ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第65話「貧乏神をやっつけろ」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】65話のネタバレです。

あらすじ

村井家の貧しさは最悪のものとなりつつあり、電気代が払えずに、ついに電気が止まる事態となってしまう。茂(向井理)は漫画を出版社に持っていくが、貸本業界の斜陽化ゆえにどの会社も経営は苦しく、満足な原稿料が支払われることはなくなってきていた。ある夜、大蔵省の役人を名乗る男(片桐仁)が村井家を訪れる。村井家が今、建っている土地は大蔵省の所有する土地であり、土地を買い取るか、もしくは退去せよと言うのだが…。

65話ネタバレ

水木家

玄関前

回想

男「暴行 傷害 いかがわしい迷信 エログロ・ナンセンス。」

日出子「小中学生に 貸本漫画を 貸し出さないよう要望します。」

回想終了

布美枝「この先 どげなるのかな?」

電気集金人「村井さんの奥さん! いいとこで会いました。 電気の集金です!」

布美枝「まずい。 今日は 電気だ。」

居間

布美枝「はあ~! 足らんなあ。 お父ちゃん!」

茂「ない。 とりあえず それ 手付けで渡しとけ。」

布美枝「けど これ 全財産ですけん。」

茂「やむをえん。 金を払わんと 電気が止まるんだろ。 止まったら 漫画が描けん。 ますます 金が入らなくなる。」

布美枝「けど これ払ってしまったら 藍子の粉ミルクが 買えんのです。」

茂「は? ミルク 付けで 売ってもらえんのか?」

布美枝「何ども お願いしとりますけど 薬局では 掛け売りはしませんって。」

茂「はあ…。」

玄関

布美枝「3日。 3日だけ 待ってもらえませんでしょうか。」

電気集金人「無理です。 限界です。 私も 上司に 叱られてしまいました。」

布美枝「けど 子供のミルクが…。」

電気集金人「奥さん 僕にも子供がいるんです。 もし 職務怠慢で クビになったら うちの子のミルク代は どうなります? 残念ですが 電気を止めさせて頂きます。 滞納している分を 持ってきてくれれば すぐ通電しますから だから 気を落とさないで。 ね!」

布美枝「あ… あの!」

<綱渡りのように なんとか しのいできた暮らしでしたが ここに来て とうとう 電気が止まる事態と なってしまったのです>

居間

茂「2日か3日の辛抱だ。 今 描いておるのを持っていけば そこそこ まとまった金に なるけんな。」

布美枝「はい。」

(かえるの鳴き声)

布美枝「戦争中みたい…。」

茂「ん?」

布美枝「灯火管制。」

茂「うちは まだ 戦争が続いとるんだ。 貧乏神との戦いは 厳しいが 負ける訳には いかん。」

<灯火管制でもなく 停電でもなく 我が家だけ 電気がともっていないのは さすがに 惨めな気持ちでした>

2階

布美枝「ガスも水道も止められたら あんたのミルクも作れんけんね。 それは 死守せんとね。 おばば どげしよう? お~! お話してあげようか? お母ちゃんね 子供の頃 おばばに よう お話 聞かせてもらったんだよ。 『とんと昔が あったげな』。」

回想

登志『出雲富士の赤池に住む 大きな蛇が 村の器量よりの娘にほれて 『嫁に来れば 村を水に沈め~ぞ』と言ったげな』。

回想終了

布美枝「薄暗い子供部屋で聞く おばばの話 怖くて 楽しかったな。 ん? あんたも楽しいか?」

仕事部屋

布美枝「入ります。 仕事 手伝いましょうか?」

茂「藍子は?」

布美枝「よう 寝てます。」

茂「ほんなら 頼むかな。」

布美枝「はい。」

茂「ここ 墨 塗ってくれ。」

布美枝「はい。 うわ~!」

茂「何だ?」

布美枝「お父ちゃんの漫画 ろうそくの 明かりで見ると 余計 怖い!」

茂「そげだろ? 俺も描いてて ぞくっとなった。 怪奇物は ろうそくの明かりで 描くのが ええかもしれん。」

布美枝「うわ~ 怖い! わ~ 嫌だ 嫌だ!」

茂「わあわあ 言っとらんで 早こと描け!」

布美枝「はい。」

茂「(あくび)」

布美枝「空気 入れ替えましょうか?」

茂「うん ちっと 蒸し暑いな。」

茂「おい おい! マッチ!」

布美枝「あ! あ…。」

茂「ん?」

布美枝「お父ちゃん ほら 見て下さい。 星が きれい!」

茂「あ~ ほんとだな。 梅雨の晴れ間の星空だ。」

布美枝「たまには 暗い夜も ええですね。 電気がない分 星が きれいに見える。」

茂「なら 当分 このまま 電気 止めておくか?」

布美枝「それは ダメです。 1日も早く 通電再開してもらわんと。」

茂「よし 早こと仕上げるぞ!」

布美枝「やりますか!」

<ここを しのげば なんとかなる。 状況は 最悪でしたが 布美枝も茂も まだ どこか のんきな気持ちでいました>

(雨の音)

