ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」81回「おら、大女優の付き人になる」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】81回のネタバレです。

あらすじ

アメ女センターの有馬めぐ(足立梨花)が交通事故に遭い、アキ(能年玲奈)に代役出演のチャンスがきた。ところが、有馬がけがを押して出演することになり、代役の話は立ち消えに。代わりに、アキは太巻(古田新太)から、女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の付き人にならないかと誘われる。一方、母・よしえ(八木亜希子)の失踪により、再び上京の夢が阻まれてしまったユイ(橋本愛)は…。

81回ネタバレ

東京EDOシアター

メール・ユイ『アキちゃんとの約束 やっと果たせそうです。 潮騒のメモリーズ 完全復活まで もうちょっと待っててね』。

アキ「いがった…。」

スナック・梨明日

春子「いらっしゃ~い。 あっ ヒロシ君 今日 お母さん来たよ。」

ヒロシ「えっ!?」

春子「あっ 聞いてない? 何か うちに帰る途中って言って 寄ったよ ここに。 何 どうしたの?」

ヒロシ「帰ってこないんです。」

春子「え?」

ヒロシ「おふくろは 財布だけ持って どっか行っちゃって…。」

春子「え!?」

ヒロシ「何か… 変わった様子なかったですか?」

回想

春子「足立さん! ねえ 足立さん。」

よしえ「あっ どうも。」

回想終了

北三陸駅

<1週間たっても ユイちゃんのママは姿を見せず ついに 警察が動き出しました。 ストーブさんが 捜索願いを出したのです>

刑事「ここに座ってたんですね。

春子「はい。」

警官「財布だけ持って。」

春子「はい。」

喫茶・リアス

長内「魔が差したんだべな。 介護が一段落してさ おらの人生 これでいいのかって 考えたんだべな。」

かつ枝「まあ もともと あの嫁は こっちの人でねえべ?」

弥生「山の手の お嬢様だっっつ話だ。」

美寿々「盛岡で 女子アナやってて 二十歳そこそこで お見合い結婚して…。」

弥生「根っからのサブレだ。」

花巻「セレブだと思う。」

弥生「鳩(はと)セレブだ。」

(笑い声)

かつ枝「まあ 何にしろ 最近の嫁っこは根性が足りねえ。」

弥生「んだ んだ んだ! お高くとまって 近所づきあいしてねえから こういう事になんのだ!」

今野「でもな あんなに若くて きれいな嫁ご もらったら おらだって 外さ出さねえべ。」

弥生「何だと この野郎!」

今野「おめえ 何 怒ってんだ! おめえ 何 怒って… 危ねえ 危ねえ!」

長内「やめろ 弥生さん!」

春子「何よ うるさいな! 何してんの。」

弥生「何が 女子アナだ!」

夏「おめえらみでえな 夫婦なら いがったんだがな。」

弥生 今野「え?」

夏「ふだんから 誰にも はばからず つかみ合うような夫婦なら 心配ねえ。 ところが おめえの母ちゃん 完璧主義だべ。 才色兼備にして 良妻賢母か? そういう女は 案外もろいんだよ。」

春子「黙った…。」

ヒロシ「確かに 母の口から 不満も愚痴も聞いた事ないです。 だから てっきり 幸せなんだと思ってました。 父の介護も 進んでやってるとばかり…。 何で 気付かなかったんだ。」

大吉「そう 自分を責めんな ストーブ。 そのうち ひょっこり帰ってくるべ。」

菅原「お父さんは? 足立先生は知ってんのか?」

ヒロシ「まだです。 様子見て もうちょっと回復したら 話そうと思います。」

長内「んだな。 ショックで また倒れても困るもんな。」

春子「ユイちゃんは?」

大吉「東京行き 諦めたのか?」

ヒロシ「親父の面倒は 俺が見るから 行けって言ったんですが あいつも そこまで 子どもじゃねえから。」

足立家

(携帯の着信)

電話『ただいま 電話に出る事が できません。 ご用件のある方は メッセージを お入れ下さい』。

電話・アキ『ユイちゃん お母さんの事 聞きました。 何か… 何て言っていいか 分かりません。 でも なんくるねえぞ! あっ 今のは 沖縄の言葉で どうって事ねえって意味です。 水口さんに代わります。』

