ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」8回「おら、東京さ帰りたくねぇ」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】8回のネタバレです。

あらすじ

海女修業にいそしむアキ(能年玲奈)は、ある写真を見てショックを受け、海女になる自信をなくしてしまう。そこで、海女の歴史や、祖母・夏(宮本信子)と祖父で遠洋漁業の漁師・忠兵衛(蟹江敬三)のなれそめを聞くことに。そんな折、アキの父・正宗(尾美としのり)が、突然、町に現れる。正宗はタクシー運転手で、妻・春子(小泉今日子)とアキを連れ戻すため、はるばる東京からやってきたのだが…。

8回ネタバレ

アキ「美寿々さん 1分いった?」

美寿々「26秒だ。」

アキ「え~!?」

美寿々「少なくとも 1分は潜らねえど 漁は できねえよ。 さっ けっぱれ。」

<アキの修業は 今日も続きます。 そのころ春子は そこそこ 大きな決断をしました>

天野家

タクシー

黒川「おっ すいません。」

長内「ええが? 漁協まで。」

<そして この運転手こそ 誰あろう 春子の夫 つまり アキの父親なのであります>

黒川「お客様 漁協までは どのようなルートで?」

長内「ルートも何も 一本道だべ。」

黒川「ああ 一本道で…。」

長内「6号線さ出て 一本だで。」

黒川「6号線…。」

長内「バイパスまで行って 袖が浜方面さ曲がれば 6号線だ。」

黒川「バイパス? 袖が浜6号線…。 袖が浜!?」

長内「なっ 何だよ…。」

黒川「袖が浜 聞いた事あります。」

長内「あるだろ おめえ そりゃ…。」

黒川「海女さんのいる所ですよね?」

長内「うん…。」

黒川「あ~ やった…。 やっと行ける 袖が浜。」

長内「あんた どこの車? 盛岡? 八戸? 東京か!」

黒川「すいません。 だから お客さん あの お代金はいただきせんので 袖が浜まで 連れていって頂けますか?」

運転手交代

長内「行くぞ!」

ETC『ETCカードを 延長しました』。

黒川「はい。」

(笑い声)

漁協

アキ「やっぱ 長く潜るのは 難しいな…。」

美寿々「大丈夫だ! 初めは みんな そう言うべ。 ほい。」

アキ「あっ ありがとう。」

長内「参った 参った。 変な運転手に捕まってよ。」

かつ枝「運転手?」

長内「んだ。 東京から来て 道さ分かんねえって言うから おらが運転してきた。 お~ アキちゃん 帰ってきたが!」

アキ「ただいま!」

かつ枝「今日みてえな暖けえ日でも 水ん中は冷てえべ?」

アキ「うん。 でも楽しい!」

長内「楽しいばっかりじゃねえぞ 海は。 いきなり 潮さ流されるし 漁船さ ぶつかる事もあっからよ。」

かつ枝「んだ。 潜っ時は おらたち 大人が見てる時だけだぞ。」

安部「どうしたの アキちゃん?」

アキ「安部さん これ。」

安部「あっ おっぱい。」

アキ「何で出してる人を 出してない人がいるの?」

安部「それ…。」

長内「新人の海女は みんな 乳出して 潜るんだじゃ。」

アキ「じぇ!」

長内「その方が 深く潜れんのだ。 水の抵抗が ねえからよ。 まあ 服着て 潜れるようになるには 2~3年は かかる。 なっ 安部ちゃん?」

アキ「じゃあ 安部さんや 美寿々さんも 新人の頃は おっぱい放り出して 潜ってたの!?」

美寿々「そ… そうよ!」

安部「丸出しよ。」

アキ「じぇじぇじぇ…。」

長内「アキちゃんも 深く潜りてえなら 出した方が いいべな。」

天野家

アキ「ただいま。」

夏「ああ ちょうど昼飯食うどごだ。 今日は 市場で いいカツオ分けてもらったから ヘヘッ たたきにしたど。 どうした アキ?」

風呂場

夏「アキ! アキ 開けろ 開けろ。 どうした?」

アキ「おばあちゃん アキ やっぱ… 海女やめる。」

夏「どうした 急に…。」

アキ「自身がない。」

夏「最初は みんな不安だ。 だけど慣れれば 平気だ。」

アキ「いやいやいや! なりたくない! 平気になんて なりたくない!」

夏「アキ!」

アキ「嫌だ!」

夏「アキ!」

居間

(笑い声)

