ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」85回「おらの仁義なき戦い」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】85回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)たちが、ファンの人気投票で40位以内に入らないと解雇される。それを知った父の正宗(尾美としのり)と、メンバーの小野寺薫子(優希美青)の母・さとみ(石田ひかり)が抗議する。マネージャーの水口(松田龍平)は「GMTのメンバー全員が40位以内に入れなかったら、自分も会社を辞める覚悟だ」と告げて説得する。水口の熱意を知り、気持ちも新たに全員で合格圏内を目指すアキたちだが…。

85回ネタバレ

まごころ第2女子寮

水口「年末に 国民投票を行う事になりました。」

小野寺「国民投票?」

記者会見

荒巻「国民投票を行います!」

<太巻さんの鶴の一声で おらたち 6人は いきなり 崖っぷちさ立たされました。>

<国民投票で 20位に入ると アメ女のレギュラーメンバーに昇格。 30位以内は リザーブ 年越しライブに出演できます。 40位までが ビヨンド つまり 奈落組。 ただし…>

荒巻「41位以下の6人は…。」

まごころ第2女子寮

一同「解雇!?」

東京EDOシアター

水口「アメ横女学園の妹分として 結成された GMT6のお披露目を兼ねて ファンミーティングを企画しています。 握手会はもちろん 地元の名物料理を振る舞うなど 地元色を前面に押し出して 認知度を上げていく作戦です。 詳しくは…。」

河島「ちょ ちょっと待って 水口。 太巻さん 何て言ってんの?」

水口「え?」

河島「『え?』じゃなくて 太巻さんのゴーは出てんの? 出てないの?」

水口「社長には 皆さんの感触を確かめてから。」

河島「まず 社長だろ。 うちの感触は こんな感じだよ。 太巻さんの『やれ』と言った事を やる。 太巻さんが描いた ビジョンを形にするのが 俺たち 社員の役目だろ 水口。」

荒巻「どうした?」

河島「おはようございます!」

一同「おはようございます!」

荒巻「うい~す。 挨拶も なまった方が いいんじゃないか?『めんそーれ』とか『まいど』とか。」

(笑い声)

荒巻「何だ。 これ。」

水口「GMTのファンミーティングです。 2階のアイドルカフェで フェアーを展開しつつ 人気度を上げていく作戦で…。」

荒巻「う~ん まだ早いんじゃないか?」

河島「まだ早いんじゃねえか? はい 解散!」

一同「はい。」

<考え過ぎだべか? あの日から 社長の おらを見る目が変わった気がする>

回想

アキ「お母さんが よろしぐって。」

荒巻「お母さん?」

アキ「天野春子っていいます。」

荒巻「え? な… 何? え? 君 天野春子の娘?」

回想終了

<考え過ぎだべか?>

アユミ「『まだ早い』って 何よ。 遅すぎるわ!」

しおり「水口さん てっきり 食い下がると思ったのに…。」

真奈「やっぱ 社長には 逆らえんとばいね。」

喜屋武「どうした アーキー?」

アキ「何でもないさ。」

しおり「ラーメンでも食べてく? なっ!」

「あの… すいません。」

しおり「うん?」

「GMTの皆さんですよね。」

しおり「あっ そうですけど!」

「あの ネットで見て 何か ビビッと来ました。」

(歓声)

