ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」93回「おらのママに歴史あり 2」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】93回のネタバレです。

あらすじ

アキ(能年玲奈)は、出演したドラマで、唯一のセリフがカットされてしまった。正月が過ぎても東京に戻る気配はなく、海女カフェで働きはじめ、大吉(杉本哲太)らは喜ぶ。さらにヒロシ(小池徹平)からユイ(橋本愛)の事情を聞き、自分だけが上京したことを後悔し、いっそう自信をなくしてしまう。東京の水口(松田龍平)から何度も電話が来るが、一切出ようとしない。とうとう水口が、東京からやってきて?!

93回ネタバレ

まごころ第2女子寮

めぐ「マジかよ。」

めぐ「は~い どいて!」

しおり「ああ アキちゃんの…。 はい? いやいや…。」

しおり「有馬さん 有馬さん! ここ 天野アキちゃんの ベッドでして あんまり そういう…。」

めぐ「辞めたって聞いたけど。」

しおり「そうなの?」

小野寺「分がんねえ。」

めぐ「どいて 邪魔! 邪魔!」

しおり「…っていうか アキちゃん いつ帰ってくるんだろう?」

観光協会

大吉「大変だ~! 大変だ 菅原(菅原) 栗原(くりはら)! じぇ! ストーブが ストーブで 餅焼いてる!」

栗原「うるさい。 正月早々 大ざっぱな事 言わないで。」

大吉「おめえら これ聞いて『じぇ!』って言わなかったら お年玉やるど!」

栗原「楽勝じゃん。」

菅原「『じぇ!』って言わなきゃ いいんでしょ?」

ヒロシ「俺 絶対 言わねえ 自信ある。」

菅原「絶対 大丈夫だ。 さあ来い 先輩 何?」

大吉「いいか? いくど! アキちゃんが 海女カフェで働いてる!」

菅原「…じぇ!」

一同「言っちゃったよ。」

海女カフェ

アキ「海女プレートのお客様!」

「はい!」

アキ「お待たせしました。」

「あの… アキちゃんですよね?」

アキ「はい。」

大吉「これは ひょっとしたら ひょっとするべ。」

菅原「えっ 何がだじゃ? 先輩。」

大吉「鈍いな…。 潮騒のメモリーズ 再結成に決まってるべ!」

菅原「じぇじぇ! それは… じぇじぇ!」

大吉「アキちゃん 東京では なかなか 芽が出ねえで 伸び悩んでるようだが 見ろ 地元じゃ 断トツだべ。」

かつ枝「え~ 抹茶ラテ ご注文のお客様。 抹茶ラテ ご注文の…。」

「あっ 抹茶ラテ?」

弥生「ペペペ ペロペロペロロロ… ペペペ…。」

アキ「ペペロンチーノだべ!」

菅原「こりゃ 掃きだめに鶴だべ。」

長内「んだ。 昨日までは 鶴のいねえ掃きだめだった。」

菅原「いや 掃きだめカフェか?」

大吉「これで ユイちゃんが 復活してくれたらな…。」

スナック・梨明日

ユイ「それ きれい。」

勉「えっ…。」

ユイ「貸して。 やりたい。」

勉「はい。」

春子「あんたさ 今日どうすんの?」

ユイ「友達んちに泊めてもらいます。」

春子「ホントに友達?」

ユイ「はい。 いやいや 友達っすよ。

春子「いいけど 別に。 あんたの親じゃないしさ。 そうだ。 アキが気にしてたよ。『ユイちゃんの事 傷つけちゃった』って。」

ユイ「えっ?」

春子「あの子ね だいぶ へこんでるみたい。 こっちに来て 随分 鍛えられたと思ったけど 東京行くと駄目ね。 慰めてやってよ。」

海女カフェ

ヒロシ「しばらくは ユイも 全然まともだったんだよ。 親父が倒れた時も 至って 冷静で 諦めてないどころか いつでも東京行けるように 荷造りもしてたし。 俺が職場に復帰して 親父が リハビリ始めた頃だったかな。 ユイが 観光協会に飛び込んできてさ。」

