ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第62話「貧乏神をやっつけろ」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】62話のネタバレです。

あらすじ

布美枝(松下奈緒)は暁子(飯沼千恵子)を頼ることができなくなり、初めての子育てにひとりで取り組むことになった。茂(向井理)は複数の注文を引き受け、仕事に忙しい日々を送っていた。布美枝たちを祝いに、商店街の人たちも次々に村井家を訪れる。浦木(杉浦太陽)とはるこ(南明奈)もやって来て、浦木が出産祝いとして持ってきた連合艦隊の図鑑の話題をきっかけに、茂が作ったという精巧な軍艦の模型が披露される。

62話ネタバレ

水木家

居間

布美枝「『規則正しい授乳は しつけの 第一歩です。 ミルクは 3時間おきに 決まった量を飲ませましょう』か。 一肌って こんなもんかな?」

<藍子が生まれて 3週間が経ちました>

布美枝「あんまり飲まんなあ。 大丈夫かなあ?」

回想

暁子「ああ! 腰が!」

<助っ人に来るはずだった暁子が ぎっくり腰になり 新米お母ちゃんの子育ては 1人でのスタートとなりました>

回想終了

布美枝「アキ姉ちゃんが おってくれた 心強いのになあ…。」

仕事部屋

<茂は 戌井に頼まれた スリラーの短編の他に 別の版元からも 時代劇漫画の注文を受けて 忙しく働いていました>

居間

布美枝「そろそろ 授乳の時間。 はあ…。 よう寝とる。 あれっ? 息しとるんだろうか?」

(襖の開く音)

布美枝「あ びっくりした!」

茂「何しとるんだ?」

布美枝「藍子が ずっと 寝とるもんですけん。」

茂「ええじゃないか 赤ん坊は 寝るのと泣くのが仕事だ。」

布美枝「3時間おきに ミルクを飲ませんと いけんのですけん。」

茂「無理に起こさんでも 腹がへったら 目ぇ覚ますだろう。」

布美枝「けど 規則正しい授乳は しつけの 第一歩だそうですけん。」

(藍子の泣き声)

布美枝「あ あらら! うん。 ここは 少し我慢して。」

茂「それは 何をしとる?」

布美枝「すぐ抱くと 抱き癖がつくそうですけん。 先生も そげ言ってましたし この本にも 同じ事が 書いてあります。」

茂「ふ~ん。」

布美枝「妹や甥っ子の世話で 慣れとったつもりですけど 育児も進歩しとるんですね? 私も 勉強せんといけんですわ。」

(藍子の泣き声)

布美枝「はい はい はい はい! ここに おりますよ~!」

(藍子のぐずる声)

茂「おい! お~い!」

布美枝「よし よし よし!」

<産院の先生が アメリか帰りだったので 母乳よりミルクがいい 抱き癖はよくないなど  布美枝は アメリか式の育児指導を 受けていました>」

(藍子の泣き声)

布美枝「あ! 藍子! あっ!」

(藍子の泣き声)

布美枝「あ~! 藍子!」

居間

布美枝「なかなか ゲップが出ませんねえ。」

(藍子の泣き声)

布美枝「お父ちゃん 仕事しとるけん 静かにしようね。」

<初めての子育ては やはり なかなか 大変でした>

(藍子の泣き声)

(小鳥の鳴き声)

布美枝「藍子?! おらん! あ! お父ちゃん 藍子が…。 え?!」

(小鳥の鳴き声)

