ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第8話「ご縁の糸」

連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」】8話のネタバレです。

あらすじ

縁談が舞い込んだ布美枝(松下奈緒)は、農家に嫁いだ姉・ユキエ(星野真里)の幸せそうな姿に自分の未来の結婚を重ね合わせ、結婚への夢をふくらませていた。しかし、布美枝の背の高さが客相手の商売にはさしつかえると、先方の和菓子屋から嫌われてしまい、縁談は不成立に終わる。落ち込む布美枝に祖母の登志(野際陽子)は「いずれ一緒になる人とは、ご縁の糸でちゃんとつながっている」と優しい励ましの言葉をかける。

8話ネタバレ

飯田家

布美枝「縁談か~。」

<突然やって来た 初めての見合い話に おくての布美枝も 胸の高鳴りを覚えたのです>

想像

布美枝「いつもどうも だんだん!」

若主人「フミちゃん。」

布美枝「は~い!」

若主人「フミちゃんてば。」

布美枝「はい。」

想像終了

チヨ子「フミちゃんてば!」

布美枝「えっ?」

チヨ子「先生が呼んどるよ。」

布美枝「あ…。」

桜井「そう。 家の都合じゃ しかたないわね。」

布美枝「やらせて頂いても 続けられるかどうか わからんですけん。」

桜井「残念ね 飯田さんに 手伝ってほしかったけど。」

布美枝「すいません。」

桜井「他の人 探してみるけど 事情が変わったら 言ってね。」

布美枝「はい あ~がとうございます。」

節子 松代「おめでと!」

布美枝「ん?」

松代「お見合いするんだって?」

節子「ええ人なんだって?」

布美枝「言わないって 約束したのに。」

チヨ子「ヘヘッ!」

節子「先 越されるの 悔しいけど 応援するね。」

布美枝「ちょっと 待って。 まだ 何も 決まっちょらんのよ。」

チヨ子「へえ~。 だったら 何で 先生の助手の話 断ったかね。」

布美枝「それは… だけん。」

チヨ子「続けられるか 分からんて どげな事?」

布美枝「えっと…。」

チヨ子「ほら すっかり お嫁に行く気だわ。」

(ひやかす声)