回想

ユイ「お兄ちゃん お兄ちゃん! 歩いた! お父さん 歩いたよ!」

ヒロシ「じぇじぇ!」

ユイ「病室からエレベーターまで 壁に 手ついて歩いたの! しかも しゃべったの!」

菅原「ユイちゃん ごめんね。 一応 今 これでも会議中だからね。」

ユイ「ダジャレ言ったんです。」

菅原「じぇじぇれ!?」

ユイ「『美空りはびり』って言ったんです。 看護師さんが『え?』って聞いたら『前田りはびり』って言ったんです。 かぶせてきたんです!」

菅原「アハハハッ 先生だな。 よくも悪くも それは足立先生だな。」

ユイ「ずっと考えてたんだよ きっと。」

回想終了

ヒロシ「あのころが ひょっとしたら 足立家の 一番幸せだった時期かもね 今 思えば。 ユイも『アキちゃんから こんなメールが来た』とか『アキちゃんのおかげで 私も頑張れる』とか 精いっぱい 前向きだったし…。」

アキ「やっぱり お母さんですか?」

ヒロシ「うん。 いなくなって 完全に 道が断たれたと 思っちゃったみたい。」

アキ「やっぱり…。」

ヒロシ「え?」

アキ「一緒に行くべきだったんだ。 おらが待っててやれば よかったんだ。」

ヒロシ「アキちゃんは何も悪くないよ。」

アキ「2人で行ってたら 百人力だったのに。 おらが抜け駆けしたから…。 だから パッとしねえんだ。」

(携帯の着信)

アキ「あ~ もう うるせえ!」

まごころ第2女子寮

留守電『ただいま 電話に出る事が できません。 ピ~ッという発信音のあとに お名前とご用件をお話し下さい』。

天野家
作業場

アキ「何してんの?」

忠兵衛「おう アキか。 タコ生け捕りにする 仕掛け作ってんだ。」

アキ「じいちゃんはさ 漁さ出たぐねえなって 思った事ねえの?」

忠兵衛「あ?」

アキ「行ったら 1年も行きっ放しでしょ?『やんだな 行きだぐねえな』って 思わねえの?」

忠兵衛「まさに 今が そうだべ。」

アキ「あっ そういえば 去年も行ぐだの 行がないだの 大騒ぎしてたな。」

忠兵衛「昨日も漁協の組合長が来て『イカ釣り船の人手が足んねえから 乗ってけろ』って頼まれたが『人数合わせは ごめんだ』つって 断った。 今 激しく後悔してる。 アキもか?」

アキ「んだ。 海女カフェで バイトしてんのも 現実逃避だ。

忠兵衛「おらも現実逃避中だ。 今の季節 タコなんか いねえし。」

アキ「現実は つれえなあ…。」

忠兵衛「お互いにな。 行けば行ったで なんとかなるんだが う~ん 行くまでが つれええ。」

(ドアが開く)

