ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第17話「たった五日で花嫁に」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】17話のネタバレです。

あらすじ

布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の結婚式は、見合いの日からわずか5日後の1月30日に決まった。異例のスピード結婚となったため、布美枝と源兵衛(大杉漣)、ミヤコ(古手川祐子)は慌ただしく準備を進める。姉のユキエ(星野真里)と子どものころの思い出に浸る布美枝と、母・絹代(竹下景子)から自分が幼いころの話を聞かされる茂。それぞれの家庭に、結婚式を目前に控えての感慨があった。

17話ネタバレ

飯田家

玄関前

留蔵「あ お帰り。 うまい事 まとまったらしいね 昨日のお見合い。」

ミヤコ「お陰さんで。」

克子「いっぱい 買い物してきなったね。 もう 嫁入りの支度かね。」

ミヤコ「そげだがね。 今 米子の美容院で かつら合わせに行ってきて。」

克子「かつら合わせ? 昨日 見合いして もう?」

ミヤコ「式が 30日だけん もう せわしなくて かなわんがね!」

留蔵「今日が 26日だが…。 30日って? 4日後だがね!」

居間

ミヤコ「まだまだ 足らんね。」

布美枝「うん。」

ミヤコ「もう一遍 米子の伯宝屋に 行ってこな いけんね。」

布美枝「お母さんは ええよ。 無理したら また リューマチが出~だけん。」

ミヤコ「でも あんた 明日は 結納だけん 今日中に 買い物 済ましておかんと。」

布美枝「自分で行ってく~けん ええよ。」

ミヤコ「嫁入り道具を 自分で買うもんが お~かね?」

源兵衛「蔵の中に しまってあったけん 物を詰める前に よう干さないけんぞ!」

ミヤコ「お父さん タンスは どげしましょう?」

源兵衛「タンス?」

ミヤコ「あと 鏡台と ミシンも。」

源兵衛「家の様子も分からんし 向こうで買えば ええが。」

ミヤコ「ユキエの婚礼の時は 戦争中で ろくに 支度も してやれんかったけん 布美枝の時こそはと 思うちょったんですけど。」

源兵衛「ぐちぐち言うな!」

ミヤコ「食器も そろえんと いけんね? そこの瀬戸物屋に行って 見繕ってきましょうかね?」

布美枝「割れるといけんし 向こうで そろえるから ええよ。」

ミヤコ「布団は どげしましょう? あと 座布団もいるね。 え~っと そろってるもんと 足りないもんと…。 もう。 一遍 紙に書かんと 分からなくなってきたわ!」

源兵衛「お前が舞い上がって どげするだ! 落ち着け! あ~! 鍋と釜は どげするだ?」

ミヤコ「それは まだ。」

源兵衛「男所帯だけん ろくな台所道具が ねえかもしれんぞ。」

ミヤコ「そげですね 角の荒物屋に行って。」

布美枝「あ~ ええよ! 当座のもんだけ そろってれば 後は なんとかなるけん。」

ユキエ「あらまあ 大騒ぎだね!」

布美枝「姉ちゃん!」

ユキエ「これ持ってきた 座布団カバー。 嫁入り道具に どげかね?」

3人「だんだん!」

2階

ユキエ「お母さん達 かわいそうに。 すっかり 慌てて。 なんぼなんでも スピード婚すぎるがね。」

布美枝「結婚するって決めたら 5日後でも 半年後でも 同じ事だけん。」

ユキエ「フミちゃんて いざとなると 大胆なとこあるよね。 子供の時からだけど。」

布美枝「時間があったら くよくよ考えて 気持ちが揺らぐでしょう。 このスピードが かえって ええのかもしれんね?」

ユキエ「けど よう決心したもんだわ。」

布美枝「うん。」

ユキエ「村井 茂いう人 ええ人なの? 分かっとるだろうけど 東京に行ったら そうそう 里帰りもできんよ。」

布美枝「一遍 会っただけで ほんとに ええかどうかは 分からん。 でも… もっと 知りたい 気がしたの。 もう一度 会ってみたい 話してみたいって。 ちっと 変わった人みたいだけど それも 面白いかもしれんでしょ。」

