【 連続テレビ小説「あまちゃん」】99回のネタバレです。
あらすじ
アキ(能年玲奈)は、太巻(古田新太)がGMTのデビュー曲を作っているのを知って驚く。しかしそれは、ファン投票でアメ女からGMTに降格した有馬めぐ(足立梨花)の知名度を使い、商売をしようという太巻の戦略だった。理由はどうあれ、やっとつかんだチャンスに、アキたちは必死にレッスンに励む。そんなころ、鈴鹿(薬師丸ひろ子)の話から、若き日の春子(有村架純)の歌手デビューにまつわることが…!?
99回ネタバレ
まごころ第2女子寮
喜屋武「うちの まめぶが… 真っ赤になってる~。」
安部「やだ ストップって言わねえがら…。」
しおり「…で? 何?」
水口「太巻さんが GMTのデビュー曲 作ってる。」
一同「じぇじぇじぇじぇじぇ!」
回想
(荒巻の鼻歌)
荒巻「ドン ドン ドン ドン! チッ チッ チッ! ♬『地元へ帰ろう』ズンズカ ズンズカ ズンズカ ズンズカ! チッ チッ チッ チッ! ♬『地元で会おう』ズンズカ ズンズカ ズンズカ ズンズカ! チッ チッ チッ チッ! ドン ドン ドン ドン! イエ~イ!」
水口「すげえ… バラードじゃないんだ。」
荒巻「デスメタルで サビ テクノ。」
水口「あっ すいません。」
荒巻「バラードの方が よかったかな?」
水口「いや 全然。 あいつらの事 気にかけてくれて ありがとうございます!」
荒巻「勘違いしないで GMTのためじゃないから。 これ マメりんの曲。」
水口「え?」
荒巻「有馬めぐが 奈落に落ちたのを 逆手に取って 商売しなきゃ プロデューサー失格でしょう。 サビから いくよ。」
めぐ「はい。」
荒巻「ファイブ シックス セブン エイト。 ドン ドン ドン ドン! ズンズカ ズンズカ ズンズカ! チキ チキ チキ チキ!」
回想終了
しおり「やっぱり マメりんだ。 私の読み 当たったよ。」
喜屋武「マメりんのバックか。」
真奈「いきなり デビューとか 虫のよすぎるもんね。」
水口「何だよ 何だよ ようやく 奈落に 光がさしたんだぞ。 GMTの知名度を上げるには 願ってもない チャンスでしょ。」
しおり「そうですよね! だって CD出るんですもんね!」
水口「これから 掛け持ちのメンバー 忙しくなるぞ。」
小野寺「立ち位置とか もう決まってんのすか?」
水口「まだでしょ。 詞も曲も まだ全然だから。」
安部「じぇ!」
真奈「太巻さんは振り先やけんね。 踊ってるうちに 曲の降りてくるとよ。」
安部「ええ? 気持悪い。」
水口「ついでに 有馬は 事務所が借りてるマンションに 移るらしいから 天野 2階 使っていいぞ。」
回想
めぐ「あっ 天野さん 今日から 2階で寝ていいよ。」
アキ「じぇじぇ!」
めぐ「当分 彼んち泊まるから。」
回想終了
アキ「だまされた。」
東京EDOシアター
<あんな事 言って 仲間 油断させて 実は 奈落で居残りなんて…。 やっぱ すげえ世界だぞ ここは>
荒巻「天野 ボサッとすんな!」
アキ「はい すいません!」
荒巻「じゃあ 天野のために もう一回 頭から。」
一同「はい!」
<デビューが内定してから 太巻さんは 頻繁に 奈落にやって来ました>
荒巻「だあ~! 君たちの汗とエネルギーと息遣いに インスパイアされる訳だからね! インスパイア待ちだよ!」
一同「はい!」
荒巻「OK! じゃあ 頭から ここまで もう一回 やってみるよ。」
<曲も詞もない状態で おらたちは踊り続けました>
荒巻「やめよう! 違うな。 やめよう 忘れて! 何もかも忘れて! 消去して!」
アキ「じぇ~…。 はい!」