居間

布美枝「あら どげしたの? むしむしするねえ。 梅雨は 嫌ですねえ。 今日 お父ちゃんが お金 持ってきますからね。 そしたら 電気もつくし おいしいもん いっぱい 食べようね。」

出版社

茂「うわ! ナメクジが いっぱい 這っとる。」

社長「なかなか いい出来だね。」

茂「どうも。」

社長「そしたら これ。 原稿は 頂いときます。 ご苦労さん。」

茂「あの… 原稿料は?」

社長「今 渡したでしょう。」

茂「3,000円 頂きました。」

社長「ほら 確かに払いましたよね。」

茂「はい 確かに受け取りました。」

社長「ご苦労さん。」

茂「あの…。」

社長「何ですか?」

茂「残りは どうなっとるんですか?」

社長「残りって?」

茂「いや 原稿料 1冊 3万円のはずですが。」

社長「3万円?! 今どき そんな 相場どおりの金 払うとこありますか?」

茂「それじゃ 1冊 3,000円?」

社長「少なくて悪いけど また 描いてきたら 今度は 埋め合わせするから。」

茂「3,000円では 幾らなんでも安すぎる。 3万円が無理なら 2万円 せめて半分の 1万5,000円だけでも。」

社長「しかたないなあ。 こっちも苦しいけど 頑張って上乗せして。 ほら!」

茂「500円…。 たった500円!」

社長「たった?」

茂「40過ぎた男に 500円って 子供の小遣いじゃあるまいし!」

社長「私ゃね 1日 200円でやってるんですよ! いらないんだったら 返してもらいましょう。 500円あればね 2日半 生き延びられるんですから!」

茂「もらいます。 もらっておきます。 はあ~! 貧乏神 あいつ またおる。」

水木家

居間

(雷雨の音)

茂「熱でもあるのか?」

布美枝「少しだけ。 鼻水出とるし 夏風邪ですかね?」

茂「病院 連れてかなくて ええか?」

布美枝「今日は もう少し様子を見て 明日も ようならんだったら 連れていきます。」

茂「大丈夫かな?」

布美枝「うん 熱は 上がってない。」

茂「電気代なんか 払ってくるんじゃなかったなあ。」

布美枝「え?」

茂「3,500円から たまった電気代 払ったら 病院に連れていく 車代も残らん。」

布美枝「あんなに描いて 幾らなんでも 安すぎですよね。」

茂「どこもかしこも 貧乏神に 取りつかれとるようだ。 福の神にでも来てもらわん事には もう どうにもならんな。」

布美枝「ええ。」

男「ごめんください!」

2人「来た!」

(雨の音)

玄関

茂「はい。」

(雷鳴)

大蔵省の男「私 大蔵省の物ですが。」

茂「大蔵省…?」

居間

布美枝「大蔵省だって?! ほんとに 福の神が来たんだろうか?」

玄関

茂「何の用ですか?」

大蔵省の男「実はですね この家が建っている敷地 半分は 大蔵省が管理している 土地なんですよ。」

茂「は?」

大蔵省の男「この地図を ご覧下さい。 ここの農地だった部分 遺産相続の時に 大蔵省に 現物納入されているんですよね。」

茂「はあ。」

大蔵省の男「ですから この家 半分は 大蔵省の土地の上に 建っている訳で。」

茂「すると どうなるんですか?」

大蔵省の男「大蔵省の土地の上では 困りますので やはり どいて頂かないと。」

茂「え?」

大蔵省の男「半分 どけて頂かないと。」

茂「何を言っとるんですか? 俺達に この家から 出ていけと言うんですか?」

大蔵省の男「土地を買い上げて頂くか 立ち退くしかして 頂く事になりますね。」

茂「ちょ… ちょっと 待ってくれ! こっちは そげな事 知らずに 建て売りの家を買ったんだ。 あんた 文句があるなら 不動産屋に言ったらどうだ。」

大蔵省の男「現在の家の名義は 村井 茂さんになってますから。」

茂「おい… おい! 俺達に 一家心中しろとでも言うのか?!」

大蔵省の男「私どもは ただ 法律に決められた 当然の権利を 主張しているだけです。 この土地を買い取って頂くか 出ていかれるか どうぞ ご検討下さい。 日を改めて また伺います。」

茂「…金なんかない。」

大蔵省の男「はい?」

茂「明日 来ようが 来月 来ようが 土地代を払う金なんかない! 家を取り上げるなら とっとと持っていけ! ひもでもかけて 担いで帰れ! どうとでも 好きにするがええ!」

居間

布美枝「あ… お父ちゃん…。」

茂「家を明け渡せとさ。 この梅雨空に 家を取られては かなわんな。 全く 貧乏すると ろくな事がない。 版元も不動産屋も よってたかって 貧乏人から 金をむしり取る。 不公平な世の中だ。 役人まで。 あいつら 一体 誰の味方なんだ! (舌打ち) 世の中 どうかしとるぞ。 家まで取られては もう どうにもならん!」

(藍子の泣き声)

<次々と襲ってくる 不運な出来事に 布美枝達は 追い詰められていくばかりでした>

モバイルバージョンを終了