東京EDOシアター
休憩所

水口「どうも GMTのプロデューサー…。」

(携帯が切れる音)

アキ「あっ 切れた? ごめんなさい。」

水口「なんくるないさ。」

アキ「なして… なして 神様は ユイちゃんにばっかり 意地悪すんだべな。」

水口「大丈夫。 この逆境 乗り越えたら ユイちゃん強いよ。 無敵のアイドルだよ。」

アキ「んだども 不憫(ふびん)だべや。 ユイちゃんの方が おらより めんこいのに 華もあるのに…。」

水口「…。」

アキ「『そんな事ないよ』とは 言わないんですね。」

水口「ああ…。」

アキ「何ですか?」

水口「あ~ 社長が呼んでる。」

アキ「じぇ!」

社長室

荒巻「有馬めぐのシャドウだよね。」

アキ「あっ はい マメりんの。」

水口「マメりん言うな。 センターだぞ。」

荒巻「そのマメりんが ゆうべ 事故を起こした。」

アキ「じぇ!」

荒巻「信号で追突されたらしい。 むち打ち 全治2週間だそうだ。」

アキ「じぇじぇ~。」

一同「…え?」

アキ「…え?」

荒巻「笑った 水口! この子 笑った!」

アキ「いやいや…。」

荒巻「そりゃそうだよな シャドウだもんな。 この日のために ず~っと 奈落で頑張ってんだもんな。」

アキ「は はい…。 じゃあ 今日から…。」

荒巻「今日から 何?」

アキ「今日から ステージに立てるんですか?」

荒巻「けが自体は大した事ない。 問題は 隣にいた男だ。」

アキ「男…。」

水口「男の車に乗ってたんだ。 俳優の イケメンの…。 何か ゴルフのミュージカルに出てるやつ。 その記事が女性誌に載る。」

水口「相手は あっさり事実を認めた。 事故の30分後に FAX流して…。『大切なお友達の一人で お互いを高めあい 刺激を求め合う 特別な存在の知人です』」

荒巻「全然 分かんない! …という訳で しばらく体調不良で休ませる事にした。」

アキ「じゃあ やっぱり 今日から…。」

めぐ「私 出ます!」

荒巻「マメりん…。」

めぐ「シャドウなんか要りません! 休みたくない。 穴 開けたくないんです。 お願いします! 痛っ!」

水口「落ち着いて 有馬。 頭 上げなさい。」

荒巻「今日 ステージに立つと マスコミが殺到するぞ。  釈明を求められるぞ。 いいのか?」

めぐ「構いません。 私には やましいところ ありませんから。」

荒巻「相手の男は?」

めぐ「会った事ありません。」

荒巻「本当なのか?」

めぐ「はい。」

荒巻「俺の目を見て 言えるか?」

めぐ「はい。」

荒巻「よし 出ろ。 俺が責任を取る。」

めぐ「ありがとうございます!」

荒巻「予想通りの展開だな。 ごめ~ん。 マメりんのシャドウやってる限り 君は奈落から はい上がれない。」

水口「それじゃ かわいそうだから 社長が チャンスをくれるそうだ。」

無頼鮨

(引き戸が開く音)

