ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第34話「アシスタント一年生」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】34話のネタバレです。

あらすじ

「少年戦記の会」の怪しげな看板のせいで警察から疑われる騒動はありながらも、布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)はふたりで力を合わせて会報作りをしていた。しかしある日、浦木(杉浦太陽)の発案した通信販売の商品の粗雑さのせいで返品の山が築かれてしまい、会は頓挫することに…。

34話ネタバレ

水木家

(小鳥の鳴き声)

<戦記漫画の読者に送る 会報作りが始まりました>

居間

布美枝「これで 50枚。」

茂「ほい これも刷ってくれ。」

布美枝「はい。 何ですか?」

茂「立派な髭が 生えとるぞ。 ハッハハハハ! ハハハハ…!」

茂「ほお きれいに出来とるね。」

布美枝「そげですか?」

茂「あんたは 手先が器用だなあ。」

布美枝「え?」

茂「いや ちょっと 散歩に…。」

布美枝「『手先が器用だなあ」 だって! お世辞 言わん人が 初めて褒めてくれた!」

<茂に認めてもらえたようで 会報作りにも がぜん やる気が出てくる 布美枝でした>

玄関前

(小鳥の鳴き声)

布美枝「あれ? 誰か おる…?」

居間

布美枝「やっぱり うちを見とったのかな?」

茂「ん? どげした?」

布美枝「近頃 誰かに見られとるような気がするんです。」

茂「見られてる?」

布美枝「うちの中をのぞかれてるみたいな。」

茂「あ そういえば 俺も…。」

回想

茂「あっ 10円!」

回想終了

茂「後 つけられとったんかな?」

布美枝「気味悪い… 空き巣狙いでしょうか?」

茂「空き巣?」

布美枝「だって 家の前をウロウロ…。」

茂「空き巣が 何の用で うちに 來るんだよ? 盗られるもんないぞ。」

布美枝「まあ それは そうですけど…。」

茂「尾行される覚えも ないし… 何かの思い過ごしだろ。」

布美枝「ええ…。」

(すずめの鳴き声)

<会報『桜と錨』の第2号が出る頃には 村井家には会員からの手紙が 毎日 届くように なっていました>

布美枝「それ 全部 会員さんからの 手紙ですか?」

茂「ああ。」

布美枝「がいに来ちょりますね!」

茂「みんな 熱心に読んでくれとるよ。」

布美枝「会報 作った甲斐 ありましたね。」

茂「これで読者が増えて 通販の模型も 売れれば 一息つけるな。」

布美枝「はい!」

(置き時計の時報)

布美枝「あ そろそろ 郵便の時間。 今日も いっぱい来とるかなあ!」

玄関前

(犬のほえる声)

布美枝「あれっ…?」

(犬のほえる声)

布美枝「何しとるんですか?!」

(犬のほえる声)

