ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」87回「おらの仁義なき戦い」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】87回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、失踪中のよしえ(八木亜希子)が見知らぬ男と一緒にいるのを目撃してしまった。ユイ(橋本愛)に電話したいが、傷つけてしまうことを恐れ、言いだせない。アキは、水口(松田龍平)に相談したものの、気になってGMTの活動に集中できない。運命を決める「国民投票」は、目前。アキが初めて出演するドラマの撮影も迫っていた。与えられたセリフを必死に練習し、いよいよ撮影本番のときが来て…。

87回ネタバレ

路上

アキ「じぇ! じぇ!」

<それは紛れもなく ユイちゃんのママでした>

アキ「安部ちゃん 安部ちゃん! 来て 来て!」

安部「えっ 何!? どうしたの アキちゃん!」

アキ「いいがら見で!」

安部「うん?」

アキ「見える!?」

安部「うん。」

アキ「何が?」

安部「三又又三!」

アキ「じぇじぇ! 嘘!? どこ どこ?」

安部「あれ ほら!」

アキ「ホントだ!」

安部「あの人 岩手県出身なんだよ!」

アキ「へえ~!」

安部「花巻市の医者の息子なんだよ。 コロッケの付き人もやったことんだよ。」

アキ「あっ!」

安部「何? コロッケから もらった芸名が ハムエッグなんだよ!」

アキ「あ~ もう どっか行っちゃった。

安部「何が?」

アキ「何がって 安部ちゃん三又について詳しすぎ!」

安部「しっ!」

まごころ第2女子寮

<えれえもん見ちまった。 ユイちゃんとストーブさんのママが 北三陸で 一番恵まれていると 言っても 過言ではねえ 幸せの代名詞 足立家の奥様が…>

<あんな楽しそうな笑顔 初めて見た>

回想

回想終了

アキ「いやいや いやいや!」

<人違いかもしんねえ! ユイちゃんの身を案ずるあまり 幻を見だんだ! そうに違いねえ。 だって…>

回想

よしえ「私は ただ 帰ってきた子供たちを 温かく迎えてあげたいなって 思うだけ。 おいしい御飯と笑顔で。」

回想終了

<あれは 嘘だったんだべか?>

回想

ユイ「全部 嘘だよ。」

アキ「え?」

ユイ「声も言い方も 嘘くさいでしょ? 原稿 読んでるみたいでしょ?」

回想終了

アキ「いやいや いやいや!」

<ユイちゃんの言うとおり 全部 嘘だったんだ!>

アキ「んだ んだ んだ んだ!」

<そして ついに 病気の夫を見捨て 娘の夢を犠牲にしてまで 東京さ来たのだ。 あららららら 恐ろしい女 鬼嫁だ> 知らせなきゃ!>

(電話の呼び出し音)

アキ「痛い。 痛い痛い…。」

<言えねえ これ以上 ユイちゃんを 傷つけだぐねえ!>

アキ「いやいや いやいや!」

しおり「うるせえな! お前 この野郎 何時だと思ってんだよ。 寝ろ。」

(ノック)

水口「はい。」

(ノック)

(泣き声)

