【 連続テレビ小説「あまちゃん」】7回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)は、夏休みの間だけという春子(小泉今日子)との約束で、新人海女となった。夏(宮本信子)ら先輩に交じり、さっそく海女修業をスタートさせる。春子は、東京にいる夫・正宗(尾美としのり)との離婚を決め、夏が経営する喫茶店兼スナック「リアス」のママとして働き始める。店のカウンターで大吉(杉本哲太)が熱い思いを春子に伝えていたころ、北三陸駅に怪しい男が運転する1台のタクシーが…。
7回ネタバレ
春子「もう どいてよ!」
<北三陸鉄道リアス線が 開通した朝 町を出ていった娘が 24年ぶりに帰ってきました>
春子「アキ。」
<孫を連れて>
夏「ウニ食うが?」
<おばあちゃんは 袖が浜の海女。 その姿を見て 孫は言いました>
アキ「かっけえ~!」
<意味は分かりませんが どうやら 褒めているみたです>
アキ「私 海女さん やりたい!」
夏「はあ!?」
♬『いつでも夢を いつでも夢を』
<こうして24年ぶりに16歳の新人海女が誕生しました>
海
<もちろん 素人が いきなり 潜れる訳ではありません。 最初は 浜の掃除や ウニの殻捨て。 まあ 雑用です>
夏「何やってんだ アキ。 ザバ~ッ ザバッ。」
<それから 接客。 待っている お客さんに まめぶ汁を振る舞ったり カメラのシャッターを押してあげたり…>
かつ枝「撮れだが ホントに?」
アキ「撮りましたよ。」
<客が途切れたら ウニの殻むきを教わります>
夏「手のひらに そっと載せるように持で。 つかんでは 駄目だぞ。 トゲ刺さっから。」
アキ「イデデデデッ! 刺さった!」
夏「あ~…。」
アキ「トゲ刺さった おばあちゃん。」
夏「泣ぐな!」
<営業が終わってから ようやく 潜り方を教わります>
かつ枝「では まず 水温に慣れればなんね! よし 入ってみろ。」
アキ「うお~ しゃっこい しゃっこい!」
美寿々「当たりっめえよ! だから『北の海女』なのさ」
<ベテランでも いきなりは入りません。 ちょっとずつ 体をぬらして 水に慣れてから入ります>
かつ枝「まず泳いでみろ! おめ それだば 溺れでるべ。 手を まっすぐ伸ばすだ! まっすぐ伸ばしたら 水かけ!」
<夕方まで泳いで 先輩海女さんたちの衣装を干して また掃除。 漁協に寄って おしゃべりしてたら もう夜です>
天野家
アキ「(いびき)」
春子「えっ? ちょっと アキ どうしたの? 御飯の途中だよ。 どうしたの!? アキ!」
夏「疲れたんだべ。」
春子「えっ?」
夏「寝かせろ。」
春子「しょうがない…。 うっ うん1 は~い。」
夏「で? どうすんだ おめえ。」
春子「えっ?」
夏「アキ 置いて 東京さ帰るのか?」
春子「そうだ。 判子どこだっけ?」
夏「判子? 何に使うんだ?」
春子「離婚届。 私ね 離婚する事にしました。」
アキ「じぇ!(いびき)」
春子「あっ 知ったこっちゃないよね~。」
夏「結婚した事も 知らされてねえがらよ。」
春子「そっか。 そうですよね~。 タクシー運転手と結婚したの。 とっても いい人だったけど 別れます。」
夏「簡単に まとめたなあ。 気にすんな。 北三陸はな 離婚率の高さと ワカメの収穫高で有名なんだ。 要するに あれだ。 東京に帰る理由が 特に ねえって訳だ。 だったら 娘と一緒にいればいい。 ただし この家で暮らすんなら 生活費ぐれえは 入れでもらいでえなあ。」
春子「こっちで働けっていうの?」
夏「スナックだよ。 スナック梨明日で 雇われママでも やってみっが。」
春子「いやい や… いや 働くのはいいよ。 でも スナックは駄目。 私 ほら 会いたくない人 いっぱい いるし。 てか ほとんど会いたくないし。 変な噂立てられたら どうすんのよ!」
夏「もう 噂立ってるべ? 重でえ荷物 ガラガラ引きずって 日がな一日 パチンコ屋さ入り浸って。 だったらよ スナックでよ 噂する奴らから 金取ればいい。」
春子「母さん…。」
夏「よし 決まりだな。 今 おらと弥生と美寿々で 店さ やってるが 海女のシーズンになると さすがに きつい。 週3で どうだ? 時給1,000円で どうだ? 何だ?」
春子「何でもないけど…。」
<里帰りしてから 1週間 ようやく ほんの一瞬 春子は 娘の顔を見せました。 全く 面倒くさい娘です>
喫茶リアス
夏「つう訳で 新人だ。」
菅原「よろしぐ。」
夏「ちなみに バツイチだ。」
春子「余計な事 言わないでよ。」
菅原「でも いがったんでねえの 24年ぶりの新人海女誕生で。」
今野「ああ んだなあ。 海女の後継者不足は これ 深刻な問題だったなあ。」
春子「後継者じゃないですから。 アキは 夏休みの間だけですから。」
菅原「でも これで 北鉄の熱血バカ駅長も おとなしくなるんでねえか。」
今野「アハハハッ んだ んだ。 ほら お出ましだど。」
大吉「ここさ いたのか 観光協会のハゲ!」
菅原「ママ お会計。」