アキ「何で? ねえ 何 笑ってんの?」

夏「だから アキ おめえ 組合長にだまされたんだ。」

長内「いやいや まさか 信じるとは思わねえから!」

(笑い声)

アキ「えっ どういう事?」

長内「あれはな 昔の写真だ。 今は 裸で潜る海女なんか いねえ。」

アキ「そうなの?」

夏「ああ。 まだ ばあちゃんが 結婚するめえの話さ。 それまでは 食うだめに潜ってた 海女たちに 観光協会が 目ぇつけて 観光海女として 売り出したのさ。」

アキ「…観光海女」

かつ枝「客から お金もらって 潜ってみせて ウニ食べさせる。 今のスタイルさ。 どうせ 旦那は 漁さ出たっきり 何か月も帰ってこねえから 女だちは 観光海女として稼いで 暮らしの足しにしてたんだ。」

アキ「…おっぱい放り出して?」

かつ枝「出したっていうよりは 隠さねがったって方が正解だな。」

夏「ところが 漁から帰ってきた 男連中が それ見て 頭さ血が カ~ッて上っちまった訳だ。」

アキ「じぇ。」

長内「そん時 先頭切って 漁協さ乗り込んできたのが 忠兵衛さんだ!」

かつ枝「んだ。」

アキ「忠兵衛さん?」

夏「おらの旦那さん。」

アキ「おじいちゃん!?」

夏「…んだ。」

(笑い声)

回想

忠兵衛「組合長 出てこい!」

漁師「何が悲しくて 嫁ごの乳さ 見せ物にせねばなんねえってよ。」

漁師たち「んだんだ!」

忠兵衛「おらんだ 年中 漁さ出てらんだど。 見てえったって 見れねえんだど! なして 環境客さ 見せねばなんねえのよ!」

回想終了

夏「んで それ見て『あ~ この人 かっけえな』と思って 結婚する事に決めだのっしゃ。」

(笑い声)

アキ「何か いい話だな。」

(笑い声)

夏「ええが アキ 海女には そういう歴史があるんだど。 だから 海女が取った ウニや アワビには 家族のために海で働ぐ漁師と 留守を守る嫁の愛情が いっぺえ 詰まってるんだ。」

アキ「だから 海女って かっけえんだ。」

夏「んだ! だから かっけえんだ!」

かつ枝「かっけえ~!」

(笑い声)

かつ枝「食え!」

アキ「頂きま~す!」

漁協近くのポスト

春子「あ~ はあ…。 いやいやいや… もう迷わない~。 迷わない 迷わない。」

(クラクション)

