ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」88話「歌の力」ネタバレ

2020年10月14日放送の【 連続テレビ小説「エール」】88話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年2月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

藤堂先生(森山直太朗)と再会をした裕一(窪田正孝)は、兵士の慰問のために翌日に行うコンサートに向け、楽器ができる兵士たちを集めた急ごしらえの音楽隊のメンバーで練習をはじめる。ラングーン滞在中に裕一がビルマで戦う兵士たちのために書いた曲、「ビルマ派遣軍の歌」を高らかに歌う藤堂先生。音楽を通して皆の気持ちが通じ合い、心を割って話をした翌日…。部隊を思わぬ悲劇が襲う。

88話ネタバレ

エール (88)「戦場の歌」

ミャンマー

藤堂♬『我が兵の背に高く 黄金のパゴダそびえ立ち セクパンの花萌え出でて』

藤堂「はるばる よく来てくれたな。」

裕一「本当に来れてよかったです。」

藤堂「まあ 本番は明日だけどね。」

(笑い声)

裕一「でも 今日の練習だけで 本当に 胸が熱くなりました。 あ… 明日 少しでも 皆さんの力になれればいいんですけど。」

神田「間違いありません。 必ず みんなの心に届きます!」

裕一「はい。」

藤堂「岸本 どうした?」

岸本「隊長殿…。 自分は 今日で 少し死ぬのが怖くなりました。 自分… 娘に会ったことがないんであります。」

神田「どういうことだ?」

岸本「自分は 悪い人間でした。 いろんな人を傷つけて生きてきました。 そんな暮らしの中で 捨てた女が… 俺の子を黙って産んでたんです。 それを知って 会いに行ったんですが… 断られて。」

岸本「頭の片隅で ちらっと聞こえた 赤ちゃんの声が離れないんです。 俺… このままじゃ駄目だ。 会わせてもらえる人間になろう ちゃんとした人間になろうと思い 戦っております。」

藤堂「もう… 会える資格はあるさ。」

岸本「そうでありますか?」

藤堂「ああ。 帰ったら会いに行け。」

岸本「はい。」

裕一「岸本さんは… 死ぬの 怖くなかったんですか?」

岸本「自分の人生は 思い出したくないことばかりでした。 死んだら 忘れられると思ってました。 今は 隊長殿や仲間に恵まれて 今日のようなすばらしい時間を過ごすと 大切な記憶が増えて… 死ぬのが怖くなります。 今まで失うものがなかったのに 今は掛けがえのないものがある。 だから 怖いのであります。」

藤堂「俺も怖い。」

神田「私も。」

東「私も。」

藤堂「恐らく あと少しの辛抱だ。 みんな 生きて帰ろう。」

神田「はい。」

東「はい。」

岸本「はい。」

藤堂「それじゃあ はるばる来てくれた古山に あれ歌うか。」

一同「はい!」

♬『ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ ああ あの山も この川も 赤い忠義の 血がにじむ 故国まで届け 暁に あげる興亜の この凱歌』

別日

藤堂「古山。」

裕一「はい。」

藤堂「俺が死んだら 渡してくれ。」

裕一「嫌です。 やめて下さい。 こんなの受け取れません。」

藤堂「頼む。」

裕一「絶対に生きて帰ってきて下さい。」

藤堂「ああ。」

そして本番前

裕一「お… 大げさですよ。」

東「これでも抑えめにしたぐらいです。」

裕一「いやいや…。」

神田「天気… もちますかね?」

裕一「…といいんですけどね。 あっ 岸本さんは?」

東「先生にお土産を と言ってましたが。」

裕一「あ~ そうですか。」

岸本「先生 これを! あっ イギリス兵から ぶんどったものです。 大変うまいです。」

裕一「い… いやいや… 受け取れません そんな。 食糧に困ってるの 皆さんですから。」

岸本「先生 これは気持ちですから! はい。」

裕一「ありがとう… ありがとうございます。 じゃあ 本番前に 演奏だけ もう一度 練習しときます。」

岸本「何度でも!」

裕一「しましょう。」

(笑い声)

(銃声)

「狙撃兵だ! 応戦しろ! 敵襲~!」

「敵襲だ! 銃を取れ~!」

藤堂「古山! こっちだ。」

藤堂「ここに隠れてろ。」

「ああっ!」

「大丈夫か!?」

裕一「あっ あっ… ああっ! ああ~っ! あっ あっ… ああ~っ!」

藤堂「うっ! ハァ ハァ ハァ… ハァ… ハァ…。」

裕一「先生…。 先生! あっ あっ… 先生…。 先生!」

裕一「ひっ! どうしよう… どうしよう これ…。 何をすればいいのか 分かんない… 分かんない…。 先生… 先生… 先生。」

藤堂「古山…。」

裕一「先生? 先生? 先生!」

藤堂「うっ…。」

裕一「先生…。」

藤堂「すまん… 俺のせいで。」

裕一「な… 何言ってんですか 先生。 僕… 僕は僕の意志で来たんですから! 先生のせいじゃありません!」

藤堂「手紙は? 手紙 持ってるか?」

裕一「手紙? 手紙 手紙…。 あっ! 手紙 手紙! 手紙! 手紙 ここにあります! ちゃんと ここにありますから。 先生…。

藤堂「最後に… お前に会えてよかった。」

裕一「先生…。 そんなこと言わないで下さい。 先生… い… 一緒に帰りましょう。 先生 ほら…。」

藤堂「昌子と憲太…。」

裕一「駄目…。 先生… 嫌だ 嫌だ 嫌だ…。 先生…。」

藤堂「頼む…。」

裕一「嫌です! 先生… 先生…。 先生!」

藤堂「もう一度…。」

裕一「先生…。」

藤堂「会いたかった…。」

裕一「先生… 嫌だ 嫌だ 嫌だ…。 先生… 先生…。 先生? 先生… 先生? うそ うそ うそ うそ うそ! うそだ! 先生! 先生! 先生… 先生! 先生~!」

東「ご無事でしたか。」

裕一「先生が…。 神田さんは?」

東「手榴弾でやられました。」

裕一「あ あ… ハアハア…。 あ… あっ あっ あっ あっ…。 僕… 僕… 何も知りませんでした。 何も知りませんでした… ごめんなさい…。 ああ ごめんなさい…。」

東「知らなくてもいいこともあります。」

裕一「ごめんなさい…。 僕 何も知りませんでした…。 ごめんなさい…。 先生… ああ ああ… 先生…。 ああ ああ… ああ ああ…。 先生… ああ ああ…。 ごめんなさい… ごめんなさい…。」

それから間もなく インパール作戦は中止となりました。 おやそ9万の将兵が投入されましたが 生還者は1万数千人しかいませんでした。

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