ドラマダイジェスト

連続テレビ小説「花子とアン」第104回「涙はいつか笑顔になる」【第18週】

あらすじ

花子(吉高由里子)の尽力で、出産後初めて息子との対面を果たした蓮子(仲間由紀恵)。涙ながらに我が子を抱く蓮子だが、園子(村岡希美)によってすぐに乳母の元へ戻されてしまう。その仕打ちに花子は怒り、蓮子に「親子三人で暮らす日を諦めないで」と励まし、葉山家を後にする。花子の報告を聞いた龍一(中島歩)は、妻子と再会できた時のため、英治(鈴木亮平)から父親としてのある手ほどきを受けることに…。

104ネタバレ

葉山邸

花子「まあ… なんて かわいらしい赤ちゃんなの!」

<葉山家に幽閉されている蓮子に 花子は ようやく会う事ができました。>

蓮子「純平… お父様が付けて下さったのよ。 すてきな名前ね。 純平…。」

園子「さあ もう よろしいでしょう。」

蓮子「お願いします。 もう少しだけ…。」

園子「連れていってちょうだい。」

花子「ちょっと… 待って下さい。」

「申し訳ございません。」

園子「乳母が育てるのは 華族の家のしきたりです。」

蓮子「純平!」

園子「早く連れていきなさい! あなたも もう お帰り下さい。」

花子「蓮様…。 私 こんなの許せないわ! 赤ちゃんを 母親から取り上げるなんて!」

蓮子「はなちゃん もういいの。」

花子「そんな…。」

蓮子「あの子を この腕で抱けただけで十分よ。」

花子「蓮様…。」

蓮子「少しの間だったけれど 龍一さんのそばで生きられて… はなちゃんも 近くにいてくれて… 私は 本当に幸せだったわ。 何より 無事に 純平が生まれてきたんだもの! これ以上の幸せを望んだら きっと 罰が当たるわ。」

花子「今度こそ幸せな家庭を作るって 蓮様 言ってたじゃない。 龍一さんは 親子3人で暮らす日のために 弁護士の勉強を頑張ってるわ! 蓮様も もっと強く気持ちを持って。 『女は弱し されど 母は強し』よ。 もし 希望を見失いそうになったら 想像の翼を広げてみて。」

蓮子「え…?」

花子「親子3人で幸せに暮らす日の事を 思い浮かべるの。 3人で どんな家に住みたい? 2人に どんな ごちそうを 作ってあげたい? 龍一さんは きっと 頼もしいお父さんになるわ。 蓮様は おっとりしていて 優しくて 純平君がいたずらしても 『いけませんよ』って叱りながら 笑ってるの。」

蓮子「夢のようだわ…。 そんな日が 本当に来るのかしら。」

花子「夢は 諦めた時に 消えてしまうのよ。 決して諦めないで。」

(ドアが開く音)

園子「あなた まだいたんですか。」

花子「いつまで 蓮様を ここに 閉じ込めておくおつもりですか? 一日も早く 蓮様を自由にしてあげて下さい。 お願いします! じゃあ… 蓮様 ごきげんよう。」

蓮子「ありがとう はなちゃん…。 ありがとう…。」

村岡家

居間

花子「蓮様 純平君と 離れ離れにされていて…。」

龍一「そうですか…。」

醍醐「蓮子様 かわいそう…。」

花子「でも 純平君は 元気でしたよ。 すっごく大きな声で 泣いていました。」

龍一「泣いてたんですか?」

花子「ええ! もう お屋敷中 響き渡るぐらい 大きな声で。」

龍一「そんなに泣くなんて… 純平は 大丈夫なんですか!? どんな ひどい扱いを 受けてるんです!?」

花子「いえ… ですから 純平君は 平気ですって。」

かよ「赤ちゃんは 泣くのが 仕事みてえなもんですから。」

英治「そんなに大きな声で 泣いてたなんて 丈夫な証拠ですよ。」

龍一「そういうもんですか…。」

花子「安心して下さい。 乳母の方が きちんと お世話を なさっていたようでしたから。」

龍一「それなら いいんですが…。」

郁弥「宮本さん 心配し過ぎですよ。 Don’t worry.」

(歩の泣き声)

花子「歩? どうしたの?」

(泣き声)

英治「ああ おしめだな。」

花子「おしめ。」

英治「え~ おしめというのは 赤ん坊にとっては 非常に迷惑なものです。 だから おしめを外すと その解放感から…。 あっ すいません! こういう事もあるからと 注意しようと思ったんですが 遅すぎましたね! すいません! 大丈夫ですか?」

