ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」80回「おら、大女優の付き人になる」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】80回のネタバレです。

あらすじ

すし屋で種市(福士蒼汰)の近況を聞いていたアキ(能年玲奈)。そこへ、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)と太巻(古田新太)が一緒に現れる。何やらいわくありげな二人…。アキと話していた種市は「もうユイ(橋本愛)は、東京に来ることをあきらめているのでは」と言う。アキは怒り、あふれる気持ちを抑えられず、種市にぶつける。その後、ユイから「もうすぐ上京できそう」というメールが届く。アキは心の底から喜ぶが…。

80回ネタバレ

無頼鮨

鈴鹿「こんばんは!」

伊東「どうぞ いらっしゃい!」

アキ「じぇじぇ!」

回想

水口「その話 会社で しない方がいいよ。 鈴鹿さんと太巻さん いろいろあったらしいから。」

回想終了

伊東「この間のボトル お出ししましょうか。」

鈴鹿「そうね。 じゃあ 水割りで。」

伊東「グラスは?」

荒巻「1つで。 すぐに出るから。」

鈴鹿「え~? つまんない。」

荒巻「会議中なんです。」

種市「誰?」

アキ「うちの社長と大女優。」

種市「じぇ! だったら 挨拶した方が いいんじゃん。」

アキ「駄目。」

種市「何で?」

アキ「うちの事務所は 恋愛御法度なんです。」

種市「恋愛!?」

アキ「しっ!」

種市「あ… ごめん。 でも 俺ら そういうふうに見えるか?」

荒巻「よく来るんですか?」

鈴鹿「ここ? 帰って 御飯作るの面倒だし。 ねえ 大将?」

荒巻「一人で こんな店 来て 誰が見てるか 分かりませんよ。」

鈴鹿「平気よ 店の前まで タクシー呼ぶし。」

荒巻「えっ 運転手は?」

鈴鹿「辞めてもらった。 だって うちまで送るって言うのよ? 耐えられない。 朝は マンションの下で待ってるし。」

荒巻「それが 運転手なんですよ。」

鈴鹿「そうなの? 怖くて通報しちゃったわ。」

荒巻「え~?」

鈴鹿「駄目なのよ。 最低限のプライバシーは守りたいの。」

荒巻「まっ 私も 1年で クビになりましたけどね。」

鈴鹿「アハハハッ!」

<もしかして 社長 鈴鹿さんのマネージャーだったのか?>

荒巻「付き人ぐらい つけたら どうです? 紹介しますよ。 うちにも 女優志望の子がいるから。 ちょっと 面白い新人が いるんですよ。 鈴鹿さん 気に入ってくれるんじゃ ないかな? グループ名がね 潮騒(しおさい)のメモリーズっていうんです。」

アキ「ブハッ!」

荒巻「岩手のご当地アイドルなんですが その名のとおり『潮騒のメモリー』歌ってるんですよ。」

鈴鹿「潮騒の…。 あれ? この間も 誰かに言われたわね。」

回想

アキ「『潮騒のメモリー』最高です! 最高です! 最高です!」

回想終了

鈴鹿「まあ いいや。 どんな感じ?」

荒巻「歌 全然駄目。 お話になりません。 2人組なんですが かわいい子の方は まだ 東京に来ていません。 この子は 素質的には申し分ないです。 もう一人の なまってる方は なまってます。」

