2020年10月12日放送の【 連続テレビ小説「エール」】86話のネタバレです。
連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。
現在は(2022年1月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。
テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。
あらすじ
音楽慰問のために裕一(窪田正孝)が向かった先は、インド北東部のインパールを攻略する作戦が始まっていたビルマだった。裕一は戦況を聞くために毎日司令部を訪れるが、作戦が予定通りに進んでいないようで、前線に向かう命令がなかなか下りない。一方、音(二階堂ふみ)は、まさ(菊池桃子)の病状が悪化したという浩二(佐久本宝)からの知らせもあり、華(根本真陽)を連れて福島に疎開することにする。
86話ネタバレ
エール (86)「戦場の歌」
『僕の曲作りは 人との触れ合いの中で 生まれてきました だから 一度は戦場をこの目で見たい お国のために命を懸けて戦う人を 現地で応援したいのです。 必ず生きて帰ります。 戦争が終わったら もう一度 夢の続きを始めましょう』。
裕一の慰問先は ビルマ 現在のミャンマーでした。
同行者は 作家の水野伸平と 洋画家の中井潤一。
水野「あっ。」
磯村「ようこそ。 暑くて不快かもしれませんが 不便がありましたら 何なりと おっしゃって下さい。」
当時 ビルマを占領していた日本軍は インド北東部の要地 インパールを 攻略する作戦を開始していました。
水野「内地では 3週間でインパールを 陥落させると聞いてきましたが もう期限は過ぎています。 戦況は いかがなんでしょうか?」
磯村「まあ そう焦らずに。 皆さんは しばらく ラングーンで休養してて下さい。」
水野「あっ 磯村中佐殿!」
中井「古山さん どうします?」
裕一「えっ?」
中井「あいつは ここで じっとしていられる人間じゃない。 今頃 戦地に行きたいと頼んでいるはずです。」
裕一「中井さんは どうされますか?」
中井「僕は水野と行きます。 あいつのことが好きなんで。」
『ラングーンの町は 思いの外 静かであった』。
「我が軍は主力部隊の後方…。」
『戦況を聞くため 司令部に顔を出した。 作戦は 予定どおりには 進んでいないようだった』。
「奇襲攻撃を仕掛け 後方をかく乱しております。」
『午後から 学校へ慰問に出かけた』。
『現地の子どもたちは 驚くほど日本語がうまく 私の歌を上手に歌ってくれた』。
『土曜日の夜は 現地の記者連中も集まり すき焼きをした』。
水野「ド~ン! ドンドン ドンドン…。」
裕一「『水野さんは お酒が回ると 変な浄瑠璃を語り 皆を笑わせた』。」
水野「デン! …どこまで言った?」
中井「ため池 ため池…。」
水野「あ~…。」
『1か月後 ようやく水野さんと中井さんは 前線に行くことが許された 別れ際に水野さんから詞を託された』。
『雨期に入った。 来る日も来る日も雨である 洗濯屋に出した衣類は カビが生えて 出す前より汚い』。
(物音)
裕一「わっ わっ! あっ あああ…。 待て! あっ あっ…。」
『サソリは ほうきで外に出した』。
裕一「お~ そうそう…。」
『水野さんと中井さんも帰ってこない。 心配だ ビルマに来て 2か月がたった』。
『まだ戦地に行く命令が来ない。 それほど戦況が悪いのであろうか このままでは 日本をたった意味がなくなってしまう』。
(ノック)
裕一「はい。」
大倉「大蔵です。 夜分遅く失礼します。 よろしいですか?」
裕一「あ~ もちろんです。 どうぞ。」
大倉「失礼します。 いや… すごい雨ですね。 失礼します。」