龍一「はい。 あの… よく分かりました。」

(ぐずる声)

かよ「こうやって 気を引くといいですよ。」

(でんでん太鼓の音)

かよ「ほら 歩~! これ 何ずらね? お願いします。」

郁弥「はい。」

かよ「よいしょ。 前を厚くするです。」

郁弥「ワ~オ。 かよさんは ベイビーの世話も 手慣れたものですね。 理想のお嫁さんだ。」

(歩の声と笑い声)

醍醐「かよさんと郁弥さん 何だか 最近 いい雰囲気よね。」

花子「そうね。」

醍醐「今日はね はなさんに報告があって お邪魔したの。」

花子「報告?」

醍醐「私 実は今 蓮子様の事を 生い立ちから ずっと 調べているの。 彼女が これまで どんな思いで生きてきて なぜ 駆け落ちという道を 選んだのか 何時か 記事にしたいと 思ってるの。」

花子「醍醐さんなら きっと すばらしい記事を書けるわ。」

醍醐「ありがとう。 はなさんにも取材させてね。」

花子「てっ… 私も?」

醍醐「お願いね。 じゃあ これで失礼するわ。 宮本さん。 また改めて 蓮子様とのなれ初めを 聞かせて下さいね。」

龍一「ああ いや それは…。」

醍醐「では 皆さん ごきげんよう。」

一同「ごきげんよう。」

花子「お気を付けてね。」

英治「さあ もう一度 練習してみよう。」

龍一「あっ はい。」

道中

郁弥「蓮子さんと純平君の様子が 分かって よかったですよね。」

かよ「ええ。」

郁弥「それにしても かよさんは 料理上手な上に ベイビーの世話まで手慣れてて… かよさんと結婚する男は 幸せだな。 あの… 結婚したら 子ども 何人ぐらい欲しいですか?」

かよ「てっ…。」

郁弥「僕は いっぱい欲しいんですよ。 フットボールチームが作れるといいな。」

かよ「ほれは 何人くらいなんです?」

郁弥「11人です。」

かよ「てっ! 11人!?」

郁弥「…なんて 勝手な幻想ですけど。」

かよ「いいと思います。」

郁弥「えっ?」

かよ「11人もいたら にぎやかで 楽しいじゃんね きっと。」

郁弥「かよさん…。」

かよ「郁弥さん 送ってくれんですか?」

郁弥「Of course! 送ります。 送りますとも!」

吉太郎「かよ。」

かよ「てっ? 兄やん!」

郁弥「お義兄様! どうも。 かよさんを こぴっと おうちまでお送り致します!」

かよ「お姉やんのとこに来たずら? 早く行けし。」

吉太郎「ああ…。」

かよ「てっ…。」

郁弥「はあ…。」

2人「びっくりした。」

(笑い声)

村岡家

居間

吉太郎「これ 歩に。」

花子「てっ! これ 兄やんが作ったの?」

吉太郎「うん。」

花子「ありがとう!」

英治「よかったな 歩!」

花子「見て~! 歩!」

英治「お風呂に浮かべて遊ぼっか。 ねっ。 よし 入れてくるよ。」

花子「うん お願い。」

英治「どうぞ ごゆっくり。 よし 行くぞ~。 ポッポ~!」

花子「あっ 兄やん。 蓮様が元気な男の子を産んだだよ。」

吉太郎「ほうか。」

花子「ずっと言おうと思ってたけんど あん時 蓮様の居場所を教えてくれて ありがとうごいした。」

回想

花子「兄やんの字…。 ここに蓮様が?」

回想終了

花子「でも… どうして 蓮様の居場所 分かったでえ? 兄やん 宮本龍一さんの事も知ってたら?」

吉太郎「実は 職務で ずっと 宮本龍一の事を調べてただ。」

花子「てっ…。 宮本さん 何か悪い事したの?」

吉太郎「いや… ただの人違えだっただ。」

花子「ほう…。」

吉太郎「ほうか…。 蓮子さん お義母さんになっただか…。 ほうか…。」

葉山邸

回想・花子「もし 希望を見失いそうになったら 想像の翼を広げてみて。」

村岡家

<美しい月に 蓮子の幸せを祈る 吉太郎と花子でした。 ごきげんよう。 さようなら。>

モバイルバージョンを終了