ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「エール」98話「栄冠は君に輝く」ネタバレ

2020年10月28日放送の【 連続テレビ小説「エール」】98話のネタバレです。

連続テレビ小説「エール」はNHKで放送しているドラマです。

現在は(2022年2月現在)NHKオンデマンドでも視聴可能です。

テレビまたはNHKオンデマンドが見れない方やこのドラマに興味のある方はこの記事をご覧になってください。

あらすじ

完成した全国高校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」を、もう一度前を向くきっかけになるように、久志(山崎育三郎)に歌ってもらいたいと、裕一(窪田正孝)は、さっそく久志の家を訪れるが、久志は「もう昔とは違う」と一方的に裕一を突き放す。鉄男(中村蒼)も久志を訪ねるが、話を聞こうとしない。そんなある日の朝、藤丸(井上希美)が久志の姿が見えなくなったと古山家に探しに来るのだが…。

98話ネタバレ

エール (98)「栄冠は君に輝く」

久志の長屋

裕一「久志 君に歌ってほしい曲がある。 高等学校野球大会の歌。 一度でいいからさ この譜面 見てもらえないかな? 久志!」

久志「本当 分かんない人だね 君は。 もうさ 関わってこないでくんねえかな。 君の顔見ると 気分が沈むんだよ。(ため息)もう 昔とは違うんだよ。」

裕一「久志…。」

喫茶店 バンブー

保「そっか… 久志君 かたくなに なっちゃってるんだ。」

恵「う~ん そういう時は 一旦 距離を置いた方がいいのかも。」

裕一「そうなんですかね~?」

保「うん… 少し そっとしといたら? フフッ 大丈夫。 君たちの仲は そんな簡単に壊れたりしないって。」

音楽教室

音「♬~(歌声)」

羽生「うん! いいじゃない。 だいぶ 声が伸びるようになってきたわよ。 いい調子。 ベーネ。」

音「ベーネ?」

羽生「ウェル ダンヌ。 ブランクが長いと 取り戻すのに時間がかかるけど この調子で オーディションまで しっかり練習していきましょ。」

音「シー!」

古山家
玄関前

渉「自分の話ばかりしてしまって ごめんね。」

華「いえ… たくさん お話 聞けて 楽しかったです。」

渉「そっか。 なら よかった。」

華「今日は 送って下さって ありがとうございました。」

渉「じゃあ また。」

華「あの…。 次の試合 頑張って下さい。」

渉「うん。 次はホームラン打つ予定。」

華「わっ! ただいま。」

音「お帰りなさい。 ねえ… 今の… どなた?」

華「何でもないから。」

音「どなた?」

華「はあ… 隣の学校の人。」

音「どこで知り合ったの?」

華「友達の友達… もういいでしょ。」

音「すてきな方じゃない。 ホームランって言ってたわよね?」

華「お父さんには言わないでよ! めんどくさいから。」

裕一「あれ? 2人とも 今 帰り?」

音「あっ お帰りなさい。」

裕一「ただいま。」

音「そう。 今 ちょうど 華と会って…。」

裕一「どうしたの?」

(戸の開閉音)

裕一「うん? 何?」

音「何でもない。」

裕一「うん?」

(戸の開閉音)

長屋

(戸が開く音)

鉄男「入っぞ。」

久志「また うるさいの来た。」

鉄男「とりあえず… 何でもいいから働け。」

久志「どうして?」

鉄男「こんな自堕落な暮らししてて 情けなくねえのか?」

久志「フッ… 相変わらず固えな。 僕は この生活 結構気に入ってんだけど。 遊んで暮らすのも悪くないよ。」

鉄男「いいかげんにしろよ。」

久志「はあ… どうして みんな 他人の おせっかいばかり 焼きたがるんだろうね? さっきも裕一が来たよ。 野球大会の歌を歌えって。」

鉄男「えっ?」

久志「すぐに お引き取り願ったよ。 しかし 彼も なかなかやるよね。 戦争中は戦時歌謡 戦争が終われば平和の歌。 フッ… 時代の波に乗るのがうまいよ。」

鉄男「おめえ… それ 本気で言ってんのか? 裕一が… どれだけ苦しんできたと思ってる。 自分だけが不幸だと思ったら 大間違いだぞ。 誰もが大変だったんだよ。 みんな それ 必死に乗り越えようとしてんだよ!」

