連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】60話のネタバレです。
あらすじ
金から見放されたような布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)だったが、出産予定日は近づいていた。軽い妊娠中毒の症状を布美枝が発症し、商店街のおかみさんたちや美智子(松坂慶子)、太一(鈴木裕樹)、戌井(梶原善)たちが、布美枝を励ましに次々と村井家を訪ねてくる。年末も押し迫ったクリスマスイブの日、布美枝は病院へ定期健診に行くが、今日中にも産まれるかもしれないといわれ、そのまま入院することに…。
60話ネタバレ
高橋産院
診察室
医者「ちょっと タンパクが出てますね。」
布美枝「あら…。」
医者「血圧も高めだなあ。 脚も むくんでいたし 軽い妊娠中毒症ですね。」
布美枝「えっ。 ほんなら お腹の子は?」
医者「赤ちゃんは 大丈夫。 これくらいの症状なら ひとまず 食事に気をつけて 安静にしていれば 心配ない とは思いますが…。」
布美枝「ああ よかった…。」
医者「村井さん 30歳で 初産ですよね。 大事とって 入院して 様子見ましょうか?」
布美枝「入院… 入院は ちょっと…。」
医者「自分で しっかり 体調管理ができますか? 軽症とはいっても 甘く見ては いけませんよ。」
布美枝「はい。 なんとか自分で。」
医者「そう。 それじゃ 週1回 通院して下さい。」
布美枝「はい。」
医者「食事は 塩分を控えて…。」
<お金のかかる入院は 避けたい 布美枝でした。 でも 胸には 不安で いっぱい広がっていました>
水木家
居間
布美枝「痛っ!」
回想
医者「軽い妊娠中毒症ですね。 軽症とはいっても 甘く見ては いけませんよ。」
回想終了
靖代「こんにちは~。」
布美枝「はい?」
靖代「ロザンヌ化粧品でございま~す。」
布美枝「靖代さん!」
靖代「営業で この辺り来たもんだから 様子見に来たのよ。」
布美枝「ありがとうございます。」
靖代「あ~ ハハハハハ… 随分 大きくなったねえ。 どう? 順調?」
布美枝「ずっと順調だったんです。 …けど 今日 定期健診に行ったら タンパクが出て 軽い妊娠中毒症だそうです。」
靖代「あら~ 困ったね! ちょっとさ あんた ここ座ってごらん。 これ どかして。」
布美枝「はい…。」
靖代「ここだ。 ここ もむと 気持ちいいでしょう? この ひざの外側の ちょっと下くらいをね こうやって 指圧をする感じで… うん。」
布美枝「靖代さん…。」
靖代「私もさ~ 息子を産む時 脚が むくんでさ…。 あ 先生は?」
布美枝「仕事で出かけてます。」
靖代「あ そう。 これ 旦那に もんでもらうと 効き目があるんだけどねえ。 ウッフフフフ…。 …どうした? そんな情けない顔して。」
布美枝「私… 心細くて。 予定日まで あと1か月もないのに…。 親に相談するにも 実家は 遠いし…。」
靖代「しっかりしなさいよ。 あんたが 元気なくすと お腹の子まで 不安になっちゃうんだから。」
布美枝「あっ…。」
靖代「ん?」
布美枝「また けった。」
靖代「ほら 赤ちゃんに 活 入れられた。 フフフ…。」
台所
布美枝「塩は 一日6グラムまでか。 塩抜きで味付けするの 結構 難しいんだけどなあ。」
美智子「ごめんくださ~い。」
玄関
布美枝「は~い。」
美智子「こんにちは。」
布美枝「美智子さん。」
美智子「靖代さんから聞いたわよ。 塩抜きでも おいしい料理 作ってきた。」
台所
布美枝「私 やります。」
美智子「大丈夫。 いいから座ってて ね。 妊婦さんは 安静にしてる事 はい。」
布美枝「はい。」
美智子「太一君 それ ちょっと取ってくれる?」
太一「はい。」
美智子「あのね 塩の代わりに 出し汁と お酢で味を調えると いいわ。 そうそう… これこれ。 減塩料理のメニュー 幾つか 考えてきたら 試してみて。 ね。」
布美枝「美智子さん…。」
美智子「大丈夫よ。 自信を持って。 きっと 無事に産まれるから。」
布美枝「はい。」
美智子「うん。」
靖代「美智子さん 来てる~?」
美智子「は~い。」
太一「あ 俺 行きます。」
布美枝「すみません。」
徳子「あ~! 太一君も来てたんだ。 お邪魔します。」
和枝「お邪魔しま~す。」
布美枝「どうしたんですか?」
靖代「ちょっと お届け物。 これねえ おむつ。 お古なんだけどさ 新品よりもね 柔らかいし これが また よく吸うのよ!」
徳子「こっちは バーバーの使い古しのタオル。」
和枝「それと ベビー服のお古。」
靖代「嫌だ 何だか ボロばっかり。 いらない物を持ってきた みたいじゃないのよ! アハハハ。」
