんだな。」

春子「何だよ! なんて人だろ 夏さんて。 何だよ もう 何なんだよ もう! う~ん!」

大吉「大吉! おめえは バカか この! 大吉! バカこの! 大吉!」

北鉄

吉田「アキちゃん どうしても行ぐのか? 東京さ 行ぐのか?」

客「車掌さん おしっこさ 行きたくなったんだども 次の駅まで なんぼ かかんべ!」

吉田「ていうか これ貸し切りの 臨時便。 駄目だよ 乗ってきちゃ。」

客「どうするべ?」

アキ「じぇじぇじぇ!」

吉田「ん? どうしたアキちゃん。」

アキ「見で あれ。」

吉田「あら!」

夏「バンザ~イ!」

アキ「ばっぱ! ばっぱ!」

夏「バンザ~イ!」

アキ「ばっぱ 元気でね! 行ってくっからね!」

夏「バンザ~イ!」

アキ「ばっぱ 元気でね! ばっぱ 元気でね! またね!」

夏「アキ~! つらくなったら 帰(けえ)ってこいよ!」

北三陸駅

大吉「バカ バカ バカ!」

春子「フフフ!」

大吉「バカ!」

春子「もういいよ。 大吉さん。」

大吉「バカこの! バカこの!」

春子「フフフ! あ~!」

北鉄

(警笛)

アキ「え? ユイちゃん?」

アキ「何で?」

ユイ「ごめん 行けなくなった。 でも すぐ追っかけるから。 先 行ってて。」

ヒロシ「親父が倒れたんだ。」

回想

(物音)

ユイ「お父さん? お父さん? お父さん お父さん! お父さん?」

回想終了

ヒロシ「お医者さんは じきに 意識は 取り戻すだろうけど 大きな病院に 転院するかもって。」

ユイ「ごめんね アキちゃん。」

アキ「いや うん そしたら おらも 行ぐのやめるか。」

ユイ「駄目! それは駄目! アキちゃんは 行って。 大丈夫 すぐ よくなるから。 必ず すぐ行くから ね!」

ヒロシ「ユイ!」

吉田「ユイちゃん 出発すっど。 お~い 発車すっど!」

アキ「これ!」

ユイ「すぐ行くからね! すぐ行くからね! すぐ行くから 待っててね! アキちゃん ごめんね!」

吉田「危ねえ! 危ねえど!」

ユイ「待っててね! アキちゃん!(泣き声)」

(警笛)

ユイ「(泣き声)」

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