連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】57話のネタバレです。
あらすじ
布美枝(松下奈緒)は、しばらく赤羽で過ごすことを決意し、茂(向井理)にそれを伝える電報を打つ。茂は布美枝を迎えに赤羽まで突然やって来ると、帰り道の公園で「子どもを持とう」と布美枝に言う。布美枝の悩みは晴れ、妊娠の知らせは境港の茂の両親や安来の布美枝の実家にも届き、それぞれに祝福のムードが高まる。しかし、原稿料の手形の支払い延期を、富田(うじきつよし)が茂に懇願し、新たな危機が布美枝たちに迫る。
57話ネタバレ
塚本家
居間
♬~(レコード)
暁子「やっと洗濯終了。 男の子は 部活だなんだで 毎日 汚してくるけん 洗濯物多くて 大変よ!」
布美枝「ね この写真立て ええね。 姉ちゃんが作ったの?」
暁子「うん。 浩二が拾った貝殻 はり付けてみたんだわ。」
布美枝「旅行に行って みんなで 写真を撮って 家族だなあ…。」
暁子「紅茶 いれようか?」
布美枝「あ 私 やるわ。」
暁子「便利なもん出たのよ ほら ティーバッグ。」
布美枝「あ こんなのあるんだ。」
暁子「池袋のデパートにでも行ってみる?」
布美枝「池袋か。 行った事ないなあ。」
暁子「村井さん どこも連れてってくれんの?」
布美枝「…うん。」
暁子「だけん たまには一緒に出かけたら いいと思って 誘ったのに。」
布美枝「うん。」
暁子「村井さんも村井さんだけど フミちゃんも いかんのよ。」
布美枝「え?」
暁子「文句も言わんで 黙っとるけん それが当たり前だと 思っとるんだわ。 少し懲らしめてやったら どげなの? しばらく 家出でもしてみるとか。」
布美枝「そうしようかな…。」
水木家
(鳥の鳴き声)
玄関
茂「何だ これは…。」
回想
布美枝「子供が できました…。 赤ちゃんが生まれるんです。」
回想終了
茂「あいつ 帰ってこんつもりか? (舌打ち) 勝手にせい!」
塚本家
居間
暁子「ゆっくり テレビでも 見とったらええのに。」
布美枝「何かしとる方がええのよ。 のんびりしとったら落ち着かんわ。」
暁子「貧乏性だね。」
布美枝「ほんと。」
暁子「そろそろ 出かけようか?」
布美枝「うん…。 けど…。」
暁子「電報 とっくに 家についとるよねえ。 村井さん 電話の1本も かけてきたらええのに。」
布美枝「(ため息) 私がおらんでも 困らんのよ。 1人でやってきた人だけん 本音のところは 家族がおらんでも ええと思っとるんだわ。 だけん 先の事も考えんし 子供の事だって…。」
暁子「え? …何かあったの?」
布美枝「え…。」
暁子「懲らしめてやろうだなんて 本当は 思っとらんのでしょう。 他に 訳があるんじゃないの?」
布美枝「1人で… 考えてみようと思って。 先の事とか… いろいろ。 暮らしていくのに 精一杯で 今まで 先の事なんて 何も 考えとらんだったけど… ずっと このままでは いけんわ。」
暁子「フミちゃん 疲れとるのよ。 少し 羽伸ばしたら ええよ。 それぐらいしても 罰は当たらんわ。」
布美枝「アキ姉ちゃん…。」
暁子「遠慮せんで ここに おったらええよ。」
布美枝「だんだん。 あのな 姉ちゃん…。 実は 私…。」
(電話の呼び鈴)
暁子「塚本でございます。 あら 林さん? PTAの事で? うん。 …ん? 分かった。 …うん。」
布美枝「心配しとらんのだろうか…。」
回想
茂「子供は 大変だぞ。」
回想終了
(玄関の呼び鈴)
暁子「あら 誰かしら? フミちゃん 出てくれる?」
布美枝「うん。」
玄関
布美枝「は~い。 あなた…!」
茂「おっ!」
暁子「あら 村井さん…。」
茂「どうも お世話になりまして。 これ 土産です。」
暁子「まあ… バナナ。」
茂「おい 帰ろう。」
暁子「村井さん あのね…。」
