ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」83話「歌の力」ネタバレ

2020年10月7日放送の【 連続テレビ小説「エール」】83話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年1月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

予科練の映画「決戦の大空へ」の曲作りに取り組む裕一(窪田正孝)は、一度は曲を書きあげるが、予科練の若者の気持ちをもっと熱く深く表現したいと、曲の発表を延期してもらい、予科練たちの日常を体験しに土浦航空隊にやって来る。それでもなかなか曲が書けずに苦労する。一方、裕一不在の古山家に鉄男(中村蒼)がやって来る。鉄男は取材中に聞いた戦争に関するうわさ話を音(二階堂ふみ)に伝える。

83話ネタバレ

エール (83)「歌の力」

予科練にやって来た裕一は 新たな曲を書くため 練習生たちの生活を見学させてもらいました。

予科練

「練習生たちは 海の上での生活と 同じように吊り床で寝ています。 先生たちの吊り床は低くしておきました。 試しに寝てみて下さい。」

三隅「じゃあ 先生も。」

裕一「おっと…。」

吊り床から落ちる裕一

(笑い声)

「こら!」

裕一「いてて…。」

「大丈夫ですか?」

裕一「あっ ハハ… これ… む… 難しいですね。」

「最初は そんなもんです。」

裕一「あっ そうですか。 すいません。」

三隅「先生… その~『何か』は見つかりましたか?」

裕一「すいません… もう一日だけ待ってもらえませんか?」

三隅「あと一日ですよ 曲の発表は あさってにしますね。」

裕一「ありがとうございます。 絶対に完成させますね。」

三隅「では… せっかくですから 2曲聴いてもらって教官が選ぶというのは どうでしょう?」

裕一「それ いいですね。」

三隅「歌手と伴奏を呼びましょう。」

裕一「さすがです 三隅さん。」

三隅「へへへ… もう乗りかかった船ですから。」

裕一「ただ…。」

三隅「また?」

裕一「せっかくなら 練習生の皆さんにも 選んでほしいんです。 彼らの曲だから。」

三隅「それは… ちょっと難しいかもしれま…。」

裕一「どうか… 交渉をお願いします。」

三隅「はい。」

♬~(ラッパ)

「総員 起こ~し! 総員 吊り床収め~!」

裕一「あっ… えっ…?」

「整列!」

「番号!」

「1」

「2」

「3」

「4」

「5」

「6」

「古山先生に対し 敬礼!」

裕一は 予科練の生活を 体験することにしました。

「力が入っとら~ん! 腰を入れろ 腰を! 回れ! 回れ 回れ~ もたもたするな~! 回れ!」

「先生? 先生 先生 先生…!」

裕一「はい?」

「『回れ』です。」

裕一「あっ… はい。 回ります 回ります… よいしょ…。」

飛行兵に憧れて 国のために 命懸けで戦う覚悟を決めた練習生たちは 厳しい訓練を耐え抜いていました。 体力錬成運動 軍事教練 機械や通信 英語の教育など 訓練は多岐にわたりました。 訓練の合間には つかの間の自由な時間もありました。 ふだんの彼らは まだ幼さが残る少年でした。

「強い! ああ…。」

「えいっ えいっ!」

「こんにちは!」

裕一「こんにちは。」

「こんにちは!」

裕一「あっ こんにちは。」

裕一「どうしたの? こんにちは。」

風間「あっ はい! こんにちは。」

裕一「ど… どうかした? あっ… ごめんなさい。 座って下さい。 すいません。 今ね 頑張ってさ 曲作ってるんだけど 全然思い浮かばなくてさ。 よかったらでいいんだけど あの… 話 聞かせてもらえないかな? 朝から晩まで みっちりだもんね。 僕なんか体力ないから すぐ へばっちゃう。」

