ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第48話「父の上京」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】48話のネタバレです。

あらすじ

布美枝(松下奈緒)は、美智子(松坂慶子)がかつて亡くした息子の面影を太一(鈴木裕樹)のなかに見ていたこと、それゆえ太一を親のように心配していたことを知る。太一は、自分が茂(向井理)の漫画に励まされていたことを布美枝たちに告げ、源兵衛(大杉漣)は茂のこと、茂を信じる布美枝のことを見直す。

48話ネタバレ

こみち書房

美智子「おいしいもん 食べさせたかった…。 『悩みはないか』って 心配したかった…!(泣き声) でも 無理なの…!(泣き声)」

美智子「ごめんなさいね。 親の まね事させてもらって 楽しかった。」

太一「おばさん…。」

美智子「でも… まね事じゃ ダメね。 かえって 嫌な思いさせた。」

キヨ「悪かったね。 私もね ホホホホ つい 孫のような気分に なっちゃって…。」

茂「あの…。 『読者の集い』 続けましょう。 あんたが 最後のお客さんです。」

茂「実家の裏の下の川に 『河童』が住んどったんですよ。 ほい。 『河童』は ええですな。 どことなく ユーモラスで のんきそうで。」

太一「俺も… 田舎のばあちゃんに よく聞きました。 『河童』の話…。」

茂「ほう。」

戌井「君 田舎は どこなの?」

太一「岩手です。 遠野の綾織。」

戌井「ああ 遠野。 古い民話が たくさん あるとこだね。」

太一「はい。 俺… こっちの生活に なじめなくて…。 田舎 帰っても 仕事ないし…。 水木先生の漫画 読んだ時… 子供の頃 ばあちゃんに聞いた 昔話を思い出したんです。 怖いのに 懐かしくて… なんだか ほっとした…。]