荒巻「何となくでいいから みんな ちょっと ついてきてくれるかな。」
<覚えたり 忘れたりするうちに おらと しおりちゃん 真奈ちゃん 喜屋武ちゃんは 高校を卒業してしまいました>
真奈「アキちゃん 今日も鈴鹿さんの相手ね?」
アキ「うん。」
しおり「大女優なのに 私生活 さみしいんだな。」
真奈「適当に切り上げてくさ 帰ってこんね?」
しおり「待ってるからね。」
安部「あ~ 来た 来た!」
ヒロシ「あっ アキちゃん!」
アキ「じぇじぇ! ストーブさん! なして?」
安部「前に話した 物産展の担当になったんだと。」
アキ「じぇじぇ! 岩手県の? 大出世だ。」
しおり「誰?」
アキ「足立ヒロシさん ユイちゃんのお兄さん。」
しおり「ああ~!」
アキ「何で ストーブさんかっていう説明は 面倒くせえからしねえ。」
ヒロシ「ミドルネームだ。 足立・ストーブ・ヒロシです。」
しおり「アハハハッ! 何か残念なんだけど。」
真奈「黙ってたら かっこよかとに…。」
安部「それでさ 今がら ウニ丼の試作品 作るんだけど 寮のガスコンロ貸してほしいなと 思って。」
しおり「それって うちらも食べれる?」
安部「もちろん! 感想も聞かせて。」
しおり「よ~し! 食べる ウニ!」
安部「片づけ手伝って。」
しおり「もちろんだよ!」
種市「あ…。」
ヒロシ「あ… 種市君。 えっ? 何してんの?」
種市「自分 転職して ここで 板前の見習いを。」
ヒロシ「聞いてないけど。」
種市「言ってねえがら。」
ヒロシ「近いな…。 えっ? 南部もぐりは? 近いな… どういう事? これ 近っ! ねえ 近すぎるでしょ これ!」
種市「天野! 鈴鹿さんが 様子見てこいって。」
アキ「じゃあ 先に寮さ行ってて。 すぐ帰るがら。」
しおり「頑張れ!」
真奈「頑張って!」
ヒロシ「いや 近すぎますよね!?」
無頼鮨
アキ「お待たせしました。」
鈴鹿「あっ ごめんね。 故郷(くに)から若い衆が出てきてるのに。」
アキ「いえいえ しばらく いるみでえだから。」
鈴鹿「そっか。 天野さんも隅に置けないわね。 三角関係じゃない。 ねえ 種市君。」
鈴鹿「やだ 大将のまねして。」
アキ「種市先輩には 随分前に振られましたから。」
鈴鹿「でも好きなんでしょ?」
アキ「でも おらたち GMTは 恋愛御法度ですから。」
鈴鹿「バレなきゃ平気よ。 みんな やってるわよ。」
アキ「そうなんですか?」
鈴鹿「お盛んよ。 もう合コン三昧! 合コンのために 仕事してるようなもんよ!」
アキ「じぇじぇ。」
鈴鹿「バレてもね しらばっくれてりゃいいの。『男性がいるとは 知りませんでした』とか。 ハッハッハッハッ ちゃんちゃら おかしい そんな言い訳。 でも 通用するのよ。 それが 芸能界なの。」
アキ「ちょっと 飲み過ぎじゃねえですか?」
鈴鹿「太巻さんが 恋愛御法度に こだわる理由 教えてあげよっか。」
アキ「え?」
鈴鹿「私のせいなのよね。 実は…。」
アキ「ちょっと待ってけろ! その話 おらが聞いても…。」
鈴鹿「私たち 昔 つきあってたの。」
アキ「うわ~ 聞いちゃった! じぇじぇじぇじぇ~! もう遅い。 どうすべ?」
鈴鹿「大丈夫よ。 割と有名な話だから。 ねえ 大将? た…。」
種市「た… 大将! 大将!」
梅頭「あっ 何だ? うん?」
鈴鹿「デビュー 間もない頃 まだ 大きな事務所にいた頃ね。 彼 下っ端のマネージャーだったんだけど ほら『潮騒のメモリー』が大ヒットして あっという間に チーフに昇格して。 そのころ アハハッ 私の方から 交際を申し込んだんです。 イッヒヒヒヒヒ。」
アキ「はい。」
