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連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第20話「さよなら故郷(ふるさと)」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】20話のネタバレです。

あらすじ

結婚式の席上で、緊張した布美枝(松下奈緒)とは対照的に、茂(向井理)はおならをしたり、飲めない酒を飲んでひっくり返ってしまったりと、何かと型破りだった。式が終わり、布美枝と茂は境港の村井家へ。絹代(竹下景子)から布美枝はあらためて「茂のことをよろしく」と頼まれる。

20話ネタバレ

式場

(おならの音)

布美枝「え~っ?!」

(一同のざわめき)

輝子「今の もしかして…。」

ユキエ「おなら?」

絹代「…だらず息子が!」

(一同のざわめき)

修平「(せきばらい)今の音色は 鶯の谷渡り。 いや 空に輪を描く鳶の一声 といったとこですかなあ! 昔の江戸には がいな おならの名人がおりまして それこそ 犬の鳴き声から 花火の響き 果ては 浄瑠璃まで 屁をもって 鳴らして聞かせたそうですわ! 茂なんぞは まだまだ 素人芸の域ですなあ! わはは!」

(一同の笑い声)

茂「いや 失礼しました。 ふだんから 出るもんを 我慢せん事にしとると こげな席でも つい やってしまうもんですな。 ハハハ!」

布美枝「ハハハ…。」

<何とも 型破りな 花婿でした。 けれど 飄々とした様子が 妙に おかしく 不思議と 嫌な気持ちには なりませんでした>

横山「この度は おめでとうございます。 布美枝の義理の兄で 横山いいますけん。 フミちゃん おめでとう!」

布美枝「ありがとうございます。」

横山「まあ ひとつ やってごしなさいませ。」

茂「ありがとうございます。」

横山「ぐっと やってごしない。 飯田の父が 張り切って 良い酒を そろえたと言ってましたけん。 いけると思いますわ。」

茂「はい。 はい。」

横山「あ お仲人さんも どうぞ。」

谷岡「これは これは。」

布美枝「大丈夫なんですか?」

茂「何がですか?」

布美枝「お酒 飲めないんじゃ?」

茂「ああ まあ 大丈夫でしょう。」

布美枝「え?」

絹代「あれあれ? 茂が飲んどる。」

光男「兄貴 大丈夫か?」

絹代「ダメ!」

布美枝「お母さんが。」

修平「ダメ!」

茂「ああ…。」

布美枝「あんまり 無理せんで下さいね。」

茂「でも 断るのは 悪いですけん。」

横山「さ さ どんどんやってごしない! さ さ!」

(笑い声)

絹代「先程は 茂が粗相をいたしまして!」

源兵衛「いやいや 『出物腫れ物 所嫌わず』といいますけん。」

修平「そげです。 偉い医者や 学者達も 昔から おならの 効用を説いちょります。」

源兵衛「ほう?」

修平「かのサレルノは 『養生訓』の中で おならを我慢する事を禁じ ローマ皇帝の中には 食事中には 食事中の屁を許可する声明を 出した者がおります。」

源兵衛「声明を?」

絹代「ええ加減に。」

修平「すなわち 養生の秘訣は 『勝手放題に おならをする事にあり』ですな!」

源兵衛「奥の深いもんですな。」

修平「人生 養生が第一ですわ。 ははは!」

絹代「すんません!」

源兵衛「あ いやいや。」

絹代「つまらん事ばっかり言って。」

源兵衛「なあ。」

ミヤコ「うん。」

布美枝「大丈夫ですか? ひどい脂汗。」

茂「ちょっこし 失礼して。」

源兵衛「皆さん! え~ 本日は 遠路 お運び頂き 誠に ありがとうございます。 せん越では ありますが ここで 2人への はなむけに ひと節 歌わせて頂きます。」

布美枝「お父さん?」

(拍手)

源兵衛♬『安来 千軒 名の出たところ 社日桜に 十神山』

哲也「俺 おやじが歌うの聴くの 初めてだ。」

ユキエ「私は 聴いた事ある。 ず~っと 昔だけど。」

源兵衛♬『荷物にならぬ』

回想

♬『聞いてお帰り 安来節』

回想終了

源兵衛♬『めでためでたの 若松様よ 枝も栄えて 葉もしげる』

(拍手)

