2019年8月10日放送の【だから私は推しました】3話のネタバレです。
現在は(2022年3月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
瓜田撃退作戦のあと、愛はハナやオタ仲間とも交友を深め、かつてない充実感を感じていた。そんな愛に、ハナはみずからデコレーションしたTシャツをプレゼントするが、それは俗に言う「オタT」。着るのが恥ずかしい代物であった…。愛は改めて、自分が今でも人の目を気にしていることに気付き悶々(もんもん)とする。そんなある日、サニサイの野外ライブに出かける途中で、同僚の真衣・菜摘に遭遇してしまい…。
3話ネタバレ
取調室
聖護院「時間が 何か?」
愛「いえ。」
聖護院「瓜田さんを図らずしも追い払ってしまった。 そこから 瓜田さんと あなたの関わりが 本格的に始まったということですか? 始まったんですか?」
愛「刑事さん…。 あの…。 こういうのって知ってますか?」
聖護院「『ショウケース』?」
愛「はい。 誰でも簡単に動画を配信できる SNSなんですけど。 投げ銭なんかも できたりして。」
聖護院「ハナさんも これを?」
愛「はい。 私が見始めた頃 ハナのショウケースは 大変なことになってて。」
聖護院「まさか 瓜田さんが荒らしてたり…。」
1年1か月前 愛の部屋
♬~(『おやちゃのこサニサイ』)
ハナ「誰か来ませんかね。」
愛「うん?」
ハナ「『あ… 本日はお忙しい中 ご来場頂き まことに ありがとうございます』。 『ク… クラゲマスター… さんは な… 何か お話ししたいことはありますか?』。」
ハナ「『はい… はい 何でも結構です』。」
ハナ「『あ… ありがとうございました』。」
ベースメント
ハナ「私 間違ってましたか?」
愛「う~ん…。『何やってるかな?』って 楽しみに のぞきに来たお客に『待ってました! 面白い話して!』って そんなお店は あんまり行きたくないかな。 えっ 何?」
ハナ「あっ いえ… 言い訳になるんで。」
愛「いやいや… 言って。」
ハナ「いいです。」
愛「いいから 言って。」
ハナ「あの… 私は面白い話じゃなくて 好きな話って意味で言ったんです。」
愛「…ん?」
ハナ「ああ… だから 貴重な時間を割いて 私なんかのクソつまらない部屋に いらしてくれてるんだから せめて気軽に 愚痴でも何でも お話できる場にって…。」
愛「でもさ『話 して』って言われたら 面白い話 しなきゃって思うのが こう 人情っていうもんだしさ そもそも 人に話してもらおうっていうのが その… サービス精神がなさすぎな気がす… あっ… いや…。」
ハナ「私 また間違って…。」
愛「いや… 間違って… う~ん…。 あっ 分かった! あのさ 思い切って ネタやるとか?」
ハナ「ネ… ネタ!?」
愛「ちょっと待って…。」
ハナ「わ… 私 モノマネとか できませんけど。」
愛「いや 別に あの お笑いじゃなくてもいいと思うんだけど。」
ハナ「笑わせないネタって何ですか? それでいいんですか!?」
愛「ハナちゃんは このまんまでいいと思うんだよ。 もう この… このまんま。」
ハナ「この…。」
愛「いや 普通の もう ハナ… このまんまで。」
ハナ「このまんま。」
愛「そう。 何にもしなくていい。」
愛の部屋
ハナ「『ハナピー 3分間クッキング』。 ♬『ちゃっちゃら ちゃららら ちゃっちゃっちゃ~ ちゃっちゃら ちゃららら ちゃっちゃっちゃ~』」
ハナ「『きょ… 今日のメニューは こちらです。 め… 目玉焼き! 目玉焼きです。 わ… 割ります。 あっ。 割ります』。」
ハナが受け入れられれていくのが 本当にうれしくて。 でも 一つ大きな問題を忘れていたんです。
想像
真衣「何? これ。」
菜摘「こういうの 好きなんだ。」
私は まだ オタであることを 誰にも言えてなかったんです。
ベースメント
ハナ「あっ あの… これ…。」
愛「え? ん? ああ… 私に?」
ハナ「はい。」
