ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第6話「ふるさとは安来」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】6話のネタバレです。

あらすじ

布美枝(佐藤未来)の母ミヤコ(古手川祐子)が、飼っていたハチに刺され、意識を失って倒れる。医者を呼びに町へと走った布美枝は道の途中で横山(石田法嗣)と出会い、彼の助けでミヤコは一命をとりとめる。家出していたユキエ(足立梨花)が戻り、縁談を取り下げた横山のことをなじる。横山が自分のせいで誤解されていることに耐えきれなくなった布美枝は、実は自分が見合い話をなしにするよう横山に頼んだのだと告白する。

6話ネタバレ

飯田家

(蜂の羽音)

ミヤコ「痛い!」

源兵衛「どげした?」

ミヤコ「また 刺されました。」

源兵衛「もう ええ。 お前は あっち 行っとれ。」

ミヤコ「ヨモギで揉んどけば 平気ですけん。」

(倒れる音)

源兵衛「ミヤコ! どげした?! どうした ミヤコ? ミヤコ!」

源兵衛「誰か! 誰か おらんのか?」

登志「あれ どげしただ?!」

源兵衛「分からん。 蜂の世話しとったら 急に倒れた。 おばば! 水! 布美枝 医者!」

布美枝「…。」

源兵衛「何しとる! 田村医院の先生 呼んでこい。 急げ!」

布美枝「はいっ!」

田村医院

(玄関の戸をたたく音)

看護婦「先生 往診に行っとられるわ。」

布美枝「往診 どこに行ったんですか?」

看護婦「安田だけど。」

布美枝「安田…。」

看護婦「フミちゃん。」

道中

布美枝「お母さんが お母さんが 死んでしまうだ!」

(鳥のさえずり)

布美枝「お母さん。 あっ! お母さんが 死んでしまう。 先生 どこ…? 田村先生 おらっしゃ~かね!」

村人1「あの子 どげしただ?」

村人2「どこの子だ?」

布美枝「田村先生 呼んでごしない。 お母さんが…。」

信夫「あれ? わ~は飯田さんとこの…。」

布美枝「あ…。」

信夫「その恰好… どごした?」

布美枝「田村先生 どこにおるの?! お母さんが お母さんが 死んでしまうが!」

信夫「わし 先生と先に行くぞ。」

うなずく布美枝

布美枝「お母さん。」

飯田家

<ミヤコの急な失神は 蜂に刺された ための ショック症状でした。 手当が遅れていれば 命が危なかったそうです>

登志「おかげさんで 命拾いしました。」

信夫「この子が 一生懸命に走ってきたけん 間に合ったんですわ。 遠いとこ 一人で よう走ったな。」

登志「ほんとに偉かったな。 ただ もう おかしなご縁でございますな。 破断になったものを また こげな事でお世話になるなんて。」

ユキエ「ただいま戻りました。」

登志「ユキエ…。」

布美枝「お姉ちゃん…。」

輝子「やっと 戻る気に なったけん 連れてきたわ。 お見合いの人 急に 断り言ってきたんだってねえ? こっちは 大騒ぎになっとった いうのに 勝手な話だわ。」

ユキエ「ほんね。 振り回されたこっちが ダラみたい。」

登志「あ…。」

ユキエ「どげしたの?」

信夫「ほんなら わしは こうで。 おっ母(か)さん 大事にさっしゃって。」

布美枝「あ あの…!」

ユキエ「今の どなたさん?」

登志「それが 横山さんなんだわ。 安田の…。」

2人「ええっ?!」

ユキエ「見合い断ってきた人が 何で ここにおるの?」

輝子「まさか もう一遍見合い申し込んできた訳じゃないでしょうね?」

ユキエ「嫌だ! ずうずうしい。」

輝子「それとも 言い訳でも しに来たんですか?」

登志「いやいや そうではなくて…。」

ユキエ「そげな人と見合いせんで ほんとによかったわ。」

布美枝「違うよ!」

ユキエ「何? 大声出して。」

布美枝「あの人 ええ人だよ!」

輝子「布美枝 何言うとるの?」

布美枝「私が頼んだんだよ。 姉ちゃんと見合いせんでって 私が 横山さんに言ったんだが。」

ユキエ「えっ?」

登志「何の話だ?」

布美枝「姉ちゃんに 戻ってほしかったけん。 見合いの話がなくなれば お父さんと仲直りできると 思ったけん… 見合い 断って下さいって あの人に言ったの。」

ユキエ「布美枝。」

布美枝「だけん ほんとは あの人 ちっとも悪くないの…。 ええ人なんだよ。 卵もくれた。 お母さんのために お医者さん おぶって走ってくれた。 私が 勝手に頼んだ事も 黙っててくれたよ…。 ええ人なのに… 私。」

