ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第101話「プロダクション旗揚げ」

あらすじ

アシスタント、出版社の原稿取り、経理を担当する佐知子(愛華みれ)と、にわかに人が増えた村井家は毎日が大騒ぎだった。「このままでは仕事にならない」と、業を煮やした茂(向井理)は、執筆の環境を整えるために家を改築することを宣言。仕事に明け暮れる日々のなか、家の改築工事も猛スピードで進む。一方、安来の源兵衛(大杉漣)は身重の布美枝(松下奈緒)のことを考え、あることを思いつく。

101話ネタバレ

水木家

(電話の呼び鈴)

居間

布美枝「はい 村井でございます。 あ 水木プロダクションでございます。 少々 お待ち下さい。 お父ちゃん 『マンガセブン』さんから電話です。」

茂「あ 今 行く。」

北村 編集者「先生!」

茂「姉さんに出てもらってくれ。」

布美枝「お姉さん お願いします。」

佐知子「『マンガセブン』さん? 入金の事かしら? お電話 代わりました。 あ~ もう お世話になってます。 ええ もうちょっとで。 はい。」

北村「いや~ 今日は むしますね。」

編集者「梅雨時に このうちで 待たされるのは かないませんよ。」

佐知子「もうしばらくです。 2~3日 待って頂いたら。」

菅井「あ! しまった!」

倉田「失敗したら あかんで。 もう時間ないんやから。」

菅井「分かってるよ。」

茂「よし 出来た!」

倉田「北村さん お待たせしました。」

北村「ちょうだいします。 ほう! すごい迫力ですね 先生! ありがとうございました! では お先に失礼! じゃあ。 危ない!」

(藍子の泣き声)

布美枝「ほらほら 痛くないの 痛くないの。」

北村「すいません 大丈夫ですか?」

布美枝「平気です。 ちょっと びっくりしただけです。」

北村「ごめんね。」

菅井「あ!」

(藍子の泣き声)

布美枝「泣かないで! お父ちゃん お仕事してるから。」

(電話の呼び鈴)

布美枝「あ お姉さん すいません。 ちょっと 出て頂いて。」

佐知子「今 手 離せないから!」

茂「暑い 狭い うるさい! これでは 仕事にならん!」

<アシスタント 原稿取り 経理の佐知子 にわかに人が増えた村井家では 毎日が こんな騒ぎでした>

(かえるの鳴き声)

仕事部屋

布美枝「お父ちゃん? 今夜も 朝まで お仕事ですか? 夜食 作りましょうか? おそばにします? お父ちゃん?」

茂「よし! 決めたぞ これでいく!」

布美枝「え?」

茂「何だ お前 おったのか?」

布美枝「決めたって 何を決めたんです?」

茂「これ 見てみろ。」

布美枝「何ですか? これ。」

茂「家の図面だ。」

布美枝「誰の家?」

茂「うちに決まっとるんだろう。」

布美枝「え?!」

茂「そこの裏側 少し空いとるだろう? そこ使って 家を改築するぞ。」

布美枝「改築って うちには そげな余裕は まだ ありません!」

茂「いや こんな狭い家に プロダクションを作ったのが そもそもの間違いだ。 このままでは 仕事が進まん まず 改築だ。 ふん!」

布美枝「はあ…。」

茂「ここにも 扉がいるだろ…。」

玄関前

茂「ここに こう 建て増ししてですな 扉をつけたら ええと思うんだが。」

石田「それじゃ 開けたら 目の前 階段ですよ。」

茂「いけんかなあ。 だったら ここを こっちへ 繋げてしまって。」

石田「ここを?」

茂「うん。 そう。」

石田「う~ん。」

茂「だったら…。」

北村「先生! そろそろ 仕事に戻って下さいよ!」

茂「ああ 分かった。」

北村「締め切りが…。」

茂「ちょっこし 待っとってくれ。」

<何事も 凝りだすと 止まらなくなる茂。 今度は 家の改築熱に 火がついたようです>

(建築の音)

居間

布美枝「大工さん達 そろそろ 休憩かな?」

菅井「『マンガセブン』に 原稿 届けてきます。」

布美枝「行ってらっしゃい!」

石田「ちょっと 中 お邪魔しますよ。 にいさん 邪魔だなあ! おい!」

菅井「すいません。」

<漫画の仕事が途切れなく続く中 改築工事は 猛スピードで進みました>

玄関前

<ご覧ください。 調布の家は すっかり 様変わりしました>

菅井「はい 撮ります! うわっ!」

(セミの鳴き声)

仕事部屋

(ペンを走らせる音)

(電話の呼び鈴)

佐知子「はい 水木プロダクションでございます。」

北村「失礼しま~す! 先生 随分きれいになりましたね。」

茂「あんた こんな時間に来ても 原稿 上がっておれんよ。」

北村「いや 今日は 先に これを届けに。 遅くなりましたけど 改築のお祝いです。 おめでとうございます!」

茂「お~ きれいだな どうも。 そこ 置いといて下さい。」

北村「はい。」

台所

(風鈴の音)

