ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」77話「不協和音」ネタバレ

2020年9月29日放送の【 連続テレビ小説「エール」】77話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年1月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

戦争が激しくなるにつれて、音(二階堂ふみ)が近所の子供たちを集めて開いている音楽教室は、一人また一人と生徒たちがやめていってしまう。そして、とうとう生徒は弘哉(山時聡真)だけになってしまう。ある日、音は吟(松井玲奈)に連れられて、さぼりがちな婦人会に半ば強制的に参加することになるが、婦人会の班長(峯村リエ)たちの熱心さに圧倒される。そんな音にある手紙が届く。

77話ネタバレ

エール (77)「不協和音」

古山家
音の音楽教室

♬『時にあらずと』

佐智子「音先生 今までありがとうございました。」

シズ子「私は やめたくなかったんだけど お母さんが…。」

音「いいのよ。 こちらこそ ありがとう。 2人とも元気でね。」

配給場所

「次。」

「お願いします。」

「はい。」

「ありがとうございます。」

「次。」

吟「音!」

音「お姉ちゃん。」

吟「ちょうどよかったわ。 今から あんたのうちに行くとこだったの。」

音「どしたの?」

吟「(小声で)あんた… また婦人会サボったでしょ。」

音「あっ…。 うん… まあね。」

吟「うわさになっとるわよ。 婦人会に協力的じゃないお宅は 配給にも差をつけられるし いろいろと不利益が出てくるの。」

音「はい… はいはい はいはい。」

吟「本当に分かっとるの!? ねえ 裕一さんにだって迷惑かかるんだから! これから 私が入っとる婦人会の 会合があるから あんたも一緒に来りん。」

音「えっ? 何で お姉ちゃんのとこまで…。」

吟「ほっといたら またサボるでしょう。 それに… 班長さんに 妹も連れていくって言っちゃったし。」

音「そんな勝手なこと…。」

吟「いいから来りん! 少しは お国のために働きんよ。 ほら…。 えっ? はあ…。」

婦人会

吟「皆さん 妹の音です。」

音「古山 音です。 よろしくお願いします。」

薫「これ どうぞ。」

音「ありがとうございます。」

克子「では 皆さん… 始めましょう! 一つ!」

一同「私共は日本婦人であります。 神を敬い 詔を畏み 皇国の御為に ご奉公いたしましょう。」

克子「一つ!」

一同「私共は日本婦人であります。 誠をつくし 勤労の楽しみ 世のため 人のために努力いたしましょう。」

克子「一つ!」

一同「私共は日本婦人であります。 身を修め 家をととのえ 日本婦道の光輝を発揚いたしましょう!」」

克子「本日は 竹槍作りをいたします。 これからの日本婦人は 銃後の守りだけではなく 共に戦うことが肝要です! では 始め!」

一同「はい!」

吟「節を削るの。」

晴恵「班長 これが完成したら 次は竹槍演習でうすね!」

克子「ええ そうです。 そのためには体力作りも必要です。 皆さん! お国のため 常に 心身の鍛錬を心がけてまいりましょう!」

一同「はい!」

克子「お返事。」

音「はい。」

喫茶店 竹

音「はあ… 疲れた。 あそこの婦人会の班長さん すごい迫力で。」

恵「熱心な人っているわよね。」

音「私は なじめないかな…。」

保「し~っ。 外で そんなこと話したら駄目だって。」

恵「婦人会を敵に回したら怖いからね。」

音「裕一さんも ラジオの仕事で忙しいみたいだし お国のためってことは 分かってるんですけどね。」

保「まあ これでも食べて 一息入れてよ。」

音「何ですか? これ。」

保「里芋のババロア。」

音「里芋!?」

恵「今ね 代用品での デザートの研究をしているの。」

音「へえ~! 頂きます。 ふ~ん。」

保「どう?」

音「悪くはないですけど デザートっていうより… おかず?」

保「うん… だよな。」

音「発想は… 発想はいいと思います! 発想は!」

保「あ~ じゃあさ もう一個作ったのを 食べてみてくれない?」

音「えっ?」

保「里芋のツルを使った かりんとうなんだけど…。」

音「あっ いや それは また今度…。」

保「そう言わず 一口だけでも。」

音「いや 本当に。」

保「いやいや 大丈夫 大丈夫。 おいしいから。」

音「いやいや。」

保「おいしいの。」

音「ううん…。」

保「手に入る材料がどんどん減ってきてるから 知恵を絞るしかないんだよね。」

音「少し前まで普通だったことが 普通じゃなくなっていますもんね。」

保「どう?」

恵「うん ひとかじり。」

保「ちょっと…。 ちょっと…。」

恵「ちょっと…。 うん かわいいでしょう?」

保「ちょっとだけ。」

恵「かわいいと思うの。」

保「うん…。」

古山家
音の音楽教室

華「弘哉君 お教室 来ないのかな?」

音「来ないのかな?」

(走ってくる足音)