種市「…フフフッ。」

鈴鹿「『潮騒のメモリー』懐かしい。 …っていうか 覚えてない。」

荒巻「デビュー作なのに。」

鈴鹿「たま~に カラオケで入れてみるんだけど 何でだろう? 全然 歌えないの。」

荒巻「…。」

鈴鹿「忙しすぎたのよね あのころは。 2時間睡眠 当たり前だったもの。」

荒巻「鈴鹿さん そろそろ…。」

鈴鹿「え~? まだ いいじゃない。」

荒巻「会議 抜け出してきてるんで。」

鈴鹿「あっ そう…。 じゃあ 私も帰るわ。 ねえ 大将 タクシー呼んでちょうだい。」

鈴鹿「何あれ…。 小林薫(こばやしかおる)のつもりかしら? あっ いいわよ。 ここは私が。」

荒巻「すいません。 それでは お先に。 また今度 ゆっくり。」

伊東「ありがとうございます。」

<それから 30分ほどで 鈴鹿さんは帰っていきました>

種市「すげえ世界にいるんだな 天野。」

アキ「…はい。」

種市「やっていけんのか? アメ横女学園だって すげえ人気だけど 俺ぐらいだと顔分かるの せいぜい 7~8人だべ。」

アキ「アメ女八賢伝(はっけんでん)な。 そのほかに メンバーが 40人~50人いるらしい。」

種市「その下って事だろ?」

アキ「まさに 下で踊ってる。」

種市「いいのか? それで。」

アキ「いい訳じゃねえが 今は それしか 道はねえし せめて ユイちゃんが来るまでは。」

種市「来ねえんじゃねえかな。」

アキ「え?」

種市「あいつ… もう諦めてんじゃねえかな。」

回想

ユイ「すぐ行くからね! すぐ行くからね! すぐ行くから 待っててね! すぐ行くから! すぐいくから! 待っててね アキちゃん!」

回想終了

アキ「そんな… やめて下さいよ。 縁起でもねえ。」

種市「出ばなくじかれたっつうの? もう後れ取っちゃってる訳だべ。 来ても 舞台の下から スタートだべ? 耐えられねえと思うんだ。 天野と違って ユイは プライド 高(たけ)えし エリートだし。 この年まで 挫折を経験した事もねえし…。」

アキ「やめでよ。」

種市「いっそ このまま田舎で 地元アイドル やってた方が…。」

アキ「分がったような事 語んな!」

種市「え?」

アキ「ユイちゃんは来る! 絶対来る! そんな簡単に諦めねえし 弱くねえし 中途半端な事はしねえ!」

伊東「お客様…。」

種市「落ち着け 天野。」

アキ「しっかりしてけろ 先輩! この間まで 70㎏のヘルメットかぶっても シャンとしてだのに…。 縮こまって 情けねえ! 南部もぐりの精神忘れたのか!」

アキ「田舎さ いる頃は 田舎の悪口 東京さ来たら… 東京さ来たら 東京の悪口。 そういうの 一番嫌いだったでねえか。 何だよ エリートで プライド高えのは 先輩の方じゃねえか! 何だよ おらの初恋の相手は こんな ちっちぇえ男だったのかよ!」

梅頭「お客さん。」

アキ「自分が挫折して帰るのは 構わねえが おらとユイちゃんを巻き込むのは やめてけろ!」

梅頭「お客さん。」

アキ「ユイちゃんは来る! 絶対来る!」

梅頭「お客さん!」

種市「分がった! 分がったから。 すいません。 そろそろ帰るべ。」

アキ「これ 持って帰ってもいいですか?」

種市「うん?」

アキ「もったいねえがら 寮の友達さ お土産だ。」

種市「じゃあ お会計…。」

伊東「もう済んでますよ。」

種市「え?」

梅頭「鈴鹿さんから頂いてますんで。」

<あの人 気付いてたんだ…>

病院

主治医「いや~ すごいな。 発症から1か月半で ここまで回復するとは。」

よしえ「本当に お世話になりました。」

主治医「いやいや これからですよ 奥さん。 頑張り過ぎずに ご家族の心が折れたら 元も子もないからね。」

よしえ「はい…。」

主治医「それでは。」

北三陸駅

春子「足立さん!」

よしえ「…。」

春子「ねえ 足立さん。」

よしえ「あっ どうも。」

春子「病院の帰り?」

よしえ「はい。 何だか まっすぐ 家に帰りたくなくて…。」

春子「どうぞ。」

喫茶・リアス

春子「どうぞ~。」

(ドアベル)