風間「体力的なものは すぐに慣れます。」

裕一「うん? じゃあ… 何?」

楽曲披露当日

「1 2 1 2!」

「そ~れ!」

「1 2 1 2!」

「そ~れ!」

三隅「おはようござい… ます…。」

「1 2 3 4! 1 2 3 4!」

三隅「先生!? 先生 まさか… 書けなかったんじゃ?」

裕一「おはようございます。(あくび)」

三隅「うん? ああっ あっ…。」

三隅「よかった! はあ… 無駄になるかと思った。 では遅くまで頑張られたのですね。 お疲れさまです。」

裕一「いえいえ… ある練習生の話 聞いたら 喉の骨が こう ポイッと取れて 5分くらいで書けました。」

三隅「アハハ… 才能って嫌い。」

裕一「どう思います? その曲。」

三隅「へっ? そ… そうですね…。」

この人 全く楽譜は読めません。

三隅「1曲目とは… 正反対のところが面白い!」

裕一「伝わりましたか~! よかった~!」

偶然でした。 こういうツイてる人 います。

裕一「単調だけど 悲しくない旋律に 苦労したんですよ。」

三隅「なるほど。」

裕一「勇気の源にある愛を 表現できたんじゃないかなと思います。」

三隅「全く同感です!」

裕一「それで練習生の方の件はどうなりました?」

三隅「手抜かりはありません。 教官では反対されると思い その上の副長の濱名中佐に 直談判しました。 この人 話が分かる方でして…。」

裕一「何から何まで 本当にすみません。」

三隅「ただ 先生…。」

裕一「はい。」

三隅「皆さんが選んだ曲が『若鷲の歌』になるんですから 思い入れがるからって『こっち!』は なしですよ。 いいですね?」

裕一「はい。」

『若鷲の歌』を 教官たちの前で披露しました。 1曲目は 高揚感のある明るい曲。 2曲目は 裕一が予科練に来てから作った 単調の曲でした。

(拍手)

三隅「え~ 今のが2曲目 単調のものでした。 では 挙手をお願いします。 1曲目がよいと思われた方。」

三隅「あっ… まあ 分かりやすいですからね。」

濱名「待て。 せっかくだ。 練習生の意見も聞いてみないか?『若鷲の歌』は彼らの歌であり 彼らが歌うんだから。 ねえ? 三隅さん。」

三隅「ええ!」

「濱名中佐 お言葉ですが 映画の主題歌とはいえ 予科練の歌です。 指導する我々が決めた方がよいかと。」

濱名「まあ そう固いこと言うな。 私は聞いてみたい。 別に 皆を集める必要はない。 なっ いいだろう?」

「あっ…。」

練習生にも2曲 披露しました。

濱名「では 決を採る。 1曲目がいいと思う者。 2曲目がいいと思う者。」

濱名「よし 決まったな!」

「し… しかし…」

濱名「何だ?」

「いえ…。」

濱名「せっかくだ 古山裕一先生のために 皆で歌おう。」

一同「はい!」

♬『若い血潮の予科練の 七つボタンは桜に錨』

回想

風間「つらさは いろいろあります。 家族と離れた寂しさ 訓練についていけない時の惨めさ 集団生活になじめない孤独 私のせいで班員がしごかれてる時の ふがいなさ…。 中でも 一番つらかったのが洗濯です。 寒さで指先が切れ 痛くて痛くて…。 それを母は 僕のために ずっとしてくれていた。 予科練に入るまで 服がきれいなのは 当たり前だと思っていた自分が情けなくて。 親に報いるためにも 私は立派な飛行兵になり 皇国の御為に戦います!

古山家

音「わあ… 羊羹なんてぜいたく!」

鉄男「取材先でもらったから お裾分けに。」

華「うわ~! ありがとう 鉄男おじさん! お母さん 今すぐ食べていい?」

音「お父さんの分も残しておくのよ。」

華「うん 分かってる。」

音「ありがとうございます。」

鉄男「いえ…。 音さん… ちっといい? 大本営の発表と現実は違う 日本は負け続けてる。」

音「そんなに悪いんですか?」

鉄男「同盟国のドイツも旗色が悪い。」

音「そう…。」

鉄男「取材中のうわさ話なんだけど 激戦地への慰問 裕一が候補に挙がってるらしい。 頼まれたら期待に応えようとしちまう 性格だから 要請来たら 行くんじゃねえかと思って。 優しさって… 時に命取りになっから。」

予科練

濱名「古山先生。」

裕一「あっ 中佐。 本当にありがとうございました。」

濱名「実は 2曲目の方が 圧倒的に好きだったもので。 私利私欲も入ってます。」

裕一「もしかして音楽をされていたんですか?」

濱名「いえ… ただ 懐かしくなって ここの初期の練習生が卒業する時に 私は『愛染かつら』の…。」

濱名「 ♬『花も嵐も 踏み越えて 行くが男の 生きる道』あの一節を歌い『若いお前たちには 花のような まだ見果てぬ夢があるだろう。 また行く手には 恐怖をそそる嵐もあるだろう。 だが それを勇敢に踏み越えて進むのが 日本男児の道だ』と言葉を贈りました。 その中に 爆弾小僧とあだ名された 田丸という暴れん坊がいたんです。」

裕一「すごいあだ名ですね。」

濱名「フフフ…。 勇猛果敢なやつでした。 炎で燃え上がる飛行機を田丸は操縦し続け 敵艦に体当たりして 大きな戦果をあげました。きっと田丸は あの歌を心に刻んで 立派に戦ったんです。 先生… 歌には 人の心を奮い立たせる力があります。 何百万人の心を一つにする力があります。 どうか これからも 命を賭して生きる 若者のために よろしくお願いします。」

裕一「はい!」

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