大吉「逃げる事ねえべ 協会長さんよ。 どうなりましたかね? ホームページの件は。」
菅原「おう ちゃんとやってますよ 先輩。」
今野「うん 何 ホームページ?」
大吉「んだ。 ネット上に 観光案内の窓口がねえって 何か月も前から 議題にあがってらったべ? 今どき ネットも使わず客呼ぼうと してらったべ このハゲ!」
菅原「いや 私は賛成なんですけど 市の許可が なかなか…。」
大吉「さっき 市の広報と しゃべった。『どんどん やってけろ』って。」
菅原「あ~ そうですか…。」
大吉「さては 菅原 おめえ パソコン使えねえな?」
菅原「ママ ちょうど280円。」
夏「はい。」
大吉「逃げんでねえ このハゲ!」
今野「ハッハッハッハッ!」
大吉「春ちゃん コーヒー。」
春子「コーヒーね。」
スナック梨明日
大吉「ウーロン茶ロック! まさが 春ちゃんの お酌で飲めるとはな。」
春子「お酌って…。」
大吉「エッヘッヘッ。 夏ばっぱも喜んでらじゃ。 孫は 海女さん 娘は ママさんだものう。」
春子「週3だし 夏休みの間だけだからね。」
大吉「ウーロン茶ロック!」
春子「外で飲んだら 120円なのに。」
大吉「だけど 田舎も いいもんだべ。」
春子「どうだろ…。 私は やっぱり好きじゃないかも。」
回想
1984年(昭和59年)
大吉「これから 地方の時代だべ。 北鉄も通って この町も ますます活性化するべ。 もったいねえべ。」
春子「うるせえ。 一人で生きていくって決めたんだ。 どいて。」
回想終了
春子「田舎が嫌いっていうより 田舎にいた頃の自分が嫌い。 ついでに あのころの ださい自分を 知ってる人たちも嫌い。 もちろん 大吉さんも嫌い。 そういう人間関係イコール田舎だから。 私にとっては。 だから やっぱり 田舎が嫌いって事なのかな…。」
大吉「ウーロン茶ロック ダブルで!」
春子「はい 自分でやって ここ置いとくから。」
大吉「俺は あのころの春ちゃんが 好きだよ!」
春子「やめてよ 大吉さん 声が おっきい。」
大吉「構わねえ。 どうせ 2人っきりだべ!」
春子「いや…。」
大吉「あのころの春ちゃんが 好きだから! 春ちゃんがいた あのころの この町が好きだから おら 頑張ってんだ…。 北鉄が黒字だった頃 駅前さ ショッピングセンターがあって ポロシャツが飛ぶように売れてた頃 そのショッピングセンターの屋上に 新沼謙治が来た頃…!」
春子「大吉さん ちょっと落ち着いて。 はい ウーロン茶飲んで。 は~いはい は~い飲んで。」
大吉「あのころ みんな輝いてたっぺ! これからは 地方の時代が来る。 そう みんな信じてたっぺ! 明るい未来があった! よし! 歌うべ。」
春子「歌うの?」
大吉「おら この歌 聴けば あのころを思い出すんだ! 昭和59年 懐かしい青春時代 その景色の真ん中には いつも 春ちゃんがいました。 そんな 思い出の曲です! 聴いてけろ!」
♬(『GHOSTBUSTERS』)
春子「えっ? ちょっと待って これ? マジで これ!? 何で これ!?」
大吉「懐かしいべ。」
春子「懐かしいけど 懐かしければ いいってもんじゃ ないでしょうよ。」
大吉「ハハハハッ! ♬『(Ghostbusters)』イフ ゼア…。」
春子「歌えてないし…。」
大吉「♬『(Ghostbusters)』」
<それは 明らかに 選曲ミスでした。 でも 大吉さんの言った事は おおむね 真実です。 北鉄が開通した当初 誰もが未来を信じていた。 庶民の夢が かなうんだ。 田舎者だって やればできるんだ。 そんな希望がありました>
大吉「♬『(Ghostbusters)』」
<『GHOSTBUSTERS』のほかには 当時 こんな歌が はやっていました>
♬『咲かせて 咲かせて 桃色吐息』
♬『星空の下のディスタンス』
♬『I can’t stop The loneliness だれか救けて』
大吉「♬『(Ghostbusters)』」
<やっぱり 選曲ミスです>
大吉「はい 春ちゃんも!」
春子「♬『(Ghostbusters)』」
大吉「はい!」
勉「ゴ…!」
大吉「あっ いいや!」
大吉「♬『(Ghostbusters)』」
天野家
<一方 アキは 元気に夏休みを満喫しています>
北鉄
アキ「北三陸鉄道リアス線 名物 ウニ丼は いかがですか~?」
<早く売切れば その分 早く 浜へ出られるので 必死に売ります>
アキ「いかがですか? 限定30食です! いかがですか?」
「1個下さい。」
アキ「はい 1,200円になります。 ありがとうございます。」
海
アキ「美寿々さん 1分いった?」
美寿々「26秒だ。」
アキ「え~!?」
美寿々「少なくとも 1分は潜らねえど 漁は できねえよ。 さっ けっぱれ。」
アキ「はい!」
美寿々「せ~の!」
<海女になるためには 長く息を止められる事が肝心です>
天野家
<そのころ 春子は そこそこ大きな決断をしました>
タクシー
黒川「あっ すいません。」
長内「ええが? 漁協まで。」
<この運転手こそ 誰あろう 春子の夫 つまり アキの父親なのであります>