ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第24話「さよなら故郷(ふるさと)」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】24話のネタバレです。

あらすじ

茂(向井理)が布美枝(松下奈緒)を招き入れたのは、おんぼろの一軒家だった。以前に見た写真から、瀟洒(しょうしゃ)な家を想像していた布美枝だったが、実際の家は予想とはかけ離れたものだった。しかも、茂は仕事部屋に閉じこもってしまい、茂の兄の雄一(大倉孝二)がやってきたり、集金人が押しかけてきたりと、布美枝は戸惑うことばかりで…。

24話ネタバレ

水木家

布美枝「嘘でしょ…。」

<そこは 大変な ボロ家でした>

運転手「奥さん お姉様に 何か お伝えしましょうか?」

布美枝「あ! あ… 姉には 後から連絡しますけん。」

運転手「承知しました。 どうぞ お幸せに。」

布美枝「はい… ありがとうございました。」

(門戸を開ける音)

運転手「結構な お住まいで…。」

(小鳥のさえずり)

茂「え~ ここが 居間兼 台所。 で 奥が 僕の仕事部屋です。」

茂「便所は こっちです。 荷物 置いて下さい。 え~っと ここが 便所。 風呂場も 奥に あります。」

布美枝「はい。」

茂「2階に行きましょう。 上には 2部屋ありまして…。 家の案内は これで終了です。 蔵も 離れも 奥座敷も ありませんけん。 迷う心配は ないですよ。」

布美枝「あっ。 これが あの出窓…?」

回想

回想終了

布美枝「写真と 何か 違う…。」

茂「ああ そうか。 ここが 売りに出た時に 不動産屋がくれた 家の写真 あれが そっちに 渡ったんですな。」

布美枝「はあ。」

茂「宣伝用ですけん 精一杯 しゃれたふうに 撮ってありましたわ。 あ~あ すごい ほこりだ!(せきこみ)」

布美枝「えっ?! お墓!」

茂「ああ 裏は 寺です。 静かで ええすよ。」

布美枝「え~っ!」

茂「こっちの部屋も 2階も 好きに使って下さい。」

布美枝「はあ 分かりました。」

茂「じゃ もうええですね。 俺は 仕事があるんで。」

布美枝「えっ…。」

茂「今 締め切りが 迫っておるんです。 この1週間の遅れを 取り戻さんと 大変な事になります!」

布美枝「あ あの…。 え~っ…。」

<予想とは かなり違う 調布の家に 戸惑う布美枝の事は そっちのけで 茂は 仕事部屋に 閉じこもってしまいました>

布美枝「ああ 何も ないなあ。 男の人の1人住まいって こげなもんなのかなあ。」

<何もかもが そろっていた 大塚の実家とは あまりに違う 調布の新居でした>

布美枝「比べたら いけん…。 ここから 自分で作っていけば いいんだけん。 寒い…。 石油が ない!」

布美枝「あの~。」

(ペンを走らせる音)

布美枝「後にするか…。」

布美枝「フライパン 鍋 お玉 菜箸 ザル大小 お皿… あ! おみそ。」

(ノック)

「お~い。 おるか?」

(ノック)

布美枝「すんません。 お客さんですよ。 あの~ お客さんですよ!」

茂「客? 誰だ…。」

布美枝「私 誰が 誰か 分からんので ちょっと 出てみて下さい。」

茂「チョ チョッと… 声を出したら いかん。 おらん振りをしなさい。」

布美枝「えっ?」

茂「集金かもしれん。 今日 来られても どうにもならん。」

(ノック)

茂「し~っ。」

(ノック)