弘哉「遅くなりました! 教練が長引いてしまって。」

このころは国民学校でも 軍事教練が義務づけられていました。

音「そんな急がなくてもよかったのに。」

弘哉「でも 音先生が心配するかと思って。 さあ やりましょう。」

居間

裕一「気を遣ってた?」

音「ええ。 弘哉君 全員が教室をやめたら 私が悲しむと思って 忙しいのに 無理して通ってくれてたみたい。」

裕一「うん… そっか。」

音「だから これからは 気が向いた時に 来てくれればいいよって言っておいた。 まあ… 教練も忙しそうだし。」

裕一「うん…。」

華「優しいんだよね~ 弘哉君って。 そういうとこ好き。」

裕一「えっ?」

華「弘哉君が来なくなったら さみしいな。」

裕一「こな… ちょっと 華?」

華「うん?」

裕一「うん? えっ それ… ど… どういう意味?」

トキコ「ごめんください。」

裕一「はい…。 えっ? 今 好きって… 好き…? は~い。」

玄関

トキコ「弘哉から お教室を閉じると聞いて  ご挨拶をと思いまして。 本当に お世話になりました。」

音「これからは 弘哉君の都合のいい時に 遊びにいらして下さい。」

裕一「うん… いつでも遊びに来て。 また一緒にハーモニカ吹こう。」

弘哉「はい。」

トキコ「よかったね。 あっ あの… もしよかったら これ 召し上がって下さい。」

華「かぼちゃ!」

トキコ「うちの庭で採れたんです。」

裕一「ありがとうございます。 すいません。」

トキコ「いえ…。」

音「これ みんなで頂きません?」

裕一「そうだね。 いいね!」

音「うんうん。」

裕一「弘哉君 入って 入って。 どうぞ どうぞ。 どうぞ どうぞ…。」

居間

音「へえ~ 弘哉君は体育が得意なんですね。」

裕一「僕は もう運動は本当に苦手。」

華「弘哉君 勉強もできるんだって。 佐智子ちゃんが言ってた。」

裕一「へえ~・」

トキコ「ただ 音楽は ずっと苦手でね。 でも 音先生たちのおかげで 克服できました。」

弘哉「今は 音楽が一番好きです。」

音「本当に?」

裕一「教室やってよかったね。 フフフ。 おいしそうだね~。」

音「頂きましょうか。」

華「頂きま~す!」

一同「頂きます。」

裕一「あ~ おいしそう。」

弘哉「華ちゃん そんな大きいの食べられるの?」

華「うん。 かぼちゃ大好き。」

弘哉「じゃあ 僕のも あげよっか。」

華「えっ 本当?」

裕一「いや! いやいや… 弘哉君 ねっ 育ち盛りだから 食べて。 華にはね ほら… お父さんの… お父さんのあげる。 はい 食べて。 じゃあ 頂きましょうかね。 頂きま~す。」

一同「頂きます。」

裕一「ほら 華 食べな。 ほら 食べな 食べな…。」

関内家(吟)

智彦「そうだ… ようやく転属が決まった。」

吟「えっ?」

智彦「大陸の第一線部隊だ。 近々 出征する。」

吟「おめでとうございます。」

智彦「ああ…。」

古山家
居間

音「楽しかったね。 久しぶりに かぼちゃ食べられたね。」

華「うん! おいしかった。」

音「うん!」

裕一「ねっ 家の庭で あんなに立派なかぼちゃ作れるんだね。」

音「ね~。 そうだ!」

裕一「うん?」

音「うちの庭でも何か作ろうよ!」

裕一「ああ…」

音「よし… 決めた!」

裕一「ただいま~。」

音「お帰りなさ~い。」

裕一「お~ やってますね。」

音「フフフフ…。 いろいろ考えたんだけど お芋がいいかなと思って。」

裕一「よし… じゃあ 手伝おうかな。 何すればいい?」

音「じゃあ… 石を桶に入れてくれる?」

裕一「はい。 任せて下さい。」

音「はい お願いします。」

裕一「はあ~ すごいね。」

音「はい…。」

裕一「おお…。」

音「石もすごいね。」

裕一「ねっ!」

華「ただいま~!」

裕一「おっ 華 お帰り~。」

音「お帰り。 華も手伝って。」

華「うん。 あっ ねえ これ… お手紙来てたよ。」

音「ありがとう。」

華「かばん置いてくるね。」

裕一「誰?」

音「『報国音楽協会』。」

裕一「あれ? 小山田先生が 会長やってるとこだね。」

音「うん?」

裕一「何て?」

音「音楽挺身隊…。」

裕一「あ~ えっとね… 軍需工場とか病院とか 慰問で回る楽団って聞いたね。 音楽学校出身の人たちが集められてるって 言ってたよ。」

音「ああ…。『国民一致協力団結の精神を培い 戦いのために 不撓不屈の気力を養うことが 音楽の課せられた重要な任務であります』。 一致団結か…。」

五郎「ごめんください!」

音「何?」

裕一「あれ? えっ 何で? はい! はい!」

玄関

裕一「はいはい… はい…。 わっ 五郎ちゃん! 久しぶり!」

五郎「先生…。」

裕一「何だ 何だ? うわうわ…。 うん?」

五郎「会いたかった…。」

裕一「えっ? 何だよ 何だよ…。」

五郎「先生…。」

裕一「ちょちょ ちょちょ…。」

五郎「先生…。」

裕一「何だよ! 何だよ!」

五郎「先生…。」

裕一「ちょっと! や… やめて!」

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