道中

布美枝「横山さん! ごめんなさい! ひどい事 頼んで ごめんなさい。 嘘つかせて ごめんなさい。 本当に ごめんなさい!」

飯田家

寝室

ユキエ「ただいま戻りました。」

源兵衛「ああ…。」

ユキエ「看病 代わりますけん。」

源兵衛「ええ。 わしが見る。」

ユキエ「けど…。」

源兵衛「わしが 付いとる。 心配は いらん。」

ユキエ「お父さん すんませんでした。」

源兵衛「ああ…。 あんまり 勝手するなよ。」

ユキエ「はい。」

ミヤコ「お父さん。」

源兵衛「うん?」

ミヤコ「今 歌 歌ってました? 『安来節』。」

源兵衛「いや… 歌っちょらん。」

ミヤコ「ほんなら 夢でしょうか?」

源兵衛「お前の夢の事が わしに分かる訳ないが。」

ミヤコ「そげですね…。 お父さん。」

源兵衛「うん?」

ミヤコ「祝言の日に 私 初めて お父さんに会ったでしょ?」

源兵衛「ああ。」

ミヤコ「本当は あの晩 親の家に逃げて 帰ろうと思っとったですよ。 お父さんが 恐ろしくて 私が ず~っと黙ってたら お父さん 『安来節』 歌ってくれましたね。」

源兵衛「そげだったかな?」

源兵衛♬『名の出たところ』

源兵衛 ミヤコ♬『社日桜(しゃにちざくら) 十神山(とがみやま)』

ユキエ「驚いた。 2人で歌っちょ~な。」

布美枝「うん。 お父さん 付きっきりだね。」

ユキエ「うん。 お母さん あれで 結構 幸せなのかもしれんな…。 フミちゃん。」

布美枝「うん?」

ユキエ「だんだん。 あんたが うちにおってくれて よかった。 ほんとに助かったわ お父さんも お母さんも 私も…。」

布美枝「姉ちゃん…。」

(2人の笑い声)

<それから間もなく 横山さんと ユキエは 改めて 見合いをする事となり 慌ただしく 結婚が決まりました>

居間

源兵衛「娘の祝言に 紋付きも着れんとはな。」

ミヤコ「派手な事は いけんて 朝会からのお達しですけん。」

源兵衛「そげな事 言われんでも 分かっちょ~わ!」

ミヤコ「すみません。」

2階

布美枝「姉ちゃん ちょっと いい? うわ~っ きれい! そろそろ 出発しますって。」

ユキエ「これ フミちゃんにあげる。」

布美枝「ええの?」

ユキエ「これからは フミちゃんが 裁縫上手になって みんなの物 縫ってあげてね。」

布美枝「うん。 これは? ずっと大事にしとったのに。」

ユキエ「それも あげる。 私は もうええの。 モロッコまで行かんでも ええ人が見つかったけん。 フミちゃんが 連れてきてくれたんだよ。」

布美枝「私が?」

ユキエ「安田から来たけん ゲーリー・クーパーとは 程遠いけどな。」

玄関前

克江「きれいなお嫁さんだね。」

留蔵「おめでとう!」

一同「おめでとう!」

ユキエ「うちの事 頼むね。」

布美枝「うん。」

(拍手)

源兵衛「そげだ。 これからは お前が しっかりせにゃいけんぞ。」

布美枝「はい。」

源兵衛「幾つになっても 弱虫でいけんと思うとったが いざという時に がいな力が 出るようになったな。 頼りにしちょ~ぞ 布美枝!」

布美枝「えっ? お父さんが 私を 頼りに…?」

登志「おばばもだ。 おばばも 布美枝を頼りにしちょう!」

布美枝「何で? 私なんて 頼りにならんよ。」

登志「いや いつもは おとなしくて 目立たんけど 布美枝には 力があるけん。」

布美枝「力…?」

登志「人のために 一生懸命になる力。 家族と一緒に頑張る力。 目には見えんけど 布美枝には ちゃんとある。」

布美枝「見えんけど ある…?」

<内気で 引っ込み事案で ぱっとしない自分でも 頼りにしてくれる家族がいる。 その思いは 小さな自信となって 布美枝を勇気づけてくれたのです>

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