ユキエ「面白いか…。 それなら ええかもしれんね。 あれ? この年季の入っとる針箱 私が嫁入り前に 使っとったのじゃない?」

布美枝「愛用しとるよ。 東京にも 持っていくよ。」

ユキエ「言ってくれたら 新しいの プレゼントしたのに! あ これ…。 まだ 持っとったんだ。」

布美枝「うん。 懐かしいな…。」

回想

ユキエ「知らない町 大塚とは違う世界…。 フミちゃんも 行ってみたいと思わん?」

布美枝「私 大塚でいい。 知らんとこは 怖いもん。」

ユキエ「私は 行ってみたいな。」

回想終了

ユキエ「昔 言ってた事とは 反対になったね。 遠くに 行きたかった私が 地元に住み着いて 大塚がええと 言っていた フミちゃんが 東京に行く。」

布美枝「遠くに行きたかったって 今でも思う?」

ユキエ「思うよ。 でも こっちで結婚して よかったって 思う事もある。 どっちがよかったか 考えても 答えは ないけんね。 選んだ道で 一生懸命 やっていくしかないわ。 フミちゃんも しっかりな。」

布美枝「うん。」

村井家

昭和三六年 一月二十八日

谷岡「ご結納の品々 確かに お預かりしました。 では めでたく 行って参ります!」

修平「お取次ぎのほど よろしゅう お願い申し上げます。」

飯田家

谷岡「本日は お日柄もよく 誠に おめでとう存じます。 村井様からの結納を お納め頂きたく 参上致しました。 幾久しゅう お納め下さい。」

<昭和36年 1月28日 大安。 めでたく 結納の品々が 納められました>

源兵衛「ありがとうございます。 幾久しゅう お受け致します。」

布美枝「幾久しゅう お受け致します。」

村井家

居間

絹代「『仕出し料理の手配』は これで済んだし。『しげさんの貸衣裳』も 頼んだしと。 あ! 松江のおじさん 婚礼に来る 言ってましたか?」

修平「いや 来られんそうだ。」

絹代「早こと 言って下さいよ。 料理を1つ 減らさにゃ いけん。 雄一達は 来れんし 光男が来て…。 あ! 米子のおばさんは 大丈夫ですかね?」

修平「う~ん。」

絹代「もう! 新聞ばっかり 見とらんで ちっとは 協力して下さい!」

修平「お前が 全部 仕切っとるんだ。 わしが 口を出す事は なかろう。」

絹代「うん!(舌打ち) 茂は 何 しとるんですか! ほんとに もう 自分の婚礼だというのに!」

修平「部屋で 漫画の構想を練っとるんやろ。 アイデアに苦しんどるけん 幾つか ストーリーを提供してきたわ。」

絹代「あんたのアイデアなんぞ 茂の役に立つもんだろうか?」

修平「わしの ここには 古今東西の映画 歌舞伎 落語に文学 あらゆるストーリーが 詰まっておるのだぞ。 アイデアは 湯水のように 出てくるわ。」

絹代「一文にもならんもんに お金を つぎ込んできたんですけん 茂の役に立ってもらわんと 元が取れません! あ~! 忙しい 忙しい!」

修平「東京では 通勤ラッシュで けが人が出とるのか。」

<修平は 昔から 映画や芝居が大好きで かつては 自分で 映画館を 開いた事もあるほどです>

2階

茂「うん… 『吸血鬼』 『ハムレットのおやじの幽霊』 『人造人間』…。 どれも 使い古されとるなあ。」

<茂の周りには いつも 修平が愛読する 映画や 芝居の雑誌がありました>

絹代「しげさん! 仕事しちょ~かと思ったら のんきに 寝てござるわ!」

茂「うるさいなあ! 今 考えとるとこだけん ほっといてくれ。」

絹代「これ 式の時の下着と靴下 一そろい 新しいの買ってきた。」