アキ「じぇ!」

水口「なぜ… なぜ出ない 電話に 君は。」

アキ「え?」

水口「出て 電話に! 出なかったら すぐ折り返して!」

アキ「すんません。」

水口「頼むよ ホント。」

アキ「えっ? そのために わざわざ 東京から来たんですか?」

水口「いや 明けましておめでとう。」

アキ「おめでとう。」

水口「おじいちゃんも 今年も よろしくお願いします。」

忠兵衛「おう。」

水口「いつまで いるの?」

アキ「分がんねえ。」

水口「みんあ待ってるよ。」

アキ「おらの代わりなんて いくらでも いるべ。」

水口「何ですか?」

長内「いや 急ぐ用事じゃねえから。」

水口「気になるから。」

長内「あっ そうすか? それじゃあ…。 忠兵衛さんよ いつまで 陸(おか)さ いるつもりだ!」

忠兵衛「分がんねえ。」

長内「そろそろ 船さ乗ってもらわねえと 若(わけ)えもんから 文句が出る!」

忠兵衛「おらの代わりなんぞ なんぼでもいるべ!」

水口「バカな事 言ってんじゃないよ!」

忠兵衛「あっ すいません。」

水口「あっ いや すいません。 アキちゃんね GMTには 君の力が必要なんだよ。」

アキ「嘘(うそ)だ。 頭数さえ そろえば いいと思ってるくせに。」

水口「そんな事…。」

長内「思ってねえよ! 忠兵衛さんよ!」

水口「うるさいな…。 こっち先に済ませていいですか?」

長内「はいはい。」

アキ「わざわざ来たんだから おらじゃなくて ユイちゃん連れてったら どうだ。」

水口「え?」

アキ「かわいい方が目当てなんだべ。 だったら かわいい方 連れてって かわいくプロデュースすればいい!」

水口「留守電 聞いてないの? 君。」

アキ「留守電?」

水口「マネージャーからの電話に出ない 折り返さない 留守電 聞かない タレント失格!」

アキ「…すいません。」

水口「すいませんじゃなくて 早く聞いて。 今 聞いて 今。」

長内「直接 しゃべったらいいべ。」

水口「やだ。 もう一回 同じ事なんて言えない 昨日のテンション 到底持っていけないし。 ほら 早く聞いて。」

留守電『メッセージは 16件です』。

アキ「じぇじぇ!」

留守電(『ピ~ッ』という音)

回想

水口「もしもし 天野? 水口です。 今は 1月7日の夜です。 一回しか言わないから ちゃんと聞いてくれ。 ここ数日 君の事を考えてる。 正確には 君のいない GMTの未来を考えて 激しく落ち込んでる。 俺は ずっと ユイちゃん派というか ユイちゃんを センターに抜てきしようとしてきた。 でも そ…。」

留守電(『ピ~ッ』という音)

回想終了

水口「そんな見るなよ。」

留守電・水口『もしもし 水口です。 さっきの続き。 そんな逆風の中で 君は…』。

回想

水口「4か月かけて 自分の立ち位置を獲得した。 もう君は ユイちゃんの相方じゃないよ。 GMTの天野アキだ。 なまってるけど 40位だけど 最下位だけど それが…。」

(『ピ~ッ』という音)

水口「それが どうした! 水口です。 それが どうした。 誰が 何と言おうと 君の代わりは 君しか いないんだよ。 そんな君を売り出す事が マネージャーとして 僕の…。」

(『ピ~ッ』という音)

回想終了

留守電・水口『水口です。 入間(いるま)に代わります』。

アキ「え?」

(『ピ~ッ』という音)

回想

しおり「しおりです! 一緒に天下取るって 約束したじゃん! アキちゃん! アキ!」

(『ピ~ッ』という音)

真奈「真奈です。 アキちゃんが おらんとくさ 奈落のお通夜んごと静かやけん 早(はよ)帰ってきて!」

(『ピ~ッ』という音)

小野寺「小野寺です。 あの 早く帰ってこんえと 私 有馬めぐと 相部屋になっちゃうから…。」

(『ピ~ッ』という音)

喜屋武「『ざわわ ざわわ ざわわ』」

(『ピ~ッ』という音)

(『ピ~ッ』という音)

種市「あっ 今のは 大将の梅頭(うめず)さんだ。 天野 みんな待ってるぞ。 頑張れよ!」

(『ピ~ッ』という音)

安部「帰ってくる時 磯汁の缶詰 3つばかし買ってきて。」

「すいません。」

安部「いらっしゃい! そばですか? うどんですか? まめぶですか?」

(『ピ~ッ』という音)

鈴鹿「天野さん? 明けましておめでとう。」

回想終了

アキ「鈴鹿さんだ。」

回想

鈴鹿「あなた 田舎に帰っちゃったんですって? ハッ ちゃんちゃら おかしい。 ハッハッハッ。」

(『ピ~ッ』という音)

回想終了

留守電『メッセージは以上です』。

水口「ねっ? 俺だけじゃないんだ。 みんな 君の帰りを待ってる。 だから 一緒に帰ろう。」

作業場に立て籠もるアキ

水口「えっ? 何だよ。 もう少しだったのに…。」

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