雄一「茂~ おらんのか? 俺だ。」

茂「あ 何だ 兄貴か…。」

布美枝「あ…。」

雄一「いや~ 大変だったでしょう。 1週間で 見合いして 結婚式 挙げて 嫁さんまで 連れて帰ってくるとは 僕も 驚きですわ。 ハハハ。」

布美枝「いいえ。 どうぞ よろしくお願いします。」

雄一「いや これは どうも。」

茂「これ おかげで 助かったわ。」

雄一「うん。」

布美枝「あ! 今 お茶 入れます。」

雄一「どうも すみません。」

布美枝「茶筒は… あ! あった。 …ない!」

雄一「背広と ワイシャツと…。 おう! このネクタイは お前のだ。」

茂「あ いかん。 大事な財産が…。」

茂 雄一「ハハハ。」

布美枝「あれ? あの時の背広…?」

雄一「帰ってきて 早々 悪いけど 俺も 急に 背広が 入り用になってな。」

茂「仕事の話か?」

雄一「おう。 重役面接だけん。 採用で決まりだろう。 今度のとこはな 給料も しっかりしとるし うちの奴も 期待しとるんだわ。」

茂「そりゃ ええな。」

布美枝「すんません。 お茶が切れとりまして。」

雄一「あ~ いや もう! 背広を 取りにきただけだから。」

布美枝「はあ…。」

茂「これ 兄貴からの 借り着なんですわ。」

布美枝「ああ。」

雄一「茂のは よそに預けてあるんだよな。」

茂「ああ ハハハ…。」

布美枝「預けて? 直しに出しとるんですか?」

雄一「いや 銀行に預けとる。」

布美枝「銀行?!」

茂「一六銀行。」

茂 雄一「ワハハハ…。」

<一と六を足して 七屋。 一六銀行が 質屋の事だとは まだ 知らない 布美枝でした>

雄一「布美枝さん どっか出かけるとこ だったんじゃないの?」

布美枝「いいえ。」

雄一「コートを しっかり着込んでるから。」

布美枝「あ ちょっと 寒かったもんですけん。」

雄一「確かに寒いな。」

布美枝「ストーブ 石油が切れとるんです 置いてある場所を 教えてもらえたら 私 やりますけど。」

茂「石油ね…。 ま こうやって 重ね着しとれば しのげるでしょう。」

布美枝「はあ…。」

雄一「ああ 忘れてた。 これ。 ほんの 心ばかりだけど。」

茂「ああ 悪いな。」

布美枝「すんません。」

茂「こっちは 土産もなくて。」

布美枝「あそうだ…。 あの ちょっと ええですか? ちょっと…。」

茂「何です?」

布美枝「すんません。 姉が くれた おそば あちらに半分 差し上げましょうか。」

茂「おお これは ええな。 兄貴 もらいもんなんだけど 半分 兄貴のとこに。」

雄一「お~ 出雲のそばか。」

茂「あ…。」

雄一「じゃ 遠慮なく。」

布美枝「全部か…。」

雄一「布美枝さん。」

布美枝「はい。」

雄一「この近くの深大寺も そばどころなんですよ。 どっかうまい そば屋にでも 連れてってもうらうといい。 はるばる 嫁に来て 新婚旅行にも 行けないんだからね。」

布美枝「旅行は いずれ 仕事が落ち着いたら。」

雄一「ん? 落ち着いたら?」

茂「いつになるかなあ。」

茂 雄一「ワハハハハ。」

(鐘の音)

茂「わっ。 兄貴からのお祝い。 ほんに 心ばかりだな~。」

布美枝「何ですか? あら…。」

茂「兄貴 働いてた会社が倒産して 今 大変な時なんですわ。」

布美枝「『お仕事 決まりそう』って おっしゃってましたが よかったですね。」

茂「う~ん 今度は 決まるかな…?」

(ノック)

茂「何だ 忘れ物か? おお!」

電気屋「電気代の集金で~す。」

茂「今日は ちょっと 都合が悪い。」

電気屋「3か月分 たまってるんですよ。」

茂「ついでに もう1か月 ためといてくれ。」

電気屋「ダメで~す。」

茂「1週間 待ちなさい。 1週間後には 必ず。」

電気屋「もう 待てません。 『月末には払う』と言うから 私 何度も来てるのに ずっと お留守だったじゃないですか。 まさか 居留守 使ってたんじゃ?」

茂「人聞きの悪い事 言ったら いけん。 家庭の事情で 実家に戻ってたんだよ。」

ガス屋「あっ 村井さん 夜逃げしたのかと思いましたよ。 プロパンの集金です。」

水道屋「水道代 お願いします。」

茂「あっ 水道屋まで。」

ガス屋「今日という今日は もらいますよ。」

電気屋「せめて うちだけでも。」

水道屋「こっちを先に。」

茂「どこか 1か所だけ払うというのも 不公平だ。 こうしよう 今日のとこは 皆さんに 諦めて頂いて…。」

3人「ダメです!」

茂「みんなが けんかしたら いけない。 今日のところは…。」

3人「ダメです!」

布美枝「あの~ これ…。」

茂「まったく! うっかり 戸も開けられん。 すまんですな。 来た早々に。」

布美枝「いいえ。 嫁入り道具の代わりに 親が 少し持たせてくれましたけん。」

茂「あれ 仕上げて 持っていったら すぐ 金が入りますから。」

布美枝「それまでのやりくりは これで。」

飯田家

ミヤコ「暁子から 電話が あったわ。 旦那さんの会社の車で 布美枝達を 家まで 送ってくれたんだって。」

邦子「まあ そげですか。 家 どげなとこだか 言っとられました?」

ミヤコ「それが 暁子は 行っとらんのだって。 今度 見に行って 報告してくれる と言っちょった。」

邦子「フミちゃん 今頃 東京で ご飯の支度 しとるんでしょうね。」

ミヤコ「う~ん。 仲よく やってくれると ええけどねえ。」

水木家

居間

布美枝「おかず どげしよう。 お店の場所も分からんし…。」

仕事部屋

布美枝「あの… お仕事中 すんません。」

(ペンを走らせる音)

布美枝「入りますよ。」

(ペンを走らせる音)

(カラスの鳴き声)

布美枝「えっ?! 嫌! キャッ!」

<それは これまで 布美枝が 見た事もない 気味の悪い絵でした>

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