ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」106話「ふるさとに響く歌」ネタバレ

2020年11月9日放送の【 連続テレビ小説「エール」】106話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年2月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

昭和26年。日本は復興期を迎え、人々の生活も豊かさを取り戻しつつあった。華(古川琴音)は19歳となり、人の役に立つ仕事をしたいと看護婦になるという夢に向かって、看護学校で勉強の日々を送っていた。鉄男(中村蒼)は木枯とつくった「湯の町エレジー」のヒット後、少し行き詰まっていた。そんな鉄男の様子を察した裕一(窪田正孝)は、鉄男に母校の小学校の校歌の作詞を書いてほしいと依頼する。

106話ネタバレ

エール (106)「ふるさとに響く歌」

昭和二十六年

日本は復興期を迎え 人々の生活も豊かさを取り戻しつつありました。

古山家はというと…。

古山家
台所

華「いい匂い。」

音「でしょ?」

華「うん。」

音「今日はね うまく焼けたのよ。 あとは… トマトと…。」

華「あっ 採ってくるよ。」

音「お願い。」

裕一「4 5 6 7 8…。 お~ 華 おはよう!」

華「お… おはよう。」

居間

華「ねえ お父さん 何やってんの?」

音「『福島県民体操』って曲を作るんだって。」

華「体操 あれで合ってんの?」

音「違うと思う…。」

裕一「何の話? い… 痛っ…。」

音「鉄男さん来るの 今日ですよね?」

裕一「そう。 仕事帰りに寄るって。」

音「お夕飯 どうします?」

裕一「あ~…。」

華「私 カツレツ食べたい。」

裕一「あ~ いいね。」

音「カツレツね。」

(電話の呼び鈴)

裕一「はい もしもし?」

池田「☎『あ~ 古山か?』」

裕一「あ~ 池田さん。」

池田「☎『【さくらんぼ大将】の件で 思いついたことがあってな 六郎太が けんかするシーンの音楽なんだけど…。』」

みんな 充実した毎日を送っているようです。

夕食

鉄男「音さん これ うまい!」

音「よかった。 たくさん食べて下さいね。」

鉄男「うん。」

裕一「どうしたの? 華。 食べないの?」

音「今日 解剖実習だったみたいで。」

鉄男「へえ~。 看護学校で もう そんなこともやってんだ。」

裕一「大変だね。 そっか。」

鉄男「でも偉いな。 夢に向かって 毎日 努力してる。」

華「そんな大したもんじゃないよ。」

鉄男「立派な夢だよ。 どうして 看護婦 目指そうと思ったんだ?」

裕一「人の役に立つ仕事に就きたいって 思ったんだって。 看護婦さん 華に ぴったりだよね 優しいしさ よ~く気が付くしさ。 前にね 華にね 看病してもらったの。 もう その時ね 安心感がすごかったんだよ!」

鉄男「おい!」

裕一「うん?」

鉄男「俺は華ちゃんに聞いてんだけど。」

裕一「あ~ そうか そうか… ごめん…。」

華「う~ん 人のこと ほっとけないっていうか 幸せになる手伝いができたらなって。」

鉄男「ふ~ん。 そうか きっと いい看護婦さんになれる。 応援してっぞ。」

華「うん。 頑張る。」

鉄男「古山家は みんな 頑張り屋だ。 音さんも 聖歌隊 頑張ってるし。」

音「フフフフ。」

鉄男「裕一は もう 相変わらず 仕事ばっかししてるしな。」

華「お父さんは仕事の虫だから。」

音「頼まれたら断れないんです。」

鉄男「俺には まねできねえ。 んっ ラジオドラマ 時々聞いてっぞ。」

(時報)

裕一「本当?」

鉄男「『さくんらんぼ大将』。」

裕一「へえ~!」

音「福島が舞台なのもいいですよね。」

裕一「うれしいね。 池田さんに伝えとく。」

華「ねえ 鉄男おじさんって どんな子どもだったの?」

裕一「いいやつだったよ ただね 最初 ちょっとだけ怖かったの。」

華「けんか強そうだよね。」

裕一「強かったよ! しょっちゅう けんかしてたよね。3人まとめて こう ボッコボコにしてさ 上級生に飛び蹴りしてたんだから!」

(笑い声)

