連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】4話のネタバレです。
あらすじ
布美枝(佐藤未来)は祖母・登志(野際陽子)に励まされ、友人のチヨ子(鍋本凪々美)と一緒に町の盆踊り大会に出る決意を固める。ガキ大将たちは布美枝の背の高さをからかい、踊りの邪魔をしようとするが、毅然(きぜん)として踊り続ける布美枝を飯田家の先祖の霊が励ますかのように見守る。一方、布美枝の姉・ユキエ(足立梨花)は、強引に見合いをさせようとする父・源兵衛(大杉漣)との対立を深めていた。
4話ネタバレ
飯田家
2人「わ~!」
哲也「よし 来い! 貴司!」
源兵衛「お~ 何だ その面は?」
哲也「晩の盆踊りで被るんだ。 子供踊りで1等賞 狙っとるけん。」
貴司「1等 取るぞ~!」
源兵衛「おう ええ意気だ! 鬼の顔 恐ろしげに よう 描けちょ~の。」
回想
哲也「モデルが おるけんな。」
2人「お父さんの顔!」
布美枝「似ちょ!」
回想終了
2人「わ~!」
(笑い声)
源兵衛「布美枝。 お前は どげするだ?」
布美枝「え… 私は 何も。」
源兵衛「また 覇気のない。 1等 取るぐらいの気持ちで 踊ってみい!」
回想
ヒロシ「電信柱は その辺に 突っ立っとれ! ハハハ!」
回想終了
源兵衛「どげした?」
回想
布美枝「私… 今年は 踊らん事にする。」
チヨ子「え~っ!」
回想終了
源兵衛「何を言っとる。 楽しみにしとったでねかや?」
布美枝「けど…。」
源兵衛「また グジグジと…!
仏間
(セミの鳴き声)
登志「ああ よう出来た。 こげに きれいに花 飾ったら ご先祖様も喜ばっしゃ~わ。」
布美枝「なあ おばば。」
登志「ん?」
布美枝「ご先祖様は 願い事を かなえてくれる?」
登志「フフフ どげな願いだ?」
布美枝「あんまり 背が伸びんように。」
登志「ハッハハハ! それは 無理だわ!」
布美枝「ダメか…。」
登志「でも ちょっこし 願いの仕方 変えたら 聞いてくれるかもしれん。」
布美枝「どげなふうに?」
登志「『のっぽでも くよくよせんで いられるように』。 こげに お願いしたらええ。」
布美枝「そげな事か…。」
登志「そのかわり 布美枝の方も ご先祖様の喜ぶ事を せにゃ いけんよ。」
布美枝「何 するの?」
登志「まずは 盆踊りだ。」
布美枝「盆踊り?」
登志「布美枝は 踊るのが好きだろう?」
布美枝「うん。」
登志「ご先祖様も 盆踊りが大好きだけん 布美枝が躍っとるのを見たら きっと喜ばっしゃ~わ。」
布美枝「そげかあ。 けど 嫌だなあ…。」
登志「何がだ?」
布美枝「踊ると笑われるけん… 意地悪 言う子が おるし。」
登志「ハハハッ! そげな事か。 フフフッ!」
布美枝「おばば…。」
登志「かまわん かまわん 笑われても何でもない。」
布美枝「え…。」
登志「楽しく踊れば それでええんだよ。 ご先祖様は 布美枝を見とるんだけん 一生懸命踊ったら それでええよ。」
布美枝「うん…。」
玄関前
(迎え火を祈る声)
<迎え盆の夕方は 門火(かどび)を焚いて ご先祖様の魂を お迎えします>
玄関
2人「行ってきま~す!」
<辺りが暗くなると いよいよ 盆踊りの始まりです>
盆踊り
やぐらの人「そら!」
(太鼓の音)
♬~(盆踊り歌)
ユキエ「ええよ。」
♬~(盆踊り歌)
源兵衛「ユキエの奴 ちゃんと 踊っとるな。」
飯田家
チヨ子「フミちゃん 踊らんのかなあ…。」
登志「チヨちゃん。」
チヨ子「こんばんは。」
登志「あ こんばんは。 布美枝! チヨちゃん 迎えに来とるよ!」
布美枝「は~い!」
チヨ子「わ~! フミちゃん どげしたの?」
盆踊り
ヒロシ「あれ 誰だ?」
チヨ子「1等 取ろうな!」
布美枝「うん!」
♬~(盆踊り歌)
源兵衛「お~ 布美枝も よう踊っとるわ。」
ヒロシ「あれ 電信柱でねえか!」
ヒロシ達「♬『電信柱に花が咲く』(笑い声)」
ヒロシ「電信柱が 花つけて 突っ立っとるぞ~! ハハハハッ!(笑い声)」
源兵衛「悪ガキどもが 何しちょる。」
チヨ子「踊りの邪魔 せんでよ!」
ヒロシ「フンッ!」
布美枝「『のっぽでも くよくよせんで いられますように』。」
チヨ子「フミちゃん?」
ヒロシ「電信柱が 花つけて おかしいわ!」
布美枝「おかしくても ええの。」
ヒロシ「ああ? 何か 言うたか?」
布美枝「楽しく踊ったら それで ええんだけん! ♬『大塚 良いとこ 一度は おいで コラセ』」
ヒロシ「何だよ! お前なんか 電信柱…。 あれ 何だ? う~ わ~…。」
源兵衛「布美枝の奴 やるでねえか。」
登志「今夜は ご先祖様が ついとるでなあ。」
源兵衛「布美枝! ええぞ~!」
布美枝「えっ お父さん?! あっ… えっ!」
登志 源兵衛「あ~!」