裕一「これ… あの…。 よかったら どうぞ使って下さい。 何か戦況の変化でもありました?」
大倉「あ~ いや そうではないんですが…。 先生は 福島の出ですよね?」
裕一「はい。」
大倉「藤堂清晴さんって ご存じですか?」
裕一「し… 小学校の恩師です。」
大倉「そうですか~。」
裕一「はい。」
大倉「藤堂さん… いえ 藤堂大尉は ビルマにおられます。」
裕一「ビルマに?」
大倉「ええ。 私も人づてに聞いただけですので 詳しいことは分からないのですが よく先生の話をされているようです。 深いご縁があったようですね。」
裕一「いや… と… とっても!」
大倉「では 藤堂大尉の配属先を 調べておきますね。」
裕一「ありがとうございます。」
大倉「おやすみなさい… あっ これ。」
裕一「ありがとうございます。 おやすみなさい。」
大倉「おやすみなさい。」
関内馬具
心臓を抑えている岩城
光子「ご苦労さま。」
五郎「ありがとうございます。」
光子「あら? 五郎ちゃん 一人で全部任されとるの?」
五郎「はい! 昨日から。」
光子「頼もしいわ。 岩城さんの指導のおかげね。」
岩城「いや… こいつの ひたむきさです。」
光子「フフッ そうね。 まあ とにかく こんな世の中だけど 仕事があるのは ありがたいわ。」
岩城「五郎… 馬具は人と馬の命を守るもんだで。 忘れるな。」
五郎「何度も言われてますから 分かってます。 厠へ行ってきます。」
岩城「今までは一人前になりたいって思いで 突き進んどったもんが 合格して立ち止まってしまって…。 戦争に協力しとるんじゃないかって 気持ちが あふれてくるようです。」
光子「心配だわ…。」
音と華は まさの症状が悪化したとの知らせもあり 福島に疎開することにしました。
喜多一
寝室
浩二「先生 ありがとうございました。」
音「ありがとうございました。」
まさ「ごめんね。 せっかく来てくれたのに寝てばっかりで。」
音「いえ ゆっくりされて下さい。」
まさ「華 もっと顔見せて。」
裕一の部屋
音「んっ…。 はあ…。 はあ…。」
蓄音機を見つける音
浩二「兄貴の才能を開花させるきっかけだから。」
音「ごめんなさい 勝手に。」
浩二「いや… フフッ。 いっつも じっと座って 難しい音楽 聴いてた。」
音「そっか…。」
浩二「もともと俺の誕生祝だったんだけどね。」
音「フフフ…。 分からないもんですよね 人生って。」
浩二「兄ちゃん 心配? 兄ちゃんは 軍にとって大事な人だ。 そんな危険なとこ 行かせられっことねえよ。 なっ?」
音「そうですね。」
浩二「ああ。」
寝室
浩二「華ちゃん いい子だね。」
音「おてんばだけど 優しい子です。」
浩二「俺も早く結婚しねえと。 このままじゃ 喜多一も権藤家も潰れちまあ。 母さん 倒れてから 急に焦ってきた。」
音「どんな方がいいんですか? いい人がいたら紹介しますよ。」
浩二「あっ… 原 節子みてえな?」
(カラスの鳴き声)
音「…」
浩二「ごはん作るわ。」
音「あっ… 私やります 浩二さん。」
ミャンマー
裕一「あっ… お帰りなさい。」
中井「これを…。」
裕一「失礼します。」
中井「前線は地獄です。 険しい山 濁流の大河 悪疫 食糧不足。 戦う以前に命を保つことさえ難しい。 前線部隊への武器や弾薬 食糧の補給も 全く追いついていない。 それなのに進撃命令を出す司令官。 全て無謀で無駄な死… まさに犬死にです。」
裕一「あの… 日本に勝てる見込みは? ってか… あの… 水野さん どうされたんですか?」
中井「更に先に向かいました。 この実情を伝えるのが作家の使命だと。」
中井「一杯の水がないだけで 死んでゆく者がいます。 そんなこと許されていいのでしょうか? 古山さん… 日本は負けます。 命を尊重しない戦いに未来はありません。」