久志「言いたいこと それだけ?」

鉄男「ああ?」

久志「(ため息)終わったんだったら帰ってくれる?」

鉄男「ふざけんなよ! おい 久志! おめえ どうした!? おい! 聞いてんのか おめえ!」

犬井「おいおい… 何やってんだ こら!」

鉄男「おい! いつから そんな腐った男になった!?」

犬井「おいおい…。」

鉄男「おい!」

犬井「おい…。 いてっ! 何すんだ この野郎!」

鉄男「おめえ… いつまでも ひねくれてんじゃねえぞ! ハアハア…。 おい!」

犬井「おうおう…。」

鉄男「何とか言えよ。」

その場を去る久志

鉄男「くそっ!」

回想

「戦争の歌なんか歌って あんたんとこの せがれは 戦犯みてえなもんだよって…。」

久志「あ~。 ハア… ハア。」

古山家
寝室

(戸をたたく音)

音「うん?」

裕一「んっ… んん…。」

玄関

裕一「はい。 誰だろう? こんな早くに。 はい。」

藤丸「ハアハア…。」

音「藤丸さん!」

裕一「どうして… えっ?」

藤丸「あの… 久志さん 来てませんか?」

裕一「来てないよ。 どうしたの?」

藤丸「いなくなったんです。」

裕一「えっ!?」

藤丸「差し入れを持っていったら… 倒れ込んでいて…。」

回想

久志「(せきこみ)」

藤丸「ちょっと! 何!?」

久志(せきこみ)」

犬井「お酒… すぐやめないと 死ぬぞ。」

久志「構わないよ。 この世に特に未練もないし。」

藤丸「心配なんで 朝まで付き添ってたんだけど ちょっと目を離した隙に 姿 消して…。」

藤丸「まさか あの人 変なこと考えてるんじゃ…。」

裕一「捜してくる。」

音「鉄男さんも呼びましょうか?」

裕一「頼む。 藤丸さん 大丈夫だからね。」

(戸を開く音)

闇市

裕一「久志… 久志! 久志! 久志…。 いた?」

鉄男「いや…。 俺 もう一回 あっち見てくるわ。」

長屋

藤丸「何だか もう… 疲れちゃった。 彼に関わってても すり減るばっかり。 でも 見捨てることできない。 バカよね。 私が あの人のこと 駄目にしちゃったのかな?」

音「そんなことんな。 藤丸さんがいなかったら 久志さん 今頃 どうなってたか。 ほかに どこか 久志さんが行きそうな所 心当たり ありませんか?」

藤丸「こっちの友達とは縁を切ってるい… お母さんも 随分前に亡くなって もう福島に帰ることはない…。 あっ!」

闇市

裕一「すいません…。 すいません!」

関「何だよ うるせえな~。」

裕一「すいません あの… 久志 見ませんでしたか?」

関「ああ?」

裕一「あの ほら… いつも一緒に マージャンしてる…。」

関「朝方 駅の方で見たな。」

裕一「駅?」

関「うん。」

裕一「駅…。」

音「やっぱり…。」

裕一「うん?」

藤丸「あの人 福島に行ったのかも。」

裕一「福島?」

藤丸「この前 酔っ払いながら言ってたの。 もうすぐ お父さん亡くなって1年だって。」

福島

裕一「あっ… すいません。 あの この辺りに 昔 議員してた佐藤さんのお宅 あったと思うんですけど…。」

「あ~… 佐藤さんげなら 随分前に 引っ越していきましたよ。」

裕一「どの辺りか ご存じですか?」

佐藤家

(戸をたたく音)

久志「どうして ここが?」

裕一「昔 久志が住んでた家の ご近所さんに聞いた。 今日が お父さんの命日だってこと。」

久志「ご近所さんね…。 あの人たち お父さんの一周忌だっていうのに 誰一人 来やしない。 はあ… 人間って怖いよな。 父さんは自分の利益なんて二の次で いつも 人のこと 一番に考える人だったのに…。 僕が東京で音楽やりたいって言った時も 頑張れって送り出してくれた。 だから… デビューも 喜んでくれてるものだと思ってたから…。」

回想

「気の毒にな…。 心労がたたったんだべ。」

「久志君のことでも何だかんだ言われで。」

「戦争の歌なんか歌って あんたんとこの せがれは 戦犯みてえなもんだよって 随分 悪口言わっちだったんだわ。」

「久志君も 歌手なんてやんねえで こっちで お父ちゃんの跡継いでたら こだことには なんねかったんじゃねえかな。」

「んだからよ。 一人息子だからって 好き勝手させっから。」

「ほだな…。」

久志「僕が選んだ道が 父さん 苦しめた。 分からなくなったんだ。 どうやって生きていったらいいか。」

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