<結局 1等は 取れませんでした。 けれど ご先祖様は ちゃんと 布美枝を 見守っていて くれたようです>
<送り盆の夜は 伯太川(はくたがわ)に精霊船(しょうろうぶね)を流します>
川
登志「ご先祖様の魂は 船に乗って 川を下っていくんだよ。」
布美枝「どこに行くの?」
登志「仏様のござっしゃる 十万億土だ。 遠いとこ あ~がとございました。 気をつけて お帰り下さい。」
貴司「おばば。」
登志「ん?」
貴司「誰に言うとるのだ?」
登志「ご先祖様にだがね。」
貴司「だ~れも 見えんけどなあ。」
登志「見えんでも おる。 お盆の間は ず~っと そばに おってくれたんだけんねえ。」
貴司「ふ~ん。」
布美枝「あ~がとうございました。」
昭和18年
(戦闘機の音)
<翌年の昭和18年 戦局は急激に悪化>
<若者達は次々と戦場に送り出され…>
茂「お国のために 頑張ってきます。」
<穏やかだった 大塚の町も 戦争の影に覆われていきました。>
飯田家
<食料が乏しくなった この頃 我が家では ミツバチを飼い始めていました>
(蜂の羽音)
ミヤコ「痛い!」
源兵衛「どげした? 刺されてたか。」
ミヤコ「はい。」
源兵衛「ヨモギの葉で もんどきゃ治る。」
ミヤコ「はい…。」
(小鳥のさえずり)
源兵衛「貸してみい 布美枝。 まだまだ役には立たんのう。 はい。」
<これは 9年ぶりに 生まれた 布美枝の妹です。 長女の暁子は 近隣の商家に嫁ぎ 長男の哲也は 師範学校の寮に入りました>
布美枝「うわ~ ぼた餅だあ!」
源兵衛「こら待て! ユキエ!」
ユキエ「学校 遅れるけん 後にして!」
登志「はあ また始まった…。」
<女学校を卒業したユキエは 父の勧めで教員をしていました>
ユキエ「『お見合いは断って下さい』って 言っとるでしょ!」
源兵衛「だらずが! 女が嫁に行かんで どげする気だ! ええから 見合いしぇ!」
ユキエ「『女学校 出たら 教員になれ』と 言ったの お父さんだが!」
源兵衛「そげだ! この ご時世 学校の先生が一番だ!」
ユキエ「だけん 先生やって生きていきます。」
(戸の開閉音)
源兵衛「は~っ。 どういう事だい…。」
登志「ユキエもなあ ちょっと素直になりゃ ええのにのう。 悪い縁談じゃないんだけん。」
布美枝「見合いの相手 どげな人?」
ミヤコ「うん? 横山さん言って 安田の農家の跡継ぎさんだよ。」
登志「戦争も どげなるか分からんし 農家だったら 食べ物に不自由せんで ええわ。」
布美枝「ふ~ん。」
登志「ユキエが 嫁に行ったら この家も いよいよ 人手が のうなるけん 布美枝も しっかりせないといけんよ。」
布美枝「はい…。」
神社
チヨ子「フミちゃんちのぼた餅 甘いねえ。」
布美枝「蜂蜜が入っとるけん。」
チヨ子「砂糖不足を見越して 蜂を飼うなんて おじさん 偉いもんだわ。」
布美枝「呉服屋は 開店休業やし 赤ん坊は 生まれるし いろいろ工夫せんと 食べていけんのだって。」
チヨ子「なあ お姉ちゃんの縁談 決まった?」
布美枝「まだ。 今日も お父さんと もめとった。」
チヨ子「でも お姉ちゃんが お嫁に行ったら フミちゃん 家の手伝いで 忙しくなるね。」
布美枝「うん… けどなあ 私に ユキ姉ちゃんの 代わりはできんし。」
チヨ子「ハハハハ そりゃそうだ。 お姉ちゃんは 美人で 出来がええだけん 比べたら フミちゃんは 分が悪いわ。」
布美枝「私… もう行く。 キャッ! どげしよう…? 大事な卵!」
横山信夫「こりゃ すまん事した。 わし 目が悪いもんだけん。 代わりに… これ 持ってけ。」
布美枝「えっ… でも…。」
信夫「人に届けよう思うて 持ってきたんだが わしは また出直すけん。 ほれ。」
布美枝「だんだん…。」
チヨ子「誰?」
布美枝「知らん人。」
飯田家
ユキエ「すそに ホックを付けてみたんだよ。 もんぺも これで少しは ましでしょ?」
布美枝「うん! お姉ちゃん 本当に 裁縫 上手だわ。 ええお嫁さんになるね。」
ユキエ「フフフッ。」
布美枝「ねえ 何で お見合いせんの?」
ユキエ「お父さんの言いなりには なりたくないけん…。 兵隊さんを追ってった デートリッヒ この後 どげなったろうね?」
布美枝「…さあ?」
ユキエ「砂漠の向こうまで 行ったのかな? 知らない町 知らない人… 大塚とは違う世界…。 フミちゃんも 行ってみたいと思わん?」
布美枝「私 大塚でいい。 知らんとこは 怖いもん。」
ユキエ「私は 行ってみたいな! ここを出て 遠いとこ。 ここにおったら お父さんみたいな 人の嫁になって お母さんと同じようにしか 生きられないもんね。」
源兵衛「いつまでも 甘い顔しとったら 進む話も進まん。 もう 勝負を つけないけん。」
<何としても 見合いをさせたい源兵衛と 親の言いなりには なりたくない ユキエ。 飯田家に 波乱の予感がしています>