ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」79回「おら、大女優の付き人になる」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】79回のネタバレです。

あらすじ

憧れの大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)に出会って大興奮のアキ(能年玲奈)。一方、上京できずにいるユイ(橋本愛)は、うっ屈した思いを募らせていた。ヒロシ(小池徹平)からユイのことを聞いて心配になったアキは、安部(片桐はいり)に相談に行く。そこで偶然、潜水土木科の先輩・種市(福士蒼汰)と再会する。羽田空港拡張工事にダイバーとして参加していたはずの種市は、なんと仕事を辞めていた…。

79回ネタバレ

東京EDOシアター

<夏休みも終わりに使づいた 8月の ある日 おら 一人で東京さ来ました。 人気グループ アメ横女学園の補欠として 奈落と呼ばれるレッスンルームで 下積み生活を送っています>

無頼鮨

アキ「じぇじぇじぇじぇ! じぇじぇじぇじぇじぇ~!」

アキ「鈴鹿さん!」

鈴鹿「はいは~い。」

<そんな ある日 おら 憧れの人と出会います>

鈴鹿「お構いなく。 ほっとけないだけなの。 私も皆さんの年頃から この世界で やってますから。」

水口「おい 天野!」

アキ「『潮騒のメモリー』最高です! 最高です! 最高です!」

<ユイちゃん ママ 夏ばっぱ おら 何だかんだいって ツイてんじゃんねえか?>

まごころ第2女子寮

アキ「なして 黙ってたんですか!?」

水口「何が?」

アキ「鈴鹿ひろ美と 知り合いだったんなら 言ってくれたらいいのに…。」

水口「あ~ まあ 向こうは 俺の事 覚えてなかったけどね。」

アキ「いや でも すげえよ。 鈴鹿ひろ美と会っちまったよ。」

水口「鈴鹿ひろ美さんね。」

アキ「あっ もう『さん』付けで呼ぶ 間柄か~。」

水口「でも その話 会社で しない方がいいよ。」

アキ「えっ なして?」

水口「鈴鹿さんと太巻さん いろいろあったらしいから。」

海女カフェ

夏「鈴鹿ひろ美って あれだべ? ここさ ポスター貼ってる 静(しずか)御前。」

まごころ第2女子寮

アキ「んだんだ!」

小野寺「アキちゃん 行ってるね。」

アキ「あっ うん! 静御前に おすし ごちそうになっちゃった。」

海女カフェ

夏「ハッハッハッ いがったなあ。 ばっぱの おかげだな。」

アキ☎『んだな。 ホントの値段 知ってたら あんな店 行がねえよ。」

まごころ第2女子寮

アキ「だましてくれて ありがとう。 みんな変わりねえか?

海女カフェ

夏「んだなあ 美寿々に 彼氏ができたぐれえだ。」

まごころ第2女子寮

アキ「じぇじぇ!」

海女カフェ

美寿々「しかも… あんた 何人?」

カマール「バングラデシュでしゅ。」

まごころ第2女子寮

アキ「じぇじぇ! さすがに 今回は 駆け落ちは無理だ。」

海女カフェ

夏「じぇじぇ!」

美寿々「それから また ユイちゃんが ミス北鉄に選ばれたど!」

まごころ第2女子寮

アキ「じぇじぇ!」

観光協会

ヒロシ「そうなんだ。 2連覇。 授賞式は欠席したから 俺が代理で ティアラ受け取って…。」

まごころ第2女子寮

アキ「そうですか。 どうですか? 最近は。」

ヒロシ☎『うん。 親父は ちょっとずつ よくなってるんだけどね。』

アキ「ユイちゃんは?」

観光協会

ヒロシ「アキちゃんは気にしなくていいよ。」

まごころ第2女子寮

アキ「そうはいかねえです! おらとユイちゃんは 一蓮拓郎(いちれんたくろう)です!」

観光協会

ヒロシ「托生(たくしょう)ね。」

まごころ第2女子寮

アキ「二束三文でやっていうんです!」

観光協会

ヒロシ「…二人三脚かな? うん ありがとう。 元気は元気なんだけど 学校行ってないんだ。 おふくろと交代で 親父の看病してて ちょっと休んだら 生きづらくなったみたいで…。 何しろ こっちじゃ有名人だろ?」

