2020年9月25日放送の【 連続テレビ小説「エール」】75話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2022年1月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
古山家をたずねてきた藤堂先生(森山直太朗)から、出征することになった自分の事を思って歌詞を書いてくれないかとお願いされた鉄男(中村蒼)は、気持ちを込めて歌詞を書く。数日後、完成した歌詞を携えて裕一(窪田正孝)と鉄男は陸軍の智彦(奥野瑛太)の元を訪れる。戦いに行く人の心に近づきたいと祈りながら書いた「暁に祈る」は、やがて世に出て大ヒット。ついに福島三羽ガラスが世に出る!
75話ネタバレ
エール (75)「先生のうた」
藤堂「俺のことを思って 書いてみてくれないか? 実は… 出征することになったんだ。」
鉄男「えっ?」
藤堂「歌って心の支えになるだろ? もし 村野と古山が作った曲と 共に行けたら こんなに心強いことはない。」
古山家
寝室
裕一「うっ! んん~! あれ? 大将 おはよう。 早いね。」
裕一「う~ん 邪魔! んん…。」
鉄男「なあ 裕一…。」
裕一「うん? 何?」
鉄男「俺… もう一回 書いてもいいか?」
裕一「えっ? えっ?」
居間
裕一「あっ お義兄さんですか? あの… 村野鉄男が新しい詞を書いてくれました。 是非 武田さんに見て頂きたいんですけど。 はい… はい 分かりました。 ありがとうございます。 よろしくお願いします。 失礼します。」
音「次は 採用されるといいね。」
裕一「よし…。 いや… 三羽ガラスでやるって 決めたからね 絶対にかなえたい。」
音「うん。」
裕一「よし! よしよし よしよし よしよし!」
馬政課
智彦「入ります!」
武田「入れ。」
智彦「お待たせしました。」
裕一「この度は 再度の機会を頂き 本当にありがとうございます。 最初の申し上げます。 今回の詞も 武田さんの期待には お応えできてないかもしれません。 馬という言葉も一度しか出てきません。」
武田「じゃあ なぜ来たんです?」
鉄男「今回の歌詞は 恩師にささげるつもりで書きました。 先生は もうすぐ戦地に行かれます。 奥さんと小さな息子さん残して お国のために旅立ちます。 私は これまで… 戦いに行く人の心というものを 想像したことがありませんでした。 ですが 今回は 少しでも その心に近づきたいと願いながら 祈りながら この歌詞を書きました。」
武田「はあ…。 これでいきましょう。」
裕一「大将…。」
鉄男「ありがとうございます!」
久志♬『ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮ぶ』
藤堂「行ってまいります!」
「ばんざ~い!」
一同「ばんざ~い! ばんざ~い! ばんざ~い!」
久志♬『ああ あの山も この川も 赤い忠義の 血がにじむ 故国(くに)まで届け 暁に あげる興亜の この凱歌』
裕一「先生…。 どうか ご無事で。」
久志♬『ああ あの顔で』
昭和15年『暁に祈る』が公開され 大ヒット。 ついに 福島三羽ガラスが世に出たのです!