布美枝「お父ちゃん!」

茂「おう。」

布美枝「もう こげなとこに。 いなくなったかと思って びっくりしたわ。」

茂「家出したと思ったか? まだ 寝返りも打てんぞ。」

布美枝「もう!」

茂「天気がええけん 日光浴させとった。」

布美枝「私がしますけん お仕事しとって下さい。」

茂「お母ちゃんは 気持ちよさそうに 眠っとったんだよなあ 藍子。」

布美枝「いけん! うとうとしとって ミルクの時間 過ぎてしまった。」

茂「面白いな 赤ん坊は。 天然 自然に生きとる。」

布美枝「え?」

茂「食べる 出す 眠る。 それだけだ。 余分なものは 何もない。 それで ちゃんと育つように できとるんだな。 あ! 今 笑ったぞ。」

布美枝「まだ 笑わんですよ。」

茂「ほれ 見てみろ!」

布美枝「あ… ほんとだ 笑っとる。」

茂「ヘヘヘ! 赤ん坊は いっぱい サービスしてもらおうと思って 愛想よくしとるんだろうなあ。」

布美枝「そげですかねぇ。」

茂「小さくて 自分では 何もできんが 大声で泣いて 『ああせえ こうせえ』と 大人に指令を出しとる。 だけん 赤ん坊の顔 見て 声を聞いとったら まあ 間違いないわ。」

布美枝「そっか… そげですね。」

茂「うん。」

布美枝「ええお天気で 気持ちええって 顔 しとりますね。」

茂「うん。」

布美枝「ほんとに ええお天気だわ。」

運送屋「村井さん 荷物ですよ!」

玄関前

布美枝「は~い!」

運送屋「安来市大塚の飯田さんからです。」

<荷物は 兄弟達が 出産祝に贈ってくれた 乳母車でした。 そして その翌日には…>

居間

美智子「ぷくぷくのほっぺが 先生そっくり。 藍子ちゃんか… いいお名前ね。」

布美枝「はい うちの人が 考えてくれたんです。」

和枝「でも この漢字… ちょっと 難しいんじゃない?」

徳子「あら そうね。 1 2 3 4… あ! 画数が多いと 子供は 名前を書くのに苦労するわよ。」

美智子「いいじゃないの 仮名で書けば。」

靖代「でもさ… 藍子って仮名で書いたら じゃんけんしてる みたいじゃない?」

(一同の笑い声)

布美枝「じゃんけんか… 気づかなかった。」

美智子「布美枝ちゃん 体の調子はどう?」

徳子「産まれて1か月が 一番大変よね。 産んで くったびれてる時に もう 待ったなしで 子育てスタートだもんね。」

布美枝「さすがに くたくたで…。」

和枝「育児書もいいけど あんまり神経質になる事ないよ。 うちなんか 男の子3人 何から 何まで 全部 違ったんだから。」

靖代「子育てはね 参考書どおりには いかないの。 何かあったら うちらに聞きなさいよ。 大概の事は 経験してるんだから。」

徳子「靖代さんの育児経験じゃ ちょっと 古いわよ。」

靖代「あんた 何 言ってんのよ! 昔からの 子育ての知恵って いうのが いいですよ!」

美智子「そうそう! これこれ! 端切で 藍子ちゃんに ちゃんちゃんこ 作ってみたんだけど。」

布美枝「かわいい!」

美智子「あとはね 天花粉でしょ。 それと がんがらとか オモチャ。 私達からの 心ばかりの出産祝。」

布美枝「ありがとうございます!」

靖代「乳母車の余ったのがないか 商店街に 声かけといたんだけど もう立派なのがあんのね。」

布美枝「兄弟達が贈ってくれたんです。 私達じゃ とても買えんです。」

徳子「あれ 最新式でしょ? 全然 昔のと違うんだから。」

和枝「え そうなの?」

徳子「うん。」

和枝「ちょっと 見に行こう。」

徳子「私も行く。」

靖代「私も よっこいしょっと!」

美智子「布美枝ちゃん。 抱かせてもらってもいい?」

布美枝「はい。」

美智子「藍子ちゃ~ん!」

布美枝「藍子。 美智子さんだよ。」

美智子「藍子ちゃん だっこ。 あ よちよち! いい子ね かわいらしい! 子育てって 大変だけど 通り過ぎてみたら 本当に 掛けがえのない 幸せな 時間だったって思うものなのよ。]

