【 連続テレビ小説「あまちゃん」】92回のネタバレです。
あらすじ
沖縄に帰省する喜屋武(蔵下穂波)を見送るアキ(能年玲奈)。前日の口論でユイ(橋本愛)を傷つけたのではないかと落ち込んでいた。春子(小泉今日子)は、アキに自分が太巻(古田新太)と知り合いだったころの話をする。アキは、自分にアイドルとしての芽が出ないのは、太巻と春子の間に何か秘密があるのではと疑っていたが…。そして町の人々の注目の中、アキが初めて出演したテレビドラマの放送日がやってきた。
92回ネタバレ
北三陸駅
2010年1月2日
<ユイちゃんと 大げんかした翌日 1月2日。 喜屋武ちゃんは やっぱり 沖縄へ帰ると 言いだしました>
アキ「何か ごめんね。 お構いもしませんで。」
喜屋武「ううん で~じ楽しかった。 おじいからさ 外国の話も いっぱい聞けたし。 苦手なウニも克服できたし。」
夏「ほれ 電車の中で食え。」
喜屋武「ありがとう 夏ばっぱ! …てか アーキー いつ帰ってくるの?」
アキ「ああ 決めてねえけど 2~3日かな。」
吉田「いたいた いたいた。」
アキ「あっ!」
栗原「取れたよ 航空券!」
アキ「ありがとう!」
栗原「花巻空港発 那覇行き。」
喜屋武「ありがとうございます!」
吉田「いいか? 一回しか言わねえど。 北三陸から花巻経由で 沖縄に行くには まず 北三陸鉄道リアス線で 宮古まで行き 宮古から盛岡まで 山田線 そこから 花巻まで東北本線。 そこから…。」
天野家
春子「よいしょ 大丈夫 大丈夫。」
夏 アキ「ただいま~!」
春子「お帰り~。」
アキ「何してんの?」
春子「何ってさ 今日 あんたのドラマの放送日でしょ。」
アキ「じぇじぇ! 忘れてた!」
忠兵衛「これを機会に 我が家も あれだ。 ハード何とか ディスク何とかレコーダーを 導入する事にしたべ。」
大吉「プラズマテレビもな! 記念すべき 女優デビューだ。 いい画像で録画しねえと。」
アキ「そんな やめでよ チョイ役だってば!」
春子「アキさ ちょっと ちょっと。 あんたさ 昨日さ ユイちゃんと 何かあった?
アキ「えっ? ああ…。」
回想
アキ「おらでねくて ユイちゃんが 東京さ来ればいがったのにって。 ユイちゃんの夢も かなうし…。」
ユイ「そんな事 軽々しく言わないでよ! 母さん蒸発して 病気の父さん 置いていける訳ないでしょ!?」
回想終了
アキ「ちょっと…。」
春子「『ちょっと』って何よ。」
アキ「ひどい事 言って 傷つけてしまった。 謝っといてけろ。」
春子「えっ?」
回想
ユイ「私 アキちゃん 傷つけちゃった…。」
春子「どうした? 大丈夫 大丈夫。 どうした?」
アキ「どんだけ不幸か知らねえが ここで過ごした思い出まで 否定されたら おら やってらんねえ!」
回想終了
2階
春子「アキ。」
アキ「うん? 何だよ…。」
春子「東京の話 聞かせてよ。」
アキ「えっ?」
春子「どうなの? 芸能界。 何か ないの? 裏話とかさ。 誰と誰が デキてるとかさ 誰の年収が いくらとか そういう ゲスいの頂戴よ。 頂戴 頂戴。」
アキ「知らないよ。」
春子「誰の年収なら知ってんのよ!」
アキ「誰の年収も知らないよ!」
春子「ねえ 鈴鹿(すずか)ひろ美(み)って 性格悪いんでしょ? 酒癖も悪いんでしょ? 悪いって言ってよ お願い お願い お願い!」
アキ「何なんだよ。」
春子「『何なんだよ』って…。 うれしいんだよ 久しぶりに会えて。」
アキ「えっ?」