布美枝「どこだったかいな? 角砂糖の買い置き あったはずなんだけどな。」

佐知子「布美枝さん 私 今日は これで。」

布美枝「お疲れさまです。 今 コーヒー いれますけん。」

佐知子「いいわ 帰って 夕飯の支度しなきゃ。 あ~ ほんとに きれいになったわね。」

布美枝「ええ。 まだ よその家みたいで 落ち着かんです。 こんなに きれいな台所 作ってもらったんですけん 張り切って 料理作らんと いけませんね。」

佐知子「ダメダメ! 大事な時なんだから。 言っちゃ 何だけど 布美枝さんも 34でしょ。 気をつけないとね。」

布美枝「はい。」

佐知子「茂さん 今度は 男の子かなあって 楽しみにしてたわよ。」

布美枝「あら お姉さんに そげな事?」

佐知子「うん。 それじゃ また明日。」

布美枝「お疲れさまでした。」

佐知子「どうも!」

布美枝「動かないのは かえって よくないのよね~。 角砂糖…。 どこにしまったかいな?」

回想

布美枝「何もないなあ。 男の人の独り住まいって こげなもんなのかなあ。」

回想終了

布美枝「あの時は あんまりにも 何もなくて 驚いたっけ。」

茂「何一人で ニヤニヤしとるんだ?」

布美枝「今 コーヒー 持って行きます。」

茂「うん。 今日は 徹夜になるけん 後で 夜食の出前 頼むな。」

布美枝「何にしましょう? 洋食 中華 おそば…。」

茂「中華にするか。」

布美枝「ほんなら 幸洋軒さんに ギョーザとチャーハン 頼んでおきましょうか?」

茂「いやいやいや あそこのギョーザは 小さいで いけん もっと まるまると太って キャベツがたっぷり入っとった方が…。 作ってくれ。 あの太ったギョーザ。 みんな喜ぶ。」

布美枝「はい。」

茂「あっ 北村さんの分まで 勘定に入れて作れよ。」

布美枝「一緒に徹夜ですか?」

茂「うん。 原稿の上がったとこから ネームの写植 貼っとるわ。 なかなか 器用なもんだなあ。 うちのカンピョウ君より ずっと 使えるぞ。」

布美枝「あらま…。」

藍子「お父ちゃん!」

茂「漫画 読んどるのか?」

藍子「うん!」

茂「藍子は 賢いなあ!」

布美枝「肩 凝っとるの? 湿布 貼ろうか? 湿布どこだったかな。」

茂「まあ ええわ。 何ともない。」

布美枝「父ちゃん 徹夜 徹夜で 頑張っとるけど 大丈夫なのかなあ。 よし うんと ギョーザ サービスしよう! 1人 10個は 食べるとしても…。 ん? 1 2 3…。」

すずらん商店街

(商店街の賑わい)

乾物屋

布美枝「こんにちは!」

和枝「すごい荷物 どうしたの?」

布美枝「ちょっと お貸して下さい。」

和枝「どうぞ。」

布美枝「あと 買う物は 干しシイタケとイリコと…。 あ… せっけん忘れた。」

和枝「えっ… まだ買うの?」

布美枝「人が増えたもんですけん ちり紙でも せっけんでも すぐに なくなってしまって。」

和枝「人 使うのも ご苦労だね。 みんなの食事 布美枝ちゃんが 作ってんの?」

布美枝「夜食をたまに。 店屋物ばかりだと 飽きてしまうので。」

和枝「まあ 商売繁盛で 何よりだ。 稼いでもらわなきゃ困るもんねえ。 家 直すのだって 随分 お金かかったでしょう?」

布美枝「はい。 やっと 一息つけると思ったら また節約で。 これ 下さい。」

和枝「毎度どうも。 ねえ この荷物 ここ置いときなよ。 後で うちの亭主に 車で運ばせるからさ。」

布美枝「いや シイタケ買ったぐらいで そんな。」

和枝「いいってば。 大事にしなきゃ ダメな時でしょう?」

布美枝「すいません。 ほんなら お言葉に甘えて。」

和枝「布美枝ちゃんち 遠いからねえ。 お腹が大きいうちは 自転車も乗れなくて大変だ。」

布美枝「そうなんです。」

和枝「あっ! 車 買ったらどう? 買い物 便利になるよ。」

布美枝「いや… でも私 運転できませんし。」

和枝「取ったらいいじゃない。 免許くらい。 今は 3Cの時代なんだからさ。」

布美枝「あ… カー!」

和枝「クーラー!」

布美枝「カラーテレビ! うちは 一つも 持っとらん。」

和枝「こっちも 商売用のカーしかない。 お互い 遅れてるね。 まあ 車は ともかく 誰か頼んどいた方がいいよ。 赤ちゃん 生まれるっていうのに 1人じゃ どうにも なんないでしょう。」

布美枝「そうですねえ。」

<臨月が近づいたら 姉の暁子に応援を頼もうかと 布美枝も 考えていたところでした。 ところが…>

飯田家

源兵衛「おい 見てみ! なかなか 立派になっちょ~わ。 改築して がいに住みやすくなったげな。 お腹の子も順調だと書いちょ~ぞ。」

ミヤコ「お父さん。 私 東京行ってもええでしょうか?」

源兵衛「え?」

ミヤコ「藍子も まだ小さく この上 赤ん坊が生まれるのでは 布美枝1人では どげだいなりませんがね。」

源兵衛「いや 『心配いらん』と 書いて よこしちょ~ぞ。 それに 東京には 暁子もろうだねか。」

ミヤコ「けど 暁子から電話があって 塚本さんの仕事の都合で しばらく 東京を離れる 言っとりました。」

源兵衛「何だ 間が悪いのう。」

ミヤコ「人を頼むと言っても 布美枝の気性では かえって気を遣って 苦労するかもしれんですけんね。 (ため息)  ここ一番いう時ですけん やっぱり 母親の私が 東京へ行って…。 」

源兵衛「お前が行って どげする。 布美枝の足手まといにな~わ!」

ミヤコ「いや けど…。」

源兵衛「よし! 決めた。 わしに 考えがある。」

ミヤコ「お父さん?」

<源兵衛に 妙案が ひらめいたようです>

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