あらすじ
はな(山田望叶)が提出した課題の手紙は、なんと最高得点を取り、皆の前で読みあげられることになる。それはまるでラブレターのような文面で、読み進められるうちにスコット先生(ハンナ・グレース)はなぜか顔色が悪くなり、退出してしまう。それを見て動揺するはな。教師たちは手紙を称賛するが、富山(ともさかりえ)は本当にはなが書いたのかと疑い、この場で英語でスピーチをするよう求める。追いつめられたはなは…。
11回ネタバレ
修和女学校
廊下
はな「富山先生! これ お願えしやす!」
富山「あら 間に合ったんですか。」
はな「お願えしやす!」
富山「分かりました。 ブラックバーン校長に 読んで頂きましょう。」
<はなは 落第寸前でしたが なんとか課題を書き上げて 提出しました。 それにしても A B Cを覚えたばかりの はなが どうして 英語の手紙を書けたのか。 少し嫌な予感が致します。>
校長室
富山『失礼します 生徒の手紙です 採点をお願いします』
ブラックバーン『楽しみです』
食堂
茂木「英語の課題 全員無事に 提出できたそうですね。 ほっとしましたよ。 一番心配だったのは あなただったけど よく頑張りましたね。」
教室
ブラックバーン「(英語でのあいさつ)」
一同「(英語での挨拶)」
富山「2学期の課題の結果を 発表します。 このクラスは… 全員 合格。」
一同「やった~!」
富山「一番点数が高かったのは… 安東はなさんのお手紙です。」
一同「えっ!?」
(どよめき)
ブラックバーン『Everybody.』
富山「これから ブラックバーン校長が 皆さんの前で そのお手紙を読んで下さいます。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『親愛なる ブラックバーン校長先生へ。 私が どれぐらい 先生を愛しているかを 申し上げるために お便りにしようと思います』。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『私は 先生に永久に お仕えしようと思っております』。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『あなたは 大変 美しい』。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『あなたに出会ってから あなたを思わなかった日は 一日もありません』。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『私は 一日中 あなたの事を思っております』。」
ブラックバーン「(英語)」
富山「『親愛なる あなたへ おやすみのキスを贈ります』。」
生徒たち「キス~!?」
ブラックバーン「(英語)」
茂木「スコット先生 どうかなさいました?」
スコット『急に気分が… 失礼します』
富山「『愛を込めて。 花子』。」
『すばらしい手紙だわ』
『あなたは 小さな詩人ね』
綾小路「校長先生への 敬愛の気持ちがあふれてます。」
(拍手)
ブラックバーン『すばらしい、でも 本当にあなたが 書いたのですか?』
富山「私も とても信じられません。 本当に あなたが書いたんですか?」
ブラックバーン『はな、答えなさい』
富山「答えなさい。 あなたの貧弱な英語力で なぜ この完璧な英文が書けたのか。 何か 不正を したんじゃないんですか?」
「不正?」
「不正?」
「不正?」
茂木「富山先生 そこまで決めつけなくても…。」
富山「もう一度 聞きます。 これ 本当に あなたが書いたの?」
はな「はい。 鉛筆で書えたのは おらです。」
富山「確かに あなたの字のようですね。 じゃあ 今 ここで 英語の スピーチをして下さい。」
はな「えっ?」
富山「あなたは 金曜日の イングリッシュ スピーキング デーも 外国人の先生たちから 逃げてばかりいましたよね。 もし 本当に これだけの文章が書けるなら 英語で 何か しゃべって下さい。」
ブラックバーン「Speak English, Hana.」
はな「グッド モーニング。 グッド アフタヌーン。 グッド イブニング。」
富山「それは お父さんから習ったんでしたね。 その3つ以外には?」
はな「え…。 あ… あ…。」
はな ♬『(英語で)この海は広すぎて 私には渡れません 大空を舞う羽もありません どうか ふたりが乗れる小舟をください ふたりで漕いでゆきます 愛する人と私で 愛は力強く とても優しい 愛の始まり それは輝く宝石 なのに時が流れ 冷たい氷となり やがて消えてしまう 朝露のように』
茂木「すごいわ はなさん!」
(拍手)
ブラックバーン「Hana.」
ブラックバーン『ごめんなさい ありがとう すてきな手紙を よく出来ました』
(拍手)
ブラックバーン「Well done!」
<こうして はなは 落第の危機を 切り抜けたのですが…。>
スコットの部屋
<その陰で 激しく傷ついてる人が いたのです。>
給湯室
醍醐「はなさん ずるいわ。 あんなに英語がお上手なのに 隠してたなんて。」
一条「学校中 大評判ですよ。 英語の課題で 最高点を頂いたそうね。」
白鳥「『能ある鷹は 爪を隠す』と 申しますけれど あなたが鷹とは 驚きました。 人は 見かけに よらないものですね。 ホホホホホ!」
茂木「さあ お茶が入りましたよ。」
一同「はい。」
はな「おら… 失礼しやす。」
講堂
はな「神様。 おら とんでもねえこんしちまった…。」
回想
はな「何でえ こりゃあ。 何て書えてあるずらか? 手紙みてえだな。」
<はなは わらにもすがる思いでした。 まさか それが恋文とは 思ってもみなかったのです。>
回想終了
はな「あれは スコット先生が 大切な人に書えた手紙で あの歌も 大切な人を思って歌ってただ。 おら 取り返しのつかんこんしちまった。 神様 どうしたらいいずらか? 教えてくりょうし。」
スコットの部屋
醍醐「スコット先生。 お掃除に参りました。 スコット先生。」
富山「今日は お掃除は しなくていいそうです。」
はな「あの… スコット先生は…。」
富山「体調を崩されてしまって。」
食堂
茂木「スコット先生 食事も喉を通らないなんて どうかしたのかしら。」
富山「さあ。」
安東家
居間
朝市『おかあ 元気け。 おらは やっとこさ 学校に慣れたけんど あんまり元気じゃねえ。』
ふじ「えっ?」
朝市『人の心を傷つけちまっただ。 言葉が分からんって 恐ろしいこんだ。 ほのせいで 優しいスコット先生を 傷つけちまっただよ』。
朝市『謝りてえけんど おら 英語が まるっきし しゃべれんし どうしたらいいだか 分からんで。 こんなこんになるなら 落第になった方が よっぽど よかったさ。 おかあ おら どうしたらいいずらか?』。
ふじ「はな…。」
朝市「おばさん! はなが大変じゃん! すぐ 返事書くじゃんけ!」
ふじ「ふんだけんど おらも 何て言ってやったらいいだか…。」
周造「そうさな…。」
修和女学校
寄宿舎
はな「スコット先生! スコット先生 ごめんなさい! おら ずっと謝りたかったですけんど…。」
はな「先生の部屋を掃除してて ごみ箱に落ちてた 紙っぺらを見たら 英語が書えてあったから おら それを 丸写しにおしちまったです。 落第したくなくて ほのこんで 頭がいっぺえで おら とんでもねえこんしちまった。 ごめんなさい!」
<言葉が通じないのは 分かっていながら 謝らずにいられない はなでした。>
はな「ごめんなさい!」
富山「安東はなさん。 今の話は 本当ですか? 答えなさい。」
<おお~怖い。 ごきげんよう。 さようなら。>