愛「えっ… うそ? ありがとう。」
ハナ「いえ… 本当 ありがとうって 言われるようなものじゃないんで。」
愛「開けていい?」
ハナ「気に入らなかったら 本当 雑巾にでも してくれていいんで。」
愛「いやいや…。 失礼します。 わあ~… あっ…。 わあ~。」
ハナ「さすがに着れないですよね?」
愛「いや な~んか すっごい… かわいい! わあ~!」
ハナ「よ… よかった。」
愛「目玉焼き! あ~…。」
居酒屋
小松「あっ ヨネさん ちょっとだけ…。(シャッター音)いい感じです。(シャッター音)あ~ いい感じです。(シャッター音)」
小豆沢「ヨネさん…。 ヨネさん! なんすか? それ。 何の顔?」
米原「いやいや ここにね のりたまから 新しいサイン もらったんで… 一番よく見えるポーズで ツイッター あげたくて。」
小豆沢「何か パンプアップしました?」
椎葉「こんなの どうです? こんなの。」
米原「『Teacher Teacher』!」
柿崎「あっ!『What is Love?」だ!」
小豆沢「違う違う 違う違う…。『UFO』ですよね? 世代考えろよ。」
椎葉「『ブレインストーミング』モーニング娘。の。」
小豆沢「これだ!」
愛「(ため息)」
小豆沢「何なの おばはんの その『構って』感 満載のため息は。」
愛「いや オタクは いいよね。 楽しそうでさ。」
小豆沢「は?」
米原「いや 愛さんも オタクじゃないんすか?」
愛「いや 私はファンであって オタクではないもん。」
米原「いやいや どこが どう違うんすか? オタクとファンって。」
愛「う~ん 私も よく分かんないけど ファンっていうのは 身の程をわきまえて 節度ある応援をしてる人のことで オタクっていうのは 身の丈が分からなくなるほど 常軌を逸して 応援してる人のことだと思う。」
米原「愛さん 今日 何枚 チェキ券買ったんすか?」
愛「私? 20枚だけど。」
(笑い声)
米原「僕 10枚ですよ。 どう考えても 愛さんの方が 常軌を逸してるじゃないですか。」
愛「いやいや… 私の場合はさ ハナと打ち合わせもあるから しかたないし そもそもね ごめん みんなみたいに オタT着るとか 私 やっぱ無理だし。」
柿崎「それは オタTをセンスよく着る 自信がないってことじゃないですか。」
愛「何で そこだけ無駄に ポジティブなのよ。 どう着たって センスよくならない でしょうよ そのTシャツは。」
小豆沢「要するにさ 自信があるかないかって 話なんだよ。」
愛「自信?」
小豆沢「おばはんはさ 大変に おばはんらしく 世間が『いいね!』っていうものしか『いいね!』って言えない センスの持ち主なわけだよ。 だから 感度の鈍い世間からは まだ『いいね!』とされてない このサニサイのオタTは ハズいってことになるわけ これが ほら もし あの ほら… 米だか玄米だかみたいな ほら あのアーティストのサイン入りの Tシャツだったら 喜んで着るわけさ。」
愛「へえへえ どうもすいませんね。」
小豆沢「大体さ… ちょいちょい ちょいちょい… ハナが一生懸命 書いた サイン入りの オタT 来てやんないとかさ…。」
愛「ちょ… 待って待って…。」
小豆沢「ハナが かわいそうだって思わないの?」
米原「愛さん? えっ 愛さん マジすか?」
愛「えっ 何が? いやいや…。」
椎葉「…ていうか 要らないなら下さいよ!」
愛「いやいや…。」
米原「そうだよ!」
愛「でもね さすがに本人も『正直 これは着れないですよね』感 満載だったよ。」
小豆沢「それは おばはんが そう思わせてんじゃねえのか?」
愛「いやいや いやいや…。」
小豆沢「『私はオタじゃなくて ファンです』とか その おばはんの肝の据わらない感じが ハナに引け目を感じさせてんだよ。」
愛「いや そんなこと…。」
小豆沢「あ~ かわいそ。 ハナ かわいそ。」
小豆沢「よりにもよって トップオタに 自分は誰にも言えない存在なんだって 思わせるとかさ。」
