ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「あまちゃん」95回「おらのママに歴史あり 2」

【 連続テレビ小説「あまちゃん」】95回のネタバレです。

あらすじ

春子(小泉今日子)からアキ(能年玲奈)に手渡された手紙には、衝撃の事実が書かれていた。1985年の秋、甲斐(松尾スズキ)の喫茶店でウエートレスをしながらアイドルを夢見ていた春子(有村架純)と、駆け出しのスカウトマンだった太巻(古田新太)、そしてデビューを目前に控えていた鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)との間に、いったい何が起きたのか? 春子が長年にわたって封印してきた秘密が、今、明らかになる。

95回ネタバレ

北鉄

回想

(カーステレオ・鈴鹿の音程の外れた歌)

♬『来てよ その火を 飛び越えて』

荒巻「そう 彼女音痴なんだ。 誰か 歌える女の子探してきてって 上司に言われて。 君の事思い出した訳。 歌ってくれないかな? 鈴鹿ひろ美の代わりに。」

手紙・春子『ママは その日 マイクの前に立ちました』。

手紙・春子『鈴鹿ひろ美の影武者として』。

回想終了

アキ「じぇ。 じぇ! じぇじぇじぇじぇ!」

回想

1985(昭和60年)

黒川「お客さん あの ゼロが 1個多いんですけど…。」

荒巻「知っとるわ ボケ あほんだら! われ あほんだら 今 車ん中で話してた事 あほんだら 誰にも言うなよ あほんだら! おう? 大江戸タクシーの黒川 正宗さんよ!」

黒川「はい…。」

手紙・春子『太巻さんは パパを恫喝(どうかつ)しました。 得意の関西弁で』。

荒巻「もし あほんだら どっかに漏れたら あほんだら 己の仕業やからな あほんだら! 自分 東京湾に沈められたいんか! あほんだら! あほんだら! あほんだら! あほんだら! よし行こうか。」

春子「は はい…。」

手紙・春子『スタジオに着くと ちょうど帰ろうとしていた 鈴鹿ひろ美と擦れ違いました』。

荒巻「(小声で)君は知らないふりをして。」

荒巻「お疲れさまでした。」

鈴鹿「お疲れさまでした。」

荒巻「軽く歌ってみようか。」

春子「はい。」

荒巻「お願いします。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

春子「ごめんなさい。」

荒巻「大丈夫 大丈夫 リラックスして! どうせ 人の歌なんだから。」

手紙・春子『そのひと言で すっと気持ちが楽になりました』。

春子「お願いします。」

♬~(『潮騒のメモリー』)

春子♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

「いいじゃん。」

春子♬『北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ 彼に伝えて 今でも好きだと ジョニーに伝えて』

回想終了

東京EDOシアター前

アキ「これ… ママなのか?」

回想

春子♬『潮騒のメモリー17才は 寄せては返す 波のように 激しく』

春子♬『来てよ その火を 飛び越えて 夜空に書いた アイム ソーリー 来てよ その川 乗り越えて 三途の川の マーメイド 友達少ない マーメイド マーメイド 好きよ 嫌いよ』

「OK!」

(拍手と歓声)

回想終了

東京EDOシアター
休憩所

アキ「そんなバカな!」

<ママが歌ってたなんて…。 天野春子が 鈴鹿ひろ美のふりをして『じぇ!』が いくつあっても足りねえ。 …にしても なして 今まで黙ってたんだべ>

河島「あれ? 実家 帰ったって聞いたけど…。」

<やっぱり 消したい過去だったんだべか>

回想

♬~(『潮騒のメモリー』)

吉田「うわ 懐かしいな…。 何だっけ? これ。」

美寿々「映画の主題歌だっぺ!」

(曲を止める)

春子「やっぱ 無理 無理 無理 無理。」

回想終了

アキ「あっ!」

河島「えっ!?」

(缶が落ちる音)

河島「あっ! しょうが湯…。」

回想

アキ「お母さんが よろしぐって。」

荒巻「お母さん?」

アキ「天野春子っていいます。」

荒巻「え? な… 何? えっ? 君 天野春子の娘?」

回想終了

<あの反応 動揺…。 太巻さんにとっても 消したい過去に違いねえべ>

荒巻「おはよう!」

一同「おはようございます!」

アキ「おはようございます!」

荒巻「あれ? 君 辞めたんじゃなかったっけ?」

アキ「いや… 今日から また お世話になります。」

荒巻「…あっそ。」

<そうか そうか。 あの日から 急に 態度が変わったのも…>

回想

荒巻「今日 現場で NG40回 出したんだって?」

アキ「次は 必ず…。」

荒巻「次なんか ないよ! 君には これから いい事なんか 何もない! 答えが出た。 君を必要とする人間は ここには いない。」

回想終了

<そう考えれば つじつまが合うべ。 太巻さんにとって 天野春子は 過去に犯した不正を知る ただ一人の存在。 その娘が今 アイドルの卵として 目の前に現れ…。 あれ? 手紙…>