華「すごい!」

鉄男「全部 売られたけんかだ 自分からは仕掛けてねえ。」

音「あら かっこいい。」

鉄男「ありがとう。」

華「そんな けんかばっかりしてさ 親に怒られなかった?」

鉄男「さあ? どうだったかな?」

華「鉄男おじさんって きょうだいは何人…。」

裕一「ねえ この トマト おいしいね。これ うちの?」

音「でしょ。 甘いの。」

裕一「あ~。」

音「んっ…。」

裕一「すごい甘いよ。」

鉄男「んっ… 甘い! ハハッ。」

音「でしょ?」

コロンブスレコード

鉄男「映画の主題歌?」

杉山「はい。 映画会社が社運を賭けた 勝負作だそうです。 今回の依頼は 監督からの じきじきのご指名です。」

鉄男「ありがとうございます。 どんな映画ですか?」

杉山「下町の大家族を描いた人情喜劇で 主題歌の歌詞は 家族の絆をテーマにしてほしいとのことです。」

鉄男「ちょっと… 考えさせてもらってもいいですか?」

智彦のラーメン屋

鉄男「こんばんは。」

智彦「あ~ いらっしゃい!」

ケン「いらっしゃい!」

智彦「どうぞ。」

池田「おっ よう!」

鉄男「お~ 池田さん。 お久しぶりです。 ラーメン お願いします。」

智彦「はい。」

池田「うん! やっぱ うまいな ここのラーメンは。 スープがいいよ。 今夜も ぐびぐび飲んじゃうぞ。」

ケン「味が濃いと食べてて飽きが来るでしょ。 うちは ほかと違って 塩気を抑えて…。」

智彦「な~に 生意気言ってんだよ。」

吟「ケン。」

ケン「うわっ! 来た…。」

吟「アハハ どうも いらっしゃい。」

鉄男「お迎えですか?」

吟「ええ。 今日は早く帰ってくるんじゃなかったの?」

ケン「忙しいんだよ。 これから 洗い物も仕込みもあるし。」

吟「さあ 帰るわよ~。」

ケン「え~?」

吟「少しは勉強しなさいよ。 落第したら どうするの?」

ケン「ラーメン屋 継ぐんだから 勉強なんか どうだって…。」

吟「何度も言ってるでしょう。 これからの時代 学があって損することはないの。」

鉄男「ケン。 吟さんの言うことは聞いとけ。 心配してくれる人がいんのは ありがてえことだぞ。」

ケン「分かってるよ。」

吟「お騒がせしました。 あなた 先に戻るわね。」

智彦「おう。 気を付けろよ。」

ケン「母ちゃん これ 洗濯して。」

吟「えっ? 嫌だ おっきな染み! どうしよう…。」

智彦「フフッ… 養子に迎えたからには ちゃんと教育 受けさせなきゃって 使命感に燃えてるみたいで。」

池田「はっ? ケン坊 正式に お宅んちの子になったの?」

智彦「ああ… まあ 暮らしは何も変わりませんけどね。」

鉄男「ケン うれしいだろね。」

池田「ああ。 ず~っと 独りぼっちだったもんな。」

智彦「はい。 お待たせしました。」

鉄男「どうも。 頂きます。」

ラジオ『♬~』

池田「おっ!『湯の町エレジー』。 いいよな これ。」

鉄男「ありがとうございます。」

ラジオ「♬『伊豆の山々』」

池田「村野鉄男と木枯正人のコンビは 無敵だな~。 最近どう? 仕事 順調?」

鉄男「あ~ 可もなく不可もなくですかね。」

池田「またまた 大先生が ご謙遜を。 これだって いまだに売れてるじゃない。」

鉄男「いや 先生なんかじゃないです。 まだまだ未熟者ですよ。」

池田「何だ? どうした その小さなため息。 どうした?」

鉄男「あっ いや…。」

池田「うん?」

鉄男「裕一は 何でも書くじゃないですか。 しかも 何やっても質が高い。 けど 俺は… 自分の中にないもんは 書けないっつうか…。『暁に祈る』の時も それで悩んだし。 家族の絆をテーマに書いてほしいって 言われたんですけど 絆どころか うちは まともな家族じゃなかったんで どう書けばいいんだっか。」