喫茶店 バンブー
鉄男「ごめん 打ち合わせ長引いた。」
裕一「ううん 全然。」
恵「新曲の打ち合わせ? 3人とも すっかり売れっ子ね。」
鉄男「おでん屋も そろそろ しまいかな。」
裕一「寂しくなるな~。」
保「あっ そういえば 『暁に祈る』の映画 見てきたよ。」
裕一「あっ 本当ですか!?」
保「それとさ… 気のせいかもしれないんだけど もしかして 久志君…。」
裕一「あっ…。」
映画のワンシーン
久志♬『ちぎれる程に 振った』
保「やっぱり…。」
恵「フフフフ。 でも 本当に いい曲よね。 私 あの歌詞 好きよ。 鉄男さん 苦労した甲斐があったわね。」
鉄男「ありがとうございます。」
保「今や 兵隊の見送りといえば『暁』だもんな。 出征には欠かせない一曲だ。」
回想
武田「やや感傷的ではありますが… 出征をしたら生きては帰らないという 覚悟を感じさせる。 国民の戦意を高揚させる すばらしい歌詞だと思います。」
鉄男「これ 歌詞。」
裕一「うん!」
婦人会
克子「お願いします。」
晴恵「はい。」
「お願い。」
克子「お願いいたします。」
晴恵「はい。 お願いいたします。」
薫「はい。」
「お願いいたします。」
吟「お願いいたします。」
晴恵「ねえ 関内さん『暁に祈る』って 妹さんのご主人が作曲されたんですって?」
吟「ああ… はい。」
薫「すごい!」
晴恵「『露営の歌』も作ってるんですってよ! 古山裕一さん。」
「へえ~ すごい!」
克子「『露営の歌』も『暁に祈る』も忠君愛国の精神にあふれた すばらしい曲です! 義弟さんは ご立派だわ~。」
薫「婦人会の曲も作ってもらったら どうでしょう?」
克子「婦人会の曲? いいですね! ねえ? 関内さん。」
吟「あっ… お茶 いれてきますね。」
克子「関内さん?」
克子「はい。 続けますよ。」
「はい!」
「お願いします。」
関内馬具
岩城「違うわ! ここは こうちゅうて言うとるだら!」
五郎「はい!」
光子「でも… 随分 手慣れてきたわよね?」
梅「最初に比べればね。」
光子「うん!」
五郎「あの… ここは これで大丈夫ですよね?」
岩城「はあ?」
五郎「あっ… いや…。」
岩城「これで合っとる。」
五郎「よかった。」
光子「岩城さん 五郎ちゃんのこと 気に入っとるみたい。 随分 仕事も早うなったし 仕上がりだって丁寧だし。 もう そろそろ いいんじゃない?」
梅「いかん! 甘やかすのは 本人のためにならんから。」
光子「お~怖っ。 フフッ。」
夜
梅「まだ やっとったの?」
五郎「うん。 とにかく体にたたき込みてえんだ。 目 つぶってでも できるようにならねえと。」
梅「そんなにできとったら 岩城さん超えちゃいそう。 ちょっと やってみりん。」
五郎「えっ?」
梅「目 つむって。」
梅「頑張りんね。」
一年後
古山家
丸井「丸井と申します。」
裕一「はい。」
丸井「この度はニュース歌謡という企画の ご相談に伺いました。」
裕一「ニュース歌謡ですか?」
丸井「はい。 戦果の盛り上がりを歌で伝える ラジオ番組です。 国民の士気が上がるような曲を是非! 先生の得意分野ですよね?」
裕一「い… いや… 得意かどうかは。」
丸井「またまた ご謙遜を! 愛国歌謡といえば古山裕一でしょう。」
裕一「いえいえ 僕は もう ただ 頂いた仕事を精いっぱい頑張るだけです。」
丸井「いやいや… もう 先生以外 考えられません。 お願いします。」
裕一「拝見します。」
音の音楽教室
♬『雪のふる夜はたのしいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ むかしむかしよ 燃えろよ ペチカ』
音「発表会?」
弘哉「はい。 目標があった方が やる気も増すと思うんです。
音「ああ… 確かに。 やろうか 発表会!」
子どもたち「やった~!」
(笑い声)
弘哉「音先生も歌ってくれませんか?」
音「えっ? 私が?」
弘哉「はい。」
音「発表会で?」
弘哉「はい。」
シズ子「先生の歌 聴きたい!」
佐智子「私も聴きたい!」
澄子「私も聴きたい!」
節子「聴きたい!」
音「え~!」
華「お母さん やろうよ。」
音「え~?」
「え~? 先生の歌 聴きたい!」
「先生の歌 聴きたい!」
「聴きたい!」
「聴きたいよね?」
音「え~? え~?」
「やってほしい~!」
居間 夕食
裕一「へえ~ やったらいいじゃん。 生徒たちも絶対喜ぶよ。」
音「でも 声が出るかどうか。」
華「お母さんの歌 聴きたい!」
裕一「うん。 お父さんも お母さんの歌 聴きたいな。」
音「え~? 頑張るか!」
裕一「おおっ!」
華「やった! お母さんの歌 楽しみ!」
裕一「楽しみだね~。 華 お母さんの歌ね すばらしいんだよ。」
華「お父さん 聴いたことあるの?」
裕一「そりゃ もちろんあるよ! お父さんだもん! 羨ましいでしょ。」
華「ずるい~。」
裕一「ずるくない。」
華「華も早く聴きたい!」
裕一「聴きたいね。 早く。 楽しみだ。 楽しみだ。」
華「早く。 早く。」
昭和16年12月 太平洋戦争が開戦したのは この数日後のことでした。
裕一「楽しみだね お母さんの歌。」