鈴鹿「こっち こっち! 紹介します。 こちらが 今 話してた えっと…。」

アキ「天野アキです。」

鈴鹿「ここにいるのが BS時代劇『静(しずか)御前』のスタッフです。 という訳で 明日は 8時回しだから 6時半 西口玄関 よろしくね。」

アキ「えっ? えっ? えっ 水口さん…。」

水口「すいません 彼女 まだ何も…。」

鈴鹿「あ~ら そうなの? 付き人を探してたの。」

アキ「えっ おらが?」

鈴鹿「『おら 付き人になるだ~』の巻きよ。 フフッ お願いね。」

アキ「あららら どうすべえ。 ちょっと考えさせてもらって いいですか?」

鈴鹿「じょじょ。」

水口「すいません まだ 子どもなんで。」

アキ「あの… 何で 私なんですか? ひょっとして 同情してんのですか?」

鈴鹿「じょじょ。 何で 私が あんたに 同情しなきゃなんないの?」

アキ「ごめんなさい。 2回も ごちそうになったから…。」

鈴鹿「あんた 私より かわいそうだっていうの? 冗談じゃない。 私だって 随分 かわいそうよ。 負けないよ。」

アキ「でも だって 有名な女優さんじゃないですか。」

鈴鹿「それが何? 有名な女優さんだから 幸せだっておっしゃるの? アハハッ ちゃんちゃら おかしい。 あんたに 私の何が分かんのよ。」

水口「すいません まだ 子どもなんで…。」

アキ「今日は 何か いろいろあったんです。 親友が… 田舎から出てくるはずだった 親友が来れなくなったりとか…。」

鈴鹿「お父さん倒れちゃったんでしょ?」

アキ「え?」

鈴鹿「しかも お母さんが失踪して…。」

アキ「やだ 何で知ってるんですか?」

鈴鹿「彼から聞いたのよ。」

アキ「じぇじぇ!」

鈴鹿「『じぇじぇ!』か。 あっ だよね!『じょじょ』は奇妙な冒険よね。 アハハハハッ!」

水口「あれ? 君 確か 潜水土木の…。」

種市「どうも。」

アキ「『どうも』じゃねえべ 先輩! 田舎さ帰るんじゃなかったのか?」

種市「やめた。 ここで働く事にした。」

アキ「何でだよ。 ユイちゃん 今 大変なんだぞ! 帰ってやったらいいべ。」

種市「うるせえな 俺には俺の考えがあんだよ。」

梅頭「この間の説教が 効いたみたいだよ。」

アキ「せ… 説教?」

回想

アキ「エリートで プライド 高(たけ)えのは 先輩の方じゃねえか! 何だよ おらの初恋の相手は こんな ちっちぇえ男だったのかよ!」

回想終了

梅頭「あれから 2~3日後かな 訪ねてきたの。 ここで働きたいって。 まあ うちも ちょうど 若いのが 辞めたとこ…。」

(引き戸が開く音)

梅頭「いらっしゃい!」

種市「いらしゃいませ!」

アキ「じぇじぇじぇじぇじぇ 参ったな。」

鈴鹿「…で どうすんの? 付き人やんの? やんないの?」

アキ「ああ え~っと…。」

まごころ第2女子寮

しおり「やんなよ アキ。」

アキ「でも…。」

しおり「だって 奈落で踊ってたって チャンス回ってこないんでしょ?」

水口「有馬めぐって 干されてた時期があってさ。」

アユミ「あっ 知っとる。 何か 元彼と 撮った プリクラが出回ったとかで。」

喜屋武「プリクラも駄目だ訳?」

しおり「恋愛御法度だからさ。 それで 半年以上も休業したの。」

水口「そういう苦い経験があるから 根性 座ってんだよ。」

しおり「だったらさ 鈴鹿ひろ美の付き人やった方が 勉強になんじゃん。」

喜屋武「また おすし おごってもらえるし。」

水口「ただ 天野 鈴鹿ひろ美… かなり面倒くさいからね。」

アキ「はい…。」

その夜

電話『ご用件のある方は メッセージを お入れ下さい』。

アキ「もしもし ユイちゃん? 元気? 元気ないのは分かってんだけど。 おら 鈴鹿ひろ美さんの付き人に なりました。 ちょっとね アイドルから ちょっと離れちゃうけど 鈴鹿さん面白いし やってみようと思います。 また電話します。 おやすみ。」

<その後 ユイちゃんから 連絡が 來る事はありませんでした>

一か月後

北三陸駅

吉田「行ってらっしゃ~い! 坊主 逆上がりできるようになったか?」

「うるせえよ できるよ。」

吉田「アハハハッ! はい 行ってらっしゃ~い。」

(空き缶が落ちる音)

吉田「おい 君たち 空き缶は ちゃんと クズかごに!」

ユイ「…あ? んだよ。」

吉田「何でもないです…。」

「行くぞ ユイ。」

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