池田「あ~ そうか… お宅も 俺と同類か。」

鉄男「えっ?」

池田「う~ん… 古山が何でも書けんのは どんな題材にも 自然と 感情を 寄せていけるからだと思うんだよ。 何でも受け入れて愛せる素直さは… まあ もちろん もともとの性格もあるだろうけども 愛情に恵まれて育った人間ならでは って気もするんだよな。 逆に言うと そこが欠けてる人間は 自分の愛し方すら よく分かんないっつうかさ まあ… あ~ 難儀なもんだ。 ここ 置いとくよ。」

智彦「はい。」

池田「でもさ… 我々には 想像力ってもんがあんだろ? 膨らませるのも しぼませるのも てめえ次第だ。」

コロンブスレコード

裕一「えっ!? 例の映画の主題歌ですよね? 鉄男 断ったんですか?」

杉山「大丈夫でしょうか?」

裕一「うん?」

杉山「村野さん 最近 少し 行き詰ってるようなので。」

裕一「…」

杉山「何ですか?」

裕一「いや… め… 珍しいなと思って。」

杉山「はあ?」

裕一「いや 杉山さんが作家の心配するって あ… あんまり見たことなかったんで。」

杉山「(せきばらい)所属作家の管理も 業務の一環ですから。」

裕一「はい…。 でも 何で断ったんだろう? すごくいい話ですよね。」

杉山「もっと この題材にふさわしい作詞家に 頼んでほしいと言われました。」

古山家

音「鉄男さんって 家族で夜逃げしたって言ってたよね?」

裕一「うん…。 再会した時にはね もう新聞記者になってて 間のこと よく分かんないんだ。 家族も どうなったのか…。」

音「そっか…。 きっと いろいろあったんでしょうね。」

裕一「うん… 何にも言わないけどね。 大将の中で 整理がついてればいいんだけどな…。」

喫茶店 バンブー

恵「は~い どうぞ。」

鉄男「どうも。 んっ! うん… うまい。 香りもいい。」

保「気付いてくれた? 今日のは ちゃんとした豆でいれてんだよ。」

恵「コーヒー豆も 随分 手に入りやすくなったの。」

鉄男「ふ~ん。 バンブーのコーヒーは やっぱ これじゃねえと。 なあ 裕一?」

裕一「うん? うん?」

鉄男「どした?」

裕一「いや…。 大将さ… 杉山さんから聞いたんだけど 映画の主題歌の話 断ったんだって?」

鉄男「ああ。 ここんとこ ずっと忙しかったし 少しペースを落としてもいいかと 思ってな。」

恵「のんびりする時間も大切よね。」

保「そうそう。 メリハリ大事。」

鉄男「ですよね。」

裕一「あの もしさ… 時間があるなら 一つ 相談したいことがあるんだけど。」

古山家

裕一「はい。」

鉄男「うん? 福島信夫小学校…。」

裕一「そう 僕らの母校。 校長先生からね 校歌 作ってほしいって頼まれたの。 もしよかったらさ 大将 歌詞 書いてくれない? 好きなように書いてくれて構わないって。 大将が一緒に作ってくれたら 藤堂先生も喜ぶと思う。」

鉄男「分かった。 やらしてもらうよ。」

裕一「よかった。 でね… ここ。 校歌が完成したら 学校で お披露目会するから是非 来てほしいって。 大将 一緒に福島行こう。」

鉄男「…だな。 そろそろ 藤堂先生の墓参りにも行きてえし。」

裕一「よし 決まり!」

完成した校歌のお披露目会に 出席するため 裕一と鉄男は 福島に向かうことになりました。

華「遅れるよ。」

裕一「うん!」

音「じゃあ 気を付けて。 お義母さんと浩二さんに よろしくお伝えください。」

裕一「うん! 行ってきます。」

華 音「行ってらっしゃい。」

福島

今回の里帰りが 鉄男の人生にとって 忘れられない旅になるとは この時は 思ってもみませんでした。

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