愛「いや そんなことは思ってないよ。」
小豆沢「じゃ おばはん。」
愛「え?」
小豆沢「『私は この子 推してます』って 誰かに ハナのこと 紹介したことあるのかよ。」
帰路
米原「カッキー 明日 学校?」
柿崎「1限から8時50分からです。」
愛「(ため息)ああ。」
小松「僕 愛さんの気持ちも分かります。」
愛「え?」
小松「僕も学校で言えてなくて。」
愛「そうなんだ。 意外。」
小松「言えたらいいなと思ってるんですけど。」
愛「そっか。」
…とはいっても オタ活のおかげで 仕事は うまく回りだしてたんです。
愛の職場
愛「シャッ!」
堀川「遠藤さん パフォーマンス めちゃめちゃ上がったね。」
愛「本当ですか? あの 今日も定時なので これで失礼します!」
堀川「はい お疲れさん。」
会社の飲み会でも 口上をいじった合いの手を入れたら これが おおウケで
飲み会
♬~
「イエイ!」
愛「タイガー! ファイヤー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー!! 言いたいことがあるんだよ。 やっぱり 部長 かっこいい!」
♬『北の酒場通りには』
愛「だから査定もお願いね!」
♬『長い髪の女が似合う』
一同「お~。」
すると 何だか結果的に評価は上がって…。
職場
愛「え… 接待に同行ですか?」
堀川「うん。 にぎやかしでいいから ほら この間の あれ やってほしいんだって。」
愛「あ~ いや ああ…。」
接待
愛「イエ~イ!」
堀川「こんなの 出るんですか?」
「これ 歌うよね。 キーは ちょっと変えるけどね。」
堀川「すごいな。」
取引相手「ありがとね。」
堀川「遠藤さん…。 遠藤さん それは…?」
取引相手「分かってる。 彼女 分かってるよ。」
堀川「遠藤さん これ 何? これ 何?」
取引相手「何で やらないの?」
堀川「これは 何…?」
取引相手♬『紅に染まった この俺を 慰める奴は』
愛「だから契約 お願いね。」
堀川「契約 お願いいたします。」
食事中の真衣と菜摘
真衣「アピるのも いいかげんにしてほしいわ。」
菜摘「うん?」
真衣「エリアが わざわざ 現場に出しゃばってくるとかさ。」
菜摘「愛は頼まれて行っただけなんでしょ?」
真衣「そう。 あの子は カラオケ 盛り上げただけなの。 そこまではさ 現場がリサーチして プレゼンして 接待して プレゼンして 接待して そりゃもう 汗かいてるわけじゃない。 それを ちょっと飛び入りで 面白いこと やったからって。」
菜摘「でも 評判いいみたいじゃん。」
真衣「はあ? 大体 何で5時以降 仕事してんのよ。 さっさと定時に帰って ポルトガル料理でも 行ってりゃいいじゃん。 嫁に行くんでしょ?」
菜摘「まあ 振られちゃったみたいだけどね。」
真衣「へ?」
菜摘「振られたみたいだよ あの彼氏に。 だから 忘れたくて 仕事に打ち込んでんじゃないの?」
真衣「かわいそうじゃん 愛。」
菜摘「そうそう。」
職場
真衣『次の日曜日BBQ合コンやるんだけど ラインナップは、・丸菱エネルギー・伊藤通の総合都市開発・ゴルマンサックスのマネージメント』。『行けそう???』
「現状の資産運用方針に 大変 危機感を感じており」
愛『その日は予定があるので、今回はパスします。』『ごめんね』
「改めて戦略を練り直しました。」
真衣「何 生意気な。 あ…。」
「生意気… でした?」
真衣「ああ…。」
以前だったら 120%張り切って乗り出した 誘いだと思うんですけど 自慢話に相づち打って マウンティングに 心すり減らす休日を なぜに過ごさねばならないのかと思うと どうも行く気になれなくて。
自宅
愛「チェキ券 25枚かあ…。」
(携帯の着信)
愛「もしもし。」
小豆沢「☎『あっ おばはん? 今日2時 ルミナスモール 野外 集合だから。』」
愛「うんん…?」
ルミナスモール
小豆沢「同じ事務所のアーティストが 盲腸になっちゃって 急きょ サニサイが ピンチヒッターで 出ることになったらしいんだわ。」