水口「はい。」

アキ「眠れません。」

水口「君は いくつだ。 もう寝なくていいから 布団の中で じっとしてなさい。」

アキ「じっとしてたら うるさいって言われました!」

水口「うるさい?」

アキ「気配が うるさいって。 出てってくれって。」

水口「えっ ユイちゃんのお母さんが? あの上品な奥さんが? 浮気とか絶対しなそうな 風邪薬のコマーシャルに出てそうな 奥さんが? 男と 上野で!?」

アキ「はい。」

水口「それは 確かに じぇじぇじぇだ。」

アキ「どうすべえ。」

水口「どっちにしろ 警察に届け出してる訳だから 似た人 見かけたって 通報した方がいいかもね。」

アキ「ユイちゃんには?」

水口「それは 絶対言っちゃ駄目だよ。 ただでさえ 心が折れかけてるのに 蒸発した母親が東京で しかも 男と一緒だなんて聞いたら 完全に折れるよ。」

アキ「はい…。」

水口「どうなの 最近。 連絡取ってる?」

アキ「お母さんの一件以来 メールも返ってこねえし 留守電入れても 折り返しもねえ。」

水口「何か 責任感じるな…。」

アキ「水口さんが? なして?」

水口「だって 2人を引き裂いた もともとの原因は俺だし。 あんなに仲良かったの。 飲む?」

アキ「んだな。 あっちさ いた頃は 毎日何時間でも しゃべれたのに 今は電話つながっても 正直 何しゃべっていいか 分がんねえ。 せめて おらとユイちゃんの立場が 逆だったら…。」

水口「そういうもんかもしれないね。」

アキ「え?」

水口「前に言っただろ?『ユイちゃんの方が かわいくて 華があるのに』って。 でも ひょっとすると 世の中を動かしてるのは 一番かわいい子や 一番才能のある人間じゃなくて 2番目なんじゃないかって 思うんだ。」