徳子「ほんと 古いもんばっかりで 気が引けるけどさ~。」
和枝「その分 気楽に使えるからね。」
布美枝「こんなに頂いて…。」
和枝「だから 気にする事ないって。 余った物の寄せ集めなんだから。」
靖代「そうそう。」
布美枝「ありがとうございます。」
靖代「あんた 何言ってんのよ いざっていう時は 『遠くの親よりも 近くの知り合い』 って言うんだよ。 ね~。」
徳子「そうそう 分からない事があったら 何でも聞いて。」
太一「あ 俺も 荷物運ぶとか そういう時は 手伝いに来ます。」
和枝「あら 頼もしいじゃない!」
美智子「ね みんなで応援してるから 安心して。」
布美枝「…はい。」
茂「あれ。 お歴々が おそろいで。」
美智子「先生 お帰りなさい!」
茂「どげしました?」
布美枝「いろいろ 届けて下さったんです。」
茂「これは助かるな…。 お世話になります。」
戌井「お邪魔します。」
布美枝「戌井さん!」
茂「出版社で ばったり会ったんだ。」
戌井「奥さんに お渡ししたいものがあって。 あの これ。 よいしょっ。」
徳子「ああ!」
美智子「犬張り子。 安産のお守りね。」
一同「う~ん。」
靖代「あんた 男のくせに 気が利くじゃないのよ。」
戌井「いや~ 女房に教えられたんです。」
布美枝「ありがとうございます。」
戌井「いえいえ。」
美智子「ねえ 布美枝ちゃん。 いつも 明るく のんきにしてなきゃね。」
布美枝「はいっ!」
<美智子達の励ましが 何よりの薬になって 年明けの出産予定に向けて また 勇気が わいてくる 布美枝でした>
<それから しばらく経って…>
2階
布美枝「朝まで お仕事 ご苦労さまです。」
茂「病院か?」
布美枝「定期健診です。」
茂「気をつけて行けよ。」
布美枝「はい。」
玄関前
茂「おい。」
布美枝「ああ どげしました?」
茂「今日は 送っていくわ。」
布美枝「ええですよ。 寝てて下さい。 さっきまで お仕事しとったんですから。」
茂「いや もう 目が覚めた。 一緒に行こう。」
布美枝「そげですか? 変ですねえ 今日に限って。」
茂「朝の散歩だ。 おい! よそ見せんで 歩け。 転んだらいかん。」
布美枝「大丈夫ですよ。 おはようございます。」
母親「おはようございます。」
子供「メリークリスマス!」
布美枝「ああ ありがとう!」
茂「ああ 今日は クリスマスか。」
布美枝「デコレーションケーキは 無理ですけど 帰ったら ホットケーキ焼きましょうか。」
茂「おお ええな。」
高橋産院
待合所
看護師「こんにちは。」
妊婦「こんにちは。」
看護師「ここで お待ち下さい。」
妊婦「すみません。」
(妊婦達の話し声)
入口
茂「とても あの中には おれんなあ。」
布美枝「あ ここにおった。 大変な事になりました。」
茂「どげした?!」
布美枝「今日にも 産まれるかもしれません。」
茂「予定日は 年明けじゃなかったか?」
布美枝「そのはずだったんですけど 『このまま入院しなさい』って。」
分娩室
茂「おい どげだ?」
布美枝「『夜には 産まれるかもしれん』って お医者さんが。」
茂「そうか…。」
布美枝「あなたは 家に戻って 仕事して下さい。」
茂「ああ。」
布美枝「入院の荷物 まとめてあるんです。 2階の押し入れに 風呂敷に包んで 入れてあります。」
茂「ああ。」
布美枝「すみませんけど 赤羽の姉に連絡して 荷物 持ってきてもらって下さい。」
茂「うん。 分かった。」
布美枝「あ 痛っ いたたたた…。」
茂「おい 大丈夫か?」
布美枝「はい。 まだまだですけん。 あっ!」
待合所
茂「すんません。 産まれましたか?」
看護師「えっ?」
茂「えっ? あっ む 村井です。 村井布美枝。」
看護師「ああ 村井さんですね。 まだですよ。」
茂「これ 入院の荷物 持ってきたんですが…。」
看護師「こちらで ちょっと お待ち下さい。」
茂「はい。 あの… お産は 無事に進んどりますか?」
看護師「ええ。 大丈夫ですよ。」
暁子「村井さん…?」
(産声)
茂「産まれた… 産まれたぞ!」
(赤ちゃんの泣き声)
分娩室
看護師「お疲れ様でした。 赤ちゃん 抱かれますか?」
布美枝「はい。」
(ドアの開く音)
布美枝「来てくれたんですか。」
茂「おう。」
看護師「お父さん似ですね。 ほ~ら ほっぺが ぷっくりしてる。」
布美枝「女の子です。」
茂「そげか。 大丈夫か?」
布美枝「はい。」
茂「よう頑張ったな。」
布美枝「はい。」
茂「ご苦労さん。 …お母ちゃん。」
布美枝「だんだん。 …お父ちゃん。」
<予定日より少し早い 12月24日 クリスマスイブ 無事に 赤ちゃんが誕生しました。 おめでとう! 布美枝。 よう頑張ったなあ>