ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」78回「おら、奈落に落ちる」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】78回のネタバレです。

あらすじ

ユイ(橋本愛)は、父・功(平泉成)の病気が原因で東京へ行けず、ふさぎ込んでいた。ユイに変に気を使い、ついぎこちなく接してしまう大吉(杉本哲太)や菅原(吹越満)たち。そのころ東京では、アキ(能年玲奈)たちGMTのメンバーと水口(松田龍平)が、真奈(大野いと)が初めてステージに立てたことを祝い、劇場近くのすし屋で大騒ぎ。その隣の席にいたのは、なんと憧れの大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)だった。

78回ネタバレ

スナック・梨明日

<ミス北鉄のユイちゃんが 約2週間ぶりに みんなの前に姿を現しました>

大吉「こんばんは。」

ヒロシ「今回は どうも お騒がせしました。」

大吉「いやいや お騒がせって 俺ら いつも ここで騒いでるだけだからな。」

菅原「んだ んだ! 俺らみんな 先生の教え子だもの 君たち兄弟を 助けるのは 当たり前だ。 遠慮しないで頼ってけれ。」

ヒロシ「はい。 よろしく お願いします。」

春子「何か食べる? おなか すいてない?」

ユイ「お兄ちゃん帰ろ。」

ヒロシ「どうしようかな?」

春子「そうだね 別に無理して あれしなくても大丈夫。」

吉田「1杯飲んでいけばいいべ! 足立君。」

栗原「そうだよ。 座んなよ。」

ユイ「帰ろう。」

ヒロシ「ちょっとぐらい いいだろ。」

勉「(すすり泣き)」

菅原「アキちゃんとは 連絡取ってるのか?」

大吉「あ そうそう 今ちょうど しゃべってたんだ。 今年もやんだよ ミス北鉄 ユイちゃんが 2連覇してくらたらなあって。」

吉田「んだ んだ。 もう永久に ユイちゃんが ミス北鉄だ。」

店を出ていくユイ

ヒロシ「何か すいません!」

春子「何なの あんたたち!」

3人「え?」

春子「何 ギクシャクしてんのよ。」

菅原「いや いつもどおりだべ。」

栗原「いやいや すごい変な空気でした。」

春子「反省会しようか? 吉田君 何で引き止めた?」

吉田「だって『何か食べる?』って 春子さんが。」

春子「そりゃ言うわ スナックだもの。 でも ちゃんと 断れるような 言い方したよね?」

勉「(すすり泣き)」

吉田「あ~あ。」

春子「で? 菅原君 何で アキの事 話題にした?」

菅原「え?」

春子「今一番 触れちゃいけない 話題でしょうが?」

菅原「あ~!」

春子「で 追い打ちかけるように 何? 大吉さん。 ミス北鉄? 2連覇? それ言って 喜ぶと思ってんの? バカか? バカなのか! そういう 腫れ物に触るような 接し方が 一番 傷つくんだよね。 ねえ 勉さんは いつまで泣いてんの!」

勉「(すすり泣き)」

大吉「なるほどな そういう心理は 経験者じゃねえと 分かんねえもんな。」

春子「まあ。 元 腫れ物ですから。」

一同「ああ。」

まごころ第2女子寮

アキ「あ 夏ばっぱ?」

夏☎『おうアキか?」

天野家

夏「あ こっちは 変わんねえよ。 まあ かつ枝が 妊娠したぐれえだ。 ハハ!」

(アキが吹き出す)

かつ枝「ん? ハハハ! 猫だ 猫! いや おめえが 東京さ行ってからよ 夏ばっぱ 寂しそうだから。」

まごころ第2女子寮

かつ枝☎『おらんとこの 猫1匹 譲ったのだ。 正確に言うと かつ枝から もらった猫が 妊娠したっつう訳。 エヘヘヘ! 何? すし?」

天野家

かつ枝「夏ばっぱ すし 腹いっぺえ食ったら なんぼ かかるかって?」

夏「回ってんのか? 回ってねえのか?」

まごころ第2女子寮

アキ「回ってんの。」

天野家

かつ枝「回ってんの。」

夏「1,000円あれば 十分だべ。」

まごころ第2女子寮

アキ「じゃ 回ってねえのは?」

天野家

かつ枝「回ってねえのは?」

夏「まあ 2,000円あれば十分だべ。」

まごころ第2女子寮

アキ「そんなもんだよね!」

無頼鮨

(電車の通過音)