布美枝「人の家の郵便受けを!」

高村「いや これは…。」

布美枝「あ あなた 前にも 家の様子を 探っとったでしょ。 何なんですか? 警察呼びますよ!」

茂「おい どげした?」

布美枝「この人 うちの 郵便受けを のぞいとったんです。」

茂「え?」

内山「おい 何をやってるんだ。」

高村「すいません。 間が悪くて。」

内山「(舌打ち)すいませんねえ 奥さん。 ちょっと 調べさせて もらいましたよ。」

茂「何ですか あんたらは。」

内山「こういうもんです。」

2人「警察…?」

玄関

内山「地域住民から 通報がありましてね。 おかしな看板が出てるが 危険な政治団体じゃないのかって。」

布美枝「政治団体?」

高村「怪しい思想集団か。」

茂「待って下さい。 そんなもんじゃありません。」

内山「市民からの通報は ほうっては おけないんでねえ。 今のところ 不審人物の 出入りは ないようですが…。」

茂「当たり前です!」

高村「しかし 近頃 妙に郵便物が多くないか?」

布美枝「ずっと探っとったんですか?!」

茂「プライバシーの侵害ですよ!」

内山「まあまあ。」

茂「これは 全部 読者からの手紙です。 『少年戦記の会』というのは 俺が描いとる漫画のファンクラブです。」

内山「適当な事 言ったらいかんぞ。」

茂「えっ…。」

高村「他に目的が あるんだろ? たかが漫画に ファンクラブだの 『戦記の会』だのと 大げさじゃないか。」

茂「たかが? 今 『たかが』と 言いましたか?!」

高村「ああ。」

茂「たかがとは何だ! 俺は 漫画を描いて 飯を食っとるんだ!」

高村「本当に描いてんのかなあ。」

茂「俺は右利きだっ! 漫画は右腕で描く!」

内山「念のために ちょっと 中を 改めさせて もらいますよ。」

茂「断る!」

高村「何か 後ろ暗い事でも あるのか!」

茂「無礼な事を言うな!」

布美枝「これです! これを 描いとるんです!」

布美枝「どうぞ。」

茂「これが会報です。 ちょうど 2号目が出来たとこで。」

内山「村井さん どっちの方に 行っておられたんですかな?」

茂「え?」

内山「これを見れば分かります。 あなた 戦地 行っておられたでしょう。」

茂「ええ。 南方です。 ラバウルに。」

内山「すると その腕は 戦地で?」

茂「…はい。」

内山「私は サイパンの陸軍部隊に おりましてねえ。 まったく こんなふうでしたよ。」

内山「おい 行くぞ。」

高村「えっ いいんですか?」

内山「漫画のファンクラブなら 別に 問題ないだろう。」

高村「しかし…。」

内山「いや もう いいんだ。 お仕事中 お邪魔しました。」

茂「はあ。 ご苦労さまでした。」

内山「しかし あの 人騒がせな看板だけは 頂けませんなあ。」

2人「はい…。」

道中

高村「しばらく 張ってみましょうか。 もう少し 調べた方が…。」

内山「いや いいだろう。 あれは まじめなもんだ。 怪しいとこは ない。」

高村「そうですかねえ!」

内山「あの漫画…。 実に よく描けてた。」

水木家

玄関前

茂「看板のせいで とんだ騒ぎだな。」

布美枝「危険な政治団体だなんて…。 警察に 連れていかれるかと 思いました。」

茂「浦木の思いつく事は どっかに落とし穴が あるなあ。」

布美枝「ええ。 でも よかったですね。」

茂「ん?」

布美枝「刑事さん達 漫画を 分かってごしなって。 一生懸命やっとる事 ちゃんと 漫画では 伝わっとるんですよ。」

茂「うん。 そげだな。 これは 割って薪にでもするか…。」

布美枝「はい。」

<それから しばらく 茂は 戦記漫画に打ち込んでいました。 会報の評判も よく 『少年戦記の会』は 順調に進んでいるようでした>

<ところが…>

富田書房

鈴木「どうも 申し訳 ありませんでした! けっ…! チッ!(ため息)」

富田「また 文句の電話か?」

鈴木「はい。 『届いた戦艦の模型が あまりにもチャチだ! 返品するから 金返せ!』って。」

富田「ふん 冗談じゃないよ!」

鈴木「それから これ。」

富田「ん? 何だい この請求書?」

鈴木「模型の会社からです。」

富田「あ~ おい! こんなに作ったのか? これ! 注文は この半分も来とらんぞ。」

鈴木「安くあげるために ロット増やしたじゃないですか! 社長と浦木さんとで。」

富田「いや! くそ~ わっ! 本は 返品されるし 模型は 売れないし。 ええ! このままじゃ うちは 大損害だろが! 浦木は どうしたんだ?」

鈴木「いや それは…。」

富田「浦木を呼びなさい! 浦木を ここへ呼べ! 浦木を呼んでこい!」

鈴木「はっ はい!」

富田「まったく! 浦木め~!」

水木家

仕事部屋

茂「墓場に 地獄の入口があって…。 そこから…。」

<戦記物の漫画を描く合間 茂は 時折 発表する当てもない 『墓場鬼太郎』の続きを 考えていました>

茂「地獄の入口…。」

布美枝「あ もう 切手がない。 失礼します。 買い物に行ってきます。」

茂「この墓場に… 地獄 地獄…。」

布美枝「また 鬼太郎の事 考えとる。」

玄関前

布美枝「あげに怖い話 あの人の どこから出てくるんだろう?」

<いつもの飄々として 朗らかな茂と 『鬼太郎』の不気味な世界。 布美枝には この2つが どうしても 結び付きません>

鈴木「あっ! 水木さんの? 水木さん いますよね! まさか 逃げてませんよね~!」

(犬のほえる声)

居間

茂「えっ 浦木が おらん?!」

鈴木「もう何日も前から 連絡が とれないんですよ!」

茂「うちにも しばらく 顔 見せてませんよ。 来とらんよな?」

布美枝「はい。」

鈴木「弱ったなあ! このままでは 私も クビかもしれない。」

茂「どげしました? 『少年戦記』は そこそこ うまく いっとるはずですが。」

布美枝「会報も続いておりますし 読者からの手紙も 毎日のように来とりますよ。」

鈴木「それで! うちも思い切って 発行部数 増やしたんですよ! ところが売れない! 取り次ぎから どっと戻ってきました。」

2人「え~っ!」

鈴木「部数 増やした分 まるまる 返品です~!」

布美枝「そんな…。」

回想

富田「会員様に受けても 売れ行きは ちっとも伸びない。 こういうのを 『マニア受け』って言うんだよ! くそ~っ! ああ~! ああ~…。」

回想終了

鈴木「通信販売の模型も さっぱりで もうかるどころか 元も取れない有様です! チャチなんですよ。 これじゃ いっぺん買った人は 二度と買いません。 浦木さん 利ざやを稼ごうとして 原価を安く叩いたようで。」

茂「あいつ また こずるい事を。」

鈴木「対応策を話し合いたくても 浦木さん 行方知れずだし!」

茂「あいつ 逃げたな…。」

布美枝「えっ!」

鈴木「『水木さんの知り合いだから 信用したのに どうしてくれるのか』と 社長 カンカンなんです!」

布美枝「え~っ!」

<『少年戦記の会』が大赤字とは 思わぬ成り行きに 言葉もない 茂と布美枝でした>

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