春子「コーヒーでいい?」

よしえ「何か ごめんなさい。」

春子「ううん。 ヒロシ君がね お見舞いには まだ早いって言うから 遠慮してたのよ。」

よしえ「もう だいぶ いいんです。 ホントに。 早ければ 来月にも退院して…。」

春子「そんなに!?」

よしえ「もちろん リハビリは続けますけど 通いで。 お医者さんも なるべく歩いた方が いいっておっしゃっるから。」

春子「へえ~! じゃあ また フラッと お店に来たりしてね。」

よしえ「そうですね。」

春子「『近くまで来たもんでね』なんつってね。」

よしえ「何か 今回の事では 私も いろいろ考えちゃって…。」

春子「うん? 老後の事とか?」

よしえ「…。」

春子「やだ ごめんなさい。」

よしえ「いえ… 何か 1か月半 緊張しっ放しだったから 糸が切れたみたいに なっちゃって…。」

春子「ちょっと 休んだ方がいいのよ。」

よしえ「うん…。 お医者さんにも そう言われたんです。 頑張り過ぎちゃ駄目だって。 だけど 加減が分からなくて…。」

春子「頼ればいいのよ。 みんな 暇で おせっかいなんだから。 私も大吉さんも菅原君も みんな先生の教え子なんだから 当てにしてよ。」

よしえ「うん…。 アキちゃん元気?」

春子「ああ それがね 全然連絡ないの。 おばあちゃんとは ために 電話で しゃべってるみたいなんだけど 何やってんだかね。」

東京EDOタワー

喜屋武♬『じぇちゅめちゅきぐちゅ』

アユミ「ちょっと待って。 リズム感 悪すぎじゃわ。」

喜屋武「うちのリズムは 沖縄のリズムど。」

しおり「リズムっていうか 活舌(かつぜつ)がやばいんだよ。」

真奈「絶滅危惧種。」

喜屋武「じぇちゅめちゅきぐちゅ。」

アユミ「言えてないじょ。」

小野寺♬『上野から御徒町(おかちまち)に棲息(せいそく)絶滅危惧種 下町アイドル』

喜屋武♬『上ぬんから御徒町ぬん棲息 じぇちゅめちゅきぐちゅ』

アユミ「そっちの方が難しいわ!」

水口「天野! ユイちゃんから メール来たよ。 お父さん 来月には退院できそうだって。」

アキ「じぇ!」

メール・ユイ『ずっと 連絡できなくて ごめんね。 アキちゃんが頑張ってるから ユイも この試練を 乗り越えられました。 アキちゃんとの約束 やっと果たせそうです。 潮騒のメモリーズ 完全復活まで もうちょっと待っててね』。

アキ「いがった…。」

無頼鮨

梅頭「おう。 来てるよ。」

アキ「一人ですか?」

梅頭「入んな。」

鈴鹿「じゃあ あれ知ってる_ 卑弥呼が 現代にタイムスリップするやつ。」

アキ「あの!」

鈴鹿「はいは~い! あらら アイドルの卵だ!」

アキ「先日は 連れの分まで ごちそうさまでした。」

鈴鹿「やだ いいのよ。 座って 食べなさい。」

アキ「私 天野アキっていいます。 岩手県北三陸っていう所で 潮騒のメモリーズっていう グループ組んでました。」

鈴鹿「あら あなただったの?」

アキ「はい。 すいません 勝手に歌って。」

鈴鹿「そうよ あんた 裁判したら私の勝ちよ! …しないけどね。 フフフッ!」

アキ「あの… もう一人の子が もうすぐ 東京さ来るんで そしたら おらの歌っこ聴いて下さい!」

鈴鹿「はい。(手拍子)」

アキ「いや 今で ねくて 来月です。」

鈴鹿「…何だ。 何でも頼みなさい。」

アキ「ありがとうございます。」

鈴鹿「私は カッパ。」

アキ「じゃあ おら ウニ!」

梅頭「ウニ はい。」

鈴鹿「ウフフフッ。」

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