春子「だってさ 4か月も会わないのなんて あんた産んでから 初めてじゃん。 あ~ 懐かしい 東京のにおい! 東京メトロ 銀座線のにおい~!」
アキ「あっ 太巻さんと話したよ。 ママが よろしぐって。」
春子「あっ そう… 何か言ってた?」
アキ「うん。 びっくりしてた。」
春子「アハハッ びっくりするわな そりゃね。」
アキ「ねえ どんな関係だったの?」
春子「『どんな』って 喫茶店のウエイトレスと客だよ。 見た目 老けてたけど 26って言ってたな。 いろいろ 相談に乗ってもらってたの。」
回想
1985年(昭和60年)
(ドアベル)
春子「おはようございま~す。」
甲斐「あっ 春ちゃん ちょっと。」
春子「はい。」
甲斐「荒巻君さ この子ね アイドル目指してんの。」
荒巻「へえ~ そうなんだ!」
春子「はい! 天野春子です! あっ! これ デモテープなんで よかったら 聴いて下さい!」
荒巻「ああ そう。 プロフィールとかないの?」
春子「そういうのは まだ なくて…。」
荒巻「そっか じゃあ 今度 撮ってあげるね。 写真と 履歴書ぐらいは いつでも持っとかないとね。」
春子「はい。」
荒巻「それから その髪型…。」
春子「はい! これ 聖子ちゃんカットです。」
荒巻「フフッ 知ってる。 でもね もう 聖子ちゃんも そんな髪型してないよ。」
アキ「じぇ!」
回想終了
アキ「それで?」
春子「それで? えっ それだけ。」
アキ「その気になってねえの?」
春子「なってたら 今頃 こんなとこに いないよ。」
アキ「何だ そっか そうだよねね ごめん。」
春子「何?『ごめん』って。」
アキ「いや ちょっと疑ってたんだ。 ママと太巻社長の間に 何か あって それで おら 芽が出ねえんじゃねえかって。
春子「はあ? 何それ?」
アキ「駄目だ 駄目だ! 思うようにいがねえからって 人のせいにしちゃ駄目だよね。 んだ。 おらのせいだ。 実力だ。」
春子「アキ?」
アキ「あ~ 腹減った! 夏ばっぱ 餅焼いてけろ!」
1階
<北三陸地方の正月といえば 煮しめと なもみです>
花巻「おばんです!」
2人「わ~!」
花巻「はい どいて どいて!」
<なもみのルーツは 秋田のなまはげと一緒で 見た目も 限りなく なまはげなので 地元の人でも たまに間違えます>
夏「なまはげ! もう いいから そろそろ座って テレビ見ろ!」
忠兵衛「なまはげでねえよ なもみだよ!」
夏「あ~。」
かつ枝「あっ そうだ アキ! おめえ 何時に出るのだ?」
アキ「まだ先だ。 島田って男が 行方不明になってからだ。」
かつ枝「よし! 島田が 行方不明になってからだと。」
回想
(チャイム)
アキ『島田さん 先週 引っ越しましたよ』。
回想終了
今野「あら 何だ春ちゃん。」
春子「うん?」
今野「今日 スナックは?」
春子「ああ ユイちゃんに任せてきたの。」
長内「まめぶ いくか。」
今野「何だや…。」
スナック・梨明日
(ドアベル)
ユイ「いらっしゃい。」
一同「…。」
吉田「静かだな。 違う店みてえだ。 水割り。」
一同「…。」
吉田「ごめん 限界!」
テレビをつける吉田
(テレビ)鈴鹿『ええ!? 双子ですか?』。
天野家
美寿々「イエ~イ! こんばんは~!」
長内「許してくれ! おらだ! 組合長だ!」
美寿々「カマール! カマール! カマール 悪霊じゃないの! なまはげ! なまはげ!」
忠兵衛「だから なまはげじゃねえって! なもみだよ!」
長内「ほら 入れ 入れ!」
大吉「春子 酒!」
かつ枝「じぇじぇ! 大吉っつぁん 飲めるようになったのか?」