桜井「そこ! 静かに!」

飯田家

源兵衛「おい ええのが残っとったぞ!」

ミヤコ「どげしたんです?」

源兵衛「蔵の中に ほれ! 豆どけろ 豆! 呉服屋時代に 扱っとった中でも 最上級だけん。」

ミヤコ「どげするんです?」

源兵衛「見合い用の着物 こしらえな いけんだろ。 日取りが決まってから 慌てんように 今から縫っちょけ。」

登志「ああ 確かに ものは ええね。」

源兵衛「こっちのは 嫁入りの時に 持たせてやったら ええが。」

登志「だども 売れ残りいうのは 縁起が悪いがね。」

ミヤコ「そげですねえ。 売れ残りは。」

登志「売れ残りはな。」

源兵衛「つまらん事 言うな!」

横山家

ユキエ「よう 縫えとるね。 ありがとう!」

布美枝「古い着物の仕立て直しだが。」

ユキエ「助かるわ もう 毎日あれだけん。 お見合いの話 お父さん 張り切っとるんだって?」

布美枝「うん。 着物は あ~せえ。 写真は こ~せえ。」

ユキエ「相変わらずだ。」

布美枝「うん。 でも… ほんとに ええのかな。」

ユキエ「何が?」

布美枝「アキ姉ちゃんは 旦那さんの転勤で 東京 行ったきりでしょ。 いずみは まだ 子供だし。 おばば 近頃 めっきり 弱っとる。」

ユキエ「家の事 心配しとるの?」

布美枝「うん お母さんのリューマチも よくないけん。」

上の子「叔母ちゃん 何しに来たかや?」

下の子「何しに来たかや?」

ユキエ「あんたらの服 作ってくれたんだよ。」

上の子「お菓子じゃねえか。 ちぇ!」

下の子「ちぇ!」

ユキエ「こら!」

布美枝「ごめんね。 今度 來る時は お菓子 持ってくるけんね。」

上の子「約束だよ!」

下の子「約束だよ。」

ユキエ「あんたら うるさい。 もう 裏で遊んどいで!」

2人「は~い!」

ユキエ「男の子は やんちゃで かなわん!」

布美枝「元気で ええわ。」

ユキエ「家の事は 私も 手伝いに行くけん。 気にせんで 嫁に行けばええよ。」

下の子「お母ちゃ~ん!」

ユキエ「また 始まった。 ちょっと 待っとって! あ 野菜 持ってく? 荷物になるけど。」

布美枝「うん。 お姉ちゃん 幸せなんだあなあ…。」

飯田家

玄関

ミヤコ「布美枝には まだ 言わんでね。 折を見て 私から話をするけん。」

輝子「ほんとに すんません。」

玄関前

布美枝「あれ? 叔母ちゃん? お見合いの日 決まったのかな?」

居間

布美枝「お父さん? おらんわ…。 ねえ ねえ ねえ いずみ! その本 安来の叔母ちゃんが 持ってきたの?」

いずみ「さっき お土産にくれた。」

布美枝「やっぱり。 ねえ お見合いの話 しとらんかった?」

いずみ「しとったみたい。」

布美枝「いつになるって 言っちょった?」

いずみ「知らん。」

布美枝「もう! 役に立たんなあ。」

想像

若主人「フミちゃん。」

布美枝「は~い!」

想像終了

布美枝「いよいよかあ…。」

布美枝「野菜 もらってきたよ~。」

ミヤコ「はっ! あんた 何で おるの?! ユキエのとこで 晩ご飯 食べてくる 言うちょったが。」

布美枝「ああ! いろいろ もらったけん ご飯作ろう 思ったんだが いけんだった?」

ミヤコ「あ… 魚! 魚がないけん 前の魚八(うおはち)行ってくるけん。」

布美枝「ああ。 私 行ってくるよ。」

ミヤコ「ええけん!」

布美枝「変だわ~。」

源兵衛「おい ミヤコ! この着物 片づけてしまえ。 見合い用の着物を 残り物の反物で 縫ったのが いけんかったかもしれん。 布美枝には 先方には 決まった相手が おったと言うんだぞ。 断られた ほんとの訳は 言ったら いけんぞ。 布美枝が くよくよ するけんな。 背が高くて断られたとは 言うなよ! おい ミヤコ! ミヤコ! おい 聞こえとんのか? 返事しぇ。」

ミヤコ「はい 何ですか?」

源兵衛「はっ! お前 帰っとったんか?」

居間

源兵衛「古い和菓子屋だけん 客を見下ろすほど 背が高くては いけんと言うそうだ。 そげん言ってきたものは しかたがない。 この度の事は 忘れてしまえ。 ええな?」

布美枝「うん… 分かった。 もうええよ。 晩ご飯の支度 せんとね。」

ミヤコ「輝子が いけんがね。 釣り書きも交換せんうちから 調子のいい事 言うけん。」

夕食

布美枝「姉ちゃんとこの下の子 面白いよ。 生意気盛りいうのかな 何でも 兄ちゃんのまねするんだわ。」

ミヤコ「ほ~う! そげかね。」

布美枝「うん。 いずみ。 この間 言ってた マント 何色がええ? 今度 縫ってあげるわ。」

いずみ「何か ええ事あったの?」

布美枝「ん?」

いずみ「姉ちゃん 楽しそうだけん。」

(戸の開閉音)