回想

ユイ「ごめんね アキちゃん。」

アキ「そしたら おらも行ぐの やめるか。」

ユイ「駄目! それは駄目! アキちゃんは行って! 大丈夫。 必ず すぐ行くから。 ね?」

回想終了

北三陸駅

「あれ 北鉄のユイちゃんでねえ? んだよね。 ユイちゃんだよね! じぇじぇじぇ! あの 握手 握手。 行ったよ 夏の海女カフェ! 海女~ソニック? あれ 東京さ行ったんでねえの? もう帰ってきたの? ねえねえ ねえねえ ちょっと まだ話してるべ。 逃げる事ねえべ。 なっ カラオケ行くべ。」

「何だよ この野郎…。」

磯野「よせよ。 彼女 嫌がってるだろ。」

「覚えてろよ。」

磯野「覚えてるさ!」

磯野「普通科の先生が嘆いてたど 学校さ来ねえって。 学科は違うけど 先生 ある意味 潜水土木の生徒より ユイちゃんの事が…。 何だ この野郎。」

吉田「よせよ。 彼女 嫌がってるだろ。 あれ?」

(その場を去るユイ)

喫茶・リアス

吉田「はあ… なんとかしてやりてえ。」

大吉「はあ… なんとかしてやりてえ。」

春子「はあ…。 だから それが重いっつってんの。」

大吉「何がよ?」

春子「ほっといてやんなよ。 ほとぼりが冷めるまでさ。」

大吉「いつよ?」

春子「いつって?」

大吉「いつ ほとぼりが冷めるのよ! いつになったら ユイちゃん 前みたいに 北鉄さ乗ってくれるのよ! 爽やかな笑顔 振りまいてくれるのよ!」

春子「私に当たんないでよ!」

吉田「すいません。 おらたちには その… 微妙な女心は分かりません。 逆に『今!』言ってもらえれば そのタイミングで慰めますよ…。(泣き声)」

安部そば

安部「(くしゃみ)なんとかしてやりでえな。」

アキ「だけど 頑張れなんて言いだぐねえし 言える立場じゃねえ。 おらも まだ どうにもなってねえがら。」

種市「すいません。」

安部「いらっしゃい!」

アキ「そばですか? うどんですか?」

種市「自分 まめぶ大盛り。」

アキ「じぇじぇじぇじぇ!」

種市「おう。」

安部「えっ やんだ 知り合い!?」

種市「東京来たんなら 連絡よこせよ。 水くせえな。」

アキ「いや すぐ連絡したら 負けっつうか まだ 恋愛感情あると思われても 癪(しゃく)だから。」

種市「面倒くせえ奴(やつ)だな。」

アキ「じぇ。 懐かしいな先輩。 絵葉書 届きましたよ。 羽田空港の拡張工事 始まったんですよね。」

種市「…ああ。」

アキ「南部ダイバー魂は健在ですか?」

種市「…うん。」

アキ「すげえな。 潜水土木の花形だもんな。」

種市「どっかで 飯でも食うか? 天野。」

安部「じぇ! 今 まめぶ入れちまったべ。」

種市「うまいもん食おうぜ。 おごるよ 一応 社会人だし。」

安部「まめぶは うまいもんじゃないっつうの? まめぶの立場は どうなるの?」

種市「遠慮しないで何でも好きなもの…。」

アキ「おすし!」

安部「…アキちゃん?」

アキ「じゃあ また来るね!」

安部「アキちゃん!」

無頼鮨

種市「ユイから連絡あった?」

アキ「最近は…。 先輩は?」

種市「父ちゃんの病気の事も 磯野先生から聞いた。」

アキ「でも 留守電 入れたら メールは返ってきます。 随分 回復して リハビリの成果も出てるって。」

種市「これ 相当 無理してるじゃん…。」

アキ「じぇ?」

種市「『もう大丈夫。 ぜんぜん大丈夫。 大丈夫だよ。 まだ大丈夫』って…。『大丈夫』って 4回も打つなんて 大丈夫じゃない証拠だよ。」

アキ「ああ…。」

種市「まあ 天野のは弱いところ みせたくねえんだろうな。 なんとかしてやりてえけど…。」

アキ「いいな ユイちゃんは…。」

種市「うん? 何が いいんだよ。」

アキ「みんなに気にかけてもらえて。 こっちさ来てから ユイちゃんの事ばっかり 聞かれんだ。 事務所さ行ったら…。」

回想

河島「かわいい方?」

水口「いえ なまってる方です。」

警備員「かわいい方?」

水口「なまってる方。」

しおり「かわいい方は?」

水口「来ない。」