伊東「いらっしゃいませ! はい こちら おしぼりでございます。」

しおり「どうも。 ね アキ ホントに大丈夫?」

小野寺「わだす 財布さ 2,000円しか入ってねえけど。」

アキ「へへ!」

しおり「じゃ 始めよっか!」

一同「うん!」

しおり「乾杯の音頭は GMTから 初めてのシャドウとして 3日間 5ステージを 見事務めた真奈!」

(拍手)

真奈「本当は 初日ボロボロやったあと こんまま福岡…。(せきこみ)…に 帰ろうかにゃと 思ったとです。 ばってん アキちゃんが がばい よか言葉 言うてくれて。 アキちゃん 何やったっけ?」

アキ「乾杯~!」

一同「乾杯~!」

伊東「ご注文は?」

アキ「あ~。」

回想

夏「メニューが ねえ時にはな『適当に』って言うんだ。」

回想終了

水口「メニューとかって ありました?」

アキ「適当に。」

伊東「あ かしこまりました。 お任せで お願いします。」

喜屋武「アーキー。」

アキ「なんくるないべさ!」

伊東「はい お待たせしました。」

(歓声)

しおり「来たよ はいはい。 ちょっと ちょっと。 すごい!」

一同「頂きます!」

喜屋武「う~ん! おいしい?」

しおり「うん。」

♬~(カチャーシー)

水口「何 騒いでんの? うるさいよ。」

アユミ「私 阿波踊り踊る! ♬『ヤットサー ヤット ヤット』」

水口「うるさい! あ!」

アユミ「すいません!」

伊東「すいません うるさくて。」

水口「つうか 宮下。 おい お前 未成年のくせに 飲んでんじゃねえよ。」

アユミ「未成年ちゃうし。」

アキ「え?」

アユミ「フフフ! すいません 年齢詐称。 私 ホンマは 二十歳。 今年21です。」

一同「じぇじぇじぇ!」

アユミ「じぇじぇ!」

しおり「いやいやいや!」

アユミ「アメ女なんか サバ読んどる子 めっちゃ おるで。」

喜屋武「まあ 売れたら勝ちさ ね!」

アユミ「うん!」

水口「声でけえよ! 誰が聞いてるか 分かんないんだからね。」

喜屋武「はい。」

水口「アイドルの卵みたいで 東京EDOシアターの。」

真奈「ごめんなさい! うちも嘘ば ついとって。」

アキ「え?」

しおり「え?」

アユミ「ホンマは いくつ?」

真奈「年齢やなかと ほんなごては うち 福岡出身じゃなかとです!」

一同「え?」

真奈「佐賀県出身です ごめんなさい!『福岡と佐賀って 隣同士で 福岡のグループに所属しとるし 福岡出身で通した方が 通りよかばい』って 博多華丸さんに言われて。」