絹代「あ! しげさんが…。」

布美枝「あっ!」

絹代「あ~っ! 茂!」

茂「水… 水くれ。 気持ち悪い。」

布美枝「だけん 無理せんでって 言ったのに…。」

<勧められるまま 飲めない酒を飲んで 花婿は すっかり 酔いつぶれてしまいました>

布美枝「大丈夫ですか?」

横山「悪い事したな 酒が飲めん事 知らんかったもんだけん。」

輝子「飲む方が 悪いわね。 布美枝 ほんに あの人と やっていけるのかねえ。」

哲也「今 そげな事 言っても。」

輝子「だけん 私は 見合いの話が 来た時から 反対しとったのよ!」

哲也「けど おやじは 村井さんの事 見込んどるし 布美枝も決心して 嫁に行くんだけんな。」

ユキエ「そげだわ。 叔母ちゃん 布美枝が不安になるような事 言わんでね。」

輝子「分かっとる。 だけん あれでは 嫁に出しても 安心できんがね。」

ミヤコ「ほんとに 大丈夫かねえ。」

布美枝「お母さん。」

ミヤコ「あ ごめん。 変な事 言って。」

布美枝「ううん。 あの人 悪い人でないわ。」

ミヤコ「ん?」

布美枝「お父さんの歌が 始まる前から 青くなっとったのよ 脂汗流して。」

ミヤコ「あら。」

布美枝「途中で 席 立ったら悪いと思って 歌が終わるまで 我慢しちょったんだわ。 お父さんに 気ぃ遣ってくれたんじゃないかな。」

ミヤコ「そげかね。」

布美枝「うん。」

ミヤコ「うん。」

<型破りな花婿の言動に 布美枝も 本当は 驚いていたのです。 けれど それを 口にしても 家族に 心配をかけるだけだと いう事も よく分かっていました>

<婚礼の夜 布美枝は 境港の村井家に 泊まり 翌朝 茂と 東京に向かう事に なっていました>

修平「それでは 先に 失礼さしてもらいますけん。」

源兵衛「何かと よろしくお願いします。」

絹代「それじゃ。」

布美枝「行ってきます。」

源兵衛「うん。」

茂「(うめき声)」

村井家

茂「ああ… 気分 悪い。」

布美枝「大丈夫ですか?」

茂「俺 ちょっと 横になってくるわ。」

布美枝「え?」

布美枝「すいません。」

修平「いや…。 (ため息)」

絹代「さあさ! 布美枝さん お腹 すいたでしょう。 ああ! ええけん ええけん 花嫁さんは 1日 何も 食べられんけん。 どうぞ 召し上がれ。」

布美枝「ありがとうございます。」

修平「婚礼の晩に 芋はなかろう? 他に ごちそうはないのか?」

絹代「ええんです。 茂は 子供の頃から 芋が大好きでね。 毎日 釜いっぱい ふかして おやつに 食べさせたんだわ。 南方から復員してきた日も 芋を いっぱい ふかして 待っとったのよ。 だけん 今日は どげな ごちそうよりも ふかし芋が ええと思って。」

布美枝「はい。」

絹代「これ 復員してくる前に 茂が送ってきた 葉書。 片腕で戻って 驚かしたらいけんと思って 先に 知らせてきたんだわ。」

修平「命を落とした人も いっぱい おるのだけん 生きて戻っただけでも幸運だと わしは 思うとる。」

絹代「茂を よろしく頼みますね。 あげな息子だけど 仲よくやってごしなさいね。」

布美枝「はい。」

絹代「よろしくお願いします!」

布美枝「こちらこそ ふつつかな嫁ですが 末永く よろしくお願いいたします。」

絹代「末永く!」

布美枝「こちらこそ!」

絹代「どうか どうか!」

修平「おう! 2人とも ええ加減にせえ。 (笑い声)」

絹代「さあ さあ 食べて 食べて!」

布美枝「はい。」

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