貴司「ただいま!」

ミヤコ 登志「ああ お帰り!」

貴司「おう 安来の叔母ちゃん 来たか! 姉ちゃんの見合いの日 決まったかね? しかし『にしきや』に嫁に行ったら 毎日 和菓子 食えて ええよな! 姉ちゃん 食い過ぎんなよ! その背で太ったら 相撲取りになるけん。 釈迦ヶ嶽雲衛門(しゃかがだけくもえもん)…。」

源兵衛「だら! お前は 黙っとれ。 飯食え!」

布美枝「ええよ 貴司は 知らんのだけん。 お見合い せん事になったの。」

貴司「えっ…。」

布美枝「する前に 断られた 相撲取りで言ったら 不戦敗だわ。」

貴司「何で?」

布美枝「釣り書き見て 驚いたとね。 私が あんまり背が高いけんね。 女の のっぽは いけんね。」

ミヤコ「何 言うちょ~! ミス・ユニバースで 3位になった 伊藤絹子さん 見てみ! あの人 布美枝と同い年で 背も すら~っと 高いよ。」

貴司「八頭身美人 いうんだよな。 これからは 背が高い方が 世界に通用するぞ。」

布美枝「世界では よくても 安来では 通用せんが。」

安来洋裁学園

桜井「もう少し早く 言ってくれたら よかったのに。 助手になる人 昨日 決まってしまったわ。」

布美枝「あ そげですか?」

桜井「残念だけど。」

布美枝「ええです。 勝手言って すいませんでした。」

チヨ子「フミちゃん また 猫背になっとるよ。」

布美枝「あ いけん いけん。 ついつい 背を低く見せようとして。」

チヨ子「まだ 引きずっとるね お見合いの事。」

布美枝「そんなすぐには 吹っ切れんわ。」

チヨ子「昔から 電信柱とか 日陰の菜っ葉とか からかわれては傷ついとったけん。」

布美枝「それを言わんでごしない。」

チヨ子「いっぺん 断られたくらいで 気にする事ないよ。 次は もっと ええ話が来るわ。 かえって よかったかもしれんよ。 フミちゃん 家の事 心配しとったんだし。」

布美枝「うん。 私がおらんと うちも まだ 手が足りんけんね。 よし! もうしばらく 酒屋の看板娘で 頑張るか!」

飯田家

回想

源兵衛「客を見下ろすほど 背が高くては いけんと言うそうだ。」

回想終了

想像

若主人「フミちゃん!」

布美枝「は~い!」

想像終了

登志「布美枝 あ ちょっと おいで! これ お前に あげるわ。 嫁入り道具に 持っていくとええ。」

布美枝「何 言っちょ~ね? 私 断られたんだよ。 お嫁には 行かん。」

登志「いずれは行くんだけん その時まで しまっといたら ええよ。 今のうちに 渡しとかんとな おばばも年だ。 いつ どげんなるか 分からん。 どげした?」

布美枝「もらってくれる人 どこかにおるんかな?」

登志「ハハハ! 何 言っとる?」

布美枝「女の背が高いのは やっぱり いけん。 会っても もらえんだけん。 釣り書きだけで 私 落第したよ。」

登志「それは違うな。 落第したのは『にしきや』さんだわ。 背がどうの言って 会ってみようともせん相手なら お前の嫁入り先としては 不合格だて。 落第だ。」

布美枝「おばば…。」

登志「今回は ご縁がなかった それだけの事だが。 一緒になる人とは きっと ご縁の糸で結ばれとるよ。」

布美枝「ご縁の糸。 そげなもの ほんとに あるんかな? 結んであるの 見た事ないけんね。」

登志「見えんでもある。 ちゃんとあるよ。 この世には 目に見えんもんが たくさんあるけん。 子供の頃の 布美枝は その事 よう知っちょったよ。」

布美枝「おばば…。」

登志「これはな おばばが嫁に来る時に 母親からもらったもんだ。 紅のサンゴ玉は 良縁のお守りだ言うてな。 お前に あげようと思って ず~っと 取っておいたんだ。 はい。! よい ご縁がありますように。」

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