太一「うまく言えないけど… 生きてく支えみたいなの もらえた気がしました。 俺 先生の漫画読むの 楽しみで おばさんのお店で 借りて読むのだけが俺の支えで…。」

美智子「太一君。」

太一「なのに 俺… つまんねえ意地 張って…。 すねて ひがんで… おばさんに ひどい事 言って…。」

美智子「太一君…。」

太一「色紙… ありがとうございました。」

茂「お互い 苦戦が続きますな。」

太一「ええ。」

茂「漫画も厳しいですよ。 なかなか 売れんのですけん。 けど そう くよくよしとらんで ほがらか~にやっとれば ええんです。」

太一「はい…。」

茂「うん。」

美智子「さあ さあ どうぞ 奥へ上がって下さい。 甘酒 あっためますから。」

美智子「いろいろ すみませんでした。 うちのゴタゴタまで お聞かせして。」

源兵衛「いやいや わしの方こそ 店先で大きな声を出して…。 おかげで いろいろ 分かりましたわ。 婿は なかなか ええ仕事をしとるようだ。」

美智子「はい。」

源兵衛「金には 恵まれんが 人のご縁には 恵まれておるようで まあ ほっとしましたわ。 娘の布美枝は おるかおらんか 分からんような 大人しい子供でした。」

美智子「へえ。」

源兵衛「気弱で 引っ込み思案で 親に口答えも できん子で どげなるかと 心配しちょったですよ。 その子が 堂々と わしに向かってきましたわ。」

回想

布美枝「うちの人は… 本物の漫画家ですけん!」

回想終了

源兵衛「布美枝の奴 ほれ込んどるな…。 婿と2人 どうにかこうにか 夫婦の人生を 歩み始めたようですわ。」

美智子「はい…。 よかったら その本 どうぞ お持ち下さい。」

源兵衛「いやいや 商売物ではな~ですか。」

美智子「また 仕入れますから。」

源兵衛「そげですか。 なら 遠慮なく。」

美智子「どうぞ。」

源兵衛「奥さん… まね事でも ええではな~ですか?」

美智子「え?」

源兵衛「親のような気持ちで 案じとる人がおったら 人間 そう間違った道には 進めんもんですけん。」

美智子「はい。」

布美枝「お父さん 時間 大丈夫?」

源兵衛「ああ もう こげな時間か。 村井さん。」

茂「はい。」

源兵衛「あんた 碁は 打つか?」

茂「碁 ですか? ええ。」

源兵衛「腕は どげなもんだ?」

茂「まあまあですな。」

源兵衛「ほんなら 今度 来た時にでも 一遍 手合わせを願うかな。」

茂「やりましょう。」

源兵衛「うん。 これは 大事に読ませてもらうけん。 なかなか 面白そうだ。」

茂「はい。」

すずらん商店街

布美枝「東京駅まで 送らんでええの?」

源兵衛「だら。 組合の人に見られたら 恥かくわ。」

布美枝「そげだね。」

源兵衛「頑張れよ。 親を 当てにしたら いけんぞ。 自分達で なんとか やっていけ。」

布美枝「はい。」

源兵衛「40年 50年と 連れ添ううちには ええ時も悪い時もある。 ええ時は 誰でも うまくやれる。 悪い時にこそ… 人間の値打ちが出~だけんな。」

布美枝「はい。」

源兵衛「化粧品でも買えやい。 お母さんには 黙っとけよ。 手紙に書いたりするなよ。」

布美枝「だんだん。 なあ お父さん…。」

源兵衛「何だ?」

布美枝「お金はないけど… 私 毎日 笑って暮らしとるよ。」

源兵衛「そげか?」

布美枝「うん。」

田中家

美智子「ね~え 肉団子と ハンバーグ どっちが いいかな?」

太一「うん…。」

美智子「どっちがいい?」

太一「どっちでもいいよ。」

美智子「張り合いないわねえ。」

太一「おばさんの作るの… どっちもうまいから。」

美智子「そう?」

飯田家

いずみ「うわ~っ 何か 怖いね。」

邦子「あら ほんとですね。」

いずみ「うん。」

源兵衛「ちょっと見ただけで 何を言うとる。」

いずみ「え?」

源兵衛「読んでみい なかなか ええぞ。」

いずみ「ふ~ん。」

ミヤコ「どげでした?」

源兵衛「おお。 向こうの蔵元 3軒ほど回ってな 酒屋組合の人とも 深く親交…。」

ミヤコ「布美枝ですよ! 元気にしちょりました?」

源兵衛「おお… 元気だったぞ。」

ミヤコ「家は どげでした?」

源兵衛「家は… 思ったより 小さかったな。 東京の外れだけん 周りは 畑ばっかりだ。」

ミヤコ「買い物なんか 困っとるんじゃな~でしょうか?」

源兵衛「それが 近くに ええ商店街がある。 布美枝の奴 そこの人達と がいに 仲ようしよったぞ。」

ミヤコ「まあ あの内気な子が 知らん土地の人と…?」

邦子「よかったですねえ。」

ミヤコ「うん。」

邦子「お正月は 戻ってこられるんですか?」

源兵衛「里帰りか?」

ミヤコ「結婚して 初めてのお正月くらいは 帰ってきてもらわんと いけませんわ。」

源兵衛「う~ん… あの様子では 無理かもしれんな。」

邦子「あら~。」

ミヤコ「汽車賃にも 困っとるんですか?」

(戸の開く音)

貴司「ただいま~。 村井さん 仕事の方は どげだった? 東京は 物価も高くて 大変だろう?」

源兵衛「おう。」

貴司「えっ こんなの描いとるのか?!」

いずみ「うん。」

源兵衛「出版社の人が褒めとったぞ。 『いずれは 大当たりするかも しれん』と言っとったわ。」

2人「へえ~」

貴司「ちょ ちょっと 最初から…。」

ミヤコ「着る物なんか どげしとるんでしょう。 困っとるようなら 私の着物を 仕立て直して…。」

源兵衛「いや ええ。」

ミヤコ「里帰りの汽車賃くらいは 送ってやっても…。」

源兵衛「やりくりは 布美枝に任せとけばいいんだ。 もう 別の所帯を構えとるんだ。 親が あれこれ 口出す事な~わ。」

ミヤコ「けど… 心配ですよ 親ですけん。」

源兵衛「あいつ… 笑って暮らしとったぞ。」

ミヤコ「え?」

源兵衛「何もかも順調とは いかんだろうが 笑って暮らしとるのだけん… 大丈夫だ!」

ミヤコ「そげですか 笑っとりましたか…。」

(一同の笑い声)

源兵衛「お 食え。」

(鳥の鳴き声)

<年が明け…>

こみち書房

<『鬼太郎夜話』のシリーズは 順調に4冊が出版され 村井家の家系も やっと 少し持ち直しました>

水木家

居間

茂「原稿 届けてくる。」

布美枝「お疲れさまです。」

茂「『鬼太郎』は これで ひとまず完結だ。」

布美枝「長い事 続けられて よかったですね。」

茂「うん。 あんまり もうかりもせん本を よう 続けさせてくれたもんだ。 『ええもんを出しておれば 評価は 後から付いてくる』。 深沢さんは そげ言っとったわ。 あの人は 漫画の事を よう分かっちょ~な。」

布美枝「一度 うちに来て頂いたら どうでしょう? 田舎料理ですけど 一生懸命 作ります。」

茂「うん 伝えとくわ。」

玄関

茂「あ 今夜は遅くなるかもしれん。」

布美枝「あら そげですか…。」

茂「次に描く漫画のな 相談をしてくるけん。 ここに もう プランが出来とるんだ。」

布美枝「なるべく 早く戻って下さいね。」

茂「おう。 冷えとるけん 遅くなると 雪になるかもしれんな。」

布美枝「それも そうですけど…。 1年になります… 結婚して。」

茂「ああ。」

布美枝「今夜は ちょっこし ごちそうです。」

茂「うん。」

<2人が結婚して 1年が経とうしていました>

玄関前

布美枝「行ってらっしゃい。 早く帰ってきて下さいね。」

<ほんの少し 未来の希望が 見えてきた2人に この後 思いも寄らぬ事件が 降りかかる事になるのです>

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