美智子「ねえ よしよしよし! オロオロしたり 悩んだりしても みんな 大切な子供との 時間だものねえ。 布美枝ちゃん 頑張ってね。 フフフ! 藍子ちゃん。」

<早くに子供を亡くした 美智子の言葉が 布美枝の胸に染みました>

玄関前

浦木「もう少し 晴れやかな表情 できんもんかなあ。 親子3人 貧しくても楽しく 生きとる姿を写すんだ 笑顔笑顔。 なっ? よし! おい ゲゲ! 俺が何のために わざわざ カメラを持ってきてやったと思う? 写真を 境港へ送れば 老い先 短い お前の両親が 安心するだろうと思ってだな。」

茂「お前の親切には 必ず裏がある。 何を企んどるかと考えたら 笑う気にはなれんのだ。」

浦木「失敬な。 俺は常に 善意と親切心で 行動する男よ。 奥さん その笑顔。 あ~ そこのガキ!」

茂「あ?」

浦木「いや チビ いや お嬢ちゃん その おやじそっくりな ブータレ顔 なんとかならんもんか?」

茂「うるさい!」

(シャッター音)

浦木「ヘヘヘ!」

茂「ほら もう!」

はるこ「記念撮影ですか?」

布美枝「あら! こんにちは。」

はるこ「うわ~! かわいい!」

浦木「こりゃどうも 奇遇ですねえ。」

はるこ「浦木さんも 来てたんですか?」

浦木「ええ。 ゲゲの奴に 『どうしても』と 写真撮影を頼まれまして。」

茂「頼んどらんぞ!」

浦木「ばったり お目にかかるとは こんな偶然も あるんですなあ。」

はるこ「偶然? この前 打ち合わせの時に 『今日こちらに お邪魔する』って 私 お話しましたよね?」

浦木「そうでしたっけ? でも せっかくですから 写真でも 1枚。 向こう行きまちょうね。 どいて どいて! こんな ボロ屋が背景では いささか 趣に欠けますがね。 シャッター 押してくれ。 いや 押して下さい。」

はるこ「私 赤ちゃんと一緒がいいな。」

浦木「それじゃ カメラを持ってきた意味がない。 奥さん お願いします。 シャッター押し…。」

はるこ「浦木さん お願いします。」

浦木「はい。 俺という人間は どうしてこんな 善良にできているんだろうな。 早く並んで! ほら ほら 3人! 早く 早く! 赤ちゃんいるから4人か 並んで。 よし! 鳩がでますよ!」

(シャッター音)

居間

布美枝「まあ かわいい! ありがとうございます!」

茂「よかったなあ 藍子!」

浦木「おや! さっきの俺への挨拶とは 全然 違うじゃないか?」

茂「そりゃそうだろ? お前が持ってきた 出産祝は これだぞ! 今頃 名付けの本を 持ってきて どげするんだ! 名前は とっくに付いとるぞ! これも! 生まれたのは 男の子だと思っとったのか?」

浦木「細かい事 言うなよ。 いいじゃないの! どっちも 俺が プロデュースした本だ。 しかも この名付けの本は はるこさんに カットを描いて頂いとる。」

布美枝「あら そげですか?」

はるこ「大した事ないです。」

茂「おい 何だ これは?」

浦木「え?」

茂「ええ加減な 図解だな。 お前 こげな本で商売しとるのか?」

浦木「ええ加減とは 何だ! 一応 それなりの専門家には 頼んだぞ。」

茂「どうせまた 安く叩いて 浮かせた金を 自分のポッポに入れたんだろ?」

浦木「いらん事 言うなよ おい!」

はるこ「浦木さん そんな事してたんですか?」

浦木「これには いろいろと 事情がありまして。 おい ゲゲ。 ちょっと 戦記物の漫画 描いとるくらいで 知ったふうな顔して。」

茂「知ったふうとは 何だ! 俺は よく知っとるんだ! 戦記物を描くために 戦艦まで 自分で作ったんだ。」

浦木「お前 いつ造船所に入ったんだ?」

茂「待っとれよ!」

浦木「何が?」

茂「待っとれよったら 待っとれよ! ええ加減!」

はるこ「何が出てくるんでしょう?」

布美枝「さあ?」

浦木「何だ? それ。」

茂「見ろ! これが正しい戦艦長門だ!」

一同「うわ~!」

<それは 驚くほど 精巧に作られた 戦艦の模型でした>

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