茂「帰るぞ。」
公園
布美枝「勝手な事して すんません。」
茂「うん。」
布美枝「迎えに来てくれるとは 思わんだった。」
茂「うん。」
布美枝「バナナなんて買う余裕 よく ありましたね…。」
茂「ほれ。 一六銀行から借りてきた。 つきあいも長いけん 多めに貸してくれたぞ。」
布美枝「大変なのは 分かっとります…。 今でも 苦しいし 不安ですけど…。 なんとかなると思うんです。 あなたも私も 遅い結婚でしたけど こげして… 子供を授かりましたけん。 せっかく 授かったんですけん 大事にしたいんです。 私… 産みます。」
茂「映画でも見て帰るか。」
布美枝「え?」
茂「せっかく 2人で出てきたんだ。 まっすぐ帰ったら もったいない。 今のうちだけんな。 子供が生まれたら 2人で外には出られんぞ。 まあ 今までも そろって 出かけた事は なかったか。」
茂「いきなり聞いたんで びっくりした。 子供の事…。 男には 心の準備がないけんなあ。 金のないとこに 子供ができて これから どげなるか 俺にも分からんが…。 まあ なんとかなるだろう。」
布美枝「はい!」
茂「ほい 食うか? 土産のバナナから 俺達の分 失敬しといた。」
布美枝「まあ!」
茂「うん うまいな。」
すずらん商店街
布美枝「あっちで ヘップバーンの映画 やっとりますよ。」
茂「いや これがええ。」
布美枝「え~…。 ロマンチックなのがええのに。 胎教に悪いわ 戦争映画なんて…。」
茂「おい 入るぞ。」
布美枝「はい はい。」
映画館
(爆撃の音)
布美枝「あっ!」
<結婚して1年半 新婚旅行もなかった2人の これが 初めての 外出らしい外出でした。 そして その夜…>
水木家
居間
布美枝「はい どうぞ。」
茂「おお 赤飯か!」
布美枝「お祝いですけん。」
茂「いただきます。」
布美枝「どうぞ。」
茂「何だ これ? 普通の米か?」
布美枝「はい。 もち米は ぜいたくですけん 節約お赤飯です。」
茂「まあ ええか。 これも 赤飯には変わりない。 祝う気持ちが大事だけんな。」
布美枝「はい。」
茂「うん なかなか うまい。」
茂「おい…。 大事にしぇよ。」
布美枝「はい。」
村井家
絹代「お父さん えらい事ですわ! こげなー大事に 何を のんきに 鼻毛なんぞ 抜いとるんですか。」
修平「どげした? 総理大臣でも訪ねてきたか?」
絹代「だら言って。 できたんですよ!」
修平「何が? 畑のナスビか?」
絹代「ああ もうっ。 子供です!」
修平「え?」
絹代「しげさんとこに 子供が生まれるんです!」
修平「そげか! 男か? 女か?」
絹代「まだ 分かりませんわ。 生まれるのは 半年先ですけん。」
修平「茂の奴 40過ぎて おやじになるか。 人より ゆっくりしとるとこが あいつらしいわ。」
絹代「さあ こうしちゃおられん。」
修平「え?」
絹代「私 行ってきます。」
修平「どこへ?」
絹代「東京に決まっとりますが!」
修平「ああっ?!」
絹代「茂は あてにならんし 布美枝さんも のんきですけんね。 妊婦の心得や お産の準備やら 私が教えに行かんと。」
修平「待て! 待て! 待て!」
絹代「ええっ?」
修平「お前が そばにおったら 布美枝さんが 気ぃ遣って かえって 体に悪いわ。」
絹代「けど…。」
修平「どこのお屋敷だと思っとる。 あげな小さな家で 泊まる部屋も な~だぞ。」
絹代「それは そうですけど…。 ほんなら まず手紙を! 色の濃い野菜 小魚は たくさん 食べるように…。」
<大塚の実家の母 ミヤコからは 岩田帯が送られてきました>
水木家
居間
ミヤコ✉『大神宮さんで 安産の ご祈祷をして頂きました。 5か月目の戌の日に巻いて下さい。 くれぐれも 無理せんように。 家族みんな 布美枝と お腹の子の 健康を祈っております』。
<布美枝 みんな 楽しみにしちょ~よ>