2020年6月15日放送の【 連続テレビ小説「エール」】56話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2020年6月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
音(二階堂ふみ)が小学生の時、出張先の大阪で線路に落ちた子供を助けようとして電車にはねられ突然亡くなった父・安隆(光石研)が、ひょっこり音の前に現れる。子供を寝かしつけようとしているときに、突然安隆が現れてびっくりする音。安隆の姿は裕一(窪田正孝)には見えない。安隆の大好きなだんごを買ってくる音だが、裕一は、そのだんごを食べようとする。
56話ネタバレ
エール (56)「父、帰る」
あの世では、年に2回 今でいうジャンボ宝くじがある
1等はもちろんお金ではない1泊2日地上に帰る権利である
閻魔「条件は それじゃ。」
安隆「『1つ おやつは20銭とする』? えっ?」
閻魔「お小遣いじゃ。 持っていけ。」
安隆「ああ… 食べるなんて久しぶりだわ。 何食べようかな~?」
閻魔「浮かれんなよ。 最後に注意事項じゃ。 地上に行くのは うれしいことじゃろう?」
安隆「ここも快適ですけどね。いつも23度だで。」
閻魔「まっ とはいえじゃ… 望郷の思いは何物にも代えられん。」
安隆「うん。」
閻魔「地上には わしの力も及ばんでな。 この棒を折ることで ここに帰ってこれる。」
安隆「折らんと そのまま…。」
閻魔「ああ! 誰にも姿を気付かれぬ さまよう魂となる。 これは… 地獄より つらいことじゃ。 では…。 行ってらっしゃ~い。」
古山家
音「♬『ぼうやは良い子だ』」
安隆「女の子か~ フフフ。」
音「ハハハハ…。 ♬「ぼうやは良い子だ』」
音 安隆「♬『ねんねしな』」
音「ギャ~!」
安隆「アハハ…。」
音「えっ… お お… お義父さん!?」
安隆「久しぶり。 おめでとう。」
音「えっ?」
安隆「いや だから 子ども。 俺にとっちゃ 初孫だのん。」
音「あっ ありがとうございます。」
安隆「フフフ。」
音「あっ… とりあえず居間に行っとって。 寝かしつけるから。」
安隆「居間?」
音「うん。 あっ… そこ。」
安隆「あっ うん。」
音「うん。」
音「え~?」
音「痛っ…。 現実だわ。」
安隆「よっ! ハハハ… 驚いたらあ?」
音「そりゃ 驚くよ。」
安隆「俺の姿 親族にしか見えとらんだわ。」
音「ほ~う。」
安隆「1泊2日 この世に 戻ってこれることになったで会いに来た。 迷惑だったか?」
音「えっ?」
安隆「いや… もっと感動的な再会っちゅうか 何か…。 『お父さん…!』みたいな 期待もあったから。」
音「無理でしょう。 そんな恰好で急に来られても。」
安隆「あっ… そうだよな。 しかし10年ぶりか~。 大きくなったな~ フフッ。 いや~ 立派な家だのん。 これ 家賃 結構するんだろう?」
音「思い切って買ったの。」
安隆「えっ!? 旦那さん 甲斐性あるな~!」
音「あるっちゃあるし… まあ ないとも言えるけど。」
安隆「へえ~ 庭もあるし… そっちの部屋は?」
音「裕一さんの… 私の旦那さんの仕事場。 見る?」
安隆「おう!」
裕一の仕事場
音「フフフ。」
安隆「おお~! ハハハ。」
音「作曲家なの。 まだ1曲しかヒット曲ないけど。」
安隆「へえ~ すごいな~。 いい人 見つけたな~!」
音「うん。 あっ お父さん お茶飲む? コーヒーがいい?」
安隆「あ~ お茶がいい。」
音「はい。」
安隆「あっ そうだ! 悪いけど これで おだんご買ってきてくれんか? フフフ。」
安隆「あっ どうした? フフッ 急に どうしただ?」
おだんごを買いに行く音
音「行ってきます。」
安隆「悪いな。」
音「帰ってくるまで あの世に行かんでよ。」
安隆「音は相変わらず面白いな。」
音「フフフ。」
寝室
安隆「あ~ フフッ。 生まれてきてくれて ありがとう。 俺が おじいちゃんの安隆だ。 覚えといてくれよ~。」
安隆「遊びたかったな~。 ごめんな。 うん… ごめんな。」
華「あ~。」
安隆「うん ごめん ごめん。 フフフ。」
華「あ~。」
安隆「うん ごめんな。」
音 帰宅
音「ただいま~。」
華「う~ う~。」
安隆「おっ… ああ。」