茂「どうせ 貸衣裳を着るんだけん 中は 何でも分からんだろうが。」

絹代「何 言ってるの! 男は ここ一番という時は さらしを 一本 切って 新しいフンドシを 締めるもんだわ!」

茂「戦に行く訳でもあるまいし。」

絹代「花嫁を見てごらん。 みんな 帯に 懐剣を挟んどるでしょう。 婚礼いうのは 戦に行く覚悟でするもんだ!」

茂「それにしちゃ ご都合主義の急展開だな。」

絹代「息子に 古い下着を着せて 婚礼させるような 恥ずかしいまねは できんけん やせても枯れても 名字帯刀御免の家から 嫁いできたんだけんね!」

<母 絹代の自慢は 実家が 名字帯刀を許された 大庄屋だった事でした>

絹代「破れとるわ 縫うけん 脱ぎなさい。 ほれほれ!」

茂「後でええ。 脱いだら寒い。」

<もっとも 村井家に嫁いできた頃には 名字帯刀御免の家は すっかり 没落していたようです>

絹代「これ!」

茂「ん? あっ! 昔 俺が描いとった絵 よう 残っとったなあ! ハハハ! 戦争中の建物疎開で みんな なくなったと 思っとったのに。 はあ~ ハハハ! こんな絵 よう描いたわ!」

絹代「暇さえあれば 絵ばっかり 描いて。 あとは けんかしちょ~か 食べちょ~か。 勉強しとるとこは 見た事がない。」

茂「あ! これ。 昔 寺で見た地獄絵だ。」

絹代「ああ 気味悪い。 あんた 昔から こげなものが 好きで 変わっとったわ。」

茂「あ! 主人公が気づかんうちに 地獄をさまよっとるいう話は どげだろう。 うん。」

絹代「しげさん 靴下 ほら しげさん!」

飯田家

ミヤコ「ほんとに 当座のものしか 入れられんね。 着物は 前に作ったもんばっかりやし。」

布美枝「ええよ 東京には 暁子姉ちゃんしか 知り合いおらんし 着ていく先も ないかもしれんしね。」

ミヤコ「暁子 結婚式には 出れんけど あんたが東京に来たら 力になる言うとったよ。」

布美枝「心強いけど 姉ちゃんも 自分の家庭があるけんね。 どげしたの?」

ミヤコ「まさか あんたを 東京にやるとは 思わんかった。 うちで 一番 長い事おった娘だけん。 嫁に行っても いつまでも近くにおって いつでも会える。 そげ思うとった。」

布美枝「お母さん…。」

ミヤコ「私が いけんかったねえ。 あんたが 家のために 一生懸命 やってる事を当てにして…。 もっと 早こと嫁に出しとったら 近くに ええご縁が あったかもしれんのにね。」

布美枝「そげな事 言わんで。 いやいや 嫁に行く訳じゃないんだけん。」

ミヤコ「そげだね。 おかしな事 言って ごめんね。 愚痴だわ。 お母さんの愚痴。 近くにおったら してやれる事も 東京に行ったら 何もしてやれん。」

布美枝「…お母さん。」

ミヤコ「これ 少し地味かもしれんけど。」

布美枝「これ お母さんが縫ってくれたの?」

ミヤコ「そげだよ。 青海波の波の模様には 日々の暮らしが 静かな海のように いつまでも続く いう意味があんだよ。」

布美枝「いつ縫ったの? 夜なべしたの?」

ミヤコ「何枚も 何枚も 持たしてやりたかったけど…。 結局 一枚しか作れんかった。」

布美枝「無理したら また リューマチ出るよ。」

ミヤコ「うん。」

布美枝「痛くなっても もう お灸 据えに あげには 来られんよ。」

ミヤコ「人の心配は ええけん。」

(すすり泣き)

ミヤコ「体に 気ぃつけてな。 元気で いなさいよ。 ね!」

布美枝「ありがとう。」

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