アキ「こら~!」

河島「あっ ごめんなさい! あの 落ちてたんで…。」

アキ「落ちてたからって 読むか? 普通。」

河島「読みせん。 まだ読んでません。」

アキ「当たり前や あほんだら あほんだら。」

しおり「アキ!」

真奈「アキ~! もう会われんと思うとったよ! いつね? いつ戻ってきたと?」

アキ「ついさっき。」

しおり「もう!」

アキ「あっ お土産!」

真奈「ありがとう。」

喜屋武「この ゆべしさ 歯に くっつくよ。」

めぐ「帰ってこなくて よかったのに。 まあ いいや。 私 すぐ 上行くし。 そしたら また シャドウやってもらうからさ 私のダンス よく見てて。」

奈落

しおり「あと1分! あと1分ですよ! 早く 早く!」

アキ「よし!」

小野寺「ありがとう!」

アキ「行ってらっしゃい!」

(歓声)

♬『暦の上ではディセンバー でも ハートは サバイバー』

手紙・春子『鈴鹿ひろ美の主演映画『潮騒のメモリー』は 昭和61年の正月映画として 公開され 大ヒット。 主題歌も ヒットチャートをにぎわせました』。

回想

テレビ・司会 男『さあ 今夜も 生放送で お送りしてきました 【夜のベストヒットテン】』。

司会 女「ホントに。」

司会 男「いよいよ 第1位の発表です!」

テレビ・司会 女『さあ 皆さん それでは 今週の第1位の発表です!』。

司会 女「何になるんでしょうか? ホントに楽しみです! うわ~!」

常連客「よっしゃ!」

テレビ・司会 女『今週の第1位【潮騒のメモリー】鈴鹿ひろ美さんです!』。

2人「申し訳ございません。」

甲斐「何だよ… また出ないの?」

常連客「出ないの?」

手紙・春子『当初 鈴鹿ひろ美は かたくなに 歌番組に出ませんでした』。

テレビ・司会 女『【デビュー曲が 1位に選ばれるなんて 身に余る光栄です。 しかし 私の本業は女優です】』。

テレビ・司会 女『役を演じる事で 初めて 皆様と関われる。 歌番組に出る事は 私のポリシーにも反しますし…』。

甲斐「真面目すぎる~。」

常連客「…すぎる!」

手紙・春子『その事が 鈴鹿ひろ美を より一層 ミステリアスで 神秘的な存在に 仕立て上げました。 でも ママだけは 本当の理由を知っていた』。

(回想)

荒巻「頼むよ。 頼むよ。」

(回想終了)

司会 男「それでは 映画の名場面と共に お楽しみ下さい。『潮騒のメモリー』鈴鹿ひろ美さんです。」

司会 女「どうぞ!」

♬~(『潮騒のメモリー』)

春子♬『(テレビ)来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

甲斐「いい。 いいな。 何かね 健気(けなげ)。 もう最高。 芝居も歌も うまくてさ こんなに かわいいんだもんな。 頑張んないとね 春ちゃんも。」

春子「は~い。」

手紙・春子『うれしかった。 鈴鹿ひろ美が 褒められているのに 自分が褒められているような…。 恥ずかしくて ちょっと誇らしくて』。

甲斐「そのうち 誰かのお嫁さんに なっちゃうんだろうな。」

手紙・春子『あのころ 町じゅう どこへ行っても ママの歌声が聞こえてきました。 鈴鹿ひろ美の【潮騒のメモリー】。 でも 本当は 自分が歌っている。 それを知っているのは 太巻さんと数人のスタッフ それと あの運転手だけ…』。

回想終了

無頼鮨

アキ「はい チーズ!」

(シャッター音)

鈴鹿「本当にいいの? 私についてても 女優にはなれないわよ。」

アキ「いい。」

鈴鹿「面倒くさいでしょ? 私。 しかも この先 どんどん 面倒くさくなるわよ。 いいの? それでも。」

アキ「いい。 おら 鈴鹿さんさ 一生ついていぐ。」

<おら また 鈴鹿ひろ美の付き人に 復帰しました>

アキ「一生は嘘(うそ)だ。 当分は ついていぐ。 これ お土産!」

鈴鹿「嫌! びっ… 毛虫?」

アキ「海女のミサンガ おそろいだ。」

鈴鹿「ああ 切れると 夢がかなうってやつ?」

<もちろん 鈴鹿さんを尊敬してるが 理由は それだけじゃね。 鈴鹿さんと ママと 太巻さんの過去を もっと深く知りでえ。 知る必要があると思ったからです>

アキ「鈴鹿さんの夢って何?」

鈴鹿「う~ん…。 世界征服と結婚。」

<鈴鹿さんは知ってんだべか? 自分に影武者がいた事を>

回想

(ドアベル)

甲斐「いらっしゃいませ。 あっ…。 無視か…。」

春子「どうかしました?」

荒巻「鈴鹿ひろ美が『テレビで歌いたい』って言いだした。」

春子「え?」

荒巻「しかも 生意気にも 口パクは嫌だって。 参った。 どうしよう…。」

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