愛『☎「えっ 何でサニサイが?』」
小豆沢「今日の今日で集まれるのが サニサイしかいなかったって話でさ。 でも まあ 何つうのかな 場所的に アウェー感 半端なくってさ あいつら かわいそうだから よろしくな。」
愛「☎『えっ えっ あっ ちょっ…。』」
自宅
愛「ルミナス…。」
そこは リア充感あふれる ショッピングモールの野外ステージで 私は買い物がてら 早めに出かけることにしたんです。 でも その日が決別の日なるとは 思ってもいませんでした。
ルミナスモール
(携帯の着信)
愛「あっ。 もしもし小松君 どした?」
小松「☎『愛さん。』」
愛「うん。」
小松「☎『実は今日 僕 友達 連れてくんですよ。』」
愛「あっ えっ… 言えたんだ!」
小松「☎『はい。』」
愛「あっ そっか~。 そっか そっか そっか。 あ~… いや 何かさ 私もね 今度 友達 誘ってみよっかな…。」
菜摘「愛じゃない? フフフフ。」
愛「切るね。 あっ いやあ~。 あ~。」
菜摘「愛も お買い物?」
愛「うん そうそうそう。 えっ 買い物してたの?」
菜摘「うん そう。」
愛「そっか そっか。」
(笑い声)
愛「あの… あのさ… よかったら これから 私と一緒に あの… ラ…。」
真衣「お待たせ~!」
菜摘「いやあ~。 全然…。」
真衣「あれ? 愛?」
菜摘「そう さっき偶然 会って。 何だっけ? このあと一緒に ラ…?」
愛「ラ… ラ~…。」
真衣「ラ?」
愛「ラ~… ラ… ラーメン。 ラーメンとか どうかなと思って。」
(笑い声)
菜摘「ラーメンは… 私たち もう お昼食べちゃったんだけど。」
愛「あ~ そっか。」
菜摘「愛が食べられそうなとこで お茶でもしよっか?」
愛「あ~ ちょちょちょ… でも 何か そんなに すいてないかな…。」
菜摘「フロアガイド あるよ。」
真衣「あ~ そっか そっか…。」
愛「いや でも 何かさ…。」
菜摘「えっ 何で? お茶しようよ。 この辺にさ 何かおいしそうなカフェ あったよね。」
真衣「あ そっか そっか…。」
柿崎「ヨネさん! ヨネさん! こっち こっち…。 こっちです! こっち…。」
(笑い声)
真衣「何か 今の人 すっごいウケるTシャツ 着てなかった?」
菜摘「サインしてあったよね。 オタクの人たちじゃない?」
真衣「だよね。」
菜摘「何かな? アニメ?」
真衣「さあ…?」
菜摘「すごいね~。」
真衣「あっ ねえ 愛は? あれ?」
菜摘「あれ? 愛?」
カフェ
菜摘「スイーツセットとかあるよ。」
真衣「おなかいっぱいだしな~。」
菜摘「入るよ これくらい。 だって これ おいしそうじゃない?」
小松「あれ 愛さんですよね?」
小豆沢「おばはん 来た?」
小松「愛さんも 今度 友達誘ってみよっかなって 言ってたんですけど。」
小豆沢「あ~ ありゃ ハードル高いだろ。」
愛「ごめん 菜摘。 ちょっと 席 代わってもらっていい?」
菜摘「いいけど?」
愛「何か 前 開けてるの 落ち着かなくてさ。 ごめんね。 人間ちっちゃいから。」
菜摘「何? それ。」
ハナ「愛さん? あの ご存じかもしれませんが 今日 これから ここで…。」
真衣「えっ この子 知り合いなの?」
愛「あ…。」
ハナ「あ… あっ 私 間違えました。 いとこのおねえさんに似てて。 そこで無料ライブやるんで よかったら。 サニーサイドアップっていいます。」
真衣「サニーサイドアップ?」
菜摘「アイドルグループ?」
真衣「これって 地下アイドルってやつじゃないの?」
菜摘「地下アイドルって? 愛 知ってる?」
愛「え… えっ? あっ いや… どう… いや 分かんない…。」
回想
小豆沢「その おばはんの肝の据わらない感じが ハナに引け目を感じさせてんだよ」
愛「いや そんなこと…。」
小豆沢「あ~ かわいそ。 ハナ かわいそ。」
真衣「でさ そういう地下アイドルの子たちって オーディションとかじゃなくて『私 アイドルなりたいです』って 手挙げて そしたら 次の日から いきなり アイドル なれちゃうんだって。」
