ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」107話「ふるさとに響く歌」ネタバレ

2020年11月10日放送の【 連続テレビ小説「エール」】107話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年2月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

裕一(窪田正孝)は、鉄男(中村蒼)とつくった母校の福島信夫小学校の校歌のお披露目会に出席するため、鉄男と一緒に福島に向かう。福島の実家で、久しぶりにまさ(菊池桃子)とリンゴ栽培を福島に広める仕事に取り組む浩二(佐久本宝)と顔を合わせた裕一は、お互いの近況を報告し合う。楽しそうな一家のやりとりを笑顔で見ていた鉄男は、その夜小さい頃に夜逃げした後の話を裕一に語りはじめる。

107話ネタバレ

エール (107)「ふるさとに響く歌」

福島信夫小学校

佐久間「この度は すばらしい校歌を ありがとうございました。 しかし… 古山先生に引き受けて頂けただけでも夢のようなのに まさか 村野先生に作詞して頂けるとは 感無量です!」

鉄男「いや こちらこそ 母校のお役に立ててうれしいです。」

佐久間「アハハハ… え~ 実は 村野先生に もう一つだけ お願い事がございまして お披露目会のあと 我が校の後輩として 講演していただけないでしょうか?」

鉄男「えっ?」

道中

鉄男「講演なんて やったことねえぞ…。 何で裕一じゃなくて俺なんだ?」

裕一「校長先生が『湯の町エレジー』の大ファンなんだって。 さすが 木枯・村野コンビ。 まあ いいじゃない たまには。 ほら 何 話してもいいって言ってたし。」

鉄男「そう言われてもな… 何 話せばいいんだか。」

裕一「懐かしいね…。」

鉄男「うん。」

裕一「この辺りは ちっとも変わんない。」

喜多一

裕一「父さん ただいま。 おかげさまで こっちは なんとかやってるよ。 よいしょ…。」

まさ「疲れたでしょう? あっち行って 一息入れて。」

鉄男「お世話になります。 これ… つまらないものですけど。」

まさ「あっ… すみません。 頂きます。」

裕一「母さんは? 体の方 どう?」

まさ「う~ん だましだましね。 もう 年だもの。 しかたないわ。」

裕一「でも 元気そうでよかったよ。 安心した。」

夕飯

まさ「お代わり まだ たくさんありますからね。」

鉄男「ありがとうございます みそ汁 うまいです。 ほっとします。」

まさ「よかった。」

裕一「浩二は? 最近 仕事どうなの?」

浩二「うん… 最近は りんごやる農家も増えてきたんだ。」

裕一「んっ 順調なんだ! よかった!」

まさ「あとは いい人を 見つけてくれればいいんだけど。」

浩二「その話はいいって。」

まさ「あなたが お嫁さん もらってくれたら 私は お父さんのところに 安心して行けるのに。」

浩二「じゃあ ずっと一人でいるよ。 母さんには 長生きしてほしいからね。」

まさ「また そうやって 屁理屈言って!」

裕一「あ~ 父さんには悪いけどね 母さんには まだまだ こっちいてもらわないと。」

まさ「あなたまで 屁理屈言って!」

浩二「んだね 兄ちゃん。」

裕一「ねえ!」

裕一の部屋

鉄男「本当 いい家族だ。 仲いいよな。」

裕一「弟はね まあ いろいろあったけど。」

鉄男「それでも 今は 笑って話せてる。」

裕一「まあね。 大将にも弟いたよね?」

鉄男「…」

裕一「ごめん ごめん。 よし じゃあ 明日早いし もう寝ようかね。」

鉄男「典男っつうんだ。 弟。 いつも 俺の後 くっついて かわいいやつだった。 俺んち 夜逃げしたべ?」

裕一「うん。」

鉄男「あのあと 山奥の掘っ立て小屋で 家族4人で暮らしてた。 親父は働きもしねえで 酒飲んでばっかで…。 そんな暮らしが続いた ある日。」

回想

鉄男「母ちゃん 典男は?」

富紀子「あんたと一緒じゃねがったのかい?」

善治「フンッ。 こだ家 出てくってよ。 ガキの分際で生意気に。」

典男が突然 家出した。

鉄男「典男!」

毎日 必死に探し回って 警察にも届けたけど 結局 半年たっても 典男は見つかんねがった。

鉄男「典男!」

富紀子「鉄男。 あんたも ここ出てきな。」

鉄男「何言ってんだ。 母ちゃん 置いてけるわけねえべ。」

富紀子「私は好きで ここさ いんだ。 あんたが いなくなってくれたら食いぶちも減って助かる。 鉄男。 あんたに家族はいねえ。 自分の道 歩いていけ。 二度と帰ってくんな。」