鈴鹿「断れないよね。 事務所も公認だったのよ。 変な虫がつくより ましだって。 当時 私は 歌なんか さっさとやめて 女優に転向したくて。 もともと 彼は 音楽畑だったんだけど 私が 独立したいって言ったの。 随分 迷ったみたいよ 彼。 ずっと 目をかけてた アイドル志望の子もいたみたいだし。」
アキ「ちょっと 待ってけろ! それ いつの話?」
鈴鹿「あ~? いつだったかな…。」
アキ「思い出してけろ なるべく正確に!」
鈴鹿「うん?」
回想
回想終了
鈴鹿「平成元年だわ。」
<ママだ。 間違いねえ>
鈴鹿「でも その子は 結局 デビューできなかったみたい。」
回想
荒巻「もうちょっと やってみないか?」
春子「だったら お願いがあります。」
荒巻「何 何?」
春子「『潮騒のメモリー』を歌わせて下さい。」
荒巻「え?」
春子「私のデビュー曲です。 もう一度 あの歌を歌わせて下さい。 今度は 自分の名前で。」
回想終了
鈴鹿「厚かましい女よね。 そんなの 私が許可する訳ない。 聞くまでもないって 彼 よ~く分かってたわ。」
<違う。 ママには 歌う権利があったんです>
鈴鹿「だから 私に代わって 太巻が ノーを出した訳。」
回想
荒巻「君には プライドってものが ないの?」
(テーブルをたたく音)
春子「プライドなんて あるに決まってるじゃない。 なかったら とっくに諦めてます! プライドあるから このままじゃ終われないから! 今日まで あんたの言う事 聞いてきたんです! バカにしないでよ!」
回想終了
鈴鹿「結局は 運よね。 運がなかったのよ その子は。」
<…違う>
鈴鹿「でも 彼 ずっと気にしてんの 今も。 恋愛なんて 個人的な感情に流されて 有望なアイドルの卵を 一つ潰しちゃったって。 そういう自戒の念を込めて 恋愛御法度なんじゃない? 憶測だけど。」
アキ「…。」
鈴鹿「あっ ごめんね。 聞きたくもなのに無理やり…。」
アキ「いえ 聞けてよかったです。」
鈴鹿「そう?」
アキ「運か… 運ですよね。」
まごころ第2女子寮
ヒロシ「出来たよ~!」
しおり「おなか すいた!」
ヒロシ「ほらほら ほらほら!」
水口「お~ うまそう。」
一同「頂きま~す!」
喜屋武「で~じ おいしい!」
しおり「うん!」
喜屋武「夏ばっぱのと ほとんど 一緒!」
安部「いや… ウニの ふっくら感が足りねえ。」
水口「こんなもんだと思うけどな。 こんなもんでしょ。」
安部「こんなもんとか言うな! 夏ばっぱの ふっくら感を なめんでねえ!」
ヒロシ「まあまあ! 本物は 実際に 北三陸で食べて下さいって事で。」
真奈「いくらで売るとですか?」
安部「こんな ウニ丼じゃ 500円も取れねえ。」
ヒロシ「自身持ってよ 安部ちゃん。」
(ドアの開閉音)
ヒロシ「あっ お帰り!」
小野寺「お帰り! 見て見て! 私も海女さんだ。 似合うべ?」
アキ「いい匂い…。」
しおり「あっ 食べる? ウニ丼。 おいしいよ。 座んなよ 座んな。」
水口「そうだ。 天野に値段決めてもらおうか。」
ヒロシ「んだ んだ! 毎日 食べてたんだもんな!」
アキ「やべえ…。」
喜屋武「おいしいね?」
アキ「うめえ…。」
<太巻さんと鈴鹿さんが 昔 つきあってた。 そのせいで ママは デビューできなかった>
回想
黒川♬『北へ帰るの』
<ママは アイドルの道を諦め パパと結婚して 生まれた娘が 今 鈴鹿ひろ美の付き人をしてる>
鈴鹿「結局は 運よね。 運がなかったのよ その子は。」
回想終了
<いいのか? 果たして これで いいのか? 分がんねえ。 今は もう 何もかも分がんねえ>
ヒロシ「アキちゃん…。」
アキ「お代わり。」