アキ「2番目…。」

水口「うん。 2番目の人間が 1番の人間に対して 恥ずかしい姿 見せたくないって 頑張った時に 成功するんじゃないかって。」

アキ「ユイちゃんに対して 恥ずかしくねえ仕事しろって事ですか?」

水口「うん。 あっ 君が 2番っていう意味じゃ ないけどね。」

アキ「そこは『うん』で いいじゃないですか。」

水口「いや それは駄目でしょう。 今 40位に入れるかどうかの 崖っぷちなんだから。 ドラマの撮影もあるし。」

アキ「あっ そうでした!」

水口「セリフ完璧?」

アキ『島田さん 先週 引っ越しましたよ』。

水口「棒読みだな。」

アキ「いやいや 今のは本気じゃねえし。」

水口「じゃあ 本気でやってみてよ この扉 使って。」

アキ「あ~ あ~ 『島田さん』。 あ~ テスト テスト。」

水口「はい! ピンポ~ン!」

アキ『島田さん 先週 引っ越しましたよ』。

水口「もう一回。 ピンポ~ン! 島田さ~ん。」

アキ『島田さん 先週 引っ越しましたよ』。

水口「表情が硬いかな。」

<考えても しょうがねえし とりあえず おらは 仕事さ打ち込む事にしました。 隣人Cになり切る事に>

水口「もっと 体全体 使ってみて。」

アキ『島田さん 先週 引っ越しましたよ』。

水口「駄目。 もう一回。」

<生まれて初めて カメラの前で演技する事に 緊張していたのは もちろんですが 今は余計な事を考えたくなかった というのが本音です>

路上

喜屋武♬『絶滅危惧種 下町アイドル』

真奈♬『会いたい』

小野寺♬『でも会えない』

<幸い 土日は イベントだし 考える余裕も ありませんでしたが 気を抜くと 思い出してしまう>

まごころ第2女子寮

しおり「しっかりしてよ!」

アキ「ごめんなさい。」

安部「反省会? もう反省会?」

しおり「もうすぐ ドラマの収録だから 集中できないのかも しんないけどさ ちょっと ひどすぎ!」

アユミ「ダンスは ともかく 握手会のあれは まずいよな。」

回想

「頑張って下さい。」

アキ「島田さん 引っ越しました。 島田さん 引っ越しました。 島田さん 引っ越しました。 島田さん 引っ越しました。 島田さん 引っ越しました。」

回想終了

アユミ「誰!? 島田とかいうメンバーおらんし!」

アキ「ごめん 無意識。 完全に無意識。」

しおり「うちら もう 後がないんだよ! やる気ねえなら 辞退してくんねえかな。 目障りだから!」

安部「あらら 埼玉の人 行田(ぎょうだ)フライ 食べねえの?」

しおり「要らない!」

小野寺「さすがに ピリピリしてんな。」

真奈「無理なかよ。 国民投票の締め切りまでくさ あと1週間なかけんね。」

アキ「じぇじぇ!」

喜屋武「忘れてた訳?『暦の上では ディセンバー』さ。」

アキ「ごめん。 おら 自分の事しか 考えてねがった。 …っていうか 開票日と ドラマの収録日かぶってる! どうすべえ!」

真奈「アキちゃんは大丈夫たい。 ファンもおるし 仕事も順調やもんね。」

アキ「いやいや いやいや…。」

喜屋武「あれ? 笑ってるぬん 余裕ある証拠よ! 小野寺ちゃん!」

アキ「アハハハッ やめてけろ!」

真奈「できたら 6人みんな残りたいな。」

アキ「残れるよ。 残れるように やるしかねえべ!」

回想

荒巻「戦略として国民投票はする。 これは リストラじゃない。 ただ…。」

水口「何ですか?」

荒巻「あの 海女の子いるだろ 岩手の。」

水口「はい 天野アキですね。」

荒巻「あの子はなあ… 何か違う。 何か違う。」

回想終了

アキ「ねえ 水口さん!」

水口「え?

アキ「6人全員で年越せたら 安部ちゃんに 年越しそば作ってもらうべ。」

水口「ああ…。」

安部「まめぶも作るか?」

水口「もっと うまいもん 食わせてやるよ。」

安部「じぇ! この野郎…。」

水口「とにかく みんな ここまで頑張ったんだから 悔いのないように 正々堂々 戦い どんな結果も受け入れ ちゃんと前を向いて…。」

真奈「いや 最後まで言えや!」

アキ「じぇじぇじぇ!」

安部「うん? じぇ 3つ。」

アキ「見で 安部ちゃん。 ミサンガ 1本切れた。」

安部「じぇ! じぇじぇ! 願い事かなうべや! 切れたんだな。」

小野寺「それって もしかして 6人みんな 合格って事!?」

真奈「しおりちゃんば呼んできて!」

回想

荒巻「何か違う。 鬼が 何か違うっつってんだから 何か違うんだよ! 違う!?」

回想終了

喜屋武「見て!」

アキ「見て リーダー! ミサンガ切れた!」

しおり「天下取れる! 天下取ろうね みんな! 天下! よし!」

一同「よし!」

喜屋武「安部ちゃん!」

しおり「天下とろうね!」

一同「GMT6!」

(歓声)

2009年12月12日 国民投票当日

東京EDOシアター

一同「10 9 8 7 6 5 4 3 2 1!」

(歓声)

荒巻『プロデューサーの 太巻こと 荒巻太一です。 私は今 ニューヨークにいます』。

『おめでた弁護士』撮影スタジオ

「おはようございま~す!」

<そして ついに 女優デビューの日が やって来ました>

AD小池「ドライ前にご紹介します! 隣人C役の天野アキさんです!」

アキ「よろしぐお願いします! よろしぐお願いします!」

鈴鹿「よろしく。 今日は共演者だからね。 対等にいきましょう。」

アキ「ドライって何だ?」

鈴鹿「えっ?」

アキ「ドライなんて教わってねえど 何? 今すぐ教えろ。 何?」

水口「お芝居の段取りを決めるんだよ。」

アキ「ああ…。 じぇじぇじぇ! 水口さん なして いるの!?」

水口「マネージャーが現場に来るのは 当たり前だろ。」

アキ「そっか そんなんだ。 鈴鹿さん 今日まで いろいろと ありがとうございました!」

鈴鹿「えっ 引退!」

アキ「はい! そのつもりで当たって砕けます!」

<前略 ユイちゃん ママ 夏ばっぱ あと 大吉っつぁんとか そこら辺の皆さん>

監督「よ~い スタート!」

<ついに私 天野アキ 女優デビューでがす!>

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