「今度の国民投票も GMTを推します。」

しおり「うわ~!」

真奈「あいがとう!」

「小野寺ちゃんは?」

しおり「あ? 何か テスト近いから 勉強みたいな…。」

「あっ これ…。」

一同「うわ~!」

真奈「あいがとう!」

「小野寺ちゃんに渡して下さい。」

まごころ第2女子寮

しおり「小野寺ちゃんに プレゼント 捨てちゃっていい…?」

アキ「じぇ!」

真奈「誰ね? ここで 何ばしよっと!? あんたくさ!」

アキ「違う 違う! うちのパパ!」

真奈「あっ ホントだ…。 そん節は どうも どうも。」

黒川「お帰り。」

アユミ「ほな こっちは ママ?」

アキ「誰?」

小野寺「うちの母ちゃん。」

一同「こんにちは。」

さとみ「こんにちは。」

東京EDOシアター

水口「どいて どいて!」

まごころ第2女子寮

黒川「仕事の合間に 彼女のブログを ず~っと チェックしてたんだ。」

しおり「『どうすっぺ 40位に入んねえど クビだ…』。」

黒川「これは 果たして どうなんだと。 大事な娘同士を 大人の都合で競い合わせ 優劣をつけるような事が 許されるのかと。」

さとみ「私が書いてるんです。 この子のふりして。」

黒川「それじゃあ 一緒に抗議しましょうと。」

しおり「抗議…。 あっ 水口さん。」

水口「あっ お父さん。」

黒川「あれ? あんた…。」

水口「御無沙汰してます。」

黒川「思い出せない…。」

アキ「琥珀の勉さんの弟子だ。」

黒川「琥珀の勉さん? 琥珀の勉さん…。 琥珀の勉さん…。 琥珀…。 あ~ ごめん! 知ってるはずなのに 全く 顔が思い浮かばない!」

水口「あ~ もう結構です 勉さんは。 弟子じゃないし。」

黒川「じゃあ 何なんだ 今の話は! 時間の無駄!」

アキ「スカウトマンだ! 弟子に成り済ましてたんだ。」

水口「はい。 今は マネージャーです。 水口と申します。 今日は どういった ご用件で?」

黒川「仕事の合間に 彼女のブログを ずっと チェックしてて…。」

水口「『国民投票をやめさせろ』って お母さん ブロブに書いてましたよね。」

黒川「みてんだ。」

水口「ええ マネージャーとして 当然でしょう。」

さとみ「理不尽です。 こったの 体のいいリストラでねえですか。 ろくな芸能活動もしてねえのに。」

水口「なるほど。」

さとみ「まだ 15歳ですよ。 高校受験も控えてます。 クビになったら 親子ともども 路頭に迷うんです!」

水口「なるほど なるほど 返す言葉もありません。」

黒川「聞けば お母さん 旦那さんと離婚して 上京する準備を…。」

さとみ「必死なんです 私たち! この子に懸けてるんです! こった 中途半端な形で 解雇だなんて 納得いかねえ。」

水口「41位以下ならね。」

さとみ「はい?」

水口「そのかわり 20位以内に入れば レギュラーに昇格します。」

さとみ「まさか! アハハッ。」

水口「『まさか!』って何ですか? いくら かわいい娘さんでも そこまで かわいくないという意味ですか?」

黒川「おい!」

しおり「水口さん 言い過ぎ。」

水口「41位以下 すなわち 解雇になるという前提で 抗議にいらっしゃったんですか? そんなの 徒競走の順位を 発表するなって言ってる親と 一緒じゃないですか。 小学校の運動会じゃあるまいし…。 芸能界は そんなに 甘いところじゃないんです。 うちのやり方が気に食わないなら 辞退してもらっても構いません。」

黒川「辞退?」

水口「ええ 参加しないで下さい。 そしたら ほかの子に チャンスが回りますから。」

さとみ「それは 田舎さ帰れって意味ですか?」

水口「あるいは もっと なまぬるいプロダクションで 飼いコロしにされるかですね。」

一同「…。」

水口「すいません。 僕も初めは フェアーじゃないと思いました。 アメ女お同じ土俵で戦うには この6人 経験値も知名度もなさすぎる。 でも だからこそ ランクインしたら『こいつ誰?』ってなる訳ですよ! ねえ? ねえ! 田舎者で なまってる 無名の新人が そろって 上位に食い込んだら 面白いだろ!? なあ? なあ? なあ!」

アキ「はい!」

一同「…。」

アキ「あれ? じぇ! 今の『はい!』は 合いの手だと思って下さい。」

水口「分かった。 じゃあ この中から 一人でも クビになる奴(やつ)が出たら 俺も一緒に辞める。」

一同「えっ!?」

水口「責任取って俺も解雇にしてもらう。 どうですか? お母さん。 6人全員 40位以内に入れるように 自分も死ぬ気で頑張りますから。」

<知らねがった。 水口さんが そこまで おらたちに懸けてたなんて。 無表情で分かりづれえけど そこそこ 熱い人なんだ>

東京EDOシアター前

黒川「ごめんな。」

アキ「何が?」

黒川「近くにいるのに 何もしてあげられなくて…。」

アキ「いいよ 別に。 パパにはパパの生活があるもんね。」

黒川「別れた。」

アキ「え?」

黒川「この間 マンションにいただろ 女。 同窓会の女。 別れたよ。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

黒川「振られたんじゃないぞ! …かと言って パパが振った訳でもない。」

鈴鹿「いわゆる フェードアウトってやつ?」

黒川「いや ちゃんと話をしました。 それで 別れたんだ。」

鈴鹿「同窓会の魔法が 解けてしまったんでしょうね。」

黒川「そうでしょうね。 そして やっぱり 妻を愛してるんでしょうね。 誰!?」

アキ「どうも。」

鈴鹿「月島方面にやって下さい。」

アキ「この人 父です。」

鈴鹿「あら そうなの。」

アキ「おら 今 この人の付き人してんだ。」

黒川「へえ~ そうですか。」

アキ「じゃあ またね パパ。 気を付けてね。」

黒川「おい おい! あの 月島まで…。」

(クラクション)

黒川「す… 鈴鹿ひろ美じゃん。」

まごころ第2女子寮

(ノック)

水口「はい。」

アキ「お仕事中ですか?」

水口「仕事ってほどじゃないけど イベントの場所探し。 いくら 会社が 協力してくれないからって やめる訳にはいかないからね。 お父さんの手前 あんな事 言っちゃったけど クビになって 一番困るの俺だし。」

アキ「すいません。」

水口「何かさ… 途中から 勉さんに言われた事 思い出しちゃったよ。」

アキ「…琥珀の?」

水口「そう。 琥珀の勉さん。 俺の師匠。」

回想

勉「こんなもの 元は ただの樹液だべ。 磨いて 磨いて やっと価値が出る。 お前の仕事も そんだべ? どんないい原石もよ 磨かねがったら 宝石にはなんねえ。」

水口「ああ…。」

回想終了

水口「ようやく ピンと来たっていうか 俺は今 6つの原石を 持ってるんだなって。 それを 勉さんみたいに 磨いて磨いて 宝石にすんのが 俺の仕事なんだなって。」

アキ「それ 言えばよかったのに みんなの前で。」

水口「フフフッ 言えねえよ。」

アキ「ヘヘヘッ。 駄目だ。 どこも高いわ。」

アキ「路上でやったら どうですか?」

水口「え?」

アキ「お披露目なんだし 駅前とか ロータリーとか どうせなら 人目につく場所の方がいいべ。」

水口「路上か…。」

アキ「北三陸でも そうだった。 でっけえ声 出せば 人は みんな集まってくる。」

水口「それは 田舎だからだろ。」

アキ「え?」

水口「東京は違うよ。 怖いよ。 コンクリートジャングルの冷たさ なめんなよ。」

路上

水口「新世代アイドル GMT6 どうか よろしくお願いします。 GMT6 来年 必ず きますよ。 どうぞ。 始まりますよ GMT6。」

しおり「おっしゃ 円陣組もう!」

<前略 ユイちゃん おらたち GMT6は ここがら スタートします>

しおり「We are…!」

一同「GMT6!」

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