春子「うわ~! えっ? えっ!? えっ!?」

黒川「やあ!」

春子「えっ 何で!?」

黒川「何でって こっちこそ 何でだよ 春子さん。 何で 岩手にいるの?」

春子「いやいや そっちこそ 何で 岩手にいるのよ。」

黒川「君が 岩手にいるから来たんだよ。 君がいなきゃ来ないよ 岩手なんか。 心配したよ 春子さん どうして 急にいなくなったの?」

春子「あの… ここじゃなんだから ちょっと。 こんにちは~。」

黒川「アキは?」

春子「えっ? いやいや…。 うわっ! いやいや…。」

黒川「何? 何?」

アキ「いらっしゃいませ~! 取れたてのウニで~す!」

「お~ すごい すごい! おっきい おっきい!」

漁協

黒川「海女さん!? アキが? 何で 海女さんなんかに…。」

春子「その辺の詳しい経緯を 手紙に書いたのよ。」

黒川「ああ そんなの じゃあ 後で読むよ。」

春子「出したわよ! 今 まさに ポストに入れたとこだったの! 離婚届と一緒に。」

黒川「ああ ごめん。」

春子「そうよ。 離婚届と一緒に。」

黒川「…離婚届?」

春子「遅い!」

黒川「えっ 離婚? 僕たち 別れるの!? 何で?」

春子「だから その辺の理由も 書きました。 手紙に。」

黒川「ちょっと 僕 読んでないよ?」

春子「だから 出したって言ってんじゃん! 今 速達で! 明日 届くわよ 東京に!」

黒川「ああ~! ああ! あ~!」

春子「えっ!?」

ポスト

黒川「ああ~! それ 駄目~!」

長内「よ~し それ 一丁あがり!」

黒川「持っていっちゃ駄目~! 待って 待って! それ 僕の…! 待って下さ~い!」

長内「あれ おめえ 昼間の運転手。 春ちゃん 知り合い?」

春子「…旦那です。」

長内「じぇじぇじぇ!」

喫茶・リアス

大吉「じぇじぇじぇじぇ!」

吉田「どうしました 駅長? じぇ 4つも…。」

大吉「漁協の長内さんから メールで 春ちゃんの旦那が 東京から来てるらしい。」

吉田「じぇじぇ!」

大吉「吉田君は 2つか。」

吉田「すいません。 基本的に関係ねえがら。」

大吉「どうやら タクシーの運転手らしい。」

吉田「モータリゼーションの弊害が ここにも。」

大吉「しかも 個人らしいじゃ! 生意気な。 一匹狼だ…。」

吉田「一匹モータリですね。 すいません。」

大吉「あ~ くそ! こういう時 酒飲みなら 一杯やって 気合い入れるのに! 俺は 酒が飲めねえ!」

吉田「まんずは 歌いましょう 駅長。」

大吉「24年間 待ち続けて 苦労して せっかく呼び戻したのに! 何しに来たんだ? モータリゼーション恐るべしだな!」

吉田「大丈夫ですよ。 運転手としての格は 駅長の方が上です。」

♬(『GHOSTBUSTERS』)

大吉「♬『(Ghostbusters)』よし 行ってくる!」

吉田「行ってらっしゃい! これ 簡単。 ♬『(Ghost…)』」

弥生「ほれ 食べてみろ。」

アキ「うんめえ! ハマグリって ずっと 浜のくりだと思ってたら 貝なんだね!」

弥生「相変わらず バカだなあ アキは…。」

美寿々「ほれ 客来たど!」

弥生「ありゃ 春ちゃんでねえが?」

美寿々「んだなあ 前歩いてる男は 誰だ?」

夏「どうやら 客では ねえようだな。」

黒川「アキ!」

アキ「パパ…。」

3人「じぇじぇ…。」

黒川「何してんだ こんな所で。 何だ その恰好は!?」

アキ「あ… 海女さん。」

黒川「そんなの見れば分かる!」

春子「だから やめてって。 やめて。」

黒川「大丈夫 大丈夫 大丈夫だよ 春子さん。 大丈夫…。」

黒川「どういうつもりなんだ アキ。 終業式 勝手に休んで。 電話しても出ないし メールも返さない。」

アキ「ごめんなさい。 あの 携帯 海さ落どしで…。」

黒川「学校は どうするんだ? 補習も。 塾の夏期講習もあるだろ。 いいのか? お前 また 成績落ちるぞ。 高2の夏で 勝負が決まるんだぞ。」

アキ「ごめんなさい…。」

黒川「こんな所で 何やってんだ アキ!」

立ちはだかる夏

黒川「何ですか あなた。」

夏「海女のクラブの会長でがす。 この子は 孫でがす。」

黒川「…孫?」

春子「私のお母さん。」

黒川「あ…。 ああ… そうでしたか。 すいません。 あの… いずれ ご挨拶には 伺うつもりだったんですけど こんな形で…。 黒川正宗と申します。 春子さんの夫で アキの…。」

夏「別れるって聞いてますけど?」

春子「うん。 ねっ?」

夏「もう 離婚届出したんだべ 春子。」

春子「さっきね ポストに入れたばっかりだから まだ見てない。」

黒川「僕は 別れるつもりはありません。 絶対に別れません。 さあ 帰るぞ アキ。」

春子「あら アキは?」

美寿々「あっ アキちゃん!」

弥生「アキ また飛び込んだ。」

春子「アキ!」

黒川「アキ!」

<アキが また 海に飛び込みました>

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