回想終了

アキ「分かってても さすがに へこむわ。 安部ちゃんも 先輩も 案の定『ユイちゃんは?』って…。」

種市「いや 俺は ほら まだ 一応 つきあってっからさ。」

アキ「ひがんでる訳でねえんだ。 やっぱ すげえなって。 いねえ所で 話題に上るって事はよ みんなの心の中さ ユイちゃんが いるって事だべ?」

アキ「うまぐ言えねえけど それが スターの条件っつうか 華っつかよ やっぱ ユイちゃんは 表舞台に 立つべき人間なんだなって つくづく思う。 また つきあってんのか…。」

種市「うん? えっ?」

アキ「そうか そうか 遠距離恋愛続行中か。 先輩も なまってる方でねなくて かわいい方が来れば よかったのにって 思ってる口だな? そうかい そうかい 何か すいませんした。」

種市「別に そんな事 言ってねえじゃん。」

アキ「『言ってねえじゃん』? はあ~ いつの間にやら 標準語か。 かっこいいな!『俺って 南部ダイバーじゃん!』。」

種市「ちょ… 天野! 聞いてくれ  天野。 俺 実は…。」

アキ「えっ まさか…。 えっ ユイちゃんと別れるのか?」

種市「いや そんな予定は ねえ。 遠距離恋愛バリバリだ。」

アキ「何だよ…。 俺 もう 何なんですか?」

種市「俺 もう 南部ダイバーじゃねえんだ。 仕事 辞めた。 会社の寮も出た。 ユイの事も心配だし 来週にも田舎さ帰ろうと思ってる。」

アキ「な… 何で?」

種市「うちの親会社が今 力入れてる計画が 2つある。 一つは 羽田空港滑走路拡張工事。 もう一つが 東京スカイツリーだ。 羽田の工事の着工が 予定より遅れて どういう訳か スカイツリーの方に回された。」

アキ「潜水土木科なのに…。」

種市「全然 関係ねえ。 南部ダイバー魂 見せようがねえんだ。 しかも 高(たけ)え所が苦手らしく…。」

アキ「じぇじぇ!」

種市「高所恐怖症らしく…。」

回想

種市「押さないで下さい!」

「押さない 押さない。」

回想終了

種市「潜るなら 海底100mでも 全然平気だけど 上るのは… 5~6mで クラクラする。 それでも ふんばって やってきたけど…。

回想

種市「もう無理っす!」

「無理?」

回想終了

種市「『スカイツリーが 634m』って聞いて とてもじゃねえが…。」

<東京タワーに代わる 新しい電波塔の建設が 墨田(すみだ)区押上(おしあげ)に計画されました。 それを 絶好のチャンスと捉え 勝負に出た男がいました>

回想

荒巻「上野に劇場なんて 造って どうする? 太巻は バカなのか? 株主たちに さんざん たたかれました。 その度に 太巻は こう答えました。 2011年に 東京EDOタワーが建つんです!」

<2008年 タワーの名称が決まりました。 太巻が推す 東京EDOタワーなどの 有力候補を押さえ 選ばれたのは 東京スカイツリーでした>

太巻「まあ 私は今でも 東京EDOタワーの方が 断然いいと思ってますけどね。 その… スカイツリー? …が 完成したら 東京の中心は上野に変わります。 渋谷 お台場 秋葉原なんて もう古い! …下北沢? 演劇なんて ださい! 大っ嫌い! アメ横でしょう! スカイツリー? …のお膝元で 私 太巻は アイドルを育成します!」

<東京スカイツリーは おらを 曲がりなりにも アイドルにし 先輩の夢を奪ったのです>

回想終了

アキ「辞めちゃったんですか?」

種市「田舎さ帰って 南部もぐりの指導者になるか ホヤ ナマコ漁でもやるか。 ユイも こっちゃ来ねえみてえだし…。 仕事ねえのに 東京さ いても しゃあねえべ。」

<変わっちゃった。 かつての 熱くて まっすぐな種市先輩は もう そこには いませんでした>

伊東「いらっしゃいませ。」

鈴鹿「こんばんは。」

アキ「じぇ」

アキ「じぇじぇ!」

種市「何?」

アキ「しっ!」

回想

水口「でも その話 会社で しない方がいいよ。 鈴鹿さんと太巻さん いろいろあったらしいから。」

回想終了

<やべえ!>

モバイルバージョンを終了