2020年11月5日放送の【 連続テレビ小説「エール」】104話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2022年2月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
「ラ・ボエーム」の稽古で、皆と明らかな実力の差を感じた音(二階堂ふみ)は、稽古後もベルトーマス(広岡由里子)とのレッスンや自宅で自主練習をして必死に頑張るが、どうしてもうまくいかない。毎日疲れ果てて、笑うことも少なくなっている音を見て、華(古川琴音)は「あれがお母さんのやりたいことなのかな…」と疑問に感じる。ある日、音は稽古を見に来ていた千鶴子(小南満佑子)に相談する。
104話ネタバレ
エール (104)「夢のつづきに」
音楽教室
羽生「今日は ここまで。 あんまり やり過ぎない方がいいと思うけど。」
音「頑張らないと追いつけないので。」
羽生「でもね…。」
音「あっ 最後に… 最後に ここだけ。 ここだけ お願いします。」
羽生「一回だけよ。」
古山家
音「ただいま。」
華「お帰り。 ごはん もうすぐ出来る。」
音「ごめんね。 あとで頂くね。」
喫茶店 バンブー
渉「うん! おいしい!」
華「フフフ よかった。」
保「うれしいね~。 お小遣い握りしめて うちのミルクセーキ 飲みに来てくれるなんて。 本物の砂糖があれば もっと おいしくできるんだけどな~。」
恵「若いっていいわね~。 思い出すわ~…。」
保「何を?」
渉「お母さん オーディション受かったんだ! すごいね。」
華「う~ん…。 でも 何か あんまり楽しそうじゃないんですよね。」
渉「どういうこと?」
華「毎日 疲れ果ててて 笑うことも少なくなって…。 あれが お母さんのやりたいことなのかな?」
帝都劇場
駒込「うん…。 ちょっと伝わりにくいかな。」
音「はい…。」
伊藤「古山さん 譜面どおりに歌えれば それでいいって思ってませんか? 大切なのは そこから先でしょう。 あなた 本当に ミミを演じる覚悟があるんですか!?」
駒込「伊藤君 伊藤君…。 古山さん 大丈夫。 頑張りましょう。 ねっ?」
廊下
音「千鶴子さん。」
千鶴子「二次審査まで通過できたのは 確実に あなたの実力よ。 ただ… 最後の審査の席で 常務の脇坂さんが 突然 言いだしたの。 古山裕一さんの妻である あなたを 主役に起用すれば 話題になるし 宣伝にもなるって。」
音「それ… ほかの方々は?」
千鶴子「みんな 知ってる。」
音「千鶴子さんなら… どうする?」
千鶴子「私は…。 悔しさをバネに 何としても いい舞台にしてみせるって 覚悟を決めると思う。」
音「できると思う? 今の私に。」
千鶴子「…」
音「うん…。」
音「この舞台を降板させて下さい。」
駒込「はっ? いや 何言って…。 えっ 冗談やめてよ。」
音「今 ここで降りることが どれだけ ご迷惑をかけるか… 無責任だと重々承知しています。」
駒込「そうだよ そのとおりだよ。 えっ あんた 一体…。」
音「ですが… 力不足の私が このまま続けるのは 舞台にも お客様にも失礼なことだと 思い至りました。 この役は 本来やるべきだった方に やって頂きたいです。」
駒込「ねえ… ちょっと待って。 ねっ? ちょ… ちょっと待って。」
音「申し訳ありません。」
駒込「あああ…。」
伊藤「いいんじゃないですか? ここは 本人の意志を 尊重してあげるべきと思います。」
駒込「いや しかし…。」
伊藤「古山さんだって このままじゃ つらいと思いますよ。」
古山家
玄関
裕一「えっ!? こ… 降板!?」
音「うん。 おわびして 演出家の方にも了承して頂いて。」
裕一「ちょちょ… ちょっと待って。 ねえ… ど… どういうこと?」
居間
音「千鶴子さんも 黙ってるの 苦しかったと思う。 本当のことを教えて頂いてよかった。 2人とも協力してくれたのに ごめんなさい。」
裕一「ねえ… あの… 別のオーディション 受けてみなよ。 ほら… せっかく ここまで レッスン頑張ってきたんだからさ。」
音「う~ん… う~ん…。 でも… もういいかな。 少し疲れちゃった。 さあ お夕飯にしましょうか。 華 これ(座布団)片付けといて。」
喫茶店 バンブー
音「そんな甘い世界じゃないことは 分かってました。 でも… どれだけ努力しても 根本的に力がない。 稽古していても 私だけ空気が違うんです。 私以外の皆さんは ずっと先を見ていた。 でも 私はオーディションまでしか 見えてなかった。 覚悟がなかったんです。」
古山家
華「お母さん。」
音「うん?」
華「レッスンは? 今日も行かないの?」
音「しばらく お休みすることにしたの。」
華「しばらくって いつまで?」
音「さあ? いつかしら…」
華「何それ…。 人には やりたいことやれって 言っときながら 何なの!? それ。」
裕一「華。」
その場をあとにする華
裕一「華もさ きっと 心配してるんだよ。」
音「うん。」
裕一「音…。 本当に もう歌わないつもりなの?」
音「(ため息)もっと若い頃だったら 挑戦し続けようって思えたかもしれない。 でも残念だけど 大人になると いろんなことが見えてきてしまう。 はあ…。 分かってしまったんです。 私… 私は ここまでだって。」
音「悔しい…。 悔しいけど… どうにもならん。 裕一さん ごめんなさい。 裕一さんとの約束… 果たせなかった。 大きな舞台で歌う歌手には… なれなかった。 ごめんなさい。 ごめんなさい…。 ごめんなさい…。」
半月後
裕一「音。」
音「はい。」
裕一「今 ちょっといい?」
音「うん?」
裕一「一緒に行きたい所がある。」
聖マリア園
裕一「音… この教会で もう一度 歌ってくれないかな?」