菜摘「アイドルって 立候補制なの?」
真衣「いや そうなんだって。 昔は アイドルって 一握りの 選ばれた子がなるって感じだったじゃん。 でも 今は 学校のカースト低めの子が きったないライブハウス来て 歌 歌って『私 アイドル やりま~す』『僕は ファン やりま~す』って それで いっちょ上がり。 アイドルってことになるんだって。」
菜摘「でもさ…。」
真衣「リアルの世界では 満たされないもん同士が 承認欲求 満たし合ってみたいな。 何か そういう感じなんだって。 私 痛い人種って オタの方かと思ってたけど こうなってくると アイドルの方も大概だよね。 誰に望まれてもないのに 自分で勝手にアイドル宣言とかさ ちょっと 身の程わきまえろって話だよね。」
愛「何で? 何で身の程なんて わきまえなきゃいけないの? 誰かの許しがないと やりたいことも やっちゃいけないの? 誰かに望まれないと 立ちたいとこにも立っちゃいけないの? 誰が決めたの? そんなこと。 いつの間に そんな決まりが できたのかって聞いてんの!」
真衣「ちょっ… 愛。」
菜摘「人が見てるよ。」
愛「バカなのか。 人の目ばっか気にして。 バカなのか 私! もう…。」
菜摘「愛。」
愛「私だから。『私 アイドルで~す』って子に『ファンで~す』ってやったの 私だから。 私は あの子のオタなの。 ハナはね 歌も踊りもダメで おまけに コミュ障気味で オドオドしてて。」
愛「 痛くて みっともなくてさ。 でも だからこそ 私 あの子を見つけた時に『あぁ 私だ』って。『ここにいるのは 私だ』って思って。 でも その もう一人の私はさ もう すっごい頑張ってるわけ。 何か めげないで 前向いてさ。 うん。 だから…。」
菜摘「だから?」
愛「だから 私は…。」
真衣「共依存。 共依存っていうんじゃないの? そういうの。 カウンセリングとか 行った方がいいと思うよ マジで。」
菜摘「ちょっと…。」
愛「はい。 ごめんね。 じゃあ また。」
ライブ会場
小豆沢『おっ おお! え… えっ? それ着てきたのか?」
愛「まあ そこからだけどね。」
小豆沢「アハハハ。」
小松「愛さん 友達は?」
愛「あ~ スッキリした。 好きなことを好きって言えるってさ いいね。」
(笑い声)
小豆沢「何だよ ちょっと分かってきたのかよ。 触んなよ。」
(笑い声)
『サニサイ! アップア~ップ! からの! アップア~ップ!」
小豆沢「よお~! 花梨!」
(歓声)
花梨「皆さん こんにちは 皆様の小さな太陽になりたい。 私たち…。」
『サニーサイドアップです! よろしくお願いします!』
(拍手と歓声)
♬『Let’s Crack it Love me Love me もっともっと 眩しい核心 ぎゅっとぎゅっと』
観客「オー オー Fu! Fu!」
♬『キミガタメ ホワイトナイト』
観客「Yeah!! Yeah!!」
♬「この関係 ニコイチだね Love you Love you もっともっと 平凡平穏 重ねた 日々は最強じゃん 2人で決めた サニサイルール』
観客「サニサイルール!」
♬『黄身は半熟 外はカリカリでしょ』
観客「ボクの白身も食べちゃてー! 言いたいことがあるんだよ。」
愛「ハナ!」
自宅
ハナ「『では 初めに…』。」
愛「いいね。」
ハナ「『卵を…』。」
愛「えっ?」
ハナ「『割っていきたいと思いま~す』。」
愛「『スイカちゃん』? あっ。」
ハナ「『殻が入ってしまいました』。」
愛「えっ 女の子…?」
取調室
愛「こうして私は 人生で一番あつい夏へと 突入していったんです。」
聖護院「あ… あの~ 瓜田さんって 話 出てきました?」
(ノック)
聖護院「はい どうぞ。」
部下「失礼します。」
聖護院「どうした?」
部下「実は 現場を目撃した方が現れまして。 どうします。 話 聞きますか?」
聖護院「会おうか。」
部下「はい。」