しおり「いや ピンとこない。」

水口「そっか  だから福岡って言う時に せきこんでたんだ。」

真奈「はい 嘘のつけん性分で。」

しおり「え~!」

真奈「え? ピンとこんって なん?」

しおり「いや 違いが分かんねよな?」

喜屋武「なんくるないさ!」

水口「いや売れる前でよかったよ。 ほら 座って食え。」

真奈「佐賀と福岡は 違います! 全然違うばい!」

水口「落ち着け!」

真奈「もう 適当に持ってきんしゃい!」

水口「すいません。」

小野寺「なんぼ持ってる?」

アキ「きっちり 2,000円。」

しおり「ほら カッパ巻き いっぱい残ってるから。」

水口「落ち着け お前。」

小野寺「水口さんに借りるが?」

アキ「持ってねえと思う。」

小野寺「え?」

アキ「その証拠に さっきから見てるど すし 一貫も食ってねえし 焼酎 飲んでるように見えるが 水を水で割ってる。 最終的に 逃げるつもりだ。 ばっぱ!」

回想

夏「もし 足んねかったら? そん時は 謝り倒して 皿洗いでも 何でもすんだな。」

回想終了

アキ「ここで 働ぐのかあ。」

伊東「タクシー到着しました。」

女客「ありがとう。」

しおり「じゃ アキは?」

アキ「え?」

しおり「聞いてねえの?」

喜屋武「『好きな女優 誰ね?』って。」

アキ「ああ 鈴鹿(すずか)ひろ美(み)。」

一同「え~!」

アキ「え 駄目?」

しおり「いや お芝居は うまいと思うよ ただ 何か鼻につかない?」

アユミ「いい噂 聞かんもんな。 新人泣かしたとかさ。」

しおり「お城に 住んでそうじゃない?」

アキ「おらも よく知らねえけど テレビで 昔の映画見て。」

アユミ「映画いっぱい出てるもんな。」

女客「ごちそうさま!」

アユミ「もともと アイドルだったんでしょ? それから トントントンみたいな。」

小野寺「誰?」

しおり「知らないの?」

真奈「時代劇とか よう出よんしゃる 有名な大女優さんみたい。」

しおり「私 あっちの方が好きだな あの 冷蔵庫のCMとか出てる。」

アユミ「あ~! 何だっけ?」

アキ「じぇじぇじぇじぇ! じぇじぇじぇじぇじぇ~!」

水口「すいません。」

伊東「はい。」

水口「今 大体いくらぐらい?」

梅頭(うめず)「支払い 済んでるから。」

水口「え?」

伊東「さっきまで お隣にいらした お客様が 払われましたよ。」

<ユイちゃん これは 事件です 大事件です。 憧れの女優 鈴鹿ひろ美が ついたて1枚隔てた 隣の席にいたなんて>

しおり「アキ!」

水口「どこ行くんだ?」

道中

アキ「あの 鈴鹿さん!」

鈴鹿「はいは~い!」

アキ「あの…。」

水口「おい 天野!」

アキ「あの…。」

水口「鈴鹿さん いらしてたんですね。」

鈴鹿「あなた確か 太巻(ふとまき)んとこの…。 え~と。」

水口「水口です。」

鈴鹿「水口さん ハハ! 水口さん。」

水口「今日は どうも ごちそうさまでした。」

アキ「ごちそうさまでした!」

鈴鹿「嫌だ もう そんな。 お構いなく。」

一同「ごちそうさまでした!」

鈴鹿「大げさ! 今日は 気分がよくて 楽しかったから。」

「鈴鹿さん!」

一同「ごちそうさまでした!」

鈴鹿「え? やだ え?」

伊東「あ あの 皆様の分も 全部払ってと おっしゃったので。」

鈴鹿「お構いなく。 ほっとけないだけなの。 私も 皆さんの年頃から この世界でやってますから。 鼻につくとか 言われながらね。」

しおり「すいません!」

水口「すいません 世間知らずなんですよ。 地方出身者ばかりを集めた アイドルグループで よろしければ ご挨拶させて頂いても。」

鈴鹿「そうね ここで お会いしたのも 何かのご縁ですから。 お名前くらい 伺っておこうかしら。」

しおり「はい! 海はないけど 夢は… ある!」

鈴鹿「結構です! 人目もあるし。 さて お城に帰りましょ。」

水口「ありがとうございました。」

一同「ありがとうございました。」

アキ「握手! 握手。」

水口「こらこらこら! 何やってんだよ。」

アキ「ファンです! あんださ 憧れて 東京さ来ました!」

水口「おい! 天野。」

アキ「『潮騒のメモリー』最高です 最高です!」

鈴鹿「ありがとう。 いつか一緒に お芝居しましょうね。」

水口「すいません。」

アキ「かっけえ~!」

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