音「買ってきたよ」
安隆「あっ ありがとう。」
居間
安隆「うん! これこれ! うん! この世の食いもんは うまいのん。」
音「あの世では 何 食べとるの?」
安隆「あの世のことは 閻魔様に 言っちゃいかんって言われとるだわ。」
音「ふ~ん。 あの世って怖い? 閻魔様は?」
安隆「怖くないよ。 閻魔様っつったって ただのジジイだし。」
音「よかった。」
安隆「どうして?」
音「うん? 釜ゆで地獄とか 舌抜き取られるとか心配した。」
安隆「フッ… 俺 そんな悪いことしとらんよ。 ハハハ。」
音「お父さん 優しかったもんね。」
安隆「うん… 実は… 助けた子 見てきた。」
回想
熊谷「お父さんが… 亡くなられた。」
熊谷「大阪で… 事故に巻き込まれた。 子どもを助けて 電車に はねられたらしい。」
回想終了
安隆「駅員さんになっとった。」
音「そっか… よかったね。」
安隆「すまん。 体が勝手に動いた。」
回想
音「お父さんは何で あたしたちを残して 人の子を助けたの? あたしたちより その子のことが大切だったの?」
光子「とっさの行動だったの。」
回想終了
音「今は誇らしいよ!」
安隆「フフッ… ありがとう。」
安隆「音。」
音「うん?」
安隆「歌手になる夢 諦めたんか?」
裕一「ただいま~!」
音「裕一さんだ。 あっ あっ あっ…。」
安隆「いやいや 大丈夫。 彼には見えんから。」
裕一「おなかすいた 音。 お~ おだんごだ! 珍しいね。 あれ? 何で2つあんの? これ。 誰か来てた?」
音「い…。」
裕一「うん?」
音「あっ… おだんご買ったら お父さんのこと思い出して 命日 もうすぐだし 何か お父さんにもって。」
裕一「そっか…。 音 ごめん。 おなかすいたから これっさ 食べていい?」
音「ええっ!?」
裕一「えっ? だ… 駄目? 何で? だって 余っ…。」
裕一「うん? 何?」
音「どうぞ。」
裕一「えっ いいの? 食べていいの? 本当に? やった。 頂きま~す。 あ~ 生き返る~! うまいな これ うん。」
裕一「ねえ 豊橋って 方向どっちだっけ? こっち? こっちか?」
裕一「こっち?」
裕一「お義父さん いっつも見守ってくれて 本当にありがとうございます。 おかげさまで 子宝に恵まれて 音さんと幸せに暮らしております。」
裕一「お義父さん 音さんを産んでくれて 本当にありがとうございます! 心から ご冥福お祈りしております。」
音「フフッ… ハハッ。」
裕一「何で笑うの? 何よ?」
音「アハハハ!」
裕一「怖… 怖いよ。 何で そんな笑ってんの?」
音「だって… アハハハハ!」
裕一「いや おだんご頂いたからさ。 お義父さん 本当にありがとうございました。」
音「アハハハ!」
裕一「これからも見守って下さい! お願いします。 よし… よいしょ… はあ…。」
音「あっ!」
裕一「何? だって食べていい…。 アハッ うまいな これ! アハハ! 着替えてくる。」
安隆「ハハハ…。」
寝室
音「う~ん 頑張れ~。 フフッ。 じゃあ よろしくね。」
裕一「は~い。」
安隆と音
安隆「いい男だな~ 安心した。」
音「ありがとう。」
安隆「よし… 俺 そろそろ行くわ。」
音「え~? う~ん…。」
安隆「フフッ みつや梅にも会いたいし。」
音「お姉ちゃんは?」
安隆「音… 吟は昔っから 思い込むと譲らんところがあるだろう?」
音「うん。 昔から… 頑固だ。」
安隆「お前だって… というか うちの女衆は全員 頑固だが みつや お前や 梅は 自分を貫く頑固さだ。」
安隆「でも 吟は違う。 吟は 周りや人の目を 気にして かたくなになることがある。」
音「会ったの?」
安隆「うん。」
回想
吟「あっ あっ あっ ああっ… キャ~!」
回想終了
音「その恰好じゃあ しょうがないよ。」
安隆「う~ん… 少し 旦那さんに合せて 無理しとるように感じた。 子育てで大変だろうが 気にかけてやってくれ。」
音「うん。」
見送り
安隆「はあ…。」
音「お母さんも梅も喜ぶね。」
安隆「音…。」
音「うん?」
安隆「元気でな。」
音「フフッ… お父さんもね。」
安隆「俺は 音の歌が大好きだ。 また絶対 歌いんよ。 約束。」
安隆「音… ごめんな。 フフッ…。」
安隆「じゃあな。」
音「また… くじが当たりますように。」