藤堂先生にもらった名刺を頼りに 家を出た。

鉄男「それから ずっと… 自分には家族はねえって 自分に言い聞かせて生きてきた。 俺は 冷てえ人間だ。 弟は守れねえ。 母ちゃんのこと 捨てた。 俺は どうしようもねえ人間だ。」

裕一「大将がさ… 誰よりも あったかい人間ってことは みんな知ってるよ。 いっつも 自分のこと 後回しで 周りのことばっかに 一生懸命でさ 大将は強い… 強くて優しいよ だから もうこれ以上 自分責めないでよ。」

鉄男「優しいのは… おめえだ。 ありがとな。」

枕を投げる裕一

鉄男「うわっ…。」

翌日 校歌のお披露目会が開かれました。

福島信夫小学校

明男「あっ 楽譜 教室に忘れた!」

盛田「また 三上か。 隣に見せてもらえ。」

(笑い声)

明男「見せて。」

盛田「失礼しました。」

♬『吾妻の嶺を仰ぎ見し 我等の郷に栄あれ「修身専念」』

盛田「では 校歌を作詞された 村野鉄男先生 よろしくお願いします。」

(拍手)

鉄男「村野鉄男です。 え~ 久しぶりの母校 懐かしいです。 ここに通ってた頃の自分は けんかばっかしてて まあ 学校一の悪童と呼ばれていましたが 本当は けんかより 休み時間に『古今和歌集』を読んだり 詩を書いたりする方が好きな 子どもでした。」

鉄男「学校は… すごく楽しかった。 でも 残念ながら 卒業はできませんでした。 実家の魚屋が借金抱えて 夜逃げしたんです。 そのあとも… もう いろいろあって… 家族とは 離れ離れになりました。 すさんだ家に生まれて 貧乏で 孤独で 苦労ばっかししてて…。 自分の境遇を恨んだ時もあったけど…。」

鉄男「そんな くじけそうな気持ちを 支えてくれたのは ここの学校で出会った人たちでした。 恩師の藤堂先生は 夢を諦めんなって 背中を押して下さった。 それから… 古山裕一 佐藤久志。 彼らは 大人になった今でも よき友人 よき仕事仲間として いつも 力づけてくれる。」

鉄男「子どもの頃の自分に会えんなら言ってやりてえ。 大丈夫だ。 おめえ… おめえ なかなか悪くねえ人生 送れっぞって。 たとえ… 今 つらくても 未来は変えられます。 皆さんも  人との縁を大切に 自分の道を切り開いていって下さい。 聞いてくれて ありがとうございます。」

(拍手)

校庭

鉄男「来てよかったよ。 ありがとな 裕一。」

裕一「ううん。」

床屋

多美子「いつも どうも。 ありがとうございました! あっ…。」

明男「ただいま!」

典男「裏から入れって言ってっぺ! お客さん 来てんだぞ。」

明男「ごめんなさい。」

「相変わらず元気いいな。」

明男「あっ おっちゃん こんにちは!」

「うい。」

多美子「お帰り 明男。 校歌 うまく歌えたの?」

明男「うん! みんなに褒められた。 東京から来た有名人の話も面白かったよ。」

多美子「有名人?」

明男「校歌 作詞した人! うちの学校に 通ってたんだって。」

典男「へえ~。」

明男「その人ね 子どもの時は けんかばっかして 学校一の悪童って言われてたって。」

多美子「そんな悪童が作詞家になったの?」

明男「本当は けんかより 詩 書いたり 読んだりするのが好きだったんだって。 こきん… 何とかっつう。」

「『古今和歌集』か。」

明男「んだ! それ!」

「卒業生の話っつうのは面白えもんだよな。」

明男「卒業はしてねえって言ってた。 その人んち 魚屋さんで 借金あって 夜逃げしたんだって。」

典男「その人… 何つう名前だ?」

明男「むら… 何だっけ?」

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