春子「薄い カシスオレンジだったら 飲めるんだって。」
かつ枝「カシスオレンジは酒でねえって。」
弥生「どうなの? プロポーズの返事は。」
大吉「まだだ。 でも ノーと言われない限り イエスだと思ってる。」
かつ枝「いつの間にか 亭主みてえな顔して 上座さ座ってるっつうのは 大した度胸だじ。」
長内「んだ んだ。 この間までは この玄関先が定位置だったもんな。」
今野「んだ んだ んだ! ちょっとずつ だまし だまし 移動して 上座まで。」
大吉「長(なげ)え道のりだった! もう動かねえぞ!」
弥生「あっ アキだ!」
花巻「どこだ どこだ!?」
テレビ♬『いらないバイク 書い取るぞう! いらないバイク 書い取るぞう!』
アキ「CMじゃねえか もう! 弥生さん ちゃんと見てて!」
美寿々「あの子ね 女優さんなのよ。」
カマール「女優? アクトレス! ぬれ場 サイコー!」
美寿々「ぬれ場は まだなんだけどね。」
大吉「アキちゃん あのな…。」
カマール「R指定 サイコー!」
大吉「黙ってろ!」
大吉「アキちゃん もし… もしも 俺が 春子と再婚したら『パパ』と呼んでくれるかい?」
アキ「じぇ! いや 今 ちょっと テレビ…。」
大吉「いや…。」
アキ「じぇ! それ 今じゃないと 駄目ですか?」
かつ枝「待ったなしだぞ アキ!」
弥生「あっ!」
花巻「どこだ どこだ!? 今度こそ どこだ!」
弥生「年賀状 ポストさ入れるの忘れでた。」
(笑い声)
アキ「あっ!」
夏「どこ? どこだ? どこさ いる?」
アキ「まだ もうすぐ出てくる。」
忠兵衛「お~ 春子! こっちゃ来い!」
長内「やっぱし 美人だな 鈴鹿ひろ美は。」
春子「でも 絶対 性格悪いよね。」
長内「いや こんだけ 美人だったら 性格は どうでもいいべ。」
アキ「あっ!」
一同「えっ えっ?」
テレビ
(チャイム)
(チャイム)
(チャイム)
(チャイム)
♬『いらないバイク 書い取るぞう! いらないバイク 書い取るぞう! いらないバイク 書い取るぞう! いらないバイク 書い取るぞう!』
天野家
夏「いや~ ど… どこさ いた?」
美寿々「向かいの部屋から 出てきたのだよね?」
アキ「うん…。」
忠兵衛「今ので終わりか?」
かつ枝「んな訳ねえべ なあ?」
アキ「うん…。」
一同「あ~!」
弥生「完全に よそ見してた。」
<セリフ… カットされだ。 一個しかねえ セリフ カットされでだ。 言えない。 もう出てこないなんて>
スナック・梨明日
吉田「あっ あらら 終わっちまった。」
勉「アキちゃん どこさ出てた?」
磯野「おら 分かったど!」
勉「どこ どこ!?」
磯野「バイクのCM?」
まごころ第2女子寮
水口「見たよ。 うん セリフなかったね。 でも そういうのは よくある事だから。」
天野家
アキ「そうなんですか?」
電話・水口『台本ちょっと長かったから カットされちゃう気は してたんだよね。」
夏「あっ! アキだ アキだ~。」
春子「見たから。 もう 何度見るのよ。」
夏「アハハハッ!」
アキ「やっぱり 私の芝居が よくなかったんですよね。」
東京EDOシアター
水口「違う 違う。」
電話・アキ『40回も NG出したからですよね。』
水口「アキちゃん いちいち そんなふうに考えてたら 芸能界じゃ やっていけないよ。」
天野家
アキ「すいません…。」
電話・水口『で 元気?』
まごころ第2女子寮
水口「みんな いつもと変わらない? いつ